水曜日の放課後。
水面高校の体育館は、満席だった。
二階のギャラリーまで、びっしり席が埋まっている。
それだけ、これから行われるデュエルは話題性があり、なにより、空閑ソーラーが、示すためにセッティングしたのだ。
生徒たちだけではない。
スーツを着た人や、白衣を着た人。
ノートとペンを準備している人。
様々な立場の人が、『水面市の一大イベント』ともいえるこの場所に集まっている。
「しかし、朝に俺に挑んできて、放課後にここまで集まるとは……」
渇明は急に人前に出されたわけだが、人の多さに少し驚きはあっても、それが何か、精神に影響しているわけではないようだ。
「まさか、受けてくれるとは思ってなかったよ。アンティでスコアを積んだ方がいいかなって思ったけどね」
「だろうな。そういや、上位怪人を倒したらしいな」
「うん。新しいライダーと一緒にね」
ソーラーとヘリオスがネジ怪人を倒したことは、まだ、記憶に新しい。
渇明は少し考えて……。
「……楽しそうだったか?」
「……そうだね」
誰が? とは言わなかった。
ただ、歩佳は、頷いた。
「さて、そろそろ焦らすのもアレだな。始めるか」
「よっしゃあ!」
歩佳はデュエルディスクを左腕から外して、腰に付ける。
『DUEL DRIVER』
『Your name is……』
「変身!」
『KAMEN RIDER SOLAR!』
光が溢れて、アーマーが形成。
歩佳に装着されて、仮面ライダーになった。
「半年前とどう変わったか。見せて貰おうか」
渇明がデュエルディスクを構えると、デッキがシャッフルされる。
カードを5枚ドローして、手札に。
歩佳もカードを5枚ドローして、手から消えてホログラムになる。
「「デュエル!」」
渇明 LP4000
歩佳 LP4000
ターンランプがついたのは……渇明。
「ん? 俺の先攻か」
渇明はカードを使い始める。
「俺は手札から、『グリーディ・タイガー』を開示して、効果発動、タイガー以外のグリーディを手札に加える。俺は『マンティス』を手札に」
「!」
「タイガーを開示している間、俺はモンスターを特殊召喚出来ない。が、続けるぞ。マンティスも同じ効果を持ってる。開示して、デッキから『グリーディ・コング』を手札に。コングを開示することで、デッキから2枚目のタイガーを手札に加える」
「い、一気に、手札が3枚も……」
「タイガー、マンティス、コングを開示している場合、俺は特殊召喚出来ないがな。というわけで、『打ち出の小槌』を発動だ。見せた3枚をデッキに戻して3枚ドロー」
「ずるいいいいっ!」
これで、手札は7枚。
「変身効果を使えるライダーが、デュエリスト相手にずるいとか言うな」
「反論の余地が一切ない正論が飛んできた……」
「手札から、『グリーディ・レオ』を召喚」
グリーディ・レオ ATK1800 ☆4
「召喚、特殊召喚に成功した時、デッキから『強欲な壺』を手札に加える。俺は、カード名を『強欲な壺』として扱う『満たされぬ強欲な壺』を手札に」
「き、キーカード……それに、スタッグじゃない」
「まぁ、趣向を変えてな。というわけで……手札の『グリーディ・ピーコック』を開示して効果発動」
「く、クジャク……」
「デッキから『グリーディ・チーター』を手札に。『満たされぬ強欲な壺』を発動し、カードを1枚ドローして、開示したピーコックをデッキボトムへ」
「……」
「グリーディ・チーターは、強欲な壺を発動したターン中、手札から特殊召喚できる」
グリーディ・チーター ATK1700 ☆4
「チーターの召喚、特殊召喚時、デッキから『グリーディ・フュージョン』を手札に加える」
「融合カード」
「そのまま発動。手札のタイガーと、フィールドのレオとチーターを素材に、融合召喚」
3体の猫科の猛獣が、渦に飲み込まれていく。
「現れろ、『グリーディ・レオパルド』!」
グリーディ・レオパルド ATK2800 ☆8
出現したのは、豹だ。
いきなりの3体融合であり、確かな威圧感を放っている。
「レオパルドの融合素材が全て光属性の場合、レオパルドは効果では破壊されない」
「効果破壊耐性……」
「さらに、墓地の『グリーディ・フュージョン』の効果発動。デッキに戻すことで、墓地から『強欲な壺』を手札に加える。俺は『満たされぬ強欲な壺』を手札に加えて、発動」
本来なら、1枚ドローして、手札を1枚、デッキ下だ。
「レオパルドの効果発動。俺が発動した『強欲な壺』の効果を、相手ターン終了時まで、レベル8以上のグリーディ1体に、全ての効果を受け付けない完全耐性付与に変更できる」
「とおもったら完全耐性!?」
「カードを3枚セット。ターンエンドだ」
「……」
攻撃力2800で、完全耐性を持つモンスター。
加えて、3枚のセットカードがあり、手札も2枚残っている。
「本当に……変身していないとは思えないスペックだね」
「ここまでならすべて既製品だぞ」
