クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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ご承知とは存じますが、長きに渡ったこの連載も、主人公が大統領に就任しましたので、もう少しで区切りを迎えます。
いろいろ書き足りない点やうまく表現出来なかった面もあろうとは存じますが、ご愛読された皆様を失望させぬように、今後もしっかりと頑張りたいと存じます。


大統領に就任した主人公達の活躍は続きます!!
今回は、前回に引き続き、宇宙からの異変への対処で変革を迫られる中、様々な視点や分野で地球社会の矛盾が噴き出し、それを収拾する主人公達を描きます。



第101話 大いなる宇宙からの変革に地球社会の矛盾が噴き出す その2

動乱の後の後始末は洋の東西を問わず、大変です。

特に、大動乱後の後始末は、場合によっては100年単位で収拾がつかない場合もある。

しかし、私の日本連邦大統領就任後、2130年2月16日の大動乱の後始末や、その後の政治や社会の動きについては、私に大きな責任がある。

だから、いい加減な後始末をして、後世に禍根を残したくはない。

 

 

2130年3月7日、連邦国会で来年度予算案と今年度補正予算が、可決成立した。

また、関連法案を含めた他の立法も可決成立した。

これを受けて、私やアルベルトなどは、2月16日の大動乱の後始末や、その後の政治や社会の動きに対応する行動に積極的に取り組むことになった。

 

 

3月8日、私とアルベルトは、お互いの夫人などを伴ってフランスの首都パリを訪問した。

フランスでは、昨年の第三次フランス革命で活躍した「フランス救国委員会」の実力者、ジャン・ジャック・ロラン氏が、その圧倒的な人気を背景に、昨年11月に大統領に当選、今年3月1日にフランス大統領に就任したばかりであった。

 

ジャンヌ・マリ・マノン・フィリポン・ロラン大統領夫人と共に、ジャン・ジャック・ロラン大統領がパリ中心部のエリゼ宮(大統領官邸)で出迎えて頂いた。

 

「フランスへ、ようこそ!!

心から歓迎申し上げます。」

ロラン大統領から、笑顔で私達と握手して、歓迎の意を示した。

 

「こちらこそ、お忙しい中、貴国を訪問させて頂き、誠に有難うございます。」

私が挨拶をした。

 

「昨年の第三次フランス革命以来、貴国は益々ご隆盛のご様子。

心からお喜び申し上げます。」

アルベルトが、半分お世辞を入れながら、挨拶をした。

 

 

 

そもそも政治や外交などというものは、「言葉の綾」が極めて大切なのです。

これが解らないと、大きな問題が生じる。

まるで、無能な野党や政治家がよく行うが、「言葉の綾」ですら理解できず、政府与党の答弁や見解の「言葉尻」から揚げ足を取ることしか出来ないように。

 

この「言葉の綾」が理解出来なければ、昔も今も、恐ろしい出来事すら起きる。

歴史的な事件や戦乱は、これをきっかけに発生することも多い。

例えばフランス革命時の1791年8月27日に、フランス政府へ当時のオーストリア皇帝レオポルト2世から送られた「ピルニッツ宣言」がある。

 

この宣言を文言通りに解釈すれば、「フランス国王の現状はヨーロッパ全主権者の共通する利害」にかかわる問題であって、フランス国王を「完全に自由な状態」にするために両国王は「必要な武力を用いて直ちに行動を起こす」と決心したということになっていたが、実際にはただの威嚇に過ぎず、本当に戦争をすぐに起こす意志も準備もなかった。

(この点を、フランス政府側が「言葉の綾」の奥に潜んだ相手側の真意を全く理解していなかったのだ!!)

 

しかしこの宣言は、フランスから革命の混乱と粛清を恐れて亡命した亡命貴族を非常に喜ばせ、プロヴァンス伯(後のルイ18世)が9月10日に憲法批准に反対する猛烈な抗議声明を発するなど勢いづき、「もし狂信的な悪業で陛下(ルