温かい目で見守ってください!
始まり
「うぅぅん⋯?」
最初に感じたのは温もりだった。
初めて感じたそれは、とても心地よかった。
だけど、そのときは何もわからなかった。
何を感じているのか、何を思っているのか、わからなかった。
「⋯お?」
でも、今ならわかる。あれは未来への希望による確かな幸せだったのだと。
「⋯目が覚めたか」
この考えも、この気持ちも、全部教えてくれたのは彼だった。
「調子はどうだ?どこか具合の悪いところはないか?」
私の父⋯⋯常光リュウだった。
「すまなかったな、リリス。はじめて起きたのにいきなり喋りかけられても、何がなんだかわからなかったよな⋯」
父はきれいな右肩に薄い黄色の翼を持っていた。髪と右目も同じ色をしていた。でも、左側の翼は包帯濡れだし左目は白の眼帯をつけていた。理由はどうしても教えてくれなかった。
それに対して私は、シャンパンゴールド色?の両翼、両目と髪、そしてヘイロー?は光っている感じのようだ。父は『綺麗だな』と言ってくれた。嬉しい。
私の名前は⋯常光リリス。父がくれたとても大切な名前だ。父と同じ苗字で、父がくれた私だけの⋯私だけの名前だ。
人名の意味を教えてくれて、『お前のための名だ』と言ってくれたときには、とっても嬉しくて何度も何度も喜んで、私の気持ちを伝えたものだ。
「ううん、大丈夫。あのとき、話しかけてくれて私は嬉しかったよ?お父さん」
「そう言ってくれて助かるよ」
私が起きた時点で初等部6年生の最初の方で、そこから勉強し続けてなんとか初等部までの知識と思考を身に着けた。
父はかなり驚いてたなぁ。『⋯才能なのか?』と呟いてて、とても得意げになったのは覚えている。
そして、この時点で中等部入学まで残り一ヶ月を切っていた。
「リリスは、どこか行きたい所はあるか?他の自治区に行ってもいいし、ここに残ってもいいが⋯」
「私は、私立ハリス中学校に行きたい!お父さんの企業の学校に行きたい!!」
父は、ある企業の社長のようなことをしている。名前は『Harris』。
アビドスを中心に、エネルギー系の仕事をしている。業界の中では、かなり上位の方に君臨しているようだ。企業を大きくするために、様々な所で学校を展開している。
その中で、アビドスで開校した最初の学校こそが、私の言った私立ハリス中学校である。
「⋯⋯本当にそれでいいのか?最近ここらへんは、状況が不安定であまりおすすめできないといったはずだぞ?」
「私は⋯、そんな状況の助けになりたい!助けになるようなことをしないと気がすまないの!」
「(本当に優しい子だ⋯)⋯具体的にどんなことをして、このアビドスの助けになろうっていうんだ?」
父は優しい。私の考えを否定するのではなく、まず理由を聞いてくる。私はそんな父が大好きだ。常にこちら側に主導権を握らせてくれる。
私もそんな優しい人になりたいと思った。
「⋯まずは、なんで不安定な状況になっているのか調べて、原因を見つけたらそれを私とお父さんの力で解決する!」
「⋯抽象的すぎるが、言いたいことはわかった。だが⋯」
その時の父は、少し怖い顔になって諭すように言った。
「その道に進むということは、とても辛い茨の道となるだろう。その道に進むために私の助けを借りようとすることは、とても大切だ。しかし、私がいつまでもお前を助けられると思わないことだ」
「⋯っ」
⋯怖いけど、優しさも感じることができる言葉だった。私の考えの間違いを指摘するのではなく、軌道修正するかのような感じだった。
優しいなぁ
「とてもないとは言い切れないことだ。今はいいかもしれないが、私がいなくなる可能性もあるんだ。自分で考えて行動できるようにしておく。
そうすることで、お前が中等部に入り、高等部に入り、たくさんの後輩を得て導くときになったときに、大事になってくる。そのときに、私が言ったようなことを後輩が間違えそうになったときに受け継ぐように伝える。このサイクルがこの世界では大切なことなんだ」
⋯父がいなくなるだなんて、ありえないことだと。その時は本気で思っていたよ。ただの脅しだと思っていたよ。そのときは、しっかり理解したと伝えたさ。
「⋯わかった。大事に覚えておく」
「⋯頼るなとは言わない。助言ぐらいはいくらでもしてやるさ。⋯あと、もう一つ」
その言葉に素直に従えば、結末は変わっていたかもしれないのに⋯
「自分の手に負えないと思ったら、すぐに私でも誰でもいいから信頼できる人に頼ること。これだけは、絶対に忘れるな」
「⋯どうして?」
「⋯ヤバいと思ったら、すでに手遅れなことが多いからさ。それはここでは致命傷になり得る。これは、私の経験則だよ」
少しだけ悲しそうな顔をして言っていた
従えばよかったなぁ
「?⋯わかったよ、お父さん」
「よし、ここまで聞いてどうしたいか問おう。どの道に行くにしても、覚悟を持って選択するように」
興味深そうに聞いてきた。期待に満ちた顔で聞いてくる父は、ちょっと珍しかった。
基本的に表情を動かさない人だから。
「⋯⋯ハリス中学校に行きます」
「なんだって?」
「ハリス中学校に行きます!!!」
今から思ってもこの選択は間違ってはいないと思う。その後の選択を間違えたのであって、過程まではうまくいっていたと言えると思う。
「自分のできることをする!この気持ちを大切にして頑張る!!⋯たまに頼るかもしれないけど⋯私は、私のしたいことをしたい!!!」
「⋯我儘を通すのも、子どもの特権だ。好きにやるといいさ、私は見守り、応援するよ」
「ありがとう!おとうさん!大好き!」
父に抱きついた
「⋯フフ」
本当に楽しかった。幸せだった。やり直せるとしても、この道をもう一度通ってみたい。
…あの選択を除いて
「頑張れよ、リリス」
あぁ!もっと書きたいです!本当に時間がないです
不定期になるかもしれないですが頑張らせていただきます
感想も批判もばっちこいです!
書き方を指摘していただくと嬉しいです!