Fate/ Grand Order ーSecond Repeatー 作:FGOキッズ
理由はSNとHAが大好きだから。
獅子の咆哮が鼓膜を震わす。極大の威力と十二分の時間を以て放たれた魔弾を撃ち毀す。視界を覆った金色は役目の終了と共に霧散した。
「遅くなって悪かった。ライダーを倒すのに手こずってしまったんだ」
残された風が纏う外套を浮かばせる。深く被ったはずのフードが捲れ、長い金色の髪が露出する。右目は眼帯をつけ、目は蒼く。赤黒い服を纏う青年がこちらを見下ろす。
「サーヴァント──クラスは《
優しく、慈愛と親愛に満ちた声が響く。誘われるように「はい」と答える。そのまま右手に刻まれる令呪が輝き、また一つ自分の中に何かが流れ込み、また何かが流れ出る予感がした。
「うん。ここに契約は完了した。何のことだかわからないけど安心してほしい」
トントン拍子に仮契約が進む。その姿の奥では赤の魔力が唸りを上げている。第四射が射出されるまで、時間はあるが余裕が全くない。次の狙撃は先ほど光撃を以てしても打ち払えぬ破壊を齎す。そんな中でナビーゲーターのサーヴァントはとんでもないことを言い出した。
「俺も──何もわかっていないんだ」
多分自分だけじゃなくて、全員絶句していたと思う。
言っていることが文字通り理解を超えていたからだ。
「気がついたらここに居た。宝具やスキルは勿論名前すら俺は何も覚えていない。けれど、俺が君たちカルデアを助けるために、抑止力から派遣されたサーヴァントだって事はわかっている」
現れたのは第八騎目のサーヴァント。未確認のエクストラクラス《
──抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ。二人は常世の善と成るもの、二人は常世の悪を下すもの。その道行を導くために、彼はこの地に降り立ったのだ。
「君たちをこの特異点から救出するために、俺は召喚された。今”わかっている”のは、あの弓兵の恐ろしさだけだ。キャスター、君なら彼はどうにかできるんだろう?君の間合いにさえ、入ってしまえば」
ルーンを刻み、第四射を弾くために全力を使っていたキャスターはただ一言「応」と口にする。そのまま、呪文を解いた。以心伝心のような連携であるがキャスターも、ナビゲーターも初対面である。強いて言えばキャスターは彼に賭けてみようと思ったのだ。今ならいけるかもしれない、という何の根拠もない直感に。
「ならば、目の前の骸骨は俺がどうにかしよう。この橋さえ渡り切ってしまえばキャスターはアーチャーを倒しきることができる、と俺は信じている。大胆な決断になるけど──彼の狙撃を攻略した後は俺がキャスターに変わって先導しよう。”何故だがわからない”が、どのように進めば目的にたどり着けるのか知っている気がするんだ」
「どうにかって……どうするの?さっきの斬撃で吹き飛ばすの?でもその前に、私たちが撃たれてしまうわ」
新手が登場し、困惑の中辛うじて言うべき言葉を口にするオルガマリー。
「そうだな、実際俺も次アレを破壊するのは無理だ。だからそこは君たちに頑張ってもらおう。盾を持っている君、名前は?」
「えあはい、マシュ・キリエライトです」
「初めて聞くが──良い名だ。なんとなくそう思っているだけだから、間違っていたら済まない。マシュ君は、宝具を使ったことはあるかい?あるならそれを使ってくれ。無いのなら──今、ここで始めて使うんだ。ここで使えなければ、この先にいるセイバーには絶対に勝てない」
──宝具。英霊の象徴にして最大の武器。切り札。ごく一部の例外を除き、英霊、サーヴァントは皆宝具を持つ。ありていに言えば必殺技であり、先ほどアサシンが使用した《
「──できません、まだできた試しがないです……」
「できなければ、死ぬだけだ。君だけじゃない。君と、君のマスターと、俺も含めた3人。全員が死ぬことになる。自分を信じる他ないんだ」
ナビゲーターは残酷にも言いきる。だがそこには、彼女にならきっとできると言う確信めいた信頼があった。
