ブルーアーカイブ -希望と絶望の軌跡-   作:kame040831

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こんにちはぁ!!!今回は、傅(つとう)ニアの深堀回だあ!(メイビー)
今回もよろしくお願いします!


第六話 傳ニア ハリス中学校での日常2

「あの時は大変だったなぁ…」

 

私はニアに勉強を教えている途中、あの時のことを思い返して呟く。

 

「あの時とは、いつのことでしょうか?」

 

「ほら、今年初めの戦闘試験の時のことだよ」

 

あの時は、一気に力を体全体に循環させて爆発を凌ぐことができたが、あの時点で神秘はすでに使い切ってガス欠状態だったのだ。あの状態のまま拳で掛かって来いとか言った私は、なかなかに頭がおかしい。体中の痛みで頭が冴え切っていたせいでもあるかもしれないが。

 

「…その節は失礼いたしました。やはり、まだ根に持っていたのですね」

 

「いや!?ちょっと思い出しただけだからね?悪い意味はないよ!」

 

あの時と変わらず堅苦しい感じは抜けないが、そんなニアには慣れたし、彼女側から話しかけてくることも多くなった。確か、最初に話しかけてくれたのは…

 

「勉強を教えてほしいなんて、お願いしてきたことは驚いたね。第一印象が知的な感じだったからさ」

 

「⋯リリス様には劣りますよ。リリス様に頼んだのは少しでも貴方以上になるためですので」

 

戦闘が終わった後の保健室では普通に会話できたのだが、その後からはどんなアプローチをしても避けられるように断られ続けて困っていたのだ。それが一ヶ月ほど経過した時点でいきなり『勉強について教えていただけますか?』と話しかけられて、今のような状態に至る。

 

ユメが定期的に行われる小テストで軒並み追試となっていたため、補習を待つのも目的に放課後勉強を教えている。ニアが勉強している内容は数学系の応用で、私は基礎を使った応用問題について考えながら教えて、自分の成長を感じながら楽しむことが出来ている。

 

「…教えられてる身として思いますが、なぜそんなにも貴方は聡明なのでしょうか?」

 

「う~ん」

 

なぜ、と言われてもねえ…。学ぶのが楽しいから、色々覚えているっていうのが理由だ。あと、一度見たり聞いたりしたら簡単に頭に入るのだ。まあ、才能ってやつ?

 

「私にとってすべてが新しいことで、楽しく学んでいるうちに自然と覚えられるからかな?」

 

「…貴方は、どんなことに対しても完璧でありたいと、思ったことがありますか?」

 

計算式を書く手を止めてこちらに向いてくる。いつも真顔なニアだが、今の彼女の目は緊張感を持っているような気がした。

 

「完璧であることなんてできないと思うよ。私にだって、できないことや苦手なことがあるわけなんだからさ、だから完璧でありたいと思ったことはないかな」

 

「⋯成る程」

 

私の返答を聞いたニアは少し俯いて考え込んだ後に、決心したかのように再び私に顔を向けた。

 

「私の⋯過去の話について聞いていただけますか?」

 

⋯ニアの過去、気にならないわけがない。今のような堅苦しい言い回しになった理由だとかがわかるかもしれない。黙って首肯する。

 

「⋯私の親は無駄を嫌うような人たちです。常に私に人の上に立つような、誰にも弱みを見せないような”完璧”な人間になりなさいと教え込んできました。

私が頑張って出した結果もできて当たり前だとされ、失敗したときには長時間に渡って説教やら社会の”辛さ”を説いてきました。

最初は、ただ褒められたくて頑張ってましたが、何回も失敗してからは怒られないように頑張るようになってました」

「私が少しでも感情を漏してしまい、処罰が激化することも多々ありました。⋯それが理由で私は感情を表に出すのが怖くなり、感情を出さないためにもこんな喋り方に固執しました」

「これらのことがあったため、私は誰かに失望されたり、忘れられるのが恐ろしくなりました。この学校に来て貴方に一位の座を取られたとき、誰にも覚えられることのないまま、何者でもないまま、終わってしまうかもしれない。そんな自己中心的な考えであんな事をした。誰とも仲良くなんてできない、批判・嫌悪されても仕方がないと思っていました」

 

そこまで、緊張を持ちながらも淡々と自分語りをしていたが、自信をなくしたのか俯いて、呟くように聞いてくる。

 

「⋯しかし、そんな私なんかと友だちになりたい、、仲良くしたいとと言われて困惑しました。私なんかが”完璧”に近い貴方と一緒にいていいのかと。何回もお誘いを受けても断り、勉強を教わるという名目でしか近づけない、私なんかが⋯いいんですか⋯?」

