ガンダムビルドファイターズ STARS   作:JOE596

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マシマ君と掲示板ネタをやると文章がとんでもなく増えていきますね.....
良ければお読みください。


第3話「アクシズの騎士」

 

翌朝。

 

昨日と同じく何人かの生徒が集まってダラダラと時間をつぶしているようだった。

ただ、昨日と一つ違うのは。

今日は、私が遅刻しなかったことだった。

「……よし、まぁこんなもんか」

教室の時計を確認する。

まだ始業には余裕がある。

昨日は入学式初日から集合時間ギリギリ。

流石に二日連続は、入学早々教師陣から目を付けられかねない。

気をつけねば……と、そんなことを考えながら自分の席まで向かい、鞄を机の横へ掛けようとして――。

「レイぃぃぃ……!」

「うわっ!?」

真横から飛んできた今にも泣きそうな情けない声に肩が跳ねた。

見ると。

隣の席には、もうアスカがいた。

机に突っ伏している。

「……何?いきなりそんな声出してさ」

「どうしよう……」

「何が?」

ゆっくりと身体を起こしこちらを向いた。

その顔は昨日、ヴァサーゴとアシュタロンを相手にしていた時よりも。

何故か今の方が追い詰められた顔をしていた。

「アタシのメイガス……」

「メイガスってアスカのキャリバーンの名前だったよね?それがどうしたの?」

「昨日、家帰ってからさ……」

「うん」

「ケースを開けてもう一回ちゃんと見たんだけど……」

アスカの顔がさらに沈む。

「思ってたより……めちゃくちゃボロボロだった……」

「…………」

そういえばと、昨日の戦いを思い返す。

ヴァサーゴとアシュタロン相手に逃げ回って。

撃たれて、捕まって。

おまけに、捕まったまま相手を引きずったりの大立ち回り。

まあ、普通無傷なわけがない。

「レイぃ……」

「何」

「本当に直せるの?あんなにボロボロなのに……」

「直せるよ」

「即答!?」

「自分でも、私に直し方教えてって言ってたでしょ」

「それはそうなんだけど!」

アスカがこちらに向き直り身を乗り出す。

「なんかテンションで『ま!ゆーてすぐ直るでしょ!』って思ってたの!」

「あ、そうなんだ……」

「でも家帰ってさ!」

「うん」

「机に置いて!」

「うん」

「電気つけて!」

「うん」

「ケース開けて、明るいところで見たらさ!」

「うん」

「すっごいボロッボロだったの!」

「だろうね」

「もぉ!レイ冷たい!」

「だってあんなに戦ったんだし、仕方ないよ」

「そうだけどぉ……」

「壊れたんだったら直せばいいよ」

「…………」

「ガンプラなんだし」

私は少し半笑いになりながらカバンからノートなどを取り出し準備をする。

そんな私をアスカが疑うようにじっとこちらを見る。

「……本当に?ほんとに直るの?」

「だから本当に直せるって」

「パーツ取れない?」

「取れたら付けるしかないよ」

「関節緩くなってたら?」

「そこを補修だね」

「塗装剥げてたら?」

「もう一度塗るね」

「もう売ってないパーツだったら?」

「いろいろ思いつくけど、私だったら作るかなぁ……」

「作る!?」

「まぁ必要ならだけど」

「……レイって時々、怖いこと簡単に言うね!?」

「ん?普通じゃない?」

「普通じゃないよ!アタシそんなことまだできないよォ!」

その時。

教室の前扉が開いた。

「ほら、みんな。席についてください」

出席簿を片手に、担任が入ってくる。

エマ・シオン先生だっけ。

まだ若い先生だけど、頼りになりそうな先生のようだった。

ただ静かな声で苗字を呼ばれると、何故かわからないけど逆らえない気がする。

「あ、すみません……」

てへへと笑ってごまかすように、アスカが慌てて前を向く。

私も自分の席に座り直した。

先生が教卓につき出席簿を開き出欠確認を始める。

少しして、隣から小さな声で

『……今日の放課後』

『ん?』

『昨日言った通り、教えて』

『修理のこと?』

コクコクと頷く。

『お願い……!』

両手まで合わせている。

『……分かった、いいよ』

「ほんと!?やった!」

『あっ、ちょっ』

一歩、遅かった。

「シュトウさん?」

穏やかながら注意する声でアスカが呼ばれる。

「は、はいっ!」

エマ先生がこちらを見る。

「朝から元気なのは結構ですけど、ホームルームを始めますよ」

「は、はい!すみませーん……」

教室のあちこちから、小さな笑い声が上がった。

アスカが机に少し沈む。

そして先生の視線が、今度はこちらへ向いた。

「カミユイさんも」

「……私ですか?」

「隣でお話していたでしょう?」

どうやら私も気づかれていたようだ。

「…………はーい、すみません」

「素直でよろしい」

エマ先生はそれ以上追及せず、出席簿へ視線を戻した。

「では、始めます。まだ入学二日目ですからね。今のうちに生活のリズムを整えておいてくださいね。

 じゃあ、ホームルームを始めます。では――」

先生が連絡事項を黒板に書いていく。

『あたしたち、注意されちゃったね……』

そんな中、アスカがこちらに視線を向け、小さく笑いながら呟く。

「ね」

私も、少しだけ笑ってそう返した。

昨日。

久しぶりに戦った。

今日は――。

久しぶりに誰かと一緒に、ガンプラを直す。

そんな何てことないことが、今の私にはうれしく感じた。

 