──もう時間は無い。山奥に佇む赤の狙撃手はもう数秒後には手を離す。1分間、逃げを捨てての一大射撃。侵攻を留めるための飽和攻撃ではなく、敵を屠るための必殺の一撃。一度鏃が宙を駆け出せば瞬きの間に全員死ぬ。兵糧は既につき、背水は氾濫する。今ここで全身全霊で以て挑み、限界を踏破しなければ、これから長く苦しく続く旅路なんて踏破できるはずもない──。
「やります!やらせてください!マシュ・キリエライト……マスターと所長を守り、決して死なせません──!」
炎に照らされ黒鉄が輝く。少女の覚悟に円卓の誇りが応える。
”できなければ、死ぬだけだ”
そう言って誰かもわからぬ人に託された。無音の声援が背中に集う。
こうして初めて、彼女は主体性を獲得した。自分の意志で前に立ち、誰かを守りたいという不落の意志を燃やしながら恐怖に立ち向かう。絶対浮沈。砕けぬもの無し。ゼリア・アッフェンバウムの永久凍土もこの盾を前に始めて敗北を知るだろう。
「────おい、冗談だろ……?」
赤の奔流が、突如として暗黒に輝く。強大な渦を巻き、射出五秒を前にして異質な本性を現す。泥に塗れ、誇りを穢され、摩耗して、もはや自己さえ捨てかねない狂気の中。アーチャーが全てを決する代償に選んだ者は、《永久に遥かにあった、されど己が魂に焼き付いた黄金の剣》。聖杯の泥を以て変質し、歪みに歪みながらも輝きを失うこと無く魔を滅する
キャスターの驚愕も無理はない。アーチャーが《投影》したものは、今まで使用されてきた武器武具全てを比較しても、まさに別格の存在だからだ。星が誂えた人類の脅威に対抗する究極の剣。神造兵装と謳われる
もはや覆しようもない死の運命。これぞ弓の英霊。これぞ錬鉄の果て。究極の一つを持たぬ男が手にした
視界全てを黒が塗りつぶす。無制限の極光が全てを破壊する。
「絶対に……逃げ……ません……っ!!」
──星の聖剣よ。今は黒き王の剣よ。汝が邪悪に染まり悪逆を成すのなら、その時こそ敗北を知る時だ。
相対するは意志の防御。絶対不落を貫き続ける白亜の壁。盾の乙女に力が宿る。封じられた扉が少女の願いに応え、開かれ、力が溢れ出ていく。
「宝具──解放ーーーーー」
約束された勝利は王のためのもの。穢れ無き理想を掲げ、絶望しながら進み続ける騎士王にこそ勝利は相応しく。この弓兵に剣を振るう資格はない。故に──その勝利は。
穢れ無き理想を掲げ、恐怖しながらも決して引かぬ聖騎士にこそ相応しい──!
その名こそ──
「──《
最新の英霊が、あらゆる不浄を跳ね返す────!
最大の攻防は終わる。終わるや否や、超高速で橋から飛び出る影が一つ。
「サンキューな、ナビゲーター!出てこいやアーチャー!いつも通り、殴り合いの喧嘩をしようじゃねぇかァァーー!」
俊足の英雄に応えるように、錬鉄の英雄もまた走り出す。彼とて誇りはあり、魂を穢されようとも因縁を簡単に捨てることはできぬ。そもそも弓兵は仕事人だ。最大の戦力であるキャスターを引き離したのであればその時点で任務は達成されたに等しいではないか。
陰陽の双剣を手に、古き輩たる好敵手との戦いに向かう。
「──君たちは、運が良いんだな」
既に壊れかけで、数分もすれば川に沈むだろう冬木大橋の出口付近。相手の最大火力から生還しているナビゲーターは自分が本来倒すつもりでいた狂骨の残骸を見ながら心底驚きながらつぶやく。
「すごい、凄いよマシュ!!」
「えあ、は、はい!!」
ただ信じて待つだけだったマスターは我が事のように飛び跳ね彼女の手を握り、はしゃぐ。
「へぇ、《
鋼鉄の氷が解ける。ここに来て初めて女の笑みを見た。
「オルガマリー所長……」
目と目が繋がる。人生で初めて心が通じ合ったような気がした。けれど、そんな尊い一時は決して長くは続かず……。
ガラン、ガランと崩壊し出した鉄の音で我に返る。模造品と言えど魔剣聖剣をぶつけあい、通常聖杯戦争において秘匿すべき魔力を放出しあったのだ。如何な鉄の橋と言えど、その威光を保ち続けることは難しい。
「走れや走れーーー!」
藤丸を始めに4人が一斉に駆けだした。
──かくしてカルデアは橋を突破する。これより先に待ち受けるは神秘の森。大聖杯が佇む冬木の真相。そこで彼らが何を見るのか。