 

「⋯」

 

まるで前の私のようだ。一つ違うのは、ここまで私より長い時間そんな環境にいたということ。おそらく初めてなのだろう。自分の抱えているものをさらけ出したことが。

私にできることは優しく寄り添うこと。

 

「ニアのやりたいことをやればいいよ。これはあなたの人生なんだから。自分自身に意味なんて付けなくていいの。怖がらなくても大丈夫。私が支えて守ってあげるから」

 

「っ⋯」

 

手を取って両手で包んで、優しく語りかける。ニアは体を軽く震わせてもう片方の手も重ね合わせて、互いに握り合うような形となった。頬を薄く紅に染めて、握る手に力を込めている。落ち着いた様子を見せる彼女に問いかける。

 

「ニアはどうしたい?私と仲良くしてくれる?」

 

「⋯仲良くしたいです。私と、友だちになってくれませんか⋯?」

 

⋯やっと言ってくれた。絞り出すように言ったニアの手は、微かに震えていた。私は包み込む手を取り落とさず、優しく力を込めて微笑み返す。

 

「もちろん。喜んで」

 

その言葉を聞いた瞬間、ニアの緊張の糸が静かに切れた。

大声を上げて泣くわけでもなく、ただ瞳から静かに一筋の涙が零れ落ちる。

 

ニアはそのまま、吸い寄せられるようにリリスの胸元へとそっと身を預けた。

 

「……もう少しだけ、こうさせてください。……あたたかいです、リリス様……」

 

深く息を吐き出しながら、私の身体の温もりを噛みしめるようにギュッと抱きつくニア。

赤ん坊をあやすようにニアの背中に腕を回し、優しくトントンと叩いてあげる。

 

「うん、いくらでもこうしてていいよ。ニアはもう、一人じゃないんだからね」

 

完璧な肯定と無自覚な包容力。ニアにとって、それは人生で初めて得た絶対的な安心感だった。

 

 

 

 

 

 

 

かなり長い間、ニアを抱きしめていた。私も何度か父にやってもらうことがあって、そのたびに絶大な安心感と包容力に助けられた。ニアにとっては初めて体験なのだろう。ならば、彼女が満足するまで時間のある限り続けよう。

 

いかし、その時間は唐突に終わる。補習のテキストを小脇に抱えたユメが、呑気にドアを開けて戻ってきたのだ。

 

「リリスちゃん、ただいま~! いやぁ、補習やっと終わった……よ…?」

 

ガラッと開いたドアの先で停止するユメ。

目の前では、あの堅物だったニアが私にぴったりと抱きつき、それを私が笑顔で撫で回している。

 

「………………え?」

 

ポロリと手からテキストが落ちる。

次の瞬間、ユメの顔がみるみるうちに嫉妬で膨らんでいった。

 

「ちょっとちょっと!? ニアちゃん何してるの~!?」

 

「っ!? ユ、ユメさん!?」

 

慌てて飛び退こうとするニアだったが、私にしっかり抱きしめられているため上手く離れられないようだ。ユメはドカドカと大股で近づいてくると、二人の間に割って入るように割り込んできた。

 

「ずるい! ニアちゃんずるいよ! 私だってまだリリスちゃんにそんな風に抱きついたことないのに!」

 

ジト目でニアを睨みつけつつ、今度はユメが私の反対側に抱きついて甘え始める。

 

「リリスちゃん! 私にもよしよしして! ほら!」

 

「えっ? う、うん。ユメちゃんもよしよ~し……?」

 

状況がよく分かっていない私は、両手に花(?)状態になりながらも、リラックスしている二人の頭を交互に撫で始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リリス様。もうすぐ中間テストですね。この大切な時期に、私はユメさんとある勝負をすることになりました」

 

「勝負?」

 

友達も増えた(一人だけだが)ことで、私の学校生活は濃密なものとなっていた。

クラスではユメと楽しく会話して、放課後の時間ではユメを待ちながらニアに勉強を教える。どちらも今の私にとってとっても大切な時間だ。ニアも、あの時から頼ってくれることも多くなって嬉しい限りである。

 

「はい。テストの成績での勝負です。勝者はリリス様に何でもしてもらう権利を得ることが出来ます」

 

「…私そんなことしていいって言った覚えないけど?」

 

「?…だって、今言いましたからね」

 

何か勝手に決められていて眉間を揉む。頼ってくれることが増えたのはいいが、なんだか前より図太い感じになったような気がする。…いい成長だろうか?

