ユメ先輩について書くの大変ですね⋯
頑張ります!
※ユメ先輩の解釈違いがある可能性があります
ご了承ください
「あのぉ⋯。リリス、様?あなたが首席入学者で、あの企業『ハリス』の令嬢さんだったんですねぇ⋯」
入学式を終えて、私たちは各々の割り振られた教室に移動してきていた。すぐ隣りにいるユメもそうだが、なんだかみんなの私に対する態度が、かなり堅い感じとなっていた。
「ちゃん呼びでいいって言ったばっかりじゃん、ユメちゃん。ユメちゃんもそうだけど、なんでみんあそんな堅苦しい感じになってるの?」
「えっ?⋯もしかして、自覚がないの?」
「?」
何を言ってるのかわからなかった。確かに、あらかじめ言おうと思っていた宣誓のセリフが完全に飛んでいたから急遽考えた言葉で⋯、たしかに暑苦しかったけど⋯そこまでのものではなかったはずだ。
「⋯本当にないんだ⋯。リリスちゃんさぁ、熱く宣誓してるときになんというか神々しいオーラ?プレッシャー?をすごい放ってたよ?」
「⋯なにそれ」
⋯意味がわからない。神々しい?プレッシャーを感じた?なんなんだそれは。
「本当に?そんなことが?」
「⋯私も感じましたよ、リリス様⋯」
「いきなりなにかに当てられて、勝手に体が震えてしまいました」
「温かいような、寒いような⋯不思議な感じでした」
「⋯ほらね?私だけじゃなかったみたい」
初めてのことだった。今までそんなことなかったのに。
(何もわからない⋯私だけじゃどうにもならなそうだから⋯)
とりあえず、父に聞いてみることにした。今の私にとって、一番信頼できるのは父だ。それはいつまでも変わらない。
「わかった。できるだけ気をつけて行動するよ。みんな怖い思いさせてごめんね?」
「そんな!怖いだなんてとんでもない!」
「不思議な体験ができて、良かったと思ってるぐらいです!」
「気にしないでください、リリス様!」
変なこと言ってる子もいたが、とりあえずみんな気にしていないようだ。
「ありがとう、みんな。あと、私に敬称とかつけなくていいよ。楽に活動してこ?」
「「「わかりました!」」」
「ふふっ、みんな元気だなぁ」
どうなることかと思ってたけど、ちょうどいい感じに着地をすることはできた。みんなとの雰囲気もいい感じになった。我ながら完璧である。
その後は学校内の探索を行い、昼には各々解散という形になったので、私はユメといっしょに学食を食べることにした。
「リリスちゃんは何食べる?」
「う〜ん⋯、私は無難にカレーにでもしようかな?」
「じゃあ、わたしもそれにしよーっと」
大企業が開校したのもあり、学食は基本的に無料。バラエティも豊富である。
食生活に関しては、満足にできると確信している。
「リリスちゃん、私あなたについてもっと知りたいなあ」
「いいよ、答えれるだけ教えてあげる」
「やたっ、じゃあまずは⋯その翼について聞くね。リリスちゃんの種族ってなんなの?」
種族。そんなものはないが、外見から大まかに判断するのが一般的である。悪魔の角、羽、尻尾、ケモ耳などたくさんあるが、私にある外見的特徴は背中にあるシャンパンゴールド色の両翼である。一年前と比べて更に光沢が増したように感じる。光沢が出る要因としては⋯
「リリスちゃんの翼って、鱗、なのかな?そんな感じなのがあるよね。天使みたいな感じでもなく、悪魔のような形状でもないし。ずっと気になってたんだよねえ」
そう、鱗があるのだ。それに翼はとても大きい。体全体を囲うように広げることもできる。飛ぶこともできるのだが、とても疲れるのでめったにやろうとはしない。
「私のお父さんも同じ翼を持っててね、お父さんは勝手に『有翼族』って呼んでたね」
父からは口うるさく言われてたなぁ。『鱗の手入れは怠るとすぐくすんでしまう。お前の美しさが損なわれてしまうからな』って。父は時々、本心からそんな事を言ってくる人だ。勘違いをしそうになることが何回もあった。
「『有翼族』⋯、率直すぎるけど、いい名前だね!」
「うん、この翼は大きいし手入れも大変だけど、とても綺麗で役に立つこともあるんだよ?」
「役に立つこと?」
「あまりないけど⋯、例えば寒いときには翼にくるまって保温みたいにしたりとか、他にはこうやって⋯」
ペリッ、と鱗を剥がす。
「これをアクセサリーにしたり、贈り物にしたりできるんだよ?」
そのままユメに渡す。
「!?」
ユメは驚いた顔をしていた。そして少しずつ頬が赤く染まっていく。
「⋯リリスちゃん?これは⋯」
「私の初めての友だちになってくれた感謝と、これからもよろしくっていう思いからの贈り物。どうかな?受け取ってくれる?」
「⋯もちろん⋯大事にするね」
なんだか恨めしそうなジト目で見られた気がしたが、理由はよくわからない。もっと欲しいのかな?