     ◇

 

お昼休みの少し前の時間。

「レイさ」

「何?」

「今日って昨日のお店行くのでいいよね?」

「そうだね、あそこなら学校からも近いし」

「じゃあその後一緒に帰ろ!」

「うん、いいよ」

何でもないように答えてから。

少しだけ変な感じがしたことに気づく。

一緒に帰る。

昨日の朝には、そんな予定はなかった。

入学式を終えて。

多分そのまま誰とも大して話さず。

一人で家に帰る。

それで終わると思っていた。

「あとさ」

「ん?」

「この後のお昼、一緒に食べようよ」

「……なんで?」

「ダメ?」

「まぁ、別にいいけどさ」

「よし!」

アスカは小さくガッツポーズをした。

「何でガッツポーズしたの?」

「レイのぼっちご飯の阻止ができたから」

いたずらっぽくアスカが笑う。

「はぁ、ほんと余計なお世話」

「ひどい!レイって友達少ないでしょ!」

(うぐっ……痛いとこをつかれた……)

そんなことを言いながら廊下へ出た時。

「――お前らぁぁぁぁぁ!!」

遠くから。

凄まじい怒鳴り声が聞こえた。

「……?」

アスカが立ち止まる。

「何あれ?」

「ガンプラバトル部の方じゃない?」

再び声。

「確認する。昨日、お前たちは一年生二名とMAV戦を行った。間違いないか!?」

「はい……」

「そのうち一人は対人戦の経験も少ない初心者だったと」

「……はい」

「にもかかわらず、お前たちは、あろうことか大会用の連携戦術をほぼそのまま使用したと」

「で、ですが部長!あの二人は兄さんの戦術でも――」

「そうなのだナタル!彼女たちは我々の予想以上に手強く――」

「言い訳は聞いていない!!」

「「…………はい」」

昨日聞いた声が、誰かに怒られているのが部室のほうから聞こえてきた。

私とアスカは顔を見合わせた。

「……昨日の先輩たち?」

「多分」

「めちゃくちゃ怒られてる」

「怒られてるね」

アスカが口を押さえる。

肩が震えている。

「……笑っちゃダメだよ」

「レイも笑ってるじゃん」

「……笑ってない、……ふふ」

「笑ってるじゃん」

部室の向こうから、さらに怒声。

「私は勝ったことを問題にしているんじゃない!」

 お前たちは上級生で、この部の看板を背負っているんだぞ!

 なのに貴様らときたら、相手の力量も確認せず大会用の連携を叩き込んでどうする!

 そのうえ初心者狩りなんて言われたら今年の新入部員まで減るだろうが!!」

「「申し訳ありません!」」

アスカがとうとう吹き出した。

「プッ……あははははッ……!」

「だから笑ったら悪いって」

そう言いながら、私も笑ってしまった。

 

     ◇

 

放課後。

「こんにちはー!」

アクシズホビーの扉を開けるなり、アスカが元気よく声を上げる。

「……こんにちは」

その後から私も入る。

カウンターの向こうで店長が読んでいた雑誌から顔を上げた。

「やはり来たか」

「昨日ぶりです!」

「見れば分かる」

相変わらず愛想はない。

「作業台借りてもいいですか?」

「好きに使うがいい。そのためのスペースだ」

「ありがとうございます!」

工作スペース。

二人並んでケースを開き、それぞれGシリウスとメイガスキャリバーンを取り出す。

こうして明るい店内で改めて並べてみると嫌でも気づいてしまう。

「…………」

案の定、アスカが固まっていた。

「どうしたの?」

「……やっぱり家で見た時より酷くなってない?」

「気のせいじゃない?」

そう言って、私はGシリウスを手に取り、補修箇所を確認していく。

――右肩に擦過痕。全体的に煤。

そして――

(やっぱりここが一番ひどいな)

左腕のビームシールド基部についてはひび割れてしまっていた。

指で触れる。

『二人で戦うんでしょ!?』

『――合わせて』

あの瞬間の記憶がよみがえる。

二機が交差して。

互いの相手を入れ替えて。

それまで一人で全部を見ようとしていた。

そんな私が初めて、アスカに預けた。

(MAV……か)

「……レイ!ちょっとレイってば!」

「あ、ごめん何?」

「……なんかニヤニヤしてる」

照れくさくなり顔に血が集まるのを感じる。

「してない」

「してる!」

「してないッ!」

「嘘!絶対昨日のこと思い出してた!」

「もう!はやく修理するよ!」

「あー!今、誤魔化した!」

(やれやれ、私としたことがらしくもないな)

