いつも読んでくださっている方々、本当にありがとうございます。今回、この小説の総合評価が1000を突破しました!よっしゃーー!!!おらぁぁぁ!!本当にただ思いつきで書いてるこの作品がここまで来れるとは思ってもいませんでした。作者は果報者なのです。これからも楽しんでいただけるように頑張ります。よければ感想、評価、お気に入りお願い致します!目指せ総合評価1500!!では、本編をどうぞ!
う、う〜ん。
あれ?ここは?私は確かかぐやと出掛けてたはず……なぜに家?
……そうだ。私は倒れちゃったのか。家……かぐやが運んでくれたのかな?それになんかいい匂いする……ってやば!!
「やばっ!バイト!!」
「彩葉!!起きちゃだめ!もう休んで〜!」
「そうですよ。貴方の言うバイトの雇い主はここにいますしね」
「えっ先生?何でここに……」
「あっ不法侵入では無いので通報はしないでくださいお願いします!!」
私が目を覚ましたことを知ると、かぐやと先生がいた。先生は不法侵入ではないことを必死に弁明しているが、別にそんなことしなくていいのに
何より、今一人じゃない。その事が何より安心する
「そだ!病院、病院行こ!一緒に!」
「……お金かかるからヤダ」
「そんなもん、かぐやに任せとき!!」
「私もいるので、そこは悪しからず」
「でも……全部ギリギリで予定組んでるから、何日も休んだら……もう、追いつけないよ……奨学金も……出ないかも」
お母さんが昔言ってた。『無理は怠け者の言い訳や。私は私が出来たことしか言うてへんよ』。
お母さんならきっとこの状況でも体調を崩すなんてヘマはしなかっただろう。お母さんなら、こんなギリギリの状況になったりしないだろう
そんな私をみてかぐやが言った
「何で彩葉は、そんなに頑張らないといけないの?かぐや、いっぱい無理言っちゃったし……彩葉死んじゃヤダ〜!!」
「そんな大袈裟な……」
「大袈裟じゃありませんよ。現に貴女は倒れた。もしよければ私に貴女のその執着、その理由を教えてくれませんか?」
「……いえ、人に言うような内容じゃ無いので……」
「そうですね…、なら言葉を変えます。──言いなさい。貴方に溜まった疲労を。それがいい物だろうと、悪い物だろうと、吐き出せば少しは軽くなりますよ」
「……」
この時の先生の顔は、今まで見慣れて来た顔なのに、いつもと違う、いつもしている薄い笑みも取った真剣な顔だった
それを見た私は、どうやっても逃してくれないことを悟った、そこから私は、話し始めた。途中途切れ途切れで拙かったと思うけど、それでも二人とも真剣に聞いてくれた
そして、先生は口を開いた
「母、ですか」
「はい、お母さんはこれくらいのことは当たり前に出来ていたんです。なら、私もこのくらい乗り越えないと……」
「して、酒寄さん。貴方は母と自分を重ね、母になろうとしている。では、一つ聞きましょう。貴方は母になったとして、どうしたいのですか?」
「え、どうって……えっと……」
どう、そんな事考えたこともなかった。私は最初から、お母さんの背中を追っていればいつかは立派な人間になれる。私のゴールは最初からお母さんなんだ、と。そう思っていたから
「いいですか。他者に憧れ、それを追い求める。それ自体が悪とは言いません。人間とはそんなものですよ。しかし、他者に
「何も、残りません」
「他者を望み、憧れ、焦がれ、自身の目にあんなに輝いて見えたものでも、それを手にするまでに自身を見失ってくる。そうしていざ他者になれた時、手元にあるものが霞んで見えてくる。そしてまた、他者が輝いて見える。それの繰り返し。」
「そうしている内に自身と他者の境界が薄くなってくる。そしてだんだん、自分が何者だったのか、何を求めていたのか、何を成したかったのか、そんな事すら分からなくなる。……魂の色が分からなくなる。当然です。もうすでに自分と言える物は何一つ手元に残っていないのだから。それは『虚』ですよ」
「………」
私は、その後少し黙ってしまった。『先生に何がわかるんだ』『先生には関係のないことだ』そう言い切ってしまえば、楽なのかと一瞬でも思った
でも、それは長くは続かなかった
先生の言葉が口先だけじゃない、確かな重みがあったから。その言葉を紡ぐまでにどれほどの事を経験して来たのか、その一片、ほんの一片だけど見えた気がしたから
でも、こんなこと言われて……はいそうですかって受け入れられるほど、私は強くなかった
「じゃあ、じゃあ、どうすればいいんですか。私は、一人じゃ何にも出来ない。お母さんが言うみたいに、甘ちゃんだから……。先生、私は一体どこに進めばいいんですか!!何も分からない私に……いつものように、教えてくださいよ……っ!」
言ってしまった。『助けて?そないなこと気軽に言えるんが私の娘やなんて、ほんま驚きやわ』お母さんの言葉が蘇る
分かってる。分かってるけど、手を伸ばさずにはいられない。支えてほしい、自分がどこに行けばいいのか示してほしい。……自分が、信じられない
例えこの選択が間違ったものでも
