完全に趣味の作品ですが、読んでもらえると嬉しいです。
プロローグ「星を継ぐ少女」
────────懐かしい夢を見た。
「だいぶ落ち着いてきたか?気晴らしに何か見ようか」
そう言って父さんは、1つの作品を見せてくれた。
画面の中では、巨大な岩の塊が地球へ落ちようとしていた。
それを一機のガンダムが、たった一機で押し返そうとしている。
「……なんで?」
幼い私は、布団から顔だけ出して画面を見ていた。
「どうした?」
「だって、あんな大きいの、ガンダムだけじゃ無理じゃないの?」
父さんは少しだけ笑った。
「そうだな。普通なら無理だ」
それでも画面の中のガンダムは止まらなかった。
私はそこで暖かな光を見た。
「どうだ?」
父さんは、優しい顔で尋ねてくれた。
「……かっこいい!」
「そうかそうか! ちなみにレイはどんなところがカッコよく感じたんだい?」
「えっと……う~んとね……あんな大きな岩押しちゃうところとか、背中のマントみたいなやつとか!前に見たのとは全然違うけどかっこいい!」
まだ幼かった私はちゃんと答えようとして、一生懸命父さんに説明したんだっけ。
「背中のマントみたいなのっていうと、もしかしてフィン・ファンネルのことか!」
「うん! そのふぁん? ふぁんねるってやつ!」
「そうかそうか!レイはガンダムが大好きだなぁ、さすが父さんと母さんの子供だなぁ……」
そう言って父さんは頭をくしゃくしゃに撫でてくれた。
あの頃は、話の内容はわからないけど悲しい話が多いのはわかってた。
でもそれ以上に、宙を駆けるモビルスーツをただ、きれいでかっこいいと思ってた。
「私もこんなの作ってみたい!」
「そうか!じゃあレイが元気になったら一緒に作ろっか!」
「うん!」
「パパ!レイもまだ熱があるんだからあんまり興奮させないの」
と母さんが妹の世話をしつつ穏やかに注意する。
「あはは...。ほら、母さんもこう言ってるし、続きは元気になってからな」
そういって少し笑いながら寝かしつけてくれた。
あの時、自分だけのきれいなモビルスーツができるって思ってすごくうれしかったことを今でも覚えてる。
「ガンプラはな、作った人の心からの好きが全部現れるんだ」
数日後、ガンプラを始めて作ったとき父さんは、穏やかな顔でそう言ったんだ。
「好きがあらわれる?」
「そう、その人が何をかっこいいと思ったのか、何をしたいから作ったのか。それら全部が集まってガンプラが出来上がるんだ」
「そうなんだ!じゃあれーちゃんが、ガンダム一番好きだから!れーちゃんが一番かっこいいガンダム作る!」
「お、それは大きな夢だなぁ!父さんも張り切って手伝っちゃうぞぉ!」
「じゃあれーちゃんは、頑張ってお父さんのよりかっこいいの作らなきゃね」
「ぜったいつくる!」────
そう言った私を父さんも母さんも、笑顔でなでてくれた。
皆の居る穏やかな
────その感触だけを今でも覚えてる。