夏の県大会がベスト8で終わり三年は引退した。ここからは新チームで秋大会出場を目指していくことになる
秋の県大会に出場するためには地区予選を突破しなくてはならない、
幸い西三河地区に『私学4強』はいない。あいつらは全部名古屋地区だから
もちろんライバルがいない訳じゃないけど十分予選突破は可能だと思ってる。そのためにもどうステータスを伸ばすのか真剣に考えなきゃいけない
夏の県大会を投げてかなりポイントが貯まってる。最初に考えたのは球速とか変化量をがっつり伸ばして抑えることなんだけど……
ポイントをつぎ込めば155キロくらいまで伸ばすことは出来るけどそれをやるといろんな問題がある。ひとつは他の能力に使う分がなくなること
能力を伸ばすのにかかるポイントは能力値が高くなればなるほど必要量が上がっていく。具体的に言うと今の135キロから150キロに伸ばすのに必要なポイントと、150キロから155キロまで伸ばすのに必要なポイントはほぼ同じくらいなんだよな
スタミナやコントロールを伸ばさないと強豪相手は通用しない。真っ直ぐが早けりゃいいわけじゃない…それに野手能力も伸ばさないといけない
スタメンを張ってた三年が引退して、夏時点でスタメンだったメンバーは二年セカンドの
打てる人が極端に減ってしまう分、俺の能力も伸ばさないといけないんだ
…システムで苦労もなく成長してる俺が言うのはどうかと思うけど、二年の先輩たちは三年生達と比べると見劣りしてしまう
一年の差がある分当然だろうとも思うけど、多分三年生が同時期だった頃の能力には及んでないんだろうと感じる
監督もそう思ってるのか、
二つ目はキャッチャーが取れるのかってことだ。もちろん蓮華学園にいる選手たちはそこそこの実力は持ってるから二年の先輩キャッチャーも、一年のキャッチャー
ただ変化球がどうなるかはわからないし、何より取れても怪我をする可能性もある
練習すると言っても時間も必要だし、秋までに球速を上げ過ぎるのはなしだ。問題なく捕球できて強豪にも渡り合えるライン、145㎞/hまで上げることにする
変化球もスライダーやスプリットはパスボールの危険性がある。将来的に球速を活かしたいのもあるし、スローカーブを集中して伸ばす
野手能力はミートとパワー、あとは弾道も上げたいな。本当は得能を取りたいんだけど、高いんだよなぁ。
ヒントを集めてかかるポイントを減らす必要があるんだけど、システムを与えられてからヒントを獲得したことはまだない。だから本当に必要だと思うものだけを取る
具体的にいうと、【ムード○】と【勝ち運】。あと【緩急○】だ
夏に共栄の
【ムード○】はベンチ入り選手全員をミート+5、パワー+5する得能だ。流石にぶっ壊れてるから取り得
システムで見えるのは自分の能力だけだけどちゃんと効果はあるはず。あと【ムード×】を持ってるやつがいると相殺されるけど、部内に和を乱すやつはいないから大丈夫と信じる
【勝ち運】は登板するとチームの選手をパワー+5する。つまり俺が登板するとパワーは+10まで伸びるってわけだ。これは強い
しかもこの二つ必要ポイントが少ない!特にムード○はほぼ
【緩急○】もポイントが比較的少なく、伸ばしたいスローカーブを効果的に使うために必要だ
よし!それじゃステータスUPの時間だ!
【ステータスが成長します…】
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守備位置 投 外
弾道 2→3
ミート D55→B70
パワー D50→C65
走力 D50
肩力 C60
守備 D50
捕球 D50
球速 135㎞/h→145㎞/h
コントロール D55→C68
スタミナ D55→B70
Hスライダー 変化量3
スローカーブ 変化量1→変化量4
スプリット 変化量2
得能
ノビB
球速安定
緩急○
ムード○
勝ち運
回復B
ケガしにくさB
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OK!これでよし。あとは能力に説得力が出るように体が徐々に成長するはずだ
秋予選まで一月もないくらい、とにかく練習!練習あるのみだ!
◇ ◇ ◇
新チームになり二週間ほどが経過した。秋予選の初戦が間近に迫るタイミングで、
半田は信じられないという顔で呟いた
「…共栄は初戦敗退か…。全国はどんな魔境だよ…」
共栄は甲子園初戦を大阪代表の
先発した春場は立ち上がりが乱れ2点を失い、リズムに乗りきれない苦しいピッチングながらも4失点完投にまとめたが打線が2点止まりで敗退となった
水流が映像を見返しながら語る
「春場も俺達とやったときより調子は良くなさそうだったけど、それでも真っ直ぐをバンバン弾き返したもんな…理征舎のバッターの振りが強かったよ」
「何にせよ、もう秋予選が始まるからな…県大会まで行けば共栄にリベンジするチャンスもあるし」
(春場はもういないけど。)
遠藤が明るい口調で二人に話しかける
「二人は出てたから悔しいよな。俺はこっからって感じだよ…秋は正捕手で出るチャンスあると思うんだよな。監督なんか言ってなかったか?」
「いやぁなにも」 「颯太も知ってることしか言ってないと思うぞ」
「そっか…でも憲吾の真っ直ぐしっかり取れるようになったからな。キャッチングは先輩より上だぜ?監督に推薦してくれよ~」
「無茶いうなよ…それだけじゃアピールには弱いんじゃねえか?」
…遠藤はすっと真面目な顔になり話を切り替える
「実際憲吾を中心に守備で戦う方針だろ、監督は。俺だってそうするべきだと思う。一年の体に見えねーもん」
システムの辻褄合わせの結果現在の水流は身長178㎝、体重75キロまで成長している。本来能力を伸ばした後の短期間でここまで伸びたのだが、周りは入学から少しづつ伸びていたと認識している。これもシステムの力のひとつである
「俺もそうだけど、
「俺も、皆もチャンスがあると思ってるんだよ、最近の憲吾を見てるとさ。三年までに甲子園に出たい…出れるかもって」
「だから早めに戦力になりたいんだ。俺も試合に出たい…!」
──遠藤の思いを聞き、水流は今一度自身を見つめ直した
(チームの皆も勝ちたいと思ってる。当然だ。…自分が勝たせるって思いは変わらないけど…無意識に皆が『できない』って決めつけてた…
(そうだよ。ここにいる皆、全員前の俺より十倍は上手いんだ。もっとチームを信じて…全員で勝つ!)