「それを言われちゃおしまいだね。私のターン。ドロー!」
歩佳はカードをドローした。
「手札から、『サンライズ・バリケード』を特殊召喚!」
サンライズ・バリケード DEF1300 ☆1
「さらにモンスター効果で、デッキから『サンライズ』フィールド魔法を手札に加えるよ」
「前回も初手はそれだったが……いや、アイツも似たようなもんか」
渇明は遊陽の『ハイドロキッズ・スプラ』を思い出した。
「私が手札に加えるのは……これが、新しいカード! 『サンライズ・グラウンド』だよ! そのまま発動!」
サンライズ・バリケード ☆1→2
「フィールド魔法があることを条件に、手札の『サンライズ・フェンス』は特殊召喚できる!」
サンライズ・フェンス ☆3
「特殊召喚に成功したことで、デッキから、『サンライズ』フィールド魔法、『サンライズ・クリスタルヤード』を手札に!」
「このまま張り替えか?」
「違うよ」
「ん?」
「『サンライズ・グラウンド』の効果発動。このカードを……手札に戻す!」
「なぬ!?」
フィールドの『サンライズ・グラウンド』が、歩佳の手札に戻った。
「そのまま、グラウンドを発動!」
サンライズ・バリケード ☆2→3
サンライズ・フェンス ☆3→4
「これは……」
「もう一回、手札に戻す! また発動!」
サンライズ・バリケード ☆3→4
サンライズ・フェンス ☆4→5
「手札から魔法カード『サンライズ・ノルマ』を発動! デッキから『サンライズ』モンスターを1体、墓地に送るんだけど、変身中なら特殊召喚できる。そして、自分の墓地にフィールド魔法がなく、フィールドに元々のレベルよりも2以上高いモンスターが2体以上いるなら、2枚にできる!」
「てことは……」
バリケードは元々は1だが、現在は4。
フェンスは元々3だが、現在は5。
どちらも、もともとのレベルよりも、2つ以上高い。
墓地に、フィールド魔法はない。
歩佳はデッキから、2枚のカードを抜き取った。
「サンライズ・スクリーンと、サンライズ・パーテーションを、特殊召喚!」
サンライズ・スクリーン DEF1500 ☆2
サンライズ・パーテーション DEF1400 ☆3
「スクリーンは、サンライズ永続魔法を、パーテーションは、サンライズフィールド魔法を手札に加えることができる。永続魔法『サンライズ・カスタマイズ』と、フィールド魔法、『サンライズ・ルーフトップ』を手札に!」
「……」
「さらに、サンライズ・グラウンドの効果発動! 手札の『サンライズ』フィールド魔法を2枚捨てて、デッキからカードを2枚ドローするか、デッキから『サンライズ』カードを1枚サーチできる!」
「手札交換か」
「クリスタルヤードとルーフトップを捨てて、2枚ドロー!」
歩佳の手札は、現在6枚。
「チューナーモンスター、『サンライズ・アサルトバリア』を召喚!」
サンライズ・アサルトバリア ATK1000 ☆1
「そして、グラウンドを手札に戻す! ここから連打するよ!」
サンライズ・バリケード ☆4→5→6→7
サンライズ・フェンス ☆5→6→7→8
サンライズ・スクリーン ☆2→3→4→5
サンライズ・パーテーション ☆3→4→5→6
サンライズ・アサルトバリア ☆1→2→3→4
「直感的というか大雑把というか……」
「レベル6のパーテーションに、レベル4のアサルトバリアをチューニング、シンクロ召喚! レベル10『サンライズ・プリズムランチャー』!」
サンライズ・プリズムランチャー ATK3300 ☆10
「アサルトバリアは、変身中にシンクロ素材になった場合、墓地から特殊召喚できる!」
サンライズ・アサルトバリア ATK1000 ☆1
「この方法で特殊召喚した場合、墓地に存在するサンライズフィールド魔法の種類の数まで、レベルを上げられる!」
「今はクリスタルヤードとルーフトップの2種類か」
「その通り!」
サンライズ・アサルトバリア ☆1→3
「レベル7のバリケードに、レベル3のアサルトバリアをチューニング! レベル10、『サンライズ・ビッグカノン』!」
サンライズ・ビッグカノン ATK3200 ☆10
「アサルトバリアを特殊召喚。レベルは上げないよ! レベル8のフェンスに、レベル1のアサルトバリアをチューニング! 『サンライズ・パルスガトリング』!」
サンライズ・パルスガトリング ATK3000 ☆9
「アサルトバリアをレベル3にして特殊召喚! レベル5のスクリーンにチューニング、シンクロ召喚! 『サンライズ・レールガンナー』!」
サンライズ・レールガンナー ATK2800 ☆8
次々と並ぶシンクロの兵器。
サンライズ・プリズムランチャー ATK3300 ☆10
サンライズ・ビッグカノン ATK3200 ☆10
サンライズ・パルスガトリング ATK3000 ☆9
サンライズ・レールガンナー ATK2800 ☆8
「まさか、1ターンでこうなるとは……」