そんなことを思いながら工具を並べ、ノートに確認箇所を書いていく。

「じゃあ、まず損傷個所を確認して」

「はい先生!」

「先生やめて」

「レイ教官!」

「やめて」

「レイ整備長!」

「もっと嫌」

「もぉ、注文多いなぁ」

装甲、関節、軸、接続部――

一つずつ確認して書き出していく。

「書き出し終わったなら、次はどう直すかだね」

「こことかどうすればいいかな?」

「ここは表面だけだし、削って均せば大丈夫」

「ふむふむ……」

「ここは……少し深いから、パテで埋めよっか」

「なるほどぉ……」

「この関節は調整含め補修が必要かな」

「うん……」

アスカの声が段々小さくなっていく。

「大丈夫?ついてこれてる?」

説明が早すぎたかと思いアスカのほうを見る。

「なんかさ、結構やること多くない?」

「多いよ」

「今日中に終わるかなぁ?」

「終わらないね、間違いなく」

「……えっ?」

「塗装もあるし、乾燥もさせないと……この感じだと、金曜くらいまでかな」

「四日も!?」

「多分、それくらいだろうね」

「ガンプラってすぐ直る回復アイテムみたいなのないの!?」

「まぁガンプラだからね」

「そっかぁ……ごめんねメイガス、すぐに直せなくって……」

(自分も初めての時は大変だったな)

そんなことを思いながら修理を始めることにした。

「まずはヤスリ。これ使って」

400番のスポンジやすりをアスカに渡す。

「はい!先生!」

そういってアスカがこすり始める(・・・・・・・)

ゴシゴシゴシゴシゴシ。

「ちょ!待ってって!」

「ん?何かおかしかった?」

「力入れすぎ」

「まだちょっとだけだよ?」

「ちょっとで角なくなりかけてる」

「えっ」

「もっと優しく」

ゴシゴシ。

「もっと」

「これ以上!?」

「ガンプラは金属とかじゃないんだから」

「昨日はあんなに硬かったのに!」

「相棒なんだから丁寧にしてあげないと」

「……なんかそれちょっとかっこいい」

「そういうつもりじゃない」

静かにBGMでラクス・クラインの『静かな夜に』が流れ、穏やかな時間が過ぎていく。

そんなやり取りを聞いて店長がつぶやく。

「……今日は平和だな」

アスカが顔を上げる。

「普段は違うんですか?」

「まぁ、一人うるさいのが来なければだが」

そんな静かな時間は、唐突な入店の音で破られることになる。

チリン!

「平和……だったんだがな……」

「ハマノ様!ただいま帰還しました!」

「帰れ、それとハマノ様と呼ぶな。俗物」

「なんと!?」

大声と共に入ってきた青年に。

私とアスカは同時に入り口の方を向いた。

整った顔立ち。

少し古風な服装。

そして胸元には――。

ピンク色の薔薇。

「…………」

「…………」

お互いが目を合わせる。

「「誰!?」」

青年はそんな私たちを気にせず、大きな紙袋を掲げる。

「そんなことよりハマノ様!こちら静岡土産です!」

店長が紙袋を見る。

「……茶と、これは茶菓子か」

「はい!熟考しました!」

「……珍しくまともだな」

青年の顔が固まった。

「何故、皆同じ反応を!?」

なんなんだ、この人。

「そこに置いておけ、マシマ」

「はい!」

マシマというらしい。

青年は上機嫌に土産をカウンターに置き。

ふと。

こちらに目を向ける。

私たちは彼のインパクトからか愛機たちを持ち、固まってしまう。

「…………ん?んん?」

止まった。

なにか確認している?

「……?私たちが何か?」

マシマと呼ばれた彼は胸元から優雅にスマートフォンを取り出しいくつか操作した後、こちらを見る。

そして画面を見る。

またこちらを見る。

また画面を見る。

「……まさか!」

「何ですか?」

「いや!何でもないんだ!気にしないでくれたまえ!」

スマートフォンを後ろに隠す。

「嘘だぁ!」

アスカが疑う。

「本当だとも!何でもないぞ!」

「絶対何かありますよね」

私も怪訝そうに見る。

「スマホとあたしたち交互に見てましたよ?」

「気のせいだ!」

店長がぼそっと言った。

「マシマ、セクハラ行為ならたたき出すことになるぞ」

「ハマノ様!?」

「……じゃあ何で?」

「…………」

マシマさんは数秒考えて。

胸を張った。

「風の噂で、君たちのことを聞いたのだ!あのフロスト兄弟に勝ったと!」

「風の噂で?」

「そうだとも風の噂だ!」

なんなの、この人。

 

     ◇

 

