ドラゴンクエスト9、略してDQN   作:Telda Caladlimion

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 この物語は、十数年前にDQ9を遊んで、その内容の酷さにブチ切れた末、いかにそれが理不尽極まるものなのかを、不憫な仲間たち(戦闘BOT)の視点を借りて、それで指摘しようと思い、そして書き殴った小説が元になっています。

 通常の小説形式で書かれていたものを、Web小説形式に体裁を整えました。今回準備できているのは、以前書いていたもののみとなっています。もし評判?が良さそうだったら、続きを書くかもしれません。しかし如何せん、DQ9を遊んでからもう、かれこれ十数年経過しています。内容を覚えていません。酷すぎるそのストーリーの「ガバ」の部分以外は、もはや忘却の彼方です。なので書くとすれば、なんとかDQ9をもう一回遊ぶか(倉庫の3DSがまだ動けば)、またはプレイ動画でストーリーを確認する必要があるので、暫く時間を頂くかもしれません。


レオニドの後悔

<プロローグ>

 

 

 

 「ねえ? だれかいるの? いるのだったら姿を見せてよ。何か言ってよ」

 

 

 

 酔っ払いのたわ言はいつ聞いても意味不明だ。

 

 ここはセントシュタインの城下町にある、無意味にでかい宿屋のロビー、

そこに併設されている酒場だ。

外から見るとたいしたことはないんだが、どういう訳か中は異様に広い。

実に気味が悪い場所だ。

なんでもこの宿屋はかつて『伝説の宿王』と呼ばれた男が作ったものらしい。

いや、それ以前に宿王って何だ?宿の国の王様か……?

全く分からん。まあそんな意味不明で語呂も悪い宿王とかいうやつの娘が、

今はここを切り盛りしているそうだ。

 そしてこの酒場の主人……、いやバーテンかあれは?

どっちか分からんが、主人面している女の名前はルイーダというらしい。

宿屋のロビーで勝手に営業しているようにしか見えないが、

ルイーダの酒場と豪語しているところを見ると、

ひょっとしたらこの宿を乗っ取ろうとしているのかもしれないな。

まあそんなことは、俺にはどうでもいいことだ。

 

 俺は以前、世界中を旅していた。

いや、無理やり連れ回されていたと言うべきか。

俺たち三人は、一人の妙な男に連れられて世界中を旅していたのだ。

何の目的があったのか、女神の何とかがどうとかこうとか、

今となっては全てが永遠の謎だ。

そして一緒に連れ回されていた仲間とはもう別れて随分経つ。

なんでも一人は世捨て人となって山奥で暮らしているらしい。

もう一人は実家に帰って引き篭もっているとかいないとか。

そして俺は古巣のこの酒場で昼間から飲んだくれて腐っている。

 俺たちも以前はそれぞれ野望を抱き、または日常を生き、

あるいは未来への希望に満ちていた。なのに今はこの様だ。

だが俺たちが悪いんじゃない。

あんな旅を経験すれば誰だってこうなるに決まっている。

俺はあの当時、自慢の腕っぷしで一財産稼いでやろうと、

この酒場で稼ぎのよさそうな仕事を探していただけだった。

しかしまさかあんな事になろうとは、思いもよるはずもなかったのだ。

 

 なぜこんな事になったのか。

何の為に俺たちは世界中を連れ回されたのか。

旅の途中に書き綴った、俺や仲間たちの日記等を、

最近偶然昔の荷物の中から発見した。

だからここからその原因を探ってみる事にしようとおもう。

 

 

 

 