「すごいでしょ! これが新カード、『サンライズ・グラウンド』の力だ!」
圧倒的な出力だ。
アサルトバリアは元から強い。
ただ、今回の展開でいえば、『サンライズ・ノルマ』の存在も大きい。
とはいえ、このカードの発動条件のために必要な、『墓地にフィールド魔法がない場合』という条件を満たすのが、今までのサンライズではほぼ不可能だ。
歩佳が手に入れた『サンライズ・グラウンド』は、そのあたりも解消したテキストだったのだろう。
「これです。これが、最新のサンライズ展開。これなら、強馬渇明にも……」
「ああ、これなら、倒せる。空閑ソーラーの技術力を示せる」
席にいる良悟と義春は、思わず立ち上がる。というわけではないものの、興奮を抑えきれない様子だ。
「……」
渇明は少し、考える。
「一応聞くんだが」
「何?」
「サンライズ・グラウンドの、手札に戻せる効果は、制約はあるのか?」
「レベル8以上のサンライズが自分フィールドにいると、手札に戻せないよ」
「ああ。だから、フェンスが8になったところで止まったのか。で、その手札に戻せる効果と、手札交換効果が、『変身効果』ってことか?」
「変身効果ってだけじゃなくて……『仮面ライダーソーラーに変身しているとき』に使える効果だよ!」
★
サンライズ・グラウンド
フィールド魔法
このカードの③④の効果は、自分が「仮面ライダーソーラー」に変身している場合のみ発動できる。
①:このカードが表側表示で存在する限り、自分は「サンライズ」モンスターでしか攻撃できない。
②:このカードの発動時の効果処理として、自分フィールド全ての「サンライズ」モンスターのレベルを1つ上げる。
③:自分メインフェイズに発動できる。このカードを手札に戻す。この効果は、レベル8以上の「サンライズ」モンスターが自分フィールドに存在する場合、発動できない。
④:手札の「サンライズ」フィールド魔法を2枚墓地に送り発動できる。以下の効果から1つを選択する。
●デッキからカードを2枚ドローする。
●デッキから「サンライズ」カードを1枚手札に加える。
★
「そういうことか……」
「これが、空閑ソーラーの技術力! バトルだ!」
「速攻魔法『皆既日蝕の書』を発動。全て裏側だ」
一枚ですべてを裏返すカード。
「あ、私もデッキに入れてるカード……」
青葉が客席で呟いた。
フィールドのすべてを裏側守備表示にするカードであり、彼女のデッキにおいては非常に大きいカードだ。
青葉はこのカードを『展開補助』に使ったといって良いが、渇明は、全てを止めるために使っている。
「ゲッ……レールガンナーの効果発動! 1ターンに1度、相手の魔法、罠を無効にして破壊!」
「カウンター罠『グリーディ・ダッシュ』を発動。自分フィールドに、『自身と同じ属性だけを素材としたグリーディ融合モンスター』が存在する場合に発動できる。相手のカード効果を無効にする」
レオパルドは光属性で、素材も全て光属性を使っている。
発動されて、レールガンナーの無効効果は沈黙した。
「……え、破壊はしないの?」
「破壊はしない。そして、カウンター罠だ。プリズムランチャーは万能妨害を持っているが、カウンター罠にはチェーン出来ない。『皆既日蝕の書』が有効だ。効果を受けないレオパルド以外は、全て裏側になる」
「ぐっ……」
シンクロ兵器が4体ともセット状態に。
「か、カードを3枚セット、ターンエンド!」
「『皆既日蝕の書』によって、サンライズは全て起き上がる。4枚ドローするといい」
サンライズ・プリズムランチャー DEF2700 ☆10
サンライズ・ビッグカノン DEF2600 ☆10
サンライズ・パルスガトリング DEF1900 ☆9
サンライズ・レールガンナー DEF2000 ☆8
「よし、4枚ドロー!」
これで、歩佳の手札は6枚だ。
「俺のターン。ドロー」
「スタンバイフェイズ! パルスガトリングの効果発動! お互いのスタンバイフェイズ。デッキからカードを1枚ドローできる! 変身中なら、2枚ドロー!」
これで、手札は8枚。
「よしよし、良い感じになってきた!」
歩佳は満足そうだ。
ただ。
渇明の表情に、驚きはない。
「……さて、フィールドも騒がしくなってきたし、とりあえず片付けるか」
「えっ……」
「魔法カード『グリーディ・ダークルーラー』を発動。相手フィールドにいる、全てのモンスターの効果を、ターン終了時まで無効にする」
「んなっ……」
「まぁ、このターン、相手が受けるダメージはゼロになるがな」
「レールガンナーには魔法、罠の無効、プリズムランチャーには万能無効が……」
「このカードに対して相手はモンスター効果を発動できない」
「ぐぅ……『冥王結界波』を、無効期間をターン終了時までにして、『グリーディ』カテゴリにしたって感じか……」
歩佳の顔が、仮面の下で歪んだ。
「さすがにコイツは俺のデュエルディスクの一点物だ。で、魔法、罠カードは使えるが?」
