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「あれ?」
今、意識がなくなってたような.もしかして居眠りしちゃってた?あたりを見回せば、外から差し込む光はなくなっていた。外は先もわからないほど真っ暗だ。おそらく大分時間が経っているのだろう。
しかし、手元の本を見ると、その本は終盤の頁まで捲られていた。内容を思い出そうと記憶を探っても、読み始めたところしか覚えていない。
(…でも)
「面白かったなぁ…」
内容も、読んだ記憶すらもないのに、あの読書特有の高揚感だけが体に残っていた。
不思議と、そのことに違和感はない。
至極当然のように
…
…
…
…いや、これは当然なのだろう。
「そんなことより…続き、読まなきゃ」
そんな当たり前を考えることより、今はこの本をもっと読みたい。内容は覚えてないが、きっととても面白いのだろう。
ああ、楽しみだ。私はなんて幸せなんだろう
私は、最後の頁を捲った。
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_________だが、ここまで語ってきたことが、彼らのすべてではない
世界の廃棄孔は、どの生物にとっても害そのもの
ましてや、怨嗟に身を焦がす彼らと合わさればどうなるのか、我らは想像すら出来ないだろう
彼らは今も地の底で機会を狙っている
もし彼らが出ることがあれば、世界は瞬く間に闇に呑まれてしまうだろう
彼らを信じるな、決して耳を貸してはいけない
もっとも
蛆虫の蠢きを聞きたがるものなど、いるわけもないのだが
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「ふぅ…」
あぁ、面白かった…
…
…
…
…面白い?これが?
「あれ…私…なんで…」
さっきまでの不思議な高揚感が消え、体が冷えていく。
まるで靄が消えたかのように思考が明瞭になる。
違和感をすべて自覚し、自分の行動の異常さが、立っていられないほどに頭の内から殴ってくる。
「私…どうなっちゃったの…?」
こわい、こわい、こわいこわいこわいこわい
気づけば、扉に向かって駆け出していた。
タッタッタ、ドン!「…っ!」バタバタバタ…
足取りがおぼつかず、つい本棚に体をぶつけてしまう。
本棚から落ちてくる本と共に床に倒れ込むが、恐怖が体を動かし、這うようにして進む。
「ぅぅ…誰か…誰かっ…!」
頭の中では、大切な人の顔が次々と浮かんでいた。
お父様、お母様、お兄様、ミエルさん…
(…あれ?)
扉の取っ手をつかんだところで体が止まる。
本が体に落ちてきた痛みで、そういえばと思い出す。
「ミエルさん…来てないな。」
外が暗くなるまで読んでいたなら、流石にミエルさんも私の返事がなくても入ってくるはず…
そういえば、あの外の暗さも…この部屋の明かりがあれば、近くの地面くらいは見えるはずなのに。
(…いや、いや、まずはみんなと会わなきゃ!)
これまでにないほど強く取っ手を握り、扉をあけ放つ。
「…え?」
目の前は…真っ暗な闇だった。
「…ぁ」
膝から力が抜ける。
思わずへたり込んだ私に構うことなく、闇はこちらに近づいてくる。
「いや…やめて…」
どうしようもなく恐怖が体を支配し、その場にうずくまる。
…そうして、
気づけば私は落ちていた。