◇◇
連撃が連撃を生む。弾ける剣と杖の音。赤と青の影が夜の闇に交差する。
”やっぱり、本当に嫌な野郎だ”
激闘の最中に舌打ちする。それもそのはずだろう。そう感じると言う事実こそ、彼が自分にとって最も楽しさを覚える好敵手だと認めざるを得ぬからだ。今回体験してはいないが、けれども掘り起こせる記憶の一つに、こことは違う場所でやり合った決戦があった。今な炎に包まれ、崩れた冬木教会での出来事だ。お互いが最高の性能と状況で満足いくまで戦った時。あそこでの激闘が今やこんな腐れ縁のような関係にまで発展するとは思わなかったとも。
「キャスターなんぞに変わったものだから、もっとそれらしく戦うのかと思えば、結局槍への未練は捨てきれんか!」
ビルの合間を飛び交いながら問われる。
「テメェこそ一丁前に狙撃手気取ってればよかったものを。俺が飛び出て、テメェのところにつくまで、あと2発は万全の射撃が!出来たろうにッ!」
──とどのつまり、似た者同士だ。
争いは同レベルのものとしか発生しないと言う言葉が真理であるのなら、この二人は正に同レベルの存在だ。恐ろしく強く、また恐ろしく我の強い。相手を無視して使命を優先していれば、どちらの攻略においても、ずっと有利にことを進められたろうに。
目線の端では、大聖堂へと向かう4人の姿が確認できる。
「深い意味はないが、あのサーヴァントは、何者なんだランサー!?」
全身全霊で戦いあっても言葉は交わす。その中に、自分も知らぬ問いがあった。
「知らねぇよ!気が付いたらいたってことと、ライダーを倒したってことしかなァ!真名を覗こうにも、霊基を見ようにも邪魔が入る。そういう力持ちだってコトなら言ってやれるが、それじゃあ前進とは言えねぇだろうさ!それこそお前は知っているのか?お前の矢を弾いた光帯──あれはお前の崇拝する《
「いや!……あれは偽物だ。剣ですらないよ。だがヒントはやろう。アレは私と同じく自壊を条件に攻撃力を引き上げる力の類だ。俺の知る限り、そんなものは──」
「ほう?そんなとち狂った酔狂な野郎がお前以外にいたとはなァーー!!」
ルーンと矢が飛び交い、その中央ではサーヴァントが剣舞する。無制限の魔力を供給されるアーチャーと、無尽の手札を持つキャスターが、近接戦闘に明け暮れる。そんな文面上矛盾でしかない現象も彼らにとっては幾度も繰り返してきたことであり、つまりその後の展開を前に霞む前戯に他ならない。
「
空中に浮かぶ魔法陣。黒い月に負けじと輝く原初のルーン。燃え盛る巨大な腕が空を跳ぶ弓兵の真上に振り下ろされる。
「的がでかい!そして遅いぞキャスター!《
視野を奪う拳に割って入る巨大な剣。見かけだけの張りぼてが必死の一撃を相殺する。温まりだした鼓動がぶつけ合う力をインフレさせる。
危機を脱したアーチャーは双剣を投影し、力を込め刀身を引き伸ばす。そして、まっすぐキャスターに迫る。
死角から飛来する二つの夫婦剣。雌雄一対の引力の中心にいるキャスターを狙う。振るうオーバーエッジと化した干将・莫耶。
「鶴翼三連──!」
弓兵が編み出した唯一の絶技が全身に刻まれた防御を剥がし、大いに血を流させる。
「ち──っ、事前にルーンを刻んでなければ今のでやられてたぜ」
「本当に君のルーン魔術は便利だな」
「抜かせ!宝具の模倣なんてしているお前のほうがよっぽどだろうが!」
全力の死闘だからこそ、口にできるものがあり、絆があるというのろうか。
◇◇
──激闘の末、気が付けば広い校庭に足を踏み入れていた。なんて懐かしい、全ての因果の出発点。アーチャーとランサーという因縁だけでなく、”少年”と”サーヴァント”の運命も含めて。
「懐かしい場所を選ぶじゃねぇかアーチャー。いいや──エミヤ」
「ああ、おかげでこの様だキャスター。いいや──クー・フーリン。お前が放った一突で私は心臓を破壊され、彼女に助けられ、そして私は──」
郷愁の念が心に染み渡る。瞳を閉じて鉄の心にしまった記憶を掘り起こす。あの夜に彼は一度死に、少女に助けられ、そして運命に出会った。