「ぐっ……カウンター罠! 『サンライズ・クイックショット』を発動! 「サンライズ」シンクロモンスターがいる時に発動できるカードで、これも万能無効だよ!」
「2枚目の『グリーディ・ダッシュ』を発動。それを無効にする」
「えっ……」
「これ以上のカウンター罠はあるか?」
「な、ない……」
「なら、そいつらの効果は、すべて無効だ」
波動が溢れて、サンライズ兵器が沈黙する。
「で、でも、効果破壊されないレオパルドと、手札2枚。それだけなら……」
「『融合解除』発動。レオパルドを分離だ」
グリーディ・レオ ATK1800 ☆4
グリーディ・タイガー ATK1600 ☆4
グリーディ・チーター ATK1700 ☆4
「えっ……」
「特殊召喚成功時の効果だ。レオによってデッキから2枚目の『満たされぬ強欲な壺』を手札に。チーターの効果で、デッキから『グリーディ・フュージョン』を手札に加える」
「ゆ、融合解除1枚で、一気にモンスターが……でも、もう一回レオパルドを出しても、私のモンスターは倒せないよ!」
「……言い忘れていたが」
「ん?」
「コーカサスも、レオパルドも、素材指定は『別名のグリーディ3体』だ。出すだけなら、属性を揃える必要もない」
「ってことは……」
「『グリーディ・フュージョン』を発動。フィールドの3体のグリーディを融合。現れろ、『グリーディ・コーカサス』」
グリーディ・コーカサス ATK2800 ☆8
現れたのは、三本角の巨大カブト。
「こ、これは……」
「風属性で揃えてないから全体破壊はない。ただ、『満たされぬ強欲な壺』を発動。これを、レベル8以上のグリーディ1体に、ターン終了時まで攻撃力500アップと全体攻撃を付与する効果に変更する」
グリーディ・コーカサス ATK2800→3300
「バトルだ。コーカサスで、プリズムランチャーを攻撃」
「罠カード『サンライズ・パルスアップ』を発動! このターン、私のサンライズモンスターは戦闘で破壊されず、変身中なら効果で破壊されないよ!」
「構わん。全て攻撃だ」
コーカサスが、全てのサンライズに電撃を浴びせた。
「うぅ……な、何でかはわからないけど、渇明先輩の手札は2枚! これなら……」
「バトルフェイズ終了時、手札から速攻魔法、『グリーディ・ネゴシエイト』を発動。このターン、グリーディモンスターと戦闘を行って、破壊されていない相手モンスターの数、デッキからカードをドローする」
「げっ……」
「カードを4枚ドローする」
これで、渇明の手札は4枚。
「さてと……手札の『タイガー』を見せて『マンティス』を手札に、マンティスを見せて『コング』を手札に、コングを見せて『ピーコック』を手札に、ピーコックを見せて『タイガー』を手札に」
「うわわわ、一気に4枚も……」
「で、2枚目の『打ち出の小槌』を発動。開示した4枚を戻して4枚ドロー」
「やっぱりそれ反則じゃない!?」
「『打ち出の小槌』そのものは素引きだぞ? さすがに小槌や『リロード』を直接手札に加えるカードは俺のデッキにも入っていないし、グリーディを作ってる会社も開発できてないみたいだ」
「ぐぐぐ……」
納得して良いのかどうかはわからない。
まぁ、理不尽だと文句を言う分には問題ないと思うが。
「とにかく。これで俺の手札は7枚。カードを5枚伏せて、ターンエンドだ」
「せ、セットカードが、5枚……私のターン。ドロー!」
歩佳は少し、怖気づきながらも、カードをドローする。
さらに。
「スタンバイフェイズ、『パルスガトリング』の効果。デッキから、カードをさらに2枚ドロー!」
「手札11枚か」
「その通り! これで――」
「罠カード、『大暴落』を発動。相手の手札が8枚以上あるなら、相手は全てデッキに戻してシャッフルし、2枚ドローだ」
「げっ!? 空閑ソーラーの株価が上がったばっかりなのになんてカードを!?」
歩佳は思わず叫んだ。
最近、株について勉強したばかりだ。
そんなタイミングで、しかも発動すべきタイミングで飛んでくるのは想定外。
「……」
義春が凄く、苦虫を噛み潰したような表情になっている。
「……」
何も言わないが……客席にいる溝口は、ちょっと嬉しい。
「で、速攻魔法はあるのか?」
「そんなの必要ない! レールガンナーの効果は復活してるよ! 効果で、相手の魔法、罠の発動を無効にして破壊する!」
「カウンター罠、『インフレーション・クライシス』を発動。自分フィールドのモンスターのレベル・ランクの合計が、相手モンスターのレベルとランクを合計した数値より25以上低い場合発動できるカードで、万能無効だ」
「んなっ……」
歩佳の場のモンスターのレベル合計は37。
渇明の場のモンスターのレベルは8。
条件は満たしている。
「これで、レールガンナーの効果は無効。『大暴落』が適用される」
「うぅ……」
11枚の手札をデッキに戻して、カードを2枚ドローする。