その人は何故か私たちの向かいの作業席へ座った。

「それってガンプラですか?」

アスカが彼の持っているケースを見る。

「よくぞ聞いてくれた!」

嫌な予感がした。

「あぁ、聞いちゃった」

「え?」

バッ。

ケースが開く。

「お見せしよう!我が愛機を――その名もシュヴァリエ・ガルス!」

現れた機体を見て、アスカが瞬きをする。

「……騎士だ」

「その通り!」

ガルスJを基礎に。

腕部。

ランス。

盾。

背部。

全体が騎士の意匠で統一されている。

ただ見た目を飾っただけじゃない。

「……盾」

「!」

「よく見ると銃口がありますね」

マシマさんの目が光った。

「分かるのか!」

「多分ビームガンがベースかな?」

「その通りだとも!」

機体をさらに見る。

「おそらく近接主体だけど、接近するまで何もできない構成にはしてない……」

「おお!」

「ガルスJベースだけど腕はそのままじゃないな」

「おお!」

「袖付きっぽいしシュツルム・ガルスかな?」

「おおおお!!」

マシマさんが一気に身を乗り出した。

「分かってくれるか!お嬢さん!」

「近いです」

「これは失礼した!」

アスカが私を見る。

「……なんか急に仲良くなってない?」

「まぁ悪い人じゃなさそうだし、ガンプラは(・・・・・)ちゃんとしてるから」

「ガンプラ“は”!?」

「変人なのとガンプラの出来は別です」

「何故私自身の評価は上がらんのだ!」

「諦めろ」

店長から即答。

「ハマノ様まで!?」

よく見ると。

シュヴァリエ・ガルスにもかなり傷が入っている。

盾だけでなくビームランスをはじめ、特にバックパックや装甲が傷だらけだ。

「……これ」

アスカも気づいたらしい。

「さっきお土産渡してましたけど、旅行先でこうなったんですか?」

「…………」

マシマさんが黙る。

「何したんです?」

「色々あったのだ!」

「何があったか言えないんだ」

「語れば長い!」

「言えないんですね」

「違う!そうではないのだが一言で言えんのだ!」

結局。

その日から。

三人並んでの奇妙な修理作業が始まった。

 

     ◇

 

――水曜日。学校での昼休みにて。

「レイ、卵焼き一個交換しない?」

「何と?」

「唐揚げ」

「……レート悪すぎない?まぁいいけどさ」

「やった!たっまごやき~♪たっまごやき~♪」

昨日まで。

ガンダム。ガンプラ。バトル。

会ったばかりとはいえ、話すことといえばそのくらいだった。

でも今日は。

朝の授業。

小テスト。

先生の口癖。

購買のパン。

そんな話をしている。

「レイって甘い卵焼きなんだ」

「甘い方が好きだから」

「へぇ~、うちしょっぱいやつなんだ~」

「へぇそうなんだ」

「今度交換しよ」

「もうしてるでしょ」

「そうじゃなくて、また今度卵焼き同士で!」

「……うん、いいよ」

何でもない昼食のはずなのに。

そのはずなのに。

何故か少しだけ、いつもよりおいしく感じた気がした。

 

     ◇

 

放課後。

チリン。

「こんにちはー!」

「今日もお願いします」

「来たか」

昨日と同じ席。

――そして。

「諸君!」

「うわ、今日もいる」

「何故その反応なのだ!私も少しは傷つくものだぞ!」

マシマさんもいた。

「大学生って暇なんですか?」

「違う!私は修理しているのだ!」

そう言っているマシマの手元を見る。

彼の愛機、シュヴァリエ・ガルスは、

なぜか昨日よりバラバラになっていた。

「……悪化してません?」

アスカが恐る恐る尋ねた。

「分解したのだ!所謂オーバーホールというものだな!」

「本当に?」

「本当だ!」

(本当か……?)

アスカも昨日の続きを進めていた。

「今日は力入れすぎない……」

「うん」

「削る方向……」

「うん」

「番手……」

「それ違う」

「えっ」

「1000番以降は仕上げ用にしたほうがいいよ」

「昨日覚えたのに!」

「昨日覚えたからって、今日間違えないとは限らないよ」

「先生が厳しい!」

「先生じゃないってば!」

そんなやり取りをしつつ、慎重に少しずつ。

互いに着実に作業を重ねていく。

しかし――

「……あ」

アスカの手が止まる。

「何?」

「レ……レイ」

「ん?」

「ここ……」

見せられたパーツを見る。

そこには明らかに削り過ぎた装甲パーツがあった。

「あ~あ」

「なんか……細くなっちゃった……」

「削りすぎたね」

「やっぱり!?」

アスカの顔から血の気が引く。

「や、やっぱりあたし向いてないんじゃ……」

「大丈夫。まだ直せるから」

「ほんと?」

そんな中、

「ふむ!」

前からマシマも覗き込む。

「この程度ならまったく問題ない!」

アスカの表情が明るくなる。

「ほんとですか?」

「無論だ!」

「ちなみに、どうやってやるんですか?」

「…………」

「…………」

「…………」

マシマは、少し悩んだのち、おもむろにスマートフォンを取り出し、

こちらに向けて答えた。

「少し待て!」

「今から調べるんですか!?」

「違う!確認だ!」

 

     ◇

 

【模型】雑談・製作相談スレ Part141【積むな作れ】

611 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:03 ID:cuUC0080

HG三箱買って帰ったら

家に同じの二箱あった

 

612 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:17 ID:JudiZZ99

なぜ買う前に確認しない

 

613 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:25 ID:GoggX007

積みは罪ではない

可能性だ

 

614 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:31 ID:Roseeeee

可能性という名目で家のマウンテンサイクルに封印すんな

 

615 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:38 ID:cuUC0080

ちな、お前ら積み何個?

 

616 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:45 ID:JudiZZ99

聞くな

 

617 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:52 ID:GoggX007

戦績非公開

 

618 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:18:58 ID:Roseeeee

積みの話になると全員カテゴリーFになるの草

 

619 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:05 ID:cuUC0080

俺たちは選ばれなかった……

 

620 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:10 ID:JudiZZ99

棚の空きスペースにな

 

621 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:16 ID:GoggX007

悲しすぎる

 

622 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:19:34 ID:RoseIII

至急頼む!

 

623 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:38 ID:cuUC0080

嫌な予感

 

624 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:42 ID:JudiZZ99

ま た お 前 か

 

625 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:19:49 ID:RoseIII

装甲の一部を少し削りすぎた場合

どの補修方法が最適だ?