<レオニドの日記より>

聖ヤヴィヌス月・第5日

 今まで日記など付けた事は生まれてこの方無かったのだが、

今日から気が向いた日は付けてみるようにする。

 俺もいい歳になったし、いい加減立身しなければ等と思い立ち、

自分に何ができるのか考えてみた。

 まあ考えるまでもないが、学問なんて俺には柄じゃないことは間違いない。

芸術は嫌いじゃないが、この歳になって今から修行もないだろう。

 そこで浮かんだのは、俺が昔から喧嘩では誰にも負けたことがないってことだ。

自慢じゃないがこの辺りじゃ腕っぷしに関してなら、間違いなく俺が一番強い。

もうこれしかないなという事で、俺はこの腕で一財産築いてやる事にした。

いつか故郷に錦を飾って親父を見返してやる。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第8日

 俺はこの腕一本で生きていこうと先日決意したものの、

具体的には何をすればよいのやら皆目見当も付かなかったのだが、

知り合いの爺さんにいい事を聞いた。

 なんでも大きな街へ出れば、傭兵だとか用心棒の、

結構いい報酬をもらえる仕事があるらしい。

最近は魔物共も凶暴化してるから、いくらでもそういった依頼はあるんだそうだ。

 とりあえずこの辺ででかい街といえば、

ここから8リーグ程北にあるセントシュタインの城下町くらいか。

セントシュタインならガキの頃にも何度か行った事があるし、

確かにでかい街だったから仕事も結構ありそうだ。

とりあえず明日にでもセントシュタインに向けて出発するか。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第9日

 俺は今、旅の途中でこれを書いている。

生れ育った村を出て行くのは、結構辛い事かと想像していたが、

思ったほどでもなかった。まあお袋に泣かれたのにはちょっと堪えたが。

親父は何も言わなかった。

とりあえず明日にはセントシュタインに到着できるだろう。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第10日

 無事にセントシュタイン城下町にたどり着いた。

一度や二度は魔物に襲われるかと身構えていたのだが、

全くそういった事はなかった。

本当に凶暴化してきているのだろうか。仕事があるか心配だ。

 とりあえずここで一番大きな旅籠に今夜は泊まることにした。

お袋が別れる時に持たせてくれた餞別の路銀のおかげで、

当分は野宿せずに済みそうだ。

 

 それにしてもこの宿は何なんだろうな。ロビーが気味悪いほどに広いし、

部屋のある階までは奇妙なカラクリで行き来させられる。

明日からは他の宿を探すことにしよう。

 肝心の仕事だが、斡旋する組織やギルドといったものは、

探したんだが街には一つも見当たらない。

だがこの宿のロビーで酒場を開いてる女が、

そういった仕事を仲介しているという話を聞いたから、

とりあえず明日になったら頼んでみよう。

 

 

 

アマの手記より

聖ヤヴィヌス月・第6日

 今日の天気は快晴。でも午後はちょっと曇ったけど夜にはまた晴れた。

星空がきれい。

 そろそろなめし革の納品にセントシュタインに行かないといけないから、

行商のエーリッヒさんの馬車にまた一緒に乗せてもらえるか頼んでみよう。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第7日

 今日の天気は雨時々曇り。夕方から雷雨になって、夜になっても雨。

 馬車の相乗りの件、エーリッヒさんが快諾してくれた。

明日か明後日には商品の買い付けが終わるから、準備出来次第出発するとの事。

僕も準備をしなくては。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第8日

 今日の天気は曇り。夕方に一時晴れたけど夜にはまた曇り。

 エーリッヒさんの買い付けがちょっと手間取ってるそうで、

今日は出発できなかった。多分明日には出られると思う。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第9日

 今日の天気は晴れ。ちょっと風が強いけど一日中いい天気だった。

 今朝早く無事に出発できた。僕の荷物が結構多かったので、

馬車の中はちょっと狭くなっちゃったかな。

本日の旅の道程は順調です。明日にはセントシュタインに到着できると思う。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第10日

 今日の天気は晴れ。ちょっと昼から曇ったけどすぐにまた晴れた。

 お昼ごろには無事にセントシュタイン到着。

なめし革もいつものお店に売れたのでよかった。

エーリッヒさんはこの後も用事があるから、帰りは明日という事。

なので彼とはここで別れて僕は一人で宿を探す事になりました。

セントシュタインで一泊は初めてなので楽しみ。

 