「あ、あんなにあったのに、こんな……でも! モンスターたちの攻撃力は十分だよ! 全部攻撃表示に変更!」
サンライズ・プリズムランチャー DEF2700→ATK3300
サンライズ・ビッグカノン DEF2600→ATK3200
サンライズ・パルスガトリング DEF1900→ATK3000
サンライズ・レールガンナー DEF2000→ATK2800
「渇明先輩のリソースは決して無限じゃないんだから、ターンを重ねてどんどん削ればいい! バトル!」
「バトルフェイズ開始時、罠カード『グリーディ・ティル・ナ・ノーグ』を発動。自分フィールドのグリーディ1体を選択して、そのモンスターの攻撃力を800ポイントアップ」
「えっ」
「さらに、相手モンスターは攻撃可能なら、選択したモンスターを攻撃しなければならない」
「こ、コーカサスは2800だから、3600!? 800アップしたら、プリズムランチャーでも越えられない……なら、プリズムランチャーの効果で、それを無効にするよ!」
「残念だが、発動時に選択したモンスターよりも攻撃力が高いモンスターが相手フィールドに3体以上いる場合、この効果は無効にならない」
「ぐっ……」
グリーディ・コーカサス ATK2800→3600
「とりあえず、全員、突っ込んでこい」
「て、ティル・ナ・ノーグの発動にチェーンして、速攻魔法、『サンライズ・リモコン』を発動! 自分フィールドのサンライズモンスター1体は、相手ターン終了時まで、戦闘で破壊されない。変身中なら、これに加えて、他の効果を一切受けなくなる!」
「誰を選ぶんだ?」
「私は、レールガンナーを選択する!」
バトルマニアと同じ裁定だ。
効果を受けないモンスターは、攻撃する必要もない。
ダメージを抑えるなら、一番攻撃力が低いモンスターを止めるしかない。
「ぐっ……」
歩佳 LP4000→3700→3300→2700
プリズムランチャー、パルスガトリング、ビッグカノンがコーカサスと衝突し、爆散した。
「わ、私は……カードを1枚セットして、ターンエンド」
グリーディ・コーカサス ATK3600→2800
「なら、俺のターンだ。ドロー」
歩佳の場には、セットカードが2枚ある。
そして、レールガンナー。
手札は1枚。
「……さて、まぁ、これで終わるかどうか、ちょっと突いてみるか」
「えっ?」
「バトルフェイズ、コーカサスでレールガンナーを攻撃、速攻魔法、『決闘融合-バトル・フュージョン』を発動。レールガンナーの攻撃力分、コーカサスの攻撃力をアップする」
グリーディ・コーカサス ATK2800→5600
「んなっ」
「ライフは2700。これが通れば、ダメージは2800で終わりだ」
「罠カード『ガード・ブロック』を発動! 戦闘ダメージを0にして、1枚ドローする!」
このターン終了時まで、レールガンナーは戦闘で破壊されない。
コーカサスの電撃を耐えて、ダメージも0だ。
「あ、あぶない……」
「……メインフェイズ2だ。『融合解除』を発動。コーカサスをデッキに戻して、墓地からレオたちを蘇生」
グリーディ・レオ ATK1800 ☆4
グリーディ・タイガー ATK1600 ☆4
グリーディ・チーター ATK1700 ☆4
「レオの効果で3枚目の『満たされぬ強欲な壺』を、チーターの効果で『グリーディ・フュージョン』をデッキから手札に」
「うっ……」
「『グリーディ・フュージョン』を発動。3体を素材に、『グリーディ・レオパルド』を融合召喚」
グリーディ・レオパルド ATK2800 ☆8
「『満たされぬ強欲な壺』を発動し、レオパルドに完全耐性を付与する。ターンエンドだ」
「ぐっ、わ、私のターン。ドロー!」
歩佳は2枚の手札に、ドローカードを合わせて……。
「うわっ、やばっ……こ、こんなタイミングで」
「……?」
渇明は首を傾げた。
「くっ、罠カード、『サンライズ・リターン』を発動! 墓地のサンライズを蘇生させる! 変身中なら、2体蘇生できる!」
「罠カード、『暗闇の使徒』を発動。このターン、墓地から特殊召喚されたモンスターは効果を発動できず、攻撃できない」
「んなっ……」
「このカードの効果は無効にできないが、相手は1枚ドローできる」
「くぅ」
大型シンクロを出しても、効果を発動できず、攻撃も出来ないなら、メリットは少ない。
「わ、私は……」
歩佳は墓地を見る。
……その時だった。
「ふああぁ……」
「えっ?」
歩佳は渇明を見る。
彼は……大きく、欠伸していた。
「……か、渇明先輩。どういうこと?」
「んー……まぁ、端的に言うと、『前とそんなに』って感じだな」
「前とそんなにって……」
歩佳はデッキを見る。
「さ、サンライズ・グラウンドは強いし、シンクロ兵器だって……」
「ああ、強いよ。強いから、俺も、『相手が強くないとメリットが少ないカード』をデッキに入れてる」
「えっ」
