俺とジジイの提督生活(タイトル募集中)   作:Z/Xプレイヤー26

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変人と名高い博士はどんな人なのか…


第10海

大破した司令官くんを見て、青葉に連れてこられた人物…恐らく博士だろう人物は溜め息を吐いた。

 

「また大破したのかね、司令官くん…」

 

「博士…面目ない…」

 

博士は司令官くんに近づき、損傷箇所を確認する。

 

「またって…何回も大破してるのか?司令官くんは?」

 

「その通りだ、永年中将の孫くん」

 

博士は俺の問いに答えてくれた、ジジイの孫だという事は、もう知れている様だ。

 

「博士!!パーツを持って来ました!!」

 

白衣を着た青年が博士に機材とパーツらしき物を渡す、どうやら助手の青年みたいだ。

 

「ありがとう、しかしこうも大破されては困るな…大本営と言えど、資材やパーツが無限に有る訳では無い、大破を繰り返す様なら、君の人工知能を変えて、自我を無くさなくてはならない」

 

「ぐぅ…しかし博士、艦娘を指揮するには『人の意思』が必要です…私の自我を無くしてしまっては…」

 

司令官くんは博士に苦しそうに話す、艦娘を指揮するには『人の意思』が必要か…提督の適正もそれが重要なのか?

 

「それに関しては問題は無い、提督達の意識をコピーした人工知能を現在開発中だ、現に私の意識をコピーした人工知能は完成している、但し私の動きをコピー出来る程の『体』は出来上がってはないがね」

 

「な、ならば私は用済だと言うのですか!?(怒)」

 

司令官くんがキレる…いや、怯えている…

 

「心配は要らんよw君は『まだ』データを取る必要があるからな…大丈夫だ」

 

「今、笑ってなかったか?博士…」

 

しかも『まだ』か…データを取ったら解体するのか…?

 

「それにしても孫くん…君は『艦娘の力に頼らずに』深海棲艦と闘えるようになりたいかね?」

 

博士は修復作業を進めながら、俺に質問してくる、先程の青葉の質問と似ている。

 

「……出来るなら闘いたい…」

 

「そうか…なら、少し『実験』に付き合ってくれんかね?」

 

返答を聞くや否や、いきなり実験の協力を頼んできた…

 

「……内容にもよりけりだな…」

 

「このマスク、いや、ヘルメットと言った方がしっくりくるかな?」

 

そう言って、博士はメタリックな紫のヘルメットを取り出した…

 

「何だよ…それ…」

 

「このヘルメットを被ると、人間の限界を遥かに超えた力を手に入れる事が出来るのだ…そしてこのスーツを着れば、更に力を手に入れる事が可能だ」

 

博士は更にメタリックなスーツを取り出した…バッタ物のヒーロースーツみたいだ。

 

「強いのは良いが…」

 

ダサい…とは、あまり造った本人の前では言い辛い…

 

「大佐、止めといた方が良いよ…ダサいじゃん」

 

「鈴谷…お前の素直な性格は羨ましいな…」

 

ハッキリと言った、凄いと思う。

 

「ハハハ、ダサいか…しかし性能が重要なのだよ、私達人類はその内、艦娘だけに頼る訳にはいかない状態になるかも知れないのだからな…」

 

確かに博士の言う事は尤もだ…深海棲艦を倒す為に闘う艦娘は…負けたら深海棲艦になるんだからな…負の連鎖を断ち切る為には、艦娘に頼らずに闘う方法を模索しなければならない。

 

「……まだ試作品だからね、助手君でも良いんだが…出来るだけ提督として能力を持っている人間が好ましいのでね…」

 

「……分かった、ヘルメットを貰おう」

 

艦娘に頼らずに闘う事が出来るなら…俺はモルモットにもなってやる!!