 

626 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:19:54 ID:GoggX007

やっぱ壊したのか・・・

 

627 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:20:00 ID:RoseIII

私ではない!

 

628 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:20:05 ID:Roseeeee

ハハハ、またまたご冗談を

 

629 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:20:10 ID:RoseIII

本当だ!

 

630 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:20:15 ID:cuUC0080

画像うpはよ

 

631 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:20:21 ID:RoseIII

本人の機体を勝手に晒すわけにはいかん!

 

632 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:20:26 ID:JudiZZ99

そこだけ常識人なの腹立つ

 

633 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:20:31 ID:GoggX007

お前にもちゃんと常識が存在したのか・・・(困惑)

 

634 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:20:51 ID:Test603

現状の情報だけでは判断できません。

削り過ぎた範囲、深さ、元のパーツ厚、可動部との干渉の有無を確認してください。

最低でも以上の情報が必要です。

 

635 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:20:58 ID:cuUC0080

中尉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

636 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:21:03 ID:JudiZZ99

急に技術試験報告書で草

 

637 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:21:09 ID:Roseeeee

昨日いなかったな

 

638 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:21:18 ID:Test603

昨日は勤務中でした。

 

639 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:21:23 ID:GoggX007

今日は?

 

640 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:21:30 ID:Test603

今週は通常より早い時間から勤務しているため、すでに退勤しています。

 

641 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:21:35 ID:cuUC0080

急に社会人の生活感

 

642 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:21:40 ID:JudiZZ99

労働乙!

 

643 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:21:46 ID:Test603

ありがとうございます。

 

644 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:21:51 ID:RoseIII

軽度!

おそらくキャリバーン!

荷重は大きくない!

 

645 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:22:14 ID:Test603

了解しました。

その条件であれば、まずパーツの該当箇所自体の厚みを戻す方法を試すのが妥当です。

パテやプラバン等を接着し肉厚を回復させ、完全硬化後に少量ずつ削り、厚さを調整してください。

補修後は必ず可動試験を行い、白化や亀裂の有無を確認することを推奨します。

 

646 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:20 ID:GoggX007

可動試験ww

 

647 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:25 ID:Roseeeee

模型一個で評価試験始まった

 

648 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:30 ID:cuUC0080

空中分解しない?

 

649 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:22:36 ID:Test603

させません。

 

650 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:41 ID:JudiZZ99

即答wwww

 

651 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:45 ID:GoggX007

中尉また始まりそう?

 

652 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:22:52 ID:Test603

始まりません。

 

653 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:22:56 ID:cuUC0080

安心した

 

654 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:23:02 ID:RoseIII

助かる!

 

655 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:23:07 ID:JudiZZ99

お前も中尉労えよ

 

656 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:23:13 ID:RoseIII

中尉!

日々の勤労に敬意を表する!

 

657 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:23:20 ID:Test603

ありがとうございます。

補修を続けてください。

 

658 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:23:25 ID:Roseeeee

扱い慣れてて草

 

     ◇

 

「分かったぞ!」

マシマさんが顔を上げた。

「まず厚みを戻す! 完全に硬化させた後で少しずつ削って調整し、最後に可動試験だ!」

「……」

「どうした?」

「それ、今誰かに教えてもらいましたよね?」

「情報収集だ!」

「聞いたんですね」

「……うむ」

認めた。

アスカが首を傾げる。

「誰に聞いてるんですか?」

「同志たちだ!」

「友達?」

「…………」

「?」

「顔も本名も知らんがいいやつらだ!」

「それ友達って言っていいんですか!?」

「ネットとはそういうものだ!」

「急に説得力なくなった」

「何故だ!?」

 

     ◇

 

――木曜日

「そういえば数学の小テストどうだった?」

「普通かな」

「……それ絶対できた人のやつじゃん」

「アスカは?」

「うっ……あーあー、聞こえないー」

「聞いたのアスカじゃん」

そんなどうでもない話をしながら。

塗装の準備。

アスカが調色皿を見る。

「……白って白じゃダメなの?」

「ダメというか、合わない」

「白なのに?」

「白だから」

「???」

「ここの白、少し暗めだから」

「白にも派閥があるの?」

「派閥……?」

横から。

「白という色は実に奥深い!」

マシマさん。

「詳しいんですか?」

「無論――」

一瞬。

止まった。

「…………」

おもむろにスマートフォンを取り出す。

「あ」

「また調べてる!」

「確認だ!」

 

     ◇

 

【模型】雑談・製作相談スレ Part141【積むな作れ】

701 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:02 ID:GoggX007

お前ら一般兵やるなら何乗る

 

702 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:09 ID:cuUC0080

ジェガン

 

703 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:14 ID:JudiZZ99

ジム・スナカス

 

704 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:20 ID:Roseeeee

ドム定期

 

705 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:26 ID:GoggX007

お前ら全員自分をエースだと思ってない?