「俺は、相手が強いこと、ライダーになれることを恐れてはいない。俺のグリーディたちは、その相手の強さすらも、自らの力に変えられると分かってる」
渇明は、レールガンナーを見る。
「技術力は確かだ。ただ、そんな、イライラしながら戦っても、俺には勝てやしない」
「わ、私は別に、イライラなんて……」
そういう歩佳だが。
その声は、少し、震えている。
「まぁ、やりたいことがあるなら、全部やってみたらいいんじゃないか?」
「!」
「『会社が扱いきれないカードを使って勝っても、みんなのためにならない』なんて、俺からすれば縛りプレイでしかないぞ」
「んなっ!?」
歩佳の口から変な声が漏れた。
「……なぜ、アイツはそれを知っている」
「それを含めて、化け物と言わざるを得ないということかもしれません」
「ぐっ……歩佳の力を、会社が縛っていると言いたいのか、アイツは……」
良悟と義春としては、言われたくはないことでもある。
コンバークルを扱いきれないから、デッキ構築の上でコンバークルを活躍させる方針を取っていない。
戦術を披露する企業対抗戦においてコンバークルを封印してきたのは、怪人戦においてコンバークルの強みを知られないようにするため、と言えば、『少し妙』と思うものはいても、それだけの話でもあった。
しかし……ここまで見抜かれては、戦略も何もあったものではない。
「ど、どうして、それを……」
「別にいいだろ。で、どうするんだ?」
「……」
「別に俺は無敗伝説が欲しいわけじゃないんだ。前と同じなら俺の見込み違いってことで降参してやってもいい」
「うっ……」
「……ぐっ、くうううううっ!」
歩佳は、唸った。
それしかできなかった。ということでもある。
ただ、歩佳にも。
散々、煽られているということは、十分わかった。
「もおおおおおおおっ! ドローだ!」
渇明の『暗闇の使徒』の効果により、1枚ドロー。
「おっ!」
何やらいいカードを引いたらしい。
「あと、サンライズ・リターンは有効。墓地からは、『サンライズ・バリケード』と、『サンライズ・アサルトバリア』を特殊召喚!」
サンライズ・バリケード DEF1300 ☆1
サンライズ・アサルトバリア ATK1000 ☆1
「私が引いたのはコレだ! 魔法カード、『下降潮流』を発動!」
「渋いカード入れてるな」
「自分フィールドのモンスター1体のレベルを、1から3に変更できる! 私はレールガンナーをレベル1に変更!」
サンライズ・レールガンナー ☆8→1
「これで、『サンライズ・グラウンド』を手札に戻せる! 三連打だよ!」
サンライズ・バリケード ☆1→2→3→4
サンライズ・アサルトバリア ☆1→2→3→4
サンライズ・レールガンナー ☆1→2→3→4
「……どうする? レールガンナーがもう一枚入ってるのか?」
「いや……私のエクストラデッキは、合計、5枚しか入ってない」
「なんだその構築は……ん? 5枚?」
「今、その5枚目を見せるよ!」
客席で、義春と良悟が、何か言おうとした。
ただ、歩佳は止まらない。
「私は、レベル4のバリケードに、レベル4のアサルトバリアをチューニング!」
レベル合計は、8。
「シンクロ召喚! 『サンライズ・コンバークル』!」
サンライズ・コンバークル ATK2600 ☆8
『きゅう!』
現れたのは、額に宝石を付けた子ウサギだ。
「行くよコンちゃん!」
「そいつは……」
「私の、エースモンスターだよ!」
「……フフッ」
渇明は微笑んだ。
「……え、ウサギ?」
「仮面ライダーソーラーって、エースモンスターがいないはずじゃ……」
普段、この町にいる生徒たちですら。
歩佳のエースが、コンバークルであることは知らない。
雑誌では明確なエースがいないと言っていた歩佳だが、それは『噓も方便』といったところ。
実際は、この小さな子ウサギが、彼女のエースだ。
「で、どうするんだ?」
「魔法カード、『サンライズ・アタッチメント』を発動! 自分フィールドの『サンライズ』モンスターは、攻撃力が500アップするよ!」
「カウンター罠『グリーディ・ダッシュ』を発動。それを無効に……」
「コンちゃんは、コンちゃん以外に『サンライズ』シンクロモンスターが自分フィールドにいるなら、1ターンに1度、相手が発動した効果を、『相手はカードを1枚ドローする』に変更できる!」
「なに!?」
「これは『発動』じゃなくて『適用』だよ! カウンター罠であっても変更できる!」
サンライズ・アタッチメントが有効。
サンライズ・コンバークル ATK2600→3100
サンライズ・レールガンナー ATK2800→3300
「1枚ドロー!」
「まさか、カウンター罠まで変換するとは……」
「これで、レオパルドを……」
「だが、それも1ターンに1度だ。速攻魔法『グリーディ・ツインバースト』を発動。相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を、ターン終了時まで1000ダウンさせる」