「……さて、路傍で授業を一つ!──『自身の指針に他者を近づけるべからず』」
「……!」
「今、ここで私が答えを言っても、それは貴方の指針が母から私に変わるだけに過ぎない。なので、ここで貴方に私から宿題を出します!いっぱい寝て、食べて、休んで、そこから母と言う眼鏡を外した状態で世界を見てみなさい。きっと良くか悪くか、見える景色が変わるでしょう。その後、私はこれと同じ問いをしましょう。」
「貴方の魂は何色ですか?」
「その答えを見つけなさい。それが私からの宿題です」
「………」
私はまた、黙ってしまった。でも、不思議とさっきとは違う空気に思えた。
魂の色、それは何を示しているんだろう。でもそれは不思議と、遠いものに感じなかった
「では、私はここらでお暇させて頂きます。後は、若いお二人の時間。
「バイトは1週間ほど休みにしておきます。ああ、勿論お給料は出ますので、ご心配なく。……では、お大事に」
そう言って先生は私の家から去っていった。
バタン。という音の後、ここに残ったかぐやと顔を見合わせた
そこから先に言葉を出したのはかぐやだった
「かぐやはね、彩葉のお母さんなんか知らない。だからかぐやにとっては彩葉は彩葉だよ。かぐやは、彩葉に……いなくなってほしくない……一人ぼっちは……寂しいから……」
「……っ」
そう、かぐやは泣いてるのに、無理して笑って言った。そうだ、私とお母さんは違う人間だ。全く同じことなんて出来るわけがない。出来たとして、それはただの贋作だ
なんでこんな事に気づかなかったんだろう。目に張り付いていた膿が取れたような気がした
かぐやは、自分のしたい事を言ってくれた
じゃあ、私は……
「私は、かぐやと居たい。先生と居たい。ヤチさんと居たい。みんなと居たい。私が、ちゃんとしないから、お兄ちゃんは私と居てくれなくなった。だからちゃんとしないと……また、離れていっちゃう……」
「かぐやは、彩葉はいつだってちゃんとしてるよ。でも、ダメダメ人間な彩葉もいいな〜!、なんて。きっと松陽も、ヤチも、みんなそう。だって皆んな、彩葉が大好きだから!!」
そう言ってかぐやは、私に抱きついて来た
「また、不安になったらかぐやがいくらでもぎゅっとするから!だから、離れるなんてそんな悲しい事もう言っちゃダメ!!次言ったら……かぐや、泣いちゃうからね……」
「……っ!……風邪、うつるよ?」
「大丈夫。彩葉にだったら何されてもいいから。だから、彩葉もやりたい事やればいいんだよ」
「─────!!」
その後、彩葉はしばらく泣いた後、眠っちゃった。その寝顔がまた可愛くて、さらにかぐやは好きになっちゃう
「よ〜しよ〜し。頑張ったね。花丸あげちゃう」
その声が、彩葉の寝息と共に溶けていく
──────────────
「って事があって……」
「なるほどね〜」
今、俺は土下座をしている。そう、土下座とは日本人の標準装備であるあのDOGEZAである
「それ、やっぱり松陽さん悪くないじゃないですか。顔を上げてくださいよ」
「いえ、でも……」
「そもそも、これは俺がやらなきゃいけない事だったんです。……そろそろ俺も、あいつと向き合わなきゃ」
そう、俺のDOGEZA相手である朝日君が言う。ヤダイケメン顔がいい。ついでに心もいい。兄妹揃っていい子過ぎない?ヤバない?
聞いてるか酒寄母!!貴方のお子さんたちはこんなに立派に育ちましたよーだ!!
「じゃあ、店のル◯ンドダンボールで30箱。在庫全部持っていってください」
「え?何その嫌がらせ……。そんな食い切れませんよ。俺のことカビゴンにでも見えてんすか」
「でも、何かしないと私の気がおさまらないので」
「だとしてもチョイスどうなってんすか……」
そんなこと言われたって俺が出せるのはルマ◯ドと命くらいしかないからな〜。ハハッ今の、笑うとこですよ。何でルマンドと命の重さが一緒やね〜んってな!
「じゃあ
「それだけは勘弁してくださいお願いします」
「ん〜、あっ!じゃあ松陽さん、松陽さんって毎年富士山登ってんすよね?それ今年も行きます?」
「え?あ〜うん。今年も行くけどそれがどうしたんですか?」
「じゃあ、家の雷も連れていってやってくれませんか?あいつ最近アウトドアにハマってて『富士山、いいな』ってパンフレット見ながら呟いてたんで」
へー、雷くんそんな趣味があったんだ。まあ意外ではないな。黒鬼で一番アウトドアな感じだし。
まあ、でも断る理由もない!
「そんなことなら喜んで。別にお願いじゃなくても言ってくれれば一緒に行きますよ?」
「じゃあ今度、一緒に飯行きましょうよ。勿論松陽さんの奢りで」
「彩葉さんにもこの逞しさがあれば……」
いや、逞しくはあるか?何か追い詰められれば虫とか普通に食いそうだし。……流石にないか!ないよな?
「じゃあまあ、今日も勝負受けて貰いますよ。絶対ウチに入って貰うんで。そんでホラゲー企画して貰うんで」
「非道いなあ、人の心とか無いんか?」
その後、久しぶりに一本取られて本格的に焦る松陽だった