──
『その昔、ある出会いがあったのだ』
『おそらくは一秒とすら無かった光景』
『されど』
『その姿ならばたとえ地獄に落ちようとも鮮明に思い出すことができるだろう』
──*
──変ってしまった自分がいる。もう戻れない自分がいる。”正義”の味方など笑わせる。今の俺は確かに正義を阻む悪である。そう、自分に言い聞かせて彼女をずっと守り続けてきた。それも、もう終わりだ。話は変わった。舞台は壊れた。もう己に役割は終わっている。
フッ、と笑みが零れる。この世全ての悪だと?実に馬鹿馬鹿しい呪いだ。己の絶対に失いたくない記憶すら奪えんのに”常世の絶対悪”なんて仰々しいにもほどがある。懐に持ち続けた赤き誓いを穢せぬなんて。
「ランサー。お前の望みに応えてやろう。私を早く倒して、少年少女を助けに行くという正義の”味方”をするために」
「気味の悪いことを言うなよアーチャー。お前の後釜なんざ死んでもごめんだ。とっとと死ねよ。死んで出直してこい。そして今度こそ正義を見失うなよ」
よくわかっているな、と返される。結局理解者なんてこういうクソみたいな環境でしか得られない。
「俺の真髄。俺の極致。まだ”今回は”見せて無かったな。詠唱中に攻撃だなんて狡賢い真似は止せ。逃げもしないさ。真正面から、撃ちとる!」
緊張が走る。火照った体に冷や汗が伝う。英霊は例外を除き皆宝具を有する。今、キャスターが相対する弓兵こそその例外だ。彼に宝具は無い。極めに極めた究極の位置は無く、ただ生まれつき存在していた剣の丘があるのみだ。
──I am the bone of my sword./体は剣で出来ている。
Steel is my body, and fire is my blood./血潮は鉄で 心は硝子。
I have created over a thousand blades./幾たびの戦場を越えて不敗。
Unknown to Death./ただの一度も敗走はなく、
Nor known to Life./ただの一度も理解されない。
Have withstood pain to create many weapons./彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。
Yet, those hands will never hold anything./故に、生涯に意味はなく。
So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS./その体は、きっと剣で出来ていた。
次元が切り替わる。世界が塗り替えられる。腹の内を全てさらけ出し、世界の全てを飲み込み内包する。剣の丘、錬鉄の夢。軋む歯車は迷いの象徴。燃え盛る火花は正義の所在。赤き襤褸布の聖骸布が孤高の墓標で揺らいでいる。
《
正義の味方を目指した少年が辿り着いた魔術の最奥──固有結界。
「ようやくお出ましか。今にして思えばお前の本気はここからだったな」
「ああ。こうなってからは一度も使っていない。私はお前を倒し、セイバーを助けに行く!正体はまるでわからぬが──あのナビゲーターを生かしてはおけぬからな。まぁセイバーなら、あいつら全員を相手取っても勝てるだろう。俺は──もしかすれば不要なのかもしれないな」
ぞわり、と嫌な予感が駆け巡る。その言葉はまさに捨て身であることを意味していた。死兵と成りて敵と相打つという決意の表れ。これも彼なりの親切心なのだろう。いずれにせよ、この戦いの決着は直ぐにつく。どのように展開しても──このアーチャーはここで死ぬ。
「いいぜ、乗ってやるよ。──俺も加減無しの本気だ。全力で食らいついてこい──ッ!」
「しかと目に焼き付けろクランの猛犬!──貴様が挑むは無限の剣!剣戟の極致!恐れずしてかかってこい!」
猛犬が吠える。焔が狂う。高ぶりに高ぶり、燻りに燻った火種に火がともる。魔力が荒れ狂う。力の上限何するものぞ。後先考え保身に走るより、今この瞬間に酔いしれたい。
”──I am the bone of my sword.”