 

「では、早速被ってくれ、心配は要らんよw」

 

「今何で笑った…うお!?」

 

心配になったが博士にヘルメットを被せられる、そしてあっと言う間にスーツを着させられる…

 

「孫くん…これで君は人類で最も進化した人間になった」

 

満足そうに博士が話す…

 

「で?何が出来るんだ?これで深海棲艦と闘えるのか?」

 

「まあ、待ちたまえ…このチップを差し込めば、ヘルメットの機能が完全に解放される…」

 

そう言って、博士はヘルメットにチップを差し込む。

 

「大佐…やっぱりダサいじゃん…嫌だよ、こんな大佐…」

 

「悪いな…だが、お前達の負担を減らす為でも有るんだ…」

 

自分でも思う、すげえダサいと…

 

「で?完全に解放されて、何が出来るんだ?」

 

闘えるのなら、さっさと闘いたいな。

 

「何が出来るかは…私にも分からん」

 

「…………は?」

 

「」

 

俺は間抜けな声を出した…鈴谷に関しては絶句している…

 

「私にも分からん…ってあんたが造ったんだよな!?」

 

「実は私が造ったのではなく、前任の今は亡き博士が造ったのだよ」

 

「そ、そんな物を大佐に被せないでよ!!今すぐ脱がして!!」

 

鈴谷がヘルメットを引っ張る…だが、脱げない…どうやって脱ぐんだ…?

 

「博士、どうやって脱ぐんだ?」

 

「時間が無くてな…脱げないのだ、そのヘルメットは」

 

「」

 

「」

 

俺と鈴谷…二人揃って絶句。

 

「……じゃあ大佐は一生このままなの?」

 

鈴谷が泣きそうな声で博士に質問する…鈴谷…俺も泣きたい…

 

「本当に申し訳無い…そうだ…」

 

「嫌!!こんな大佐、嫌!!もう二度と素顔の大佐に会えないの!?そんなの…最悪じゃん!!」

 

鈴谷がとうとう泣き出す…

 

「何だ?素顔が見たいのかね、それなら『ステルス』と言えばスーツは消える、まあ、見えなくなるだけで、スーツやヘルメットは着けたままだがね…」

 

「………こんなスーツ…壊してやる!!大佐!!少し痛いかも知れないけど我慢してね!!」

 

鈴谷が砲撃をする…

 

「ぐぁ!!いってぇ…」

 

「スーツは弾を弾くから問題は無い…」

 

成る程…弾は弾くが痛みは思いっきりあるんだな…

 

「何をやっとるんじゃ!?変な格好をして!!」

 

ジジイが騒ぎを聞き付けてやって来た、陸奥も一緒だ…

 

「中将…大佐が…大佐が…!!」

 

「まさか、そのダサいヒーローみたいなのが大佐なの!?」

 

「博士にやられよったか…陸奥、道に迷っていた分、しっかり働いて貰うぞ!!スーツを破壊するんじゃ!!」

 

陸奥と鈴谷が砲撃をする…すげぇ…いてえ…

 

「無駄だ、そのスーツは科学の結晶…壊されている様では意味が無い…まあ丁度良い、耐久力のテストだ…データを取らせて貰うとしよう」

 

博士がデータの解析を始める。

 

「そうだな、このデータによると、後200回砲撃をすれば、スーツは破壊出来るかも知れんな、無論、中に居る大佐は無事ではないがね」

 

「後200回…大佐が無事じゃないなら意味無いじゃん!!どうしよう!!」

 

鈴谷が狼狽える…200回の砲撃を耐えるのは不可能だ。

そんな時に、少し恐ろしくも感じる男性の声がした。

 

「退け、小娘と老害…」

 

声の主を見て、博士は驚いていた。

 

「これはこれは大将殿…こんな変人博士の居る様な場所にどんなご用が?」

 

「黙れ糞博士が…老害!!あんたが居ながらなんて様だ…老人ホームで隠居してろ!!」

 

博士の話を聞く限り、現れた男性は大本営の大将の様だ。

隣には、眼鏡をかけて褐色肌の艦娘がいる、恐らく大将の秘書艦だろう。

 

「相変わらず口の減らん悪ガキじゃ…じゃが悪ガキよ、お主ならどうにか出来るのかのう?」

 

「当然だ!!中に入っているのはあんたの孫だろ?俺の武蔵に任せておけ…あの程度なら簡単に破壊できる!」

 

さっきから、破壊しか脱がす方法を考えてねぇ!!俺の身がヤバイんだが!?