 街中探しちゃったけど、結構目立つ場所に大きな宿があった。

中に入るとかなり広くてびっくり。

銀行とかいうお金を預かってくれるお店や、

お酒を出してくれるお店まであって、さすがは都会の宿屋といった感じ。

昇降機とかいう乗り物に初めて乗りました。

あと食事はちょっと僕の口には合わなかったかな。

 久しぶりの遠出でちょっと疲れました。

ベッドや枕が変わると寝付きにくいっていうのは本当みたい。

明日にはエーリッヒさんの馬車で帰ります。

 

 

 

 

ソロンギルの日誌より

聖ヤヴィヌス月・第2日

 本日無事に今学期が終了し、成績も上々で安心しました。

父上もきっとお喜びになって下さるでしょう。

 来期を終えれば卒業なので、そうすれば無事に聖職者になることができます。

ウルバヌス学長が卒業後の私の進路として、

どこかの教区の司祭に推薦して下さるとの事。

修道士としての道も考えていましたが、教会で神の道を説く事もまた、

素晴らしい道でしょう。なので学長にお任せすることとしました。

 今夜は荷物整理に手間取ったので学寮に泊まり、明日帰郷の途につきます。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第3日

 馬車にて近隣の港町まで到着しました。

すぐにでも乗船して帰りたかったのですが、海が荒れているとの事。

なので本日はこの街に留まります。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第4日

 無事船が出港しました。昨日までの時化が嘘のように今日の海は穏やかです。

これも神のご加護があっての事と、感謝の祈りを先ほどまで捧げていました。

 順調であれば明後日には港に到着します。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第6日

 本日無事にカーレス港に船が入港しました。

しかし時間も遅かったので今夜はこの港で宿泊することといたします。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第8日

 今朝方、リューネ伯であられる伯父上がセントシュタイン城に、

現在逗留中であられるとの話を聞き及びました。

久しぶりにお会いしたく思い、私も少し寄り道となりますが、

セントシュタインへ向かうことにいたしました。

 馬を調達して今日中にフライハイムまでたどり着けたので、

明日にはセントシュタイン付近まで行くことができるかと思います。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第9日

 本日昼過ぎにセントシュタインに到着できました。

神のご加護に感謝致します。

 伯父上とヴァイスベルク伯邸にて久しぶりにお会いすることができました。

私が聖職者の道を選んだことを、伯父上は大変喜んでくださいました。

また卒業後の進路の予定も、教会司祭となりそうである旨もお伝えし、

伯父上もそれに賛同してくださいました。

 本日はこのまま伯父上と共に、ヴァイスベルク伯のお屋敷にて、

休ませていただくことになりました。

 

 

 

聖ヤヴィヌス月・第10日

 本日は伯父上とヴァイスベルク伯・ディートリッヒ卿のお供で、

セントシュタイン城へ招かれました。

そして、なんと国王陛下との謁見を許していただけました。

 陛下は遠目ながらにも、何やらお窶れにになられていらっしゃるご様子で、

先頃より出没する黒騎士なる者に、大変お心を痛めていらっしゃるとの事です。

 謁見の後には伯父上達と再びディートリッヒ卿のお屋敷に戻り、

晩餐の御持て成しをしていただきました。

 伯父上は明日にはリューネブルク城に向けて出立なさられるので、

私も帰路につくことにいたします。

 

 

 

レオニドの日記より

聖ヤヴィヌス月・第11日

 まあなんだ。一応仕事を得ることには成功したんだが。

しかし不安な事だらけだ。そもそも今回の雇い主、どう考えても変なヤツだ。

 俺は昨日書いた通り、ルイーダって女に仕事の仲介を頼んだんだが、

言うや否やあの女から今回の依頼主を紹介された。

そいつは旅芸人のような身なりで、名前は『たまごん』というらしい。

まあふざけた名前だが、そういえば知り合いが住んでる村の、

“守護天使”の名前がたまごんだったから、

頭がおかしい親がそれにあやかって付けたんだろう。

 