「レールガンナーの効果発動! 1ターンに1度、相手の魔法、罠を無効にするよ!」
ツインバーストが無効にされて墓地に送られる。
「自分フィールドに、自身と同じ属性のみを素材としたグリーディ融合モンスターが存在する状態で、ツインバーストが発動を無効にされて墓地に送られた場合、効果発動。相手モンスター全ての攻撃力を、1500ダウンさせる!」
「んげっ!」
サンライズ・コンバークル ATK3100→1600
サンライズ・レールガンナー ATK3300→1800
「つ、使わされちゃったか」
「それで、どうする?」
「私は……手札から、チューナーモンスター、『リスト・クロック』を召喚!」
リスト・クロック ATK400 ☆1
歩佳のフィールドに、腕時計が出現した。
「そいつは……」
「ネジ怪人との戦いの後で、ヘリオスからもらったカードだよ」
「ヘリオスから、ねぇ……」
渇明は微笑んだ。
「……」
客席で、遊陽は少し微笑んだ。
「で、チューナーか。エクストラデッキは合計5枚といっていた。そのままでは何も出ないぞ」
「それは、そうなんだけどね……」
歩佳は、一度、大きく深呼吸した。
「私ね。ずっと、嬉しい気持ちでデュエルしてたと思う」
「嬉しい、か」
「会社の皆が、必死になってカードを作ってくれたし、皆で必死になって、デッキを考えてくれた。その期待に応えるのがとても嬉しかったんだよ」
「だろうな。そう見える」
「でもね。ヘリオスと戦った時にわかったんだよ。私の中で、ずっと、『後回しにしちゃいけない気持ちがあったんだ』って」
「……」
「楽しんでいかなくちゃ、きっと、前に進めない」
歩佳は、仮面越しに、渇明をまっすぐ見た。
「まだ、出来ないけど、私は、私だけの、『嬉しくて楽しいデュエル』を目指す! それができるデュエリストになるんだ!」
歩佳は手を掲げた。
「私は、レベル8のコンバークルに、レベル1の、『リスト・クロック』をチューニング!」
『きゅうっ!』
本当なら、何も起こらない。
しかし……。
リスト・クロックが、緑色の輪になって、コンバークルを包み込んだ。
「っ! ……フフッ」
渇明は少し驚いて、微笑んだ。
「シンクロ召喚! レベル9! 『サンライズ・コンバークル・デイドリーム』!」
『きゅううっ!』
サンライズ・コンバークル・デイドリーム ATK2900 ☆9
出現したのは、見た目こそコンバークルと同じだが、首元に腕時計を付けている。
その時計は、動いていない。
今は、楽しむ時間。
時間には、追われていない。
「エースが進化したか」
「コンバークル・デイドリームの効果発動! デッキから、『バスター・モード』1枚を、発動可能な状態でフィールドにセットする!」
「『バスター・モード』だと!?」
「そのまま発動! レールガンナーをリリース! デッキから、『サンライズ・レールガンナー
サンライズ・レールガンナー
「まさか、『バスター・モード』も、そいつも、今、この場で生成したのか!?」
「デュエル中だけど、文句は言わせないよ!」
「ただでさえ変身効果なんてインチキスペックを使ってるのに勘弁しろよマジで……」
渇明が珍しく悪態をついた。
「れ、レールガンナーを強化した姿だと……」
「会社が作ったあの兵器を、今、ここで強化するなんて……」
義春と良悟の中で、確かな、敗北感があった。
「レールガンナー/バスターの特殊召喚成功時、デッキか墓地から、フィールド魔法2枚を手札に加えることができる。これはサンライズじゃなくても可能だよ!」
「なぬぅ?」
「私のデッキにはサンライズしか入ってないけどね! 私はデッキから、『クリスタルヤード』と『コースト』を手札に加えるよ」
「……サンライズ・グラウンドを使えばリソースになるわけか」
「その通り!」
歩佳は、手札から1枚のカードを使った。
「私は永続魔法、『サンライズ・パルスガン』を発動!」
歩佳の右手に、結晶を削り出して作った銃が出現。
「それは……」
「このターンの最初にドローしたカードだよ。このカードは、通常デュエルに使える効果が一切ないんだよね。本当に、怪人とかライダー相手に使うための、銃を出すためのカード」
「なるほど、それをこの土壇場で引けば、顔が歪むのも無理はない」
「でもね」
歩佳は、コンちゃんに向けて、パルスガンを向ける。
そのまま、トリガーを引いた。
『きゅうっ!』
電撃弾がコンちゃんに命中したが、コンちゃんはむしろ元気に。
サンライズ・コンバークル・デイドリーム ATK2900→3900
「何!?」
「コンバークル・デイドリームの効果によって、私のフィールドのサンライズモンスターは、フィールドにいる限り1度、『電気を浴びることで、攻守が1000アップする』よ!」
「急にTRPGみたいなこと言いやがって……」
