パワプロシステムで行くやり直し野球人生   作:ホームラン

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第2話 高校一年 入部~練習試合

 

 「ピッチャー志望はマウンドにいけ。とりあえず投げてみろ」

 

 監督の指示に従い、俺を含む投手を希望した一年三人が投げる準備をする

 

 バックネット裏にはスピードガンが設置されている、新入生が使えるかどうか試すつもりらしいな?

 

 特待生も取らなくなった以上、今年入部した一年生13人がどんな選手か監督は知らないわけだ

 

 「田中、いきます!」

 

 同級生の田中君がマウンドから投げる、オーソドックスな右投げだ

 

 「エイッ!」  シューッ! パンッ!

 

 田中君の真っ直ぐはそこそこのスピードに見える、125㎞/hくらいは出てるんじゃないか?

 

 「あっ!すいません!」

 

 ただコントロールがイマイチだな…二年生の先輩キャッチャーが忙しそうだ

 

 「おし。次、投げろ」

 

 田中君はだいたい10球位投げた。正直俺はこれだけじゃ田中君がどんなピッチャーなのかはわからない。変化球投げてないし、そもそも試合じゃないし

 

 でもまあ、よっぽど見所がない限り一年から使うことはないってことなんだろうな

 

 「佐藤いきまーす!」

 

 次は佐藤君が投げる、左投げでかなり横から投げてるな…サイドハンドではないけど、限りなく近いスリークウォーターって感じだ

 

 「シッ!」  キュルルル   パシンッ!

 

 佐藤君の真っ直ぐは110㎞/hくらい?ちょっと遅く感じるけど、一年生ってことを考えると普通くらいかな?

 

 真っ直ぐはフォームの影響か、強いシュート回転がかかってる。食い込んでくる感じだから、しっかりインコースを攻められれば武器になりそうだ。もちろん真ん中に入ればえらいことになるけど。

 

 「次、投げろ」

 

 おっと、俺の番が来た。よーし、しっかりアピールして、ガンガン試合に出てポイント稼ぐぞ!

 

◇ ◇ ◇

 

 (二人とも見所はあるがまだ時間がかかるな……)

 

 蓮華(れんげ)学園高校硬式野球部監督の霜月(しもつき)はそう心のなかで呟いた。

 

 もちろん新一年に過度な期待をしていた訳ではない。しかし現状のチームは投手の頭数が不足していて、どうしても試合を作れる投手がもう一枚欲しかった。

 

 (鷲山(わしやま)の次が育ってない…このままだと新チームがまともに戦えんぞ)

 

 最速139㎞/hの真っスラと鋭く落ちるフォークが武器のエース、三年右腕の鷲山は良いピッチャーである。ゾーンの四隅をつくほどのコントロールはないが、四球で自滅しない。腕を強く振ってストライクが投げられるのだ。完投しても球速が130㎞/hを最後まで下回らない馬力もある。

 

 監督は何とか鷲山がいる間に少しでも上を目指したかった。しかし高校野球は1人のピッチャーだけで勝ちきれるほど甘くはない。

 

 次が育ってないのは監督の責任といいたくなるかもしれないが、本来二年エースを担うはずだった投手が親の都合でいなくなってしまったのだ。他の三年、二年は調子が良い日はそこそこやるのだが、皆四球からの自滅癖がどうしても治らなかった。

 

 (やはり守備を鍛えて何とか支えるしかないか…いや、しかし…)

 

 「水流(つる)、行きます!」

 

 監督は声に気付き顔を上げた

 

 「おっと…いかん、考えすぎたな」

 

 水流が投球フォームに入る、システムの作り出した美しいフォームから力強い真っ直ぐが放たれた

 

 「ウシッ!」

 

 ゴォオオオ!!  バシィ!!

 

 「ほぉ…!」 

 

 (速いな…!何キロ出た?)

 

 スピードガンを確認すると[135㎞/h]と表示されていた。

 

 「ウシッ!」   「ウンッ!」  

 

 続けて投げ込まれた球も、[132㎞/h] [134㎞/h]を計測した。

 

 (速い……回転も良い。綺麗なバックスピンがかかってノビている)

 

 (なによりあのフォーム!山上堅司と瓜二つだ!)

 

 水流が約10球を投げると、監督が水流と三年正捕手の山田に声を掛けた。

 

 「水流!ブルペンに入れ!山田!ブルペンで受けろ!」

 

 (今のマウンドからの球は大きく外れたのが1個もない。コイツは戦力になるぞ…!)