 

「…まあいいや。私にできることであるなら、なんだっていいよ」

 

「ありがとうございます。大丈夫ですよ。変なことを頼むつもりありませんからね、私は(・・)」

 

私は、って…。ユメは、私にどんなことをやらせるつもりなのだろう。少し心配だ。

 

「ユメさんは、この勝負に対してやる気に満ちていましたね。負けることはありませんが、気を抜くとすぐ追い抜かれそうです」

 

ユメがいないのはそのせいか。

 

「…テストに対してやる気があるのはいいことだよ。お互い頑張ってほしいね」

 

当人たちがやる気ならなんだっていいや。私は頼みを聞くだけでいいわけだし。

 

「…何を言っているんですか?リリス様も頑張るんですよ?今度こそ貴方を越えるために、私は全力で勉学に励んでいるんですからね。寝首を掻かれないように気を付けることです」

 

まさかの宣戦布告だ。確かに前に私を越えられなくて悔しいみたいなことを言っていたし、越えようと頑張ることは当たり前か。私も少しは対策でもしようかな?

 

「私は常に気を張ってるからね。そう簡単に私を越えられると思わないことだよ。ニアはユメに負けないように頑張ればいいと思うよ?」

 

「……面白いことを言いますね、リリス様。私を舐めたこと、後悔させてあげます」

 

少し沈黙した後、考えの読めないような瞳に闘志に似たようなものが宿った気がした。煽ったせいでよりやる気にさせてしまったようだ。私の悪い癖だね。今のうちに直した方がいいかな?

 

「…うん。頑張ってね。私も頑張るからさ~」

 

ニアは返事をすることなく、足早に帰って行ってしまった。…少しやばいかな?真面目に勉強しよう。

 

少し危機感を感じて、勉強の時間をとるために私も早く帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

恐ろしく長く感じたテスト勉強を経て、極度の緊張をもってテストをやり切った私は、5つの主要教科の答案用紙の点数を確認して少し安心していた。

 

(国語98、数学100、英語96、理科99、社会90で合計483点、か。記憶系統はやっぱり苦手だなあ~)

 

まあ及第点だろう。数学満点というのがでかい。あとはニアがどこまでやり切ったか、ユメもだいぶ自信があるような顔をしていたし、もしかしたら私を越えている可能性がある。

 

この後に三人で集まって点数の確認をする。そこで勝敗が決まるのだ。

 

(…心配になってきた。もっとやればよかったかも…)

 

こうやって心配になることが分かっていれば、しっかりとやり切ってからテストに臨めばよかった。やっぱり何事も本気でやるのが一番だね。

 

「やあやあ!やっと私の努力が報われたって感じだよ~!」

 

「ユメさんの努力で、私を越えることは果たしてできたのでしょうか?気になりますね」

 

バチバチと火花が飛び散りそうな眼光で睨み合う二人。胸を張って自信ありげなユメと、どこか余裕のありそうなニアが集まった。テストが終わったのも相まってとても元気だ。

 

「まずは二人で結果発表してよ。あの勝負の勝敗は私も気なるからね」

 

”勝者は私に何でもしてもらう権利を得る”とかいうやつだ。権利を得るのはどちらでも構わないのだが、勝敗の行方は気になる。

 

「そうですね。ユメさん、敗北する準備はできましたか?」

 

「それはこっちのセリフだよ!その余裕そうな顔がいつまで持つか見ものだね!?」

 

すっごい喧嘩腰だ。そんなにあの権利が欲しいというのだろうか?分からない。

 

「せ~ので広げよっか。「せ~の」!」

 

   国語/数学/英語/理科/社会

ユメ 100/88/98/90/96

ニア 99/100/90/96/96

 

ユメの合計が472点、ニアの合計が481点だ。…危なかった。私含めて三人とも僅差であった。私の一位の座は守れたね。

 

「ひぃん、負けちゃったよぉ…」

 

「…驚きましたね。かなり僅差ではありませんか。あんなに補習ばかり受けていたあのユメさんが、ここまでの成長を…」

 

ユメは負けたことにショックを受けて膝から崩れ落ちて、ニアは思った以上のユメの成長にとても驚いていた。私も驚いている。失礼だけど、ここまで行くとは思っていなかったのだ。

 

「すごいね、ユメちゃん。学年三位じゃない?頑張ったね!」

 

「うぅ、もっと頑張れた気がして素直に喜べないよぉ」

 

こればかりはしょうがないと思う。今は成長した自分を褒めて、次に向けて頑張るべきだとおもう。

 