「…監督も一年の皆を積極的に使うつもりだとは思うし、頼りにしてるよ」
水流がそう返すと、半田が異議ありという顔で言った
「つーか俺の話は?自分で言うのもなんだけど結構打ってるぞ!共栄の時も俺が取ったフォアボールで
「響こないだあんまり厳しいのは嫌だって言ってただろ?甲子園ガチで目指すなら練習量も増やさなきゃいかんし。監督もその気だろ」
「こうなったらやるに決まってるだろ!なめんな!憲吾こそつまんねー怪我とかすんなよ!」
「しないよ。まあ任せとけって…一人じゃ野球はできないからな。全員で勝って、甲子園いこうぜ!」
──一年生の皆が決意を固め、新チームは大会に向けより厳しく練習を重ねていった
◇ ◇ ◇
場面は時を遡り、夏の大会共栄VS蓮華学園の試合
スタジアムで選手を見ながらメモや映像を取ったりする男がいた
男はプロ野球チーム『名古屋ドルフィンズ』のスカウト、
春場は地元出身の選手。現時点でドラフト上位のポテンシャルがあるとは言えないが、ドルフィンズスカウトとして必ず見ておかなければならない投手ではあった
田上は春場の好調な投球を見ながら考える
(今日は真っ直ぐも変化もキレてるな。まだ線は細いがやはりセンスがある…ほしいとこで三振を取れるのも良い)
(何と言ってもこのコントロールだ。プロに入って制球を矯正できた例は殆ど存在しない。まとまっているのはそれだけで評価点になる)
試合は終始共栄優勢で進んでいく。春場の他にはめぼしい選手もいないため、田上は蓮華学園の攻撃は流し見していた
しかし劣勢のなかでも目を引く選手が一人。田上は記憶を呼び起こした
(あれはたしか…知多シニア出身の半田響か。好不調の波が激しい選手だが、角度をつけるのは天才的だった…蓮華学園に入ったのか)
田上がそんなことを考えている間にも試合は進み、九回の表を迎える
(ん?蓮華学園のエースが交代か。アクシデントか?)
変わって登板した
──田上は水流の投球に目を引かれていく
(一年生か。真っ直ぐは130キロ中盤…コントロールが良いな。水流か…見たことも聞いたこともない。いったいどこから来たんだ?県外から蓮華学園に野球をしに来るとは思えん)
(あのフォームは…
そのまま水流は九回を抑えきり、裏の攻撃で蓮華学園はヒットを打てず春場はノーヒットノーランを達成する
球場が熱狂に包まれるなか、田上はノーノーを達成した春場のことではなく、二人の一年生のことを考えていた
(半田に水流…またまだ体は出来上がってないが、思わぬ掘り出し物になるかもしれん。チェックしておくか…)
こうして敗戦の裏で、二人の選手が一人のスカウトの記憶に残ることとなった
◇ ◇ ◇
「水流!お前がエースだ。自覚をもって頼むぞ!」
あれからまた少し経って、今は背番号が配られてる
俺は1番をもらった。高校野球は実力が絶対…とはいえ、先輩がいるなかでもらったんだ。監督がいう通り自覚のある行動をしないとな
ベンチ入りは夏と変わらず20人だから、ほぼ全員が入れることになる
今回はまさかの一年は11人が入った。二年の先輩より多い
半田は変わらず5番。あとは遠藤が2番をもらっていた
遠藤はとにかく捕手としての力を監督にアピールした。打撃はまああれだけど、俺も信頼して投げれる
ブロックのトーナメント表はもう発表されてる。同地区最大のライバルはまさかの初戦だ
ここを乗り切ればそのまま地区優勝も見えてくる。そしたら次は県予選。県予選で上位…大体三位以内に入れれば東海地区の大会に出られる。そこでも三番以内ならセンバツ…甲子園だ
神宮枠とか21世紀枠とかもあるけど…ここら辺は自分達でコントロールできるものじゃない
何としてでも勝つ!相手が誰でも関係無い…やってみせる!
システムは能力の急激な向上についてくる違和感を薄くする効果があります。ただしそれを水流が意図して使うことは出来ません。
遠藤 能力値
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守備位置 捕 外
弾道 2
ミート E46
パワー E48
走力 D54
肩力 C68
守備力 D57
捕球 B71
得能
送球C
フレーミング○
意外性
ケガしにくさC
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