 

 霜月監督の中に、大会を勝ち進むためのビジョンが見え始めていた。

 

◇ ◇ ◇

 

 ふぅー、結構良い感じじゃないか?ブルペンにいけってことは、見込みアリってことかな…

 

 「おう、一年。名前は?」

 

 「はい、水流憲吾(つるけんご)です!あの山田先輩、いきなりブルペンで投げるんですか?」

 

 「下の名前は言わんでもいい。……そうだ、早速やるぞ。ウチは投手足りないからな。監督が使いたくなったんだろ」

 

 やっぱそうか。よーし、アピール成功だ!思いきって能力伸ばしといて良かった…この分ならすぐに試合でポイントを回収できそうだな

 

---------------------------------

守備位置 投

野手能力 変更なし

 

球速 128km/h→135㎞/h

コントロール F37→D50

スタミナ   F35→E43

Hスライダー 変化量3 

スローカーブ 変化量1

 

得能

ノビB

回復B

ケガしにくさB

---------------------------------

 

 とにかく試合に出たかったから、ポイントをガンガン使って能力を上げた。高校生の平均球速を考えれば、一年生で135㎞/hは流石に速い方だ。これならよっぽど使われると思ってたけど、正解だったな!

 

 「とりあえず一通り投げさすぞ。変化は何がある?」

 

 「はい!スライダーとカーブです!」

 

 「わかった。そんじゃ準備しろ」

 

◇ ◇ ◇

 

 (さて、どんなもんかな……)

 

 山田はゆっくりとミットを真ん中低めに構えた。

 

 「真っ直ぐ行きます!」

 

 バシィ!!

 

 ほぼ構えたところにスピンのかかった真っ直ぐが突き刺さる

 

 「ナーイスボール!」

 

 (コイツ…良い球放るじゃねえか!一年でこれか…)

 

 「次カーブ行きます!」

 

 シュッパッ     パシッ

 

 投じられたスローカーブは弧を描きミットに収まった。 球速はおよそ100㎞/hほど

 

 (曲がりは大きくねえけどずいぶん遅いな、良い緩急になりそうだ)

 

 「次、スライダー行きます!」

 

 ククッ      ドッ!

 

 山田が体でボールを止める。高速スライダーは鋭く変化し、ベース付近でワンバウンドした。 球速はおよそ120㎞/hほどだった

 

 「すいません!」

 

 「気にすんな、低めなら良いぞ」

 

 (速いし曲がりも鋭い、これは決め球になるな)

 

 その後もクイックや細かなコントロールを確認しつつ、投げ込みを続けた。

 

 (コントロールはかなりまとまってる。試合でどうなるかはまだわからないが、十分通用しそうだ……これなら鷲山一人に頼りきりにならずに済む!)

 

 山田は鷲山(エース)の負担を軽減できるピッチャーが現れた幸運に、マスクの下で笑みを溢した

 

◇ ◇ ◇

 

 ブルペンでの投球が終わり、山田が監督に報告に向かう。

 

 「どうだ?いけそうか?」

 

 「はい。コントロールも変化もまとまってます、通用すると思います」

 

 「そうか。よし、練習に戻れ。ご苦労さん」

 

 (山田がここまで言うならいけるだろう…まさしく僥倖(ぎょうこう)だな)

 

◇ ◇ ◇

 

 野球部に入部して大体2ヶ月くらいが過ぎた。なにかイベントがあったことかというとそんなことはなく、ひたすら練習だ。

 

 一人と比べると、チームメンバーと練習する方がポイントの入りは良い。なにより野球ができるってことが楽しくて仕方がない!

 

 ピッチングもバッティングもフォームは固まってるから、ひたすらに体作りをした。おかげで筋力ポイントと敏捷ポイントがかなり貯まった。この2つは野手能力を伸ばすなら足りなくなるのは目に見えてるし、貯めておいて損はない……

 

 ……今日は練習試合だ、ダフルへッダーの2試合目。相手校はまあ弱くはないとこで、ウチにやや劣るくらいの実力だな。

 

 スタメンは三年生が6人、二年生が1人、一年生が俺含め2人だ。DHはなし。

 

 もう1人の一年は『半田 響(はんだ ひびき)』ってやつで、サードを守ってる

 

 打ちまくってスタメンを勝ち取ってるスゲーやつだ、俺と違ってシステムもないのに…

 

 打撃ははザ・天才って感じで、軽く振ってるように見えるのに逆方向にもとんでもない打球を飛ばす。もちろん引っ張ればもっと飛ばす。なんでこんなやつが今の蓮華学園に入ってきたんだろ?

