俺とジジイの提督生活(タイトル募集中) 作:Z/Xプレイヤー26
中将と大佐が執務をしている。提督室ではペンの音だけがカリカリと鳴っていた。
「……ジジイ、何かあったのか?」
「………」
執務をしていたものの、いつもと違う中将の様子を見て大佐が話かけるが、中将は黙ったままだった。
「…言いたくないなら構わないが、独りで気負うなよ?」
大佐の言葉を聞き入れたのか、中将が口を開く。
「……そうじゃな…この前に連れて来たチンピラの事じゃが…」
「口は割ったんだろ?そう言えば、内容を聞いてなかったな、情報源はどこだったんだ?」
「………大本営の人間なのは確かじゃが…誰かは分からんな…」
中将は苦い顔をして続けた。
「大本営の人間ならば…提督としての適正がかなり高い人間じゃろうに…そんな人間が艦娘に危害を加える等…許されん事じゃ!!」
「……最近の海軍は色々と変わった部分も多いらしいからな…」
そう、最近の海軍…細かく言えば、艦娘と深海棲艦が現れてから、海軍は大きく変わった。
軍人の定年は無くなり、提督としての適正が高ければ、高い地位を与えられ、年齢等は関係無く将校になれる。
「確かに変わったのう…新参が増えれば、今回の様な事件も起きると言うことかのう…」
「新参か…提督適正が高ければ何でも出来るからな…俺も実際は大佐なんて出来る年齢じゃないからな」
「そうじゃな…士官学校…昔は鬼の軍校等と言われておったが、今は緩いじゃろうな、提督適正が高ければ、すぐにでも大佐クラスになれるからのう…」
中将が昔を懐かしむ様に話をする。
「しかしな…そろそろ一般市民にも艦娘と深海棲艦の事を隠すのは無理だろ?海軍の体制を変えたとしても…」
「……どういう意味じゃ?」
「あのな…当然だろ?海が閉鎖に近い状態で、一般の航路も大打撃、漁場も激減…隠し通すのは無理だろ!?漁に関しては、艦娘がアシストしてるとはいえ、漁獲量は減ってるし、無茶だろ…」
「………その辺りは元帥がなんとかするじゃろう…」
大佐の意見を聞いて、中将は上手く反論出来なかった。
「丸投げかよ…まあ、仕方ないよな…隠し通せる自信があるから隠してるんだろうしな…それとも、無策でこれなら…公表した方が良いだろうな…」
その言葉を聞いて、中将は何か思いついた様な表情をした。
「……何を思いついた?」
「……孫よ、大本営にワシは行く…」
「理由は?」
「前々から言われておったんじゃ…『暫く』大本営に来い…とな」
中将の言葉を聞いて、大佐は何も言わなかった。
「何も言わんのか?」
「別に?あんたが考えた事だ…一応信頼してはいるからな?」
「そうか…少しの間じゃが…鎮守府の事は頼んだぞ!!」
大佐のお墨付きを貰った中将は早速艦娘達に、鎮守府を離れる事を伝えた。
「と、言う訳じゃが…赤城、霧島、長門、陸奥、利根、鳳翔、夕立…ついて来てくれるかの?」
中将の部隊の艦娘は、笑顔で答えた。
「「当然です!!」『ぽい!!』」
「すまんな…孫に会えないのは寂しいかも知れんが…宜しく頼む!!」
中将は艦娘達に深々と頭を下げた。
「ふふっ…確かに大佐に会えないのは寂しいけれど…私達の提督は中将だもの…ね?皆!!」
「そうじゃぞ!!中将が吾輩達の提督じゃ!今更何を言っておる!!」
陸奥と利根の言葉に中将の部隊の艦娘は全員が頷いた。
「相変わらず、凄い団結力だな…年季が違うな」
「大佐?それは私達が年寄り…と仰っているんですか?」
霧島が大佐を睨み付ける。
「誤解だ…断じて違う!!」
「冗談ですよ!!そんなに慌てないで下さい!私がそんなに怖いですか!?」
想像以上に慌てる大佐を見て、霧島は驚いた。
「嫌だ…死にたくない…死にたくない!!」
「ちょ…本当に…」
「………冗談だぞ?」
「……………マイクチェックしましょうね♪大佐?」
霧島が大佐に死刑宣告をする。
「……もう駄目だ…おしまいだぁ…」
「ワシは知らんぞ…馴れん冗談なんぞするからじゃ…」
中将は大佐を見捨てた。
「冗談はさておき…気をつけろよ?全員な…」
「分かっておる…向こうには『敵』が居る可能性は十分に考えておるからな!!」
自身満々に中将は答えた。
この様子なら心配は無さそうだ。
「それでは…行ってくる!!」
「ああ、鎮守府は任せておけ、何をするかは知らんが、期待はしてるぜ?」
「うむ!!期待しておれ!!」
そう言って、中将達は大本営に向かった…そして大佐は今日から一人で鎮守府の指揮をとる。
今回は分岐点その1みたいな感じです。