「もっといる?いくらでもあげるけど⋯」
「いやっ!?これだけでも十分だよっ!?ありがとね!リリスちゃんっ」
⋯なんだかすごい勢いで拒否された。なんでだろう?なんか耳とか赤いし、具合が悪くなったのかな?
「大丈夫?食あたりでもあった?保健室行く?」
「大丈夫大丈夫!気にしないで!⋯バカ」
本人が大丈夫というのならいいだろう。気にはなるけど。
「じゃあ、早く食べきっちゃお?今度はこっちから聞いてみたいことあるからさ」
「わかったわかった、⋯もう」
ため息をつかれながらも、スプーンを進める。そのまま食べ終わり、下校のために校門へと向かい始めた。
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私が聞きたいことは、一つだけだ。最近、父がここらへんの状況が不安定だと言っていた原因の調査である。
「ユメちゃんは、最近ここらへんで不穏なことが起きてるだとか、問題が起こってるみたいなことを聞いたことある?」
「不穏なこと……どうして?」
「お父さんが言ってたの。最近ここらへんの状況が不安定だって。何か心当たりがあるの?」
少し沈黙が長かった気がした。さっきまで柔らかそうな微笑みを浮かべていたのに、今は真面目な顔をしている。何か知ってるのかもしれない。
「…リリスちゃんはさ、今まで外に出たことはあるの?」
「?、もちろん何回もあるけど…どうして?」
「…ここはアビドスの真ん中らへんにあるから、まだ影響は出てないみたいだけど、郊外ではもう出始めてる。」
「…影響って?」
「砂嵐だよ、リリスちゃん」
たびたび目撃していた自然災害だ。一年前からすでに起こっていたことだったから、これがアビドスでは普通なんだと勝手に思ってた。…おそらくこれが原因なのだろう。
「ごめんね、ユメちゃん。私が
「生まれた時点で…?どういうこと?リリスちゃん、今年で中等部1年で13歳でしょ?そんなの辻褄が合わないよ。最近起き始めたんだから」
「え?私が生まれたのは……あ」
…本当だ。おかしい、おかしすぎる。私は生まれてからまだ一年ほどしかない。疑問にすら思わなかった。まるで、知られないために必死に秘匿していたかのようだ。私にそれを悟られないようにしていたのは…
「…」
父だった。父は私に何かを隠している。初めて父に不信感を感じた。気持ち悪い
「…大丈夫?リリスちゃん、具合悪いの?」
「っ、大丈夫だよっ。心配しないで。新しい疑問ができただけだから」
「本当に大丈夫?手が震えてるよ?…私に何かできることはないかな?」
あまりにもやさしい、無条件の慈愛の言葉だった。頼りたい気持ちがあったが、初日で友達になったばかりの子に縋るのは違うと思う。それに、これは私自身の問題だ。
「今は大丈夫。これは、私の問題。あなたのせいじゃないから、心配しないで」
「…そう。いつ頼ってくれてもいいからね、リリスちゃん。私はいつでも待ってるよ」
「…ありがとう。その時はよろしくね」
「うん!」
「今日はここまでにしよっか。また明日、ユメちゃん」
「じゃあね!リリスちゃん!また明日、お喋りしようね!」
元気に返事を返されて、少し微笑んでしまう。だが、すぐに目前の問題に対して思考に耽る。
中学校初日としては、かなりいい終わり方だと思う。でも、この疑念さえなければ、父に楽しく今日あったことを話すだけで済んだはずなのに。そんな終わり方は、許されなかった。
「…こんな気持ち、お父さんに抱いたの初めてかも…」
今まで教えてくれなかったことに対する父への不信感。自分について何も知らない。それだけでこんな不安を持ってしまう。この気持ちが普通なのかさえわからない。知らない、わからないのがこんなに怖いだなんて…
(…覚悟をもって進むといったのは私じゃないっ!弱気になるな!)
不安を押し殺し、私は父が待つ家まで歩を進めながら、父に掛ける言葉を考えるのであった。
一人称と三人称がごちゃ混ぜになってる気がする…
大変すぎます!!!
次回は10月2日0時を予定しております!