 

 おっと、先頭バッターが打席に入った…よし!気合い入れていくぞ!

 

◇ ◇ ◇

 

 「プレイ!」

 

 審判がコールして、試合が始まる。一回の表、蓮華学園の守備。先頭バッターは右打ち

 

 山田がストレートのサインを出し、水流が頷く。投じられた真っ直ぐは、外角低めに突き刺さった。

 

 「ストライクワン!」

 

 続けてストレートのサインが出る。山田がミットをインハイに構えた

 

 「フシッ!」

 

 高めのスピン効いた真っ直ぐに相手打者はボールの下を空振った。

 

 次はスライダーのサインが出る。ミットは外よりに構えられた

 

 「ウシッ!」

 

 真っ直ぐと全く同じフォーム、同じ腕の振りから投じられたスライダーは、外から外へ逃げていく。バッターは追っかけるスイングで三振した

 

 「ナイスボー!いいぞ水流!」

 

 山田が声をかけ、返球する。二人目のバッターが打席に入る。右打ちだ

 

 サインはストレート、コースは外

 

 「シャッ!」   キンッ!

 

 「ファール!」

 

 やや内に入った真っ直ぐをバッターがファールにする。振り送れており、ボールの下を叩いた

 

 二球目、サインはカーブ、コースは外より。ボールでもいいから低く、と山田はミットを振り下ろし、構えた

 

 「フンッ!」

 

 先ほどのスライダーと同じく、全く腕の振りが緩まない。バッターはタイミングを崩されセンカンドゴロ

 

 三人目は初球の真っ直ぐを打ち上げキャッチャーフライ。三者凡退で一回を終えた。

 

◇ ◇ ◇

 

 「「「ありがとうございました!」」」

 

 試合が終わった。結果は2─4で蓮華学園の勝利

 

 水流は七回を投げ、無四球無失点、被安打は四、奪三振は六。

 

 被安打は全て左打者相手のもので、右バッターにはヒットを許さなかった

 

 得点を上げたのは四番に座りライトを守っていた鷲山のタイムリーと、三番を打つ山田の犠牲フライ。

 

 そして五番を打っていた半田のホームランが飛び出し、四点を奪った

 

 クリーンナップが機能し、一年生の投手がHQSを記録する試合。監督は満足げに頷いた

 

 (打線はとにかく打てるやつをくっつける…三人とも打順を上げるのもアリだな。)

 

 (水流は左を抑えられるようになれば隙がなくなる…今年の夏はいいとこまでいけそうだ……)

 

◇ ◇ ◇

 

 いやー、勝った勝った!良かった~。しかし左相手はどうしても苦しくなるな、やっぱ新しい変化球覚えるべきか…

 

 「おう、憲吾!ナイスピッチ!」

 

 半田か、コイツ今日のホームランでもう三本目だったよな…?練習試合とはいえヤバすぎだろ…まあ味方だからいいけど。

 

 「響もナイスホームラン!すげえ打球だったよ、打ったのはなんだったんだ?」

 

 「真っ直ぐだな、甘かったから上手く角度ついたよ」

 

 「そっか、次も頼むな!」

 

 「おう!じゃあな!」

 

 ……さて。それじゃあステータスアップの時間といきますか

 

 結構ポイントは貯まってるし、もう夏の大会も近い…まずは課題の対左!

 

 [スプリットを習得しました] 

 [スプリットの変化量がアップしました]

 

 落ちる球があれば今よりやりやすくなる、シンカーとかチェンジアップも欲しいけど…やっぱりフォークかスプリットのどっちかは必要だ。

 

 よし、次は得能だ

 

 [球速安定を習得しました]

 

 試合で投げてわかったけど、これもマスト!せっかく球速を上げても下ブレが出ると意味ないし……

 

 最後に基礎能力!

 

 [コントロールD50→D55]

 [スタミナE43→D55]

 

 OK!とりあえず先発としての基礎はできているはず、夏の大会まであと少し、練習するぞ!

 




能力のランクはプレーするステージが上がるとダウンします

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