”──大神オーディンに奉る”
”──この光は永久に届かぬ王の剣”
”──拾捌のルーン、この閉塞に希望を見出せ”
キャスターもまた、その覚悟を受け入れた。《灼き尽くす炎の檻》なんかで彼の自爆を相殺できるはずもない。通常世界じゃ仕えない。この抑止力の外たる固有結界でのみ、己は憂いも無く行使できる。おそらく、今後一生使うことのない究極の宝具。
世界にひびが入っていく。一つの世界が内包するにはあまりに情報量がインフレしている。その原因は言うまでもなく二つ。
宙に浮かぶ十八の文字。大神オーディンが見出した原初のルーン。現代の魔術では足下に及ばぬ魔法より魔法に近い神秘の発露。世界を砕く大魔術。
同じ破壊されるのであれば、尚更自らの手で破壊してやろうと息巻く弓兵。手にするは黄金に輝く星の聖剣。泥に染まったものではなく、彼の奥底に残された運命の名残。全ての武具は束ねられ、鉄の怒りとなって集約する。神造兵器。人の手に許されぬ不変の権能を、わが手に。
「《
「《
黄金の斬撃と極光の焔がぶつかりあう。世界を砕く星の息吹。偽りの担い手が放つ真に迫る宝具の熱量は、二人の魂を飲み込み剣の丘を破壊しつくして────。
世界が元に戻る。あれほどの力がぶつかりあったのに、世界には何の影響もなく、倒れた双方は息はあがり勝敗はほとんど引き分けで終わる。
それでも……。
「相変わらず、馬鹿正直にやっては勝てんな」
勝者はいた。
「いいや、謙遜するなアーチャー。ランサーだったら死んでたさ。お前を殺せてもな。ひとえに俺に力を貸す奴が《自殺慣れ》していただけよ」
血は流れない。死なぬ限りサーヴァントは血を流すが、死が決定すれば砂へと戻り霧散する。それが宿命だ。
「つくづく運の無い役回りばかりだ。それで、俺に聞きたいことはあるか?勝者への餞別だ。知っていることくらい話してやる」
「興味ねぇよ。あーそうだなぁ……。あのナビゲーターに関することを教えろ」
「あれは……確かに聖剣に近いが……実態としては魔力放出に過ぎん。巨大な……権能じみた魔力を使って、強引に再現しているといえば正しいだろう……。おそらく、回数制限がある。真名考察はそちらに任せよう。同じ抑止力に飼われる身なのだろうが────生憎同胞は知らないね。同じ皮肉な運命の共有者がいれば、そもそも拗れもしないだろうさ」
──先に行かせてもらう。せいぜい頑張れ。次ぎ合う時は味方だと良いな。
そう言い残してアーチャーは完全に消えた。
「ったく、お前じゃ無理なら俺にはもっと無理だっての!」
そういうが早いか、山を食い破って天へと上る黒光を見て咄嗟に走り出す。おいおいまじかよ!って叫びながら。
設定の一部公開
《先導者(ナビゲーター)》の青年
容姿:身長は180センチ程度。金髪長髪の青年。所々赤い毛が混じっている。右目は潰れているのか眼帯をしており左眼は青く、表情は意外と豊かだ。
フードのついた特に特徴のない襤褸布の外套を羽織り内側には赤黒いコートといくつかの道具入れを身に付けているさまは、サーヴァントというより傭兵を思わせる。
他の抑止力の代行者と違い、肌は焼けておらず色合いからアジア人と西洋人の中間を思わせる。
*Fate/stay night より引用
無限の剣製詠唱も同様。