 

706 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:31 ID:cuUC0080

じゃあボール

 

707 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:35 ID:JudiZZ99

極端すぎる

 

708 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:41 ID:Roseeeee

リーオー

 

709 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:45 ID:GoggX007

急に宇宙世紀出るな

 

710 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:49 ID:cuUC0080

グレイズ

 

711 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:53 ID:JudiZZ99

鉄血になっただけじゃねーか

 

712 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:43:57 ID:Roseeeee

デミトレ

 

713 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:01 ID:GoggX007

学園生活始めんな

 

714 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:44:13 ID:RoseIII

会話中すまない!白の調色について聞きたい!

 

715 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:17 ID:cuUC0080

今量産機の話してんだよ

 

716 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:21 ID:JudiZZ99

空気を読めマシュマー

 

717 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:44:27 ID:RoseIII

急ぎなのだ!

 

718 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:31 ID:GoggX007

お前毎日急いでんな

 

719 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:44:38 ID:RoseIII

周囲より少し暗さのある白だ

純白では浮く

 

720 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:43 ID:Roseeeee

現物目の前にあるのお前だろ

 

721 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:44:48 ID:cuUC0080

自分でやれwww

 

722 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:45:05 ID:Test603

白は周囲の色によって見え方が変化します。

比較対象があるのであれば、一度に決定せず、少量ずつ調整して試験片で確認してください。

乾燥前後でも発色は変化します。

 

723 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:11 ID:JudiZZ99

試験片wwwww

 

724 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:16 ID:GoggX007

また試験してる……

 

725 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:21 ID:Roseeeee

中尉なんでも評価対象にするな

 

726 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:45:29 ID:Test603

ぶっつけ本番より確実です。

 

727 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:33 ID:cuUC0080

ぐう正

 

728 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:37 ID:JudiZZ99

正論には勝てない

 

729 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:45:42 ID:RoseIII

了解した!

 

730 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:47 ID:GoggX007

お前自分で何か判断した?

 

731 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:45:53 ID:RoseIII

質問する相手を判断した!

 

732 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:45:58 ID:Roseeeee

屁理屈だけは一級品

 

     ◇

 

「試し塗りしてから決めよう!」

マシマが言った。

私は彼をじっと見る。

「また教えてもらったんですか?」

「今回は確認だ!」

「毎回それ言ってますよね」

「確認は重要だ!」

アスカが笑う。

「でも便利だね、それ」

「そうだろう!」

「困ったらすぐ聞けるんでしょ?」

「無論だ!」

「マシマさん、自分で考えなくならない?」

「…………」

ピシッと石になったかのようにマシマさんが止まった。

「アスカ」

「何?」

「今の結構効いてる」

「えっ」

「そ、そんなことはない!」

誰よりも分かりやすい男、それがマシマという男だった。

 

     ◇

 

――金曜日。

昼休み。

「レイ、今日お弁当は?アタシ今日は卵焼き作ったんだ!」

「そうなんだ。私も今日卵焼き作った、あ――」

「?何?」

「卵焼き……」

「?」

「なら卵焼き交換しない?」

アスカが一瞬。

きょとんとして。

すぐに笑った。

「する!」

向こうから言われた何でもない口約束。

でも今日は私から言った。

たったそれだけのことだけど。

なんだかかけがえのないものだと感じた。

 

     ◇

 

チリン。

「ただいまー!」

アスカがアクシズホビーへ入る。

店長が顔を上げた。

「おい、貴様。ここは貴様の家ではない」

「……あ」

アスカが口元を押さえる。

「今『ただいま』って言ったね」

「だ、だって今週毎日来てるし……」

「だからと店に住むな、たわけ」

「すみませーん」

私も思わず笑った。

「マシマさん今日もいるかな」

「まだいないね」

そんな時、

チリン。

「諸君!」

「来た」

「何故待ち構えていた!?」

気づけばもう四日目。

もう驚かなくなった。

 

     ◇

 

その日の夕方。

「……やっとできた」

アスカが呟いた。

彼女の目の前の机に、

メイガスキャリバーンは堂々たる姿で立っていた。

この四日間、必死に直していた。

拭いた。削った。埋めた。整えた。

塗った。組み直した。

新品のものとは全く同じではない。

近くで見れば自分で直した痕跡も残っている。

それでもちゃんと、二本の脚で立っている。

「……直せた」

「うん」

「あたしが?」

「まぁ実際半分くらいかな?残り私がやったし」

「そこは全部って言わせてよ!」

「それだと嘘じゃん」

「レイってそういうとこあるよね!」

言いながらも。

アスカは嬉しそうだった。

指先で、そっとなでるように愛機(メイガスキャリバーン)の肩を触る。

「でも……」

「?」

「自分で直すの、結構楽しかった!」

「でしょ?」

そんな満足げなアスカを見て自然と口元が緩んだ。

「あ」

「何?」

「今笑った!」

「わ……笑ってない」

「絶対笑った!」

「知らない!」

「火曜日からずっとそれ!」

その向こう。

「こちらも完成だ!」

マシマさんが高らかにシュヴァリエ・ガルスを掲げる。

「……なんかマシマさんの方が時間かかってません?」

「気のせいだ!」

「水曜にランス作り直してたよね」

「改良だ!」

「昨日盾も分解してましたよね」

「オーバーホールだ!」

「火曜よりパーツ増えてない?」

「改修だ!」

「まったく、修理とは何だったんだ……」

思わず店長がツッコむ。

「私にとっての進歩です!ハマノ様!」

「黙れ俗物!それと様付けをやめろ!」

 