歩佳はレールガンナーにも電撃弾を放つ。
途中でコンちゃんが割って入り、電撃弾を変換。
サンライズ・レールガンナー/バスター ATK3300→4300
「しかも、これによる攻撃力上昇は永続だ! バトルフェイズ! サンライズ・コンバークル・デイドリームで、グリーディ・レオパルドを攻撃!」
「カウンター罠、『攻撃の無力化』を発動。攻撃を無効にしてバトルフェイズを……」
「レールガンナー/バスターの効果発動! 1ターンに1度、相手の魔法、罠を無効にする! 変身中なら、この効果はスペルスピード3として扱われるよ!」
「ふざけてんのか!?」
「まぁ、発動したターンの次のターン。この効果は使えないけどね」
コンバークル・デイドリームの頭の宝石が光って、閃光が放出される。
レオパルドをぶち抜いた。
「ぐっ……」
渇明 LP4000→2900
「これで終わりだ! レールガンナー/バスターで、ダイレクトアタック!」
「……はぁ、罠カード、『グリーディ・ポットサークル』を発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。デッキからレベル4以下の『グリーディ』を特殊召喚する……が、墓地に『強欲な壺』が3枚あるならレベル制限がなくなる。デッキから『
強欲眼の渇望竜 DEF2500 ☆8
出現するのは、緑色で圧倒的な体躯のドラゴン。
渇明の、エースモンスターだ。
「出た。エースモンスター」
「強欲な壺が2枚以上なら、このターン、戦闘では破壊されない」
「ぐぅ、ずっと思ってるんだけど、往生際が悪いカード多すぎない!?」
「無効札が足りないお前が悪い。グリーディアイズを特殊召喚したことで、墓地の『満たされぬ強欲な壺』3枚を手札に回収する」
「ちっくしょう! 『サンライズ・グラウンド』の効果で、手札から『クリスタルヤード』と『コースト』を墓地に送って2枚ドロー! カードを1枚セットして、ターンエンドだよ!」
「俺のターン。ドロー」
渇明はカードをドローする。
「手札から『グリーディ・フュージョナー』を除外して、モンスター効果発動。フィールドと墓地から素材となるグリーディモンスターをデッキに戻して、融合召喚を行う」
「えっ」
「フィールドのグリーディアイズと、墓地のレオパルドをデッキに戻す」
ドラゴンと豹が、渦の中で混ざり合う。
「融合召喚、『
強欲眼の装甲竜 ATK3600 ☆9
出現したのは、赤、青、黄、緑、白、紫の、六色の装甲を身にまとうグリーディアイズだ。
「お、オーズアーマー・ドラゴン。グリーディアイズが進化するなんて……」
よほど衝撃的だったのか、歩佳は驚愕した。
「……珍しいな。俺とのデュエルでも、あんまり出てこないのに……」
遊陽は呟いた。
彼にとっては既知のモンスターだったようだが、ここで出てくるとは思っていなかったらしい。
「融合召喚成功時、エクストラデッキから、グリーディ融合モンスターを3体まで墓地に送れる」
「えっ」
「俺は、コーカサス、レオパルド、フェニックスの3体を墓地に送る」
「フェニックスって何!?」
「炎属性で、『ホーク』『ピーコック』『コンドル』の融合だ。まあそれはそれとして、『満たされぬ強欲な壺』を発動。オーズアーマー・ドラゴンの効果により、墓地のグリーディ融合モンスターの、『強欲な壺』の変換効果を使うことができる」
「えぇ!?」
「コーカサスに効果を使い、オーズアーマー・ドラゴンは、攻撃力が500アップして、全体攻撃を得る」
強欲眼の装甲竜 ATK3600→4100
「2枚目だ。墓地のフェニックスの変換効果により、このターン、墓地の強欲な壺1枚につき、攻撃力が800アップする」
強欲眼の装甲竜 ATK4100→5700
「3枚目、墓地のレオパルドの効果を適用すれば、効果を受けなくなるが……で、伏せてる『月の書』はいつ使うんだ?」
「なんでわかったんだよもう! 速攻魔法、『月の書』発動! オーズアーマー・ドラゴンを裏側守備表示にするよ!」
オーズアーマー・ドラゴンが裏側守備表示になった。
「これなら……」
「読めていてそのままだと思うか? 『満たされぬ強欲な壺』本来の効果で、デッキからカードを1枚引いて、手札1枚をデッキ下に……ふふっ」
「ん?」
「……後輩からの貰い物を引いた。魔法カード、『
「えっ……」
強欲眼の装甲竜 ATK3600 ☆9
「墓地から手札に戻すのは、『決闘融合-バトル・フュージョン』だ」
「げっ!?」
「バトルフェイズ、オーズアーマー・ドラゴンで、コンバークル・デイドリームを攻撃! 速攻魔法、『決闘融合-バトル・フュージョン』を発動。コンバークル・デイドリームの攻撃力を加算する!」
強欲眼の装甲竜 ATK3600→7500
「……はぁ、渇明先輩」
「……なんだ?」
歩佳は、仮面の下で、笑顔になった。
「とっても、楽しかった!」
「……そりゃ何よりだ」
歩佳 LP2700→0