 

「大将…俺は生きて帰れる方法で破壊するんですよね…?」

 

我ながら情けない声を出しているとは思うが、聞かずにはいられない。

 

「俺の武蔵をナメるな!!ケッコンカッコカリをして、本当の限界を超えた最強の艦娘だ!!更には気功を修得し、『相手の装備のみを破壊する』能力を手に入れた!!」

 

成る程…つまり今回はその装備のみを破壊する技を使って、スーツを破壊する訳だ…

 

「大将、あまり大袈裟に言わないでくれないか?恥ずかしいぞ…まるで自分の自慢の玩具をひけらかしている様で…」

 

武蔵は少し恥ずかしそうに大将を見た。

 

「玩具など……俺はお前の事を愛しているんだぞ?そんな酷い事を言うなよ…言うなら自慢の『嫁』だろう!!」

 

武蔵は大将の発言に、若干恥ずかしそうにしているが、とても嬉しそうだ。

 

「悪ガキが…色ボケになっとる…恋は人を変えるのかのう…」

 

「これだけの大人数の前で、そこまで言えるなんて最早、才能じゃん…鈴谷が言われたら引くけどね…」

 

「私も鈴谷と同意見ね…」

 

周りは結構ドン引きしていた…

 

「ゴホン…では、早速…大佐、体の力を抜け!!行くぞ………ハッ!!」

 

武蔵の拳がスーツの胸部の部分に直撃する。

 

スーツにヒビが入り、スーツが砕けた…

 

「成功だ…やはり気功は疲れる、大佐…大事無いか?」

 

「………特に問題は見られない…助かった、ありがとう」

 

自分で着けて脱げなくなるなんてな…金縛りから解放された気分だ…

 

「良かったよぅ…一生あのままかと思ったじゃん!!大佐のバカぁ!!」

 

鈴谷が泣きながら抱き付いてくる…

 

「バカな…あのスーツが壊されるとは…改良の余地アリだな…」

 

「おいクソ博士…その改良には脱ぐ機能も付けるんだよなぁ?実験の度に俺の武蔵を貸す気は毛頭無いからな?次は無いと思え!!」

 

大将が博士を叱る…どうやら度々問題を起こしている様だ。

 

「……分かりました、大将殿には深海棲艦の研究に協力をして頂いてますからね…ここは引き下がります…失礼します」

 

博士が出ていった。

その後を助手が追いかけていく、ふと司令官くんを見ると、修復が終わっている…腕は確かな様だ。

 

「全く…腕は確かなんだがなぁ…勿体無い、頭のネジが一本吹っ飛んでるからな」

 

「そう言うな、大将よ…あの博士のお陰で深海棲艦の研究が進んでいるんだぞ?」

 

「確かにな、しかしこうも問題が多いとな…あー、大将にもなると面倒だ…どっかの老害が代わってくんねーかな…」チラッ

 

大将がジジイをチラ見する、この人もジジイに苦労させられている人の様だ。

 

「ふざけるな、人を老害呼ばわりしておいて、良く言うわい!!」

 

「ま、良いけどな…そんじゃあ帰るか、武蔵、行こうぜ」

 

「ああ、では失礼する…」

 

大将と武蔵が出ていく。

 

「何か凄い疲れたね…あー…鈴谷もう帰りたい…」

 

「うむ、大体の用事は終わったからのう…土産でも買って帰るかのう!!」

 

「そうね…大佐、行きましょう?」

 

「ああ…」

 

司令官くんを見ると、どうやら眠っているみたいだ、スリープモードとやらだろう…

 

「大佐?どうかしたの?中将達行っちゃったわよ?」

 

「………司令官くんが完成したら、提督は必要無くなるんだろうか…ってな」

 

「いや、それだけじゃない…あのスーツは事実、お前達の砲撃を耐えた…あれも完成して、俺達が闘えるようになったら…」

 

俺達提督だけじゃなく…艦娘達も…

 

「……そうね…でもそれでも良いんじゃないかしら?時代に合わせて『道具』が変わるのは当たり前よ?」

 

「お前らは『道具』なんかじゃ無いだろ!!」

 

「ふふ…ありがとう、大佐少し変わったんじゃない?勿論良い意味でね」

 

こっちは真剣なんだが…どうも煙に撒かれている気がする…

 

「さ、行きましょう?早く帰りたいし、お土産も沢山買わないと!!」

 

「………分かった」

 

考えても仕方無いか…今日は滅茶苦茶疲れた…さっさと帰って寝たい…

 

「………結婚か…」

 

「何か言ったか?」

 

「何でも無いわよ♪」

 

その後、お土産を大量に買って、全員帰りの船で爆睡たらしい…




この様な駄文で本当に申し訳無い…
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