     ◇

 

最後に。

簡単な動作確認のため、バトルシステムにメイガスキャリバーンをセットする。

「よーし……!」

一歩。

二歩。

関節。

出力。

問題ない。

「アスカ、次そこは――」

「待って!」

「?」

「ちょっと、自分でやってみる」

一瞬、言葉が出かかる。

でも。

「……分かった」

出かかった言葉を飲み込む。

キャリバーンが動く。

少し危なっかしいが、旋回して跳んで着地する。

「おっとっと……!」

「……」

口を出したくなる。

だが我慢した。

アスカがこちらを見る。

「ねえ、レイ」

「何?」

「あたしさ」

キャリバーンを見る。

「一人だったら、どれくらいやれるんだろ」

「一人?」

「うん」

「昨日まで修理で泣いてた人が?」

「それはそれ!」

アスカが笑う。

「でも」

自分の手で直したメイガスキャリバーン。

なら、ちゃんと自分だけの手で戦ったならどうなるんだろう……

「一回、自分だけで戦ってみたい」

「…………」

「レイがいなくても、あたしがどこまでやれるのか」

その横から。

「なるほど!」

マシマさんが腕を組んで頷いた。

「良いではないか!」

アスカが振り返る。

「マシマさんはどう思います?」

「…………」

「?」

スマートフォンを取り出した。

「少し待て!」

「えぇ……」

思わずあきれてしまう。

「そこも聞くんですか!?」

アスカもさすがに驚いてしまった。

 

     ◇

 

【模型】雑談・製作相談スレ Part141【積むな作れ】

802 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:10 ID:JudiZZ99

結局ガンプラで近接武器一本だけ持たせるなら何がいいんだ

 

803 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:17 ID:cuUC0080

ビームサーベル

 

804 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:22 ID:GoggX007

身も蓋もねぇな

 

805 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:27 ID:Roseeeee

ヒートホークなんだよなぁ

 

806 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:32 ID:JudiZZ99

漢なら拳だろう!

 

807 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:36 ID:cuUC0080

東方不敗がいるぞ

 

808 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:40 ID:GoggX007

ガンプラバトルで武器持ち相手に素手で戦わせんな

 

809 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:45 ID:Roseeeee

ゴッドガンダム「は?」

 

810 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:50 ID:JudiZZ99

マスターガンダム「は?」

 

811 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:32:55 ID:cuUC0080

ドラゴンガンダム「腕伸びます」

 

812 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:00 ID:GoggX007

>>811

お前は武器持ってるだろ

 

813 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:33:12 ID:RoseIII

すまない!相談だ!

 

814 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:16 ID:JudiZZ99

はいはい今日は何

 

815 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:20 ID:Roseeeee

もう驚かんぞ

 

816 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:33:26 ID:RoseIII

初心者が一人でバトルしてみたいと言っている

どう思う?

 

817 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:31 ID:cuUC0080

やればいいじゃん

 

818 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:35 ID:GoggX007

早くもこのスレは終了ですね

 

819 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:33:41 ID:RoseIII

待て!

もう少し考えてくれ!

 

820 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:47 ID:JudiZZ99

何をだよwww

 

821 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:33:52 ID:Roseeeee

ちな、相談元ってこの前の三戦目ちゃん?

 

822 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:33:58 ID:RoseIII

何故分かった!?

 

823 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:03 ID:cuUC0080

お前今週ずっと初心者の修理相談してるだろ

 

824 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:08 ID:GoggX007

むしろ分からない方がおかしい

 

825 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:13 ID:JudiZZ99

マシュマー

匿名化失敗

 

826 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:34:19 ID:RoseIII

名前は出していない!

 

827 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:23 ID:Roseeeee

そういう問題じゃない

 

828 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:34:41 ID:Test603

本人が希望しているのであれば、シングル戦を経験すること自体に問題はないと思います。

ただし、MAVとシングルでは情報量と判断負荷のかかり方が異なります。

勝敗のみを評価対象とせず、単独時にどの判断で遅れが発生するか確認しておけば、次回以降のMAV戦でも有用な記録になるでしょう。

 

829 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:48 ID:cuUC0080

記録

 

830 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:52 ID:GoggX007

やっぱデータ取るんだ

 

831 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:34:57 ID:JudiZZ99

初心者の四戦目まで評価試験扱い

 

832 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:35:05 ID:Test603

評価試験とは言っていません。

 

833 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:35:09 ID:Roseeeee

やってることほぼ同じで草

 

834 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:35:15 ID:RoseIII

なるほど!

 

835 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:35:19 ID:GoggX007

理解した?

 

836 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 16:35:25 ID:RoseIII

要するに

やってみればよいということだな!

