俺とジジイの提督生活(タイトル募集中) 作:Z/Xプレイヤー26
「さて…久々の大型建造だが…誰が資材の投入をしてくれる?最近運が良いやつ誰か居るか?」
大佐も、久々の大型建造に気合が入っているのか、少しでも、運気に乗ろうとしている。
「あ、この前宝くじで、私5000円当たりました!!」
霧島が手を挙げる。
「微妙だな…他に誰か居るか?」
「俺は最近結構な頻度でレアカード当てるぜ!!」
「鈴谷はこの前、パズ○ラで結構なレアを当てたし!!」
今度は天龍と鈴谷が手を挙げる…しかしどちらも決定的な程ではない…そんな中、熊野が手を挙げる…
「その…私、大佐から頂いたヘアゴムをしてから…運が物凄くて…先日応募した懸賞も当たりましたし…」
「フム…ならば、運を測定してみるかのう?」
そう言って、中将が机から緑色の片眼鏡の様な物を取り出した。
「中将…なにそれ…ダサい」
「これは大本営の博士が作ったその名も『測るくん』じゃ!!」
その言葉を聞いて、全員が凍りついた…大本営に行ってない艦娘達も、大佐から話を聞いていたからだ。
「中将…それは着けても取れるのか?」
長門がおそるおそる中将に尋ねる…
「大丈夫じゃ!!問題無い!!」
「それはフラグだぞ!!やめろジジイ!!それに、それはどう見てもスカ○ターじゃねえか!!爆発するのがオチだぞ!!」
大佐が中将を止めようとする、しかし中将は大佐の制止を振り切って、熊野の運を測定する。
「20…25…35…50!?……まだ上がるじゃと!?…70…80…ま、マズイ!!爆発する!!」
ボン!!と音がすると、スカ○ター…もとい、測るくんは爆発した。
「あの博士の発明は爆発するのがお約束になってるじゃん…」
鈴谷がげんなりした様子で語る…
「だが数値が正しいなら…熊野の運は、最低でも80は確定している事になるが…大佐が渡したヘアゴムはそれほどの物だったのか…」
「あら長門…貴女もあのヘアゴム欲しいの?」
長門の言葉に陸奥が反応する。
「だが…私にヘアゴムは似合わないだろうな」
「長門がヘアゴムねぇ…ポニテの長門か?別に似合わない訳では無さそうだがな?」
「そ、そうか?」
大佐の何気ないフォローに長門は照れていた…そんな雰囲気が面白かったのか、中将がニヤニヤしている。
「なら孫よ、今度長門にも『可愛い』ヘアゴムをプレゼントしてやるのはどうかのう?」ニヤニヤ
「ジジイがニヤニヤしてなければ普通に了承したんだが…」ガシッ
「痛い!!最近結構な頻度でワシの頭を掴む!!」
「えっと…大佐?大型建造は私が資材を投入しても宜しくて…?」
熊野が中将の頭を掴んでいる大佐に了承を得ようとする。
「そうだな、正直数値は宛にならんが…他に可能性が有るわけでもない、頼んだぞ」
「はい!……それで、大佐?どうしてまた、大型建造なんかを?だ、誰か欲しい艦娘でも?」
「まあな…月並みだが、大和型がな…」
熊野の質問に大佐は即答した…『大和型』それは最高クラスの戦力であり、提督であるなら誰しもが憧れる艦…しかしその入手難易度もまた、最高クラスであり、その姿を見る事なく提督としての人生を終える者も多い。
「大和型か…この長門をも越える可能性を持っている艦…会えるならば会いたいが、意外だな…大佐はそういう『皆が欲しがる』みたいなのは嫌うと思っていたんだが…」
「大本営で『武蔵』を見た…正直最高クラスの戦力の通り名に恥じない…いや、これが最高戦力として当然と思わせる様な威圧感…気配…言い表すのも難しいな…」
「……確かにね、私も見たけど、長門や私…金剛…どの艦よりも明らかに『強い』のは分かったわよ、見ただけでね…」
言い淀む大佐に、更には陸奥の率直の感想を聞いて、全員が息を飲んだ…
「だ、だけどそれはあの武蔵が結婚して、力を上げているからだよね!?私達も結婚すれば…」
鈴谷が慌てぎみに、周りに同意を求める。
「そうね…越えるのは難しいかも知れないけど…同等にはなれるかもしれないわね」
「た、大佐?大和型が建造出来なくても…怒らないで下さいね…?」
熊野が大佐に念を押す…
「怒らねえよ、物事に100%は無いからな…ましてや大型建造だからな、寧ろ熊野のお陰で大和型が建造出来たら何かご褒美をやるよ」
「本当ですの!?」
大佐の言葉に熊野は、眼を輝かせた。
「ああ、考えておけよ?」
「なら、デート…して…いただけます?」
熊野の発言に、またも空気が凍りついた…
「デート?俺とか?別に構わないが…デートスポットとか知らんし、そういうの超疎いぞ?それでも大丈夫か?」
「勿論構いませんわよ?しっかりエスコートして頂けるのなら♪」
熊野は楽しそうに笑った、周りは焦りの色が見えている…
(大丈夫…くまのんはここぞの勝負に弱い!!)
