純愛です。大事な事なのでもう一度言います。純愛です。
「はぁ...、学校初日、疲れたなぁ」
午後四時半、足を引きずるように家に帰っていく。行きたい高校が家から遠いので、両親に頼み一人暮らしを始めたのだが。それからもう一週間、一軒家の家に帰っても迎えてくれる人がいなくて正直寂しい。
「ただいま〜」
誰も返してくれるはずもないけどね...
「おかえり〜!!! 一日中ずっと待ってたよ!!!」
え?誰の声だ、母さんの声でもないし。もしかして俺、ホームシック拗らせすぎて幻聴が聞こえてきたのか?
そう思っていると、同じ高校生くらいの背の女の子が廊下の先のリビングから顔を出した。
「だ、誰ですか?!」
「誰って...ご両親から聞いてないの? 私、今日からここで働かせてもらうアンドロイドだよ! よろしくね!」
アンドロイド?ってことは人間じゃないのか。前に叔父に会ったときにアンドロイドのことを少し教えてくれたが、実際に見るのは始めてだ。っていうかこの家で働いてくれるのか。
「働く、ってことはここで家事とかをしてくれるってこと?」
「そうそう、洗濯したりとか〜、ご飯作ったりとか〜、あ!もしよかったら一緒にお布団で寝てあげるよ!」
「最後のはいいです..」
元気な人だな。まあもともと俺ひとりで静かだったし、賑やかな方が良いか。
「ってことで、改めて自己紹介をしよう! 私は君の両親から頼まれてここに来たアンドロイドの女の子!年は16歳!よろしくね!」
「俺は
「え〜それだけ〜、もっとヒナタくんのこと教えてよ〜。趣味とか特技とか」
この人めっちゃグイグイ来るな..
「趣味はゲームとか小説読んだり、特技は『瞬間記憶』、英単語とか一度見て覚えたら本当に忘れないですよね」
「一度覚えたら忘れないなんて、アンドロイドでもないのにすごいね!」
「あ、ありがとうございます。」
「ふ〜ん、ヒナタくんはカツカレーが好きなんだ。じゃあ今日は、私の初めてのお仕事就任祝いってことでそれで決まりだね!! 具材買ってくる!」
余程俺に手料理をすぐ振る舞いたかったのか、彼女は俺の横を通り高速で家を出ていった。
「やべ、名前聞き忘れた。まあ後で聞けばいいか。疲れたしとりあえず中入ろ」
そういって俺はリビングに向かった。
「え、家めっちゃ綺麗になってる」
俺は家が綺麗な方だと少し自信があったのだが、そんなのとは比べ物にならないくらいには整理整頓され、掃除がされていて、埃一つなさそうな家になっていた。
「とりあえずあの子が帰ってくるまでテレビでも見るか」
「ただいまぁ~!!!」
玄関扉が勢いよく開けられ、威勢のよい声が聞こえてきた。
「お、おかえりなさい...。早いね、うちからスーパーなんて一キロくらい離れてると思うんだけど...」
「ヒナタくんに一秒でも早く私の手料理食べてほしかったから、私張り切っちゃった!」
それにしてもすごいな。まだ俺が家に入って五分くらいしか経ってないと思うんだが。
「そういえば名前...名前は、何て言うの?」
あまりの速さに驚きすぎて聞き忘れるところだった。
「あ、言い忘れてたんだけど、私たちアンドロイドは型番号があるだけで、元々名前はないんだ。ってことで、ヒナタくんに私の名前を決めてもらいたいんだ」
「名前か...」
俺が名前を決めるのか。ペットの名前すら決めたこともない俺がいい名前決めれるのだろうか...