「でも、確かに成長してるじゃん?今は、自分を褒めるべきだよ」

 

「…そっかぁ。そうだよね!私、めっちゃ成長してるね!」

 

常に前向きなところがユメの美点である。そういうところは、私も見習うことがたくさんある。そのポジティブさには、毎度私を驚かせる。

 

「ところでリリス様。あなたはどうだったのですか?」

 

「ふふん♪残念だけど、今回は私の辛勝だね!」

 

私の結果を見せる。それを見たニアは悔しそうな顔となった。

 

「…あまりにも惜しい。惜しすぎます。…いろいろ言いたいことがありますが、負けは負けですね。ここは、ユメさんを見習いましょう」

 

…驚いた。少しぐらい何かしらの愚痴をこぼすかと思ったが、ユメを見習うと言ってやめたのだ。これは彼女の確かな成長であるだろう。

 

「ですが、ユメさんとの勝負は私の勝ちですね。リリス様には私の頼みごとを聞いてもらいます」

 

「…あ」

 

そうだった。私が勝ったところで、ニアとユメとの勝負には関係ないんだった。何を言われるんだろうか…。

 

「リリス様には、これから一週間、放課後に私が満足するまでハグしてもらいます」

 

「…うん?それぐらい、いつでもしてあげるけど?」

 

何を頼まれるかと思ったらそんなことか。そんなこと、いつ言ってくれてもいいのに。

 

「…」

 

「…リリスちゃん、ハグってスキンシップで当たり前のことじゃないよ?」

 

「え? だって、お父さんもよく私を抱きしめて頭ポンポンしてくれたよ? 嬉しいことや安心することは、誰かと分け合うのが普通じゃないの? ニアだって、私がハグしたら落ち着くって言ってたし、普通だと思うけど……?」

 

何を言ってるのだろうか。ハグなんて当たり前の行為だろう。何を恥ずかしがる必要があるのだろうか。

 

そう言ったら、ニアは顔を赤らめて俯いてしまったし、ユメは焦って抗議するように言ってきた。

 

「いや、それはお父さんだからセーフなだけで、友達同士だとレベル高すぎるからね!?なんでこんな純粋なの!?」

 

「…わかりませんが、これが彼女の常識のようです」

 

「?」

 

わかんないね、何がおかしいのか。前のユメの時もそうだったし、私の勉強不足なところもあるのかな?今度時間があるときにでも調べてみようかな。

 

「…もういいです。リリス様、ハグがあなたにとって常識なものであるというのなら、これから毎日私にハグをしてください」

 

「ちょ、ちょっと待って! ニアちゃんがそんな反則技アリなら、 私にも、私にもリリスちゃんをモフモフする権利をちょうだい!」

 

「なっ……! ユメさん!勝負は勝負です! 契約違反です!」

 

なんか喧嘩し始めちゃった。それぐらい仲が良いってことかな?

 

「う~ん……そんなに二人とも私にハグしてほしいなら、別に二人まとめてでもいいよ?」

 

「!…リリス様がそういうなら…」

 

「…私も文句はないかな…?」

 

私の両側に、それぞれ真っ赤になって照れるニアと、悔しがりながらも嬉しそうなユメが挟まる。いつかの時のような状態にまたなって、二人の頭をなでる。

 

「……リリス様は、本当にそういうところ……ずるいと思います」

 

真っ赤な顔で、私の制服の裾をぎゅっと掴むニア。

 

「え? 私、何か変なこと言った?」

 

首をかしげる私の頭を、ユメが「もう、リリスちゃんはそのままの天使でいてよね!」とぐりぐりと撫で回す。

 

放課後の教室には、かつての重苦しい過去の影なんて微塵もなく、ただ温かくて賑やかな笑い声だけが響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




う~ん…これはなんていうんだろう…わっかんないですね。

ニアのステータス
テクスチャ:ペントス
身長:145㎝
黒髪ロング(ストレート)、丸眼鏡
常に教材を持ち歩いている
趣味:リリスのハグ、勉強
武器:MP40『パーフェクト・ルール』
緊張したり照れたりすると眼鏡のブリッジをクイッと直す頻度が跳ね上がる。
糖分補給と言って、勉強中にものすごい甘党な一面を見せることがある。
リリスにハグされている間は、嬉しさと照れでヘイローが激しく点滅する。

苦手なもの
予測不能な出来事、不協和音、無計画な行動(特にユメ)

今後の展開次第では原作にも関係させたいです!
次回は18日を予定しております!
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