鈴谷は熊野が大一番に弱い事を知っていた、姉妹艦として長く一緒に過ごして居たので、周りほど焦ってはいなかった…
「では、行ってまいりますわ!!」
「ああ、行ってこい!!軽い気持ちで良いからな」
熊野は大佐の言葉を聞き、部屋を出ていった。
「くまのん大丈夫かな~?失敗しても怒らないであげてよ?」
「oh…随分と余裕そうネ…」
そう、鈴谷は今回も失敗すると思っていた…しかしそれは『慢心』である…戦場では『慢心』は大敵である、この恋愛という戦場で、鈴谷は『慢心』してしまったのだ…その結果…
☆
~建造後の提督室~
「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!!」
大和が…そこに居た…
「見事に来たのう…孫よ、熊野に礼を言わねばならんぞ…?」
「だな…まさか本当に大和型を建造するとは…たっぷりと礼をしてやらないとな…」
大佐と中将が話をしている…その様子を見て、大和は困っていた。
「あ、あの…この鎮守府の提督は…どちらですか?」
「おお、すまんな…この鎮守府には、ワシと孫…二人の提督が居るんじゃよ!!」
中将の言葉を聞いて、大和は驚いた…建造されて間もないので知識が不足しているのかも知れないが、一つの鎮守府に、二人の提督が居るのはかなり珍しい事だと思ったからだ。
「まあ、かなり珍しいぞ?大本営なら、かなりの敷地、部署があるから提督はかなりの数が居るが…普通の鎮守府に提督が二人居るのはここくらいじゃないか?」
「そうじゃな、ワシの知る限りはここだけじゃな!!」
「やっぱり珍しいんですね…お二人供、提督なのは理解しましたが…えっと、繰り返しの質問になってしまうんですが…私はどちらの提督に建造して頂いたんですか?」
大和の質問に大佐は答えた。
「俺だ…まあ、出撃以外ではあんまり関係無いな。あと、この鎮守府では、区別がつきにくいから、階級で呼んで貰っている。ジジイが中将で、俺が大佐だ」
「分かりました、私は大佐の部隊に入ればいいんですね…よろしくお願いいたします!!」
「ああ、とりあえず今日は来たばかりだから、出撃はしない…てか、この鎮守府はあまり出撃はしないな」
大佐の言葉に、大和は首を傾げた。
「え?なら、私はどうして建造されたんですか?あ、いえ!!建造して頂いた事には感謝してます!!…ですが…」
「いや、お前の疑問も最もだ…出撃をしないのに、最高クラスの戦力である、お前を建造した理由はな…」
大佐の話を聞いて、緊張していた…自分は何故生まれたのか…何の為にここに来たのか…その理由を聞けるのだから、緊張しない筈がない。
「お前を建造した理由は、恐らく…早くて一年…少なくとも、三年後には…深海悽艦との大きな戦闘が起こる可能性が高いと予想している…その闘いの中核になって貰いたくてな…」
「予想…ですか?」
「ああ、あくまで予想だ、だが俺の予想は大体当たるぞ?悪い方面だと特にな…」
「うむ…嬉しくは無いが…ワシが保証しよう…孫の予想はよう当たる」
大佐と中将の話を聞いて、大和は驚いた…だが同時に喜んでいる自分が居た。
(この大佐は凄い人…多分中将も凄い人だと思う…そんな人達に重要な戦闘の中核を任せて頂けるのなら…戦艦としての最高の誉れ!!)
「なんじゃ、嬉しそうじゃな?大和よ…体がうずいて仕方が無いかのう?」
「はい!重要な戦闘の中核を任せて頂けるのなら…これ以上嬉しい事はありません!!この大和!!大佐と中将の期待に必ず応えます!!」
「頼もしいな…よろしく頼むぞ?」
「はい!」
大和は力強く応えた。
「良し、とりあえず今日は休め…明日は祭だからな…」
「お祭ですか?」
「そうじゃよ…年に一度の女の子のお祭り…ひな祭りじゃ!!お主の歓迎会も含めて、今年は盛大にやるぞ!!」
歓迎会と聞いて、大和は戸惑った。
「あ、あの…本当に良いんですか…?歓迎会だなんて…私…いっぱい食べますよ…?」
「気にするな、食材も資材も大量にあるからな…ジジイが何かしているらしいが…なあ?」
大佐に睨まれて、中将は視線を逸らした。
「元帥に協力しとるんじゃ…報酬はたっぷり貰うわい…」
(元帥殿か…ジジイとは昔からの付き合いらしいが…)
「まあ良い…大和、部屋には鳳翔に案内させるから、ついていけ、鳳翔、頼む」
大佐がそう言うと、提督室の扉が開き、鳳翔が提督室に入ってくる。
「はい大佐!さあ、大和さん部屋に案内しますね、こちらへどうぞ」
「あ、はい、ありがとうございます!!では大佐、中将、失礼します!!」
鳳翔に案内され、大和は提督室を出ていった。
「さて、明日は祭だ…準備万端…さっさと風呂に入って寝るかな…じゃあな、ジジイ」
「うむ、ワシももうすぐ寝る…おやすみ」
大佐が提督室を出る。
そして提督室に一人残った中将は…
「孫の予想はよう当たる…今度の予想も恐らくは…ならば、行かねばならんじゃろう…」
誰も居ない提督室で、一人呟いた…
次回はひな祭り…間に合うのか…?