 とりあえず雇われた目的を聞いたんだが、

その辺で狩りをするから護衛をしてほしいそうだ。

まあ初仕事としてはこんなもんだろうな。

装備とかの経費は全部依頼主持ちで、都度支給してくれるらしい。

それで肝心の報酬がいくらなのかを聞きたかったが、

ヤツはもう酒場にいなかった。

仕方ないからルイーダに聞いたところ、週1000Gだといっていた。

週って事は契約期間はどれくらいなんだろうな。

まあ何にしても依頼の詳細を確認しないといけないから、

俺はとりあえず酒場で飲みながら待つことにした。

酒代は初仕事記念でルイーダが驕ってくれた。

 

 どうせ便所にでも行ったんだろうと、俺はたかをくくっていたんだが、

小一時間経ってもヤツは一向に戻ってくる気配はない。

いい加減俺もイライラしてきたんだが、この時ある男に相席を求められた。

彼は『アマ』という名で、セントシュタインの近くの農場で働いているらしい。

今回は家畜や狩りでし止めた動物のなめした革を売りにきていて、

それが済んだので行商の馬車に便乗して帰る所だと言っていた。

こいつもちょっと変わったやつだったが、

意外と意気投合して色々と話し込んでしまった。

 

 2杯目の酒を注文した頃だろうか、ヤツがやっと戻ってきやがった。

どこ行ってやがったんだと、少し強く問い詰めたんだが、

ヤツは悪びれることもなく買出しに行っていたと答えた。

まあ俺の装備を買いに行ってたのなら責められんなとも考えたが、

なんとヤツは自分の装備しか買ってこなかったとかぬかしやがった。

もう色々と呆れて怒る気もうせた所で、ヤツがアマに気付いた。

 たまごんに彼が友人かと聞かれたので、

さっきここであって意気投合したところだと言ったら、

ヤツはアマを仲間に誘い始めた。

誰でもいいのかよ、と用心棒駆け出しの自分に少しがっかりしながら、

俺は2人のやり取りを静観した。

 

「今ね、狩りに行く人を募集してるんだけど、アマさん一緒にどうかな?」と、

まずはたまごんが切り出した。

するとアマが答えて、「狩りかあ。やっぱりこの時期だと鹿かな。

いいよね狩り」と、ある意味誘いを受け流した。

まあおそらくアマは俺の目から見ても変わり者であるから、

自然とああいう答えをしただけで他意はないのかもしれない。

しかしたまごんも引き下がらず、

「そうそう、狩り、いいでしょ。でも鹿じゃないんだなあ獲物は。

もうちょっとだけ凶暴なのを狩るんだよね」と続けた。

鹿よりちょっと凶暴な獲物って魔物だよな……と、

俺はたまごんの嘘に大いに呆れたが、アマはちょっと興味を持ったようで、

「熊だね、狩るの! すごいよね熊。でもし止められたらお肉はおいしいし、

毛皮も取れるし良い事ずくめだよね」と目を輝かせた。

たまごんはここぞとばかりに、「そうそう熊! あと熊だけじゃなくて、

猛牛とか。あとはキノコとかも狩るよ」と畳み込む。

熊ってのは分からないが、猛牛はマッドオックス、

キノコってのはおそらくおばけキノコの事を言ってやがるのか。

しれっと嘘をつけるコイツを、俺は絶対に信用してはいけないなと思ったが、

アマにはその嘘の効果が絶大だったようで、

「すごいね! 行きたいな、狩り。取れた食材で鍋とかできそうだね」と、

すっかり乗り気になってしまった。

 

