進撃の巨人の世界に転生した主人公が世界の全てを手にする物語

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初代フリッツ王に転生してユミルとイチャイチャする二次小説がいつの間にか消えてて悲しくなったので書いた。



楽園

 

 

 

 最初、転生を自覚した時はファンタジー異世界に転生したんだと思った。

 

 

 でも、言葉を理解して、転生先の国の名前が『エルディア』で、自分の一族が王家だと知ってすべてが覆った。

 

 

 自分が転生したのは『進撃の巨人』の世界だった。

 

 

 初代ユミルから数百年後の、既に巨人が九つに分かれているが、エルディアもイケイケの空白期に転生していたのだった。

 

 

 そうして僕は意気消沈した。

 

 

 進撃の巨人の世界は一本道だ。

 

 筋道はすべて決まっている。

 

 未来はすべて収束し、今現在も遥かな未来から決定づけられている。

 

 

 今自分が生きていること、この先何をするとしても『地ならし』と『天と地の戦い』に繋がる。

 

 

 すべてが無意味だ。

 

 

 

 

 …………本当にそうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数年が経ち、俺は王になっていた。

 

 本来の自分は、後継者でもなんでもなかったのだが、不意を突き、「始祖の巨人」を奪った。

 

 奪うまでの道のりは、艱難辛苦の物語だったが省略する。

 

 

 重要なのは結果だ。

 

 

 始祖を奪った俺は、すべてのユミルの民にもともと自分が後継者であったと偽の記憶を植え付けた。

 

 そして「地鳴らし」を行った。

 

 

 調べたが、巨人の力を持つエルディアが、世界を征服していないのは内輪揉めもそうだが、支配と民族浄化を国是としているためだった。

 

 要は、征服と侵略を最優先にしているから徹底的な攻撃を行っていないのだ。

 

 

 

 支配の及ばない、ユミルの民以外の人間は不要だ。

 

 

 だから、千年先取りして世界を超大型巨人で踏み均させてもらった。

 

 

 

 こうして、歴史は変わった。

 

 

 エルディア以外の国も民族も存在しない世界になった。

 

 

 

 俺にとっての楽園が完成した。

 

 

 始祖の巨人の力を持つ俺に敵う者はいなかった。

 

 

 どんな相手も頭の中を書き換えてしまえば無力化できる。

 

 意志が強く、洗脳にあらがう者もいたが、そういう者は殺してしまえばいい。

 

 

 俺は呪いで死ぬまでの13年間、この世の全てを手に入れ、生涯を謳歌した。

 

 

 

 俺は死にたくなかった。ずっとこの楽園で生きていたかった。

 

 

 だから、子に繋げることにした。遺志を継いでもらうことにした。

 

 

 初代の壁の王がやった不戦の契りと同じことだ。

 

 自分の意思を継承する。それに記憶も加える。

 

 「始祖の巨人」と一緒に「俺」をそのままインストールする……からくりサーカスのあいつと同じような真似を考えたわけだ。

 

 

 しかし問題もあった。

 

 壁の王の思想がそうであったように、本来の人格が抵抗して継承が完璧に行われない可能性があった。

 

 

 だから、そこは生まれたばかりの胎児を使うことでクリアした。

 

 自我が芽生えていない胎児であれば、そのまま「俺」として使える。

 

 「俺」であれば、無抵抗な赤ん坊でも、巨人となってあらゆる事態に対処可能だ。

 

 

 唯一の欠点は13歳で死ぬわけだから、継承した個体によっては精通前・初潮前で子孫を残せない可能性があることだったが、なにも実の子だけに宿るつもりはない。

 

 その時々で都合のいい王家の血を引く個体を器とすればいい。

 

 

 

 

 

 そうして俺は俺のまま、生き続けた。

 

 

 あらゆることがあった。

 

 何不自由なく、記憶と意思と王位を継承し、13年間この世の春を謳歌した時もあれば、

 

 

 継承直後に裏切られ、拷問されて10年以上地下で飼い殺しにされたこともあった。

 

 

 無垢の巨人となった腹心の部下が俺を喰って、王家以外の血筋にインストールされて人格がバグったこともあった。

 

 

 だが、ほとんどの場合俺は俺として、この世の全てを手に入れて絶頂の人生を楽しんだ。

 

 

 

 

 そうして、百年千年と繰り返していると、帝国のとある地方にエレンが生まれたのを知った。

 

 

 暦が一致しているかは不明だったが、ミカサもいてアルミンもいて、父親はグリシャで母親はカルラだった。

 

 間違いない。

 

 

 世界は変わったが、歴史は変わったが、彼等は存在した。

 

 

 俺は、「始祖の巨人」の力を使った。

 

 

 対象はエレン。

 

 

 エレンに、「この世界は壁に囲まれていて、壁の外には巨人がうろついている」という妄想を植え付けた。

 

 

 

 エレンは妄想にとり憑かれた。

 

 

 グリシャはエレンに喰われ、「進撃の巨人」をエレンは継承したが、彼の目に映るものはすべて俺が見せた幻だった。

 

 

 それから死ぬまで、エレンは夢を見続けた。

 

 超大型巨人、鎧の巨人による壁の破壊。

 

 訓練兵団での日々、2度目の襲撃、調査兵団と女型の巨人。

 

 友の裏切りと王政の語る真実。

 

 ウォール・マリア奪還と、壁の外の真実。

 

 壁の外の世界をめぐり、全てを決意し、宣戦布告を受けて立つ。

 

 兄と接触を果たし、「地鳴らし」を行い、最愛の家族の刃で命を落とす。

 

 

 

 すべては俺が見せていた幻だった。

 

 

 

 そういうことにさせてもらった。

 

 

 最後に、「進撃の巨人」は俺が食って自分のものとした。

 

 

 これで、未来から過去に情報を送る継承者はエレンで消えた。

 

 俺以外の継承者が現れない以上、そして俺に能力を使うつもりがない以上、矛盾は生じない。

 

 

 これにて「進撃の巨人」は完結した。

 

 

 それでも、俺の物語は続いていく。

 

 俺はこの楽園で、未来永劫永遠に、飽きるまで、王として君臨し続ける。

 

 

 

 

 





 この世界において、科学技術は発展を制限されています。
 世界はエルディアのものです。

 世界唯一の国がエルディアであり、「パラディ島」地区や「マーレ」地区、「ヒィズル」地区などがある。

 パラディ島地区にエレンたちが生まれ、マーレ地区にライナーたちが生まれていた。

 世界にユミルの民以外の民族は存在しません。

 アッカーマンもアッカーマンとしての改造をされていません。

 すべてが「始祖の巨人」の力を持つ王の意のままです。


 王は始祖ユミルに「自分が飽きたら解放する」と自由を約束し、事実数千年後、王の死とともに巨人の力はすべて消えました。

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