 

837 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 16:35:34 ID:Test603

かなり要約されましたが、概ねそうです。

 

838 :HG名無しさん:20XX/04/XX 16:35:38 ID:cuUC0080

中尉は優しいなぁ

 

     ◇

 

「やってみればいいと思う!」

マシマさんが自信満々に言った。

「……今絶対誰かの受け売りですよね」

「見識に所有者などない!」

「ありますよ」

「細かい!」

そんな私たちを見て。

店長が口を開いた。

「ほう……なら、ちょうどいい」

「?」

「明日の店内試合にて、シングルのバトル枠が一つ空いている」

アスカの顔が上がる。

「一対一?」

「そうだ」

「出ます!」

「即答!?」

「だってやってみたいし!」

「……まあ、アスカらしいか」

「でしょ?」

「よかろう、少し待ってろ」

そう言うと、店長は店の奥に向かった。

 

     ◇

 

その後、店長が対戦表が書かれた紙を持ってきた。

「貴様の情報も入れた、確認するがいい」

「シュトウ……シュトウ……あ、あった!」

アスカが自分の名前を見つける。

シュトウ・アスカ:メイガスキャリバーン

その横に対戦機体が書かれていた。

「……トモエガンダム?」

「機体名かな、多分巴御前からとったのかな?」

「なんか強そう」

「怖くなった?」

「……ちょっと」

「ならやめる?」

一瞬、アスカは悩んだ。

そして首を振る。

「やめない!」

その横から。

「トモエガンダムか……」

マシマさんが覗き込む。

アスカが尋ねた。

「知ってるんですか?」

「…………」

「…………」

またもやおもむろにスマートフォンを取り出す。

「知らないんだ」

「まだ何も言っていないだろう!?」

 

     ◇

 

【模型】雑談・製作相談スレ Part141【積むな作れ】

866 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:11 ID:cuUC0080

結局近接一本なら薙刀か槍強くね?

 

867 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:17 ID:JudiZZ99

さっきからまだやってたのかよ

 

868 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:23 ID:GoggX007

間合い長い

突ける

払える

普通に強い

 

869 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:28 ID:Roseeeee

じゃあ次作る機体薙刀持たせるわ

 

870 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:33 ID:cuUC0080

三日後にはビームサーベル持ってそう

 

871 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:02:41 ID:RoseIII

急募!

 

872 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:45 ID:JudiZZ99

ま た お 前 か

 

873 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:02:51 ID:RoseIII

トモエガンダムについて情報求む!

 

874 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:02:56 ID:GoggX007

誰

 

875 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:01 ID:Roseeeee

知らん

 

876 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:07 ID:cuUC0080

大会勢?

 

877 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:03:13 ID:RoseIII

明日、例の初心者が戦う相手らしい!

 

878 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:18 ID:JudiZZ99

お前もう完全に保護者みたいになってるぞ

 

879 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:03:24 ID:RoseIII

違う!

 

880 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 17:03:41 ID:Test603

私の記録にも該当する機体名はありません。

 

881 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:47 ID:GoggX007

中尉の記録にない……だと……

 

882 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:52 ID:Roseeeee

未確認機キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

883 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:03:57 ID:cuUC0080

UNKNOWN

 

884 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:02 ID:JudiZZ99

IGLOO新作始まった?

 

885 :技術中尉 ◆REPORT:20XX/04/XX 17:04:08 ID:Test603

始まりません。

 

886 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:12 ID:GoggX007

い つ も の

 

887 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:16 ID:Roseeeee

ここまでの流れ見て安心した

 

888 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:22 ID:cuUC0080

明日現地で見ればいいじゃん

 

889 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:04:28 ID:RoseIII

………………

 

890 :★マシュマー ◆ROSE/III:20XX/04/XX 17:04:35 ID:RoseIII

それもそうだな!

 

891 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:40 ID:JudiZZ99

スレに聞く前に気づけ

 

892 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:44 ID:GoggX007

マシュマー、今週何回質問した?

 

893 :HG名無しさん:20XX/04/XX 17:04:49 ID:Roseeeee

数えるな

怖くなるぞ

     ◇

こうして。

四日間にわたる修理は終わった。

傷ついたガンプラは再び立ち上がった。

最初は、本当に直るのかと不安そうにしていたアスカが。

今日、自分の手で直したメイガスキャリバーンを見て

次は、一人で戦ってみたいと言った。

そして私もいつの間にか。

学校が終わればアスカと一緒に店へ向かい、

同じ机に座って、

くだらない話をしながらガンプラを弄ることが、当たり前になっていた。

そんな短い、けれど私たちにとっては大切な四日間だった。

 

――まぁもっとも。

「……マシマさん」

「何だ?」

「そのガルスの腕」

「む?」

「ちょっと外れてません?」

「…………」

全員の視線が。

シュヴァリエ・ガルスへ向く。

「…………」

確かに。

僅かに、肩関節が緩んでいる。

マシマさんは、天を仰ぎ、

そしてゆっくりスマートフォンを取り出した。

「念のため――」

「いい加減、自分で直してください!」

アスカの声が、店中に響いた。

店長がため息をつく。

「はぁ、まったく……」

金曜日のアクシズホビーは。

今日も、少しだけ騒がしかった。

 




――次回予告

みなさんお待ちかねぇ!
一人でも戦えることを証明しようと、初の単独バトルに挑むアスカ!
ところが彼女の前に立ちはだかったのは、薙刀を操る謎の女武者――トモエガンダム!
レイの指示も、MAVの援護もない中、はたしてアスカは自分だけの戦い方を見つけられるのでしょうか!?
しかも追い詰めたと思ったその時、トモエの額に恐るべき鬼の角が!
「鬼武者モード、見 参!」

次回、ガンダムビルドファイターズ STARS――
第4話「戦場に舞う女武者!トモエガンダム」
               へ、レディー・ゴー!!
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