 そんなこんなでどうやら話は付いたという事で、

アマは俺たちの仲間になった。そこで問題が発生したんだが、

どうやらルイーダの仲介システムに登録しないとならないそうで、

俺たちの名前以外に“職業”も必要らしい。

俺はこのコブシひとつで、と村を飛び出したんだから、

当然剣なんか持ちたくないし、それなら武闘家がぴったりだろう。

俺の職業は今日から“武闘家”ってことになった。

 しかし問題なのは、アマの職業だ。

アマは農場で働いたり、あとは野生動物を狩ったりして生計を立てている。

なので本人は狩人を希望したんだが、

ルイーダのシステムに狩人なんていう職業はなかった。

そこでたまごんは、「アマさんは器用そうだし、盗賊でいいんじゃないかな」と、

ふざけた提案をした。

当然アマは、「盗賊かあ。でも僕は盗んだりしちゃいけないと思うんだよね。

泥棒は犯罪だよ」と当たり前の反応をした。

まあ考えんでもなくアマの言う通り、ここは酒場とはいえ、

おおっぴらに泥棒として登録するのはありえないだろうと思ったのだが。

しかしなんと狩人がないくせに盗賊はあったのだ。

俺が、犯罪組織のアジトかよこの酒場は! と叫びかけるもぐっと堪える間、

たまごんが例の調子でアマを説得し始めた。

「アマさん、盗賊はね、人から盗むだけじゃないよ。

もちろん人からしか盗らないのもいるだろうけど、

そういうのは泥棒っていって、盗賊はそういうのとちょっと違うんだよ。

山道で追いはぎする山賊と、海でお宝目指して冒険する海賊は全く違うでしょう。

それと同じだよ!」

ちょっと待て。海賊ってのは商船を襲って金品を奪うあれじゃないのか? と、

無言でツッコむ俺をしり目に、アマは何故か納得したようで、

「そうだね。盗賊は陸の海賊だよ。

僕も海賊みたいに陸でお宝目指して冒険するね」と、

喜んで“盗賊”として登録してしまった。

俺はどうにも釈然としないのだが、まあ本人が納得してるんだから仕方がないな。

 

 そんなこんなで俺たちの仲間は、武闘家の俺に盗賊のアマ、

そして旅芸人のたまごんの3人になった。

そういえばこういうのを組むときには普通、

魔法使いと僧侶を混ぜるんだとか聞いた事があったんだが。

そういうのも加えるのかたまごんに聞くと、

「ああ、魔法使いは要らないな。だってオレも火吹けるし、

これで何とかなるでしょ」とぬかしやがった。

何とかなるわけがないだろ。

せめて僧侶は入れろよと強く迫ったら、

たまごんは外の広場で探すと宿を出て行ってしまった。

 また俺たちは放置された。今度も長くなるかなと、

俺とアマは酒場の隅に陣取って、また飲み始めた。

暫くするとアマは急に立ち上がり、帰りの馬車の相乗りを頼んでいたので、

それを断ってくると、酒場を出て行ってしまった。

 また一人になって俺が2杯ほどグラスを空けた頃、やっとヤツが帰ってきた。

傍らにはちょっとひょろい男が立っていた。

なんでも広場でこのバカが、剣を呑むパフォーマンスをして、

それで募集に注目を集めようとしたところ、案の定というか怪我をしたらしい。

しかし丁度痛みで悶えている所に、彼が通りかかって治癒してくれたそうだ。

神学校の学生だということで、まあたまごんの怪我は大した事がなかったらしく、

そんな彼のホイミでもなんなく治ったらしい。

それでたまごんは、あつかましくも彼をスカウトしたというわけだ。

 彼の名は『ソロンギル』。さっき書いた通り、神学生で聖職者の卵だ。

今は学校が休みなので帰郷する途中だったらしい。

しかし急いで帰る必要もなく、そしてたまごんが困り果てていることもあり、

人助けは聖職者の仕事のひとつだからと、

俺達との同行を引き受けてくれたそうだ。

真面目そうだが、なかなか良いやつかもしれないな。

当然だが彼は“僧侶”として登録された。

 まあそんなこんなで仲間は4人になった。

仲間探しに手間取ったので、出発は明日になり、

今夜はこの居心地の悪い宿に4人で泊まる事になった。

俺としては宿を変えたかったのだが、ルイーダの仲介登録の条件が、

この宿への宿泊というえげつないものだったので仕方がない。

 それにしても、ただ酒場で飲んでいただけなのに、

今日は異様に疲れる一日だった。明日はいよいよ初仕事だ。

今夜は早く寝て明日に備えよう。




SPECIAL THANKS to my SWG fellows:

Leonid

Ama

Tamagon (a.k.a. Haya)

and me, Thorongil
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