桜みたいに美しい髪、華奢な体躯。そうだな。
「『
「『
「喜んでくれて名付けた身としては嬉しいです」
「あっ!話してたらもうこんな時間!早くご飯作らないと!!三十分くらいで終わらせるから!!あと私、料理には自信があるから、めっちゃ期待しててね!」
そんなに言われるとかなり期待が高まるな。カツカレーは俺の大好物だし楽しみだ。
時計を確認したらもう五時半になっていた。そんなに話してたのか、こんなに家で人と話したのなんて久しぶりだな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー三十分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「せーのっ」
「「いただきます!」」
スプーン一杯分のカレーライスを口に運ぶ。
「!!!、このカレーめっちゃ美味しいです!」
「私が作ったんだから当然!えっへん!」
正直期待以上だった。ここまで美味しいカツカレーは今まで食べたことがない。今度作り方を聞いてみようかな。
「それで、ヒナタくん。今日学校はどうだった?確か高校の入学式だよね。お友達はできた?」
「やっぱり地元から離れたので、知り合いが一人もいなくて寂しかったですね。けど一人仲良くなれそうな人はできました」
「ふ〜ん、仲良くなれそうな子ができて良かったじゃん!」
さくらが俺に対して特大のサムズアップをしてくれている。こうやって家でご飯を食べて、人とゆっくり話をするのなんて久しぶりだな。
「その仲良くなれそうだった子について詳しく聞かせてよ」
「その子、
「ほうほう、お隣さんと仲良くなったか、青春してるね~。もし会う時があったら私にその子紹介してよ」
「いいですよ、もし家に誘ったら、その時に紹介します」
「やった!どんな子か会うのが楽しみだよ~」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー数分後ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
「本当に美味しかったよ、ありがとうさくら」
「思ったんだけど、私に対して今後敬語は禁止!私は普通に話してるのに、ヒナタくんだけ敬語なのが他人行儀で寂しい!」
確かにさくらは俺に対して親しく喋ってくれてたけど、俺は若干敬語だったな。
「わ、わかったよさくら」
「それでよし!ってことで」
さくらが右手の小指を出した。それに合わせて俺も小指を出す。
「はいっ!これで約束ね。ヒナタはこれから私に対して敬語は禁止!今後ともよろしくね!ヒナタくん!」
「よろしく、さくら」
『~♪、お風呂が沸きました♪』
「ちょうどお風呂沸いたみたいだね、ヒナタくん先入っていいよ」
「じゃあ、お言葉に甘えてお先に」
「あ!そうだ!背中流してあげようか?」
「それって家事代行の範囲内なの?」
「違うよ、私がヒナタくんの背中を流したいだけ。なんかヒナタくん私からすると可愛く見えてさ、色々家事以外にもしてあげたくなっちゃうんだよね」
さくらさっきも一緒にお布団に寝ようとするし、人のこと小学生だと思ってるのかな。
「また今度でお願い」
「ってことはそのうち背中流させてくれるんだね!やった!」
変な約束をしてしまった。今日は学校初日で疲れたから、風呂に入ったらすぐ寝よう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ふう、一人だと風呂沸かすもの面倒臭かったから久しぶりの風呂はなかなか心地良かった。
「さくら~、お風呂出たよ~」
「おっけーい、じゃあ私はいるね~」
改めて思うと今日は色々なことがあったな、高校の入学式があって、
「父さん、母さん、俺、友達もできて、何よりさくらが居るから、学校生活上手くやっていけそうだよ」
誰にも聞こえてるはずはないけど呟いた。心から安堵したのか、急に眠くなって俺はソファーで寝てしまった。
「そんなこと言われたら、流石に私も照れるじゃん..// これからずっとよろしくね、ヒナタ」
一話 彼女との出会い
完
『プラスティック・メモリーズ』を一か月前に観て感動し、最終回で悶絶し、自分もあまあまな作品が書きたい!と思い書き始めました。
人生初めて小説を書いたにしては上出来な予感がします。
あと変な事言うんですけど、甘党の人って絶対あまあまな純愛好きですよね(そんなわけない)。
ってことで失踪しないように頑張るのでどうぞこのケモナーをよろしくお願いします!
投稿頻度は長くても一週間に一話は投稿しようと思います。定期テストが終わり次第投稿頻度上がるかもです。