トラウマ転生 ~三度目こそは幸せに~ 作:ビチビチ呪子
強姦首絞めレイプ(重複)で死んだと思ったら前世が男で、転生先が無職転生の世界だった。
いやーほんと。こんなことってあるんだね。おじさん、いや、今は女子高生……いや、転生して赤ちゃんだったか。死ぬのは二回目だけど全然慣れないよ。これってあれなのかな?死をトリガーに色々な世界を飛び回る系?ループ物って言うんだっけ?
流石に今死んで試そうとは思わないけど、事故や病気はともかく大往生とか出来たのなら、そのまま天国に行きたいんだけど。
こういうのってやっぱ転生させてる神様的なのを満足させないとダメなのかな?
それとも私が何故か記憶を継承して転生してる異常者なのかな?
え?そうかもしれないけど、その前にもっと説明が欲しい?
実際に目の前に誰かいるわけじゃないけど、赤ちゃんなんて、イマジナリーフレンドと遊ぶぐらいしかやれることない。
まぁ、人生なんていくら振り替えっても損はないだろうし、これまでのことをドパガキがギリ耐えれるぐらい稀釈して説明しようかな。
まず、前前世の私は享年42歳の男。体重は90キロあったけど顔は肉が付き難く身長は170ととても高かったので、体型は普通だったと思う。
友達はいないし、妻子にも恵まれなかったけど、年収は500万を越えるお金持ち。毎日、缶ビールとスーパーの惣菜で大豪遊していた。
……うん。行き遅れた小デブのオッサンだね。
1周目は正直、これ以上語ることがないぐらい薄味の人生だった。
平凡な家庭に生まれ、適当な学歴と適当な職で食いつなぐ人生敗北おじさんだったよ。
税金を納めてるから立派な社会人だと胸を張っていたが、内心それが情けないことなのを理解していないわけがなく。
だからなのかな?信号無視して突っ込んできたトラックを見ても、特に避けようとか腕でガードしようとか考えもせず、そのまま無抵抗でひき肉されてしまった。
その反動が強く出たのか前世の私はだいぶ強気な性格だった。
容姿は上の下。能力は中の上って感じ。
財閥とか大企業の社長ってわけでもなかったけど、娘の私が誘拐されるぐらいには裕福な家庭に生まれ、ダンスのレッスンにピアノにヴァイオリン、柔道、茶道エトセトラと幼少期からレベリングを重ね、自分は人よりも努力しているのだから誰より優れているのだというトンチキな解釈をした上で、悪役令嬢ばりに他者を蔑み、見下しまくっていた。
取り巻きはいたが、友達と言える仲であるわけがなく、階段から突き落とすとか、画ビョウを靴に仕込むとか、そういう一線は越えなかったものの、いじめの常習犯として生徒の間では有名だった。
いじめる対象は自分よりテストの点数が高かったとか、目立っていたからとか、そういう嫉妬心から選んでいた。
多分自分の努力が報われていないと感じるのが堪らなく嫌だったんだと思う。
ま、そのせいで学校帰りに誘拐されても誰にも助けて貰えず、屈強な男達に強姦……と呼ぶのも生々しい、確かゴアとか、スプラッターとか呼ばれる冗談抜きで地獄が生ぬるく感じるような拷問の数々で尊厳の全てを奪い尽くされた。
全く、そういうは○凪だけで結構である。まぁあれは○凪というより『ラーメン』だったが……早めに死んでおいて助かったかもしれない。
そりゃ自分だって御天道様に顔向け出来るような全うな人生は歩んできたつもりはないが、これはないんじゃないかと泣き叫びながらショック死した享年17、雨の日だ。
この時、女子高生だった私の自我はぶっ壊れた。
そして17年分の女子高生の記憶と42年分の薄味おじさんの自我が混ざり合って出来たのがこの私である。
無職転生の世界と気づいたのは簡単。どうやら私はルーデウスの年子の妹で長女。(妾の娘ではないよ)
良いことなのか悪いことなのか再び女として生を受けてしまい、パウロが岩を切っているところを見て、偶々同姓同名な人たちの元に生まれたのではなく、無職転生の世界に生まれたのだと確信が持てた。
「おっ。どうしたナナリー。お父さんが恋しくなったのか?」
「び、びぇぇェェェェ!!!!」ビチグソピチピチ!!!
そしてしっかり前世のトラウマも継承しているらしく、男性に触れられると身体が勝手に泣き叫び、ビチグソを撒き散らしてしまう。
これで呪子判定されたら末代までの恥だ。今のところは人見知りする赤ん坊として通させてもらっているが、闘気で肛門とか強化出来たりするだろうか?
「……」
自己紹介も終わったので、最近のマイブームを紹介しよう。
それは無詠唱化した風魔法で身体をバタバタっと風で煽る。それだけである。
私は原作やアニメは勿論のこと、作者のSNSもチェックする程度には原作ファンであった為、ある程度の魔法は知っている。
だからなのか、それとも前世ではやり過ぎたと転生させている神様が気をきかせてくれたのか無詠唱魔法の習得はそれほど苦労せず成し遂げることが出来た。それでここが無職転生の世界だと知ってからルーデウス式鍛練方を行い続けているので、体感だが、上級魔法でも一発ぐらいなら打てるぐらいには魔力量は増えている。
それでも赤ん坊の身であるので、バレないように使うのはこれが精一杯だった。
何せ、あのルーデウスですら魔法を初めて発動させたのは三歳の時。今は一歳なので、(キモい顔をしておっぱいにむしゃぶり付いている姿を時々見かける)当然出来るわけもない。
そんな中で0歳児が上級魔法なんて発動させようものなら、神子認定されて、教団の奉り人確定である。
退屈だが、ルーデウスが屋敷を出てから……それか、ロキシー先生が家庭教師になるまでは魔法が使えることを家族に黙っておくべきだろう。
起きたらミルクを飲んで、眠くなるまで魔力を使う。
ただひたすらに、ひたすらに……。
退屈だが、仕方ないったら仕方ない。
あまりにも暇なので最近は人神遊びにこねえかな~なんて思ったりもするが、今回の人生では平凡で人並みに幸せな人生を送りたかった。
この調子で鍛えていけば、全盛期ルーデウスほどとはいかなくとも、ロキシーやシルフィ以上の魔術師にはなれるだろうし、まだコントロールは出来ないが闘気的なのが自身をうっすらと覆っているのを感じることは出来る。
どこまで伸びるかは才能次第だろうが、剣士としても成長の余地はあった。
ルーデウスの妹として生まれてしまったのだ。何も起きない筈もなく、もし老デウスルートに入ってしまったとしても私だけは逃げ切って、辺境の村でひっそりと暮らせるよう、本気で頑張っていく所存である。
「あら?何かしらこれ?」
そんなこんなで、チビチビ頑張っていたある早朝のこと。母ゼニスに抱かれると私の枕元に見覚えのある腕輪があるんですが……もしかして前のループで私、社長相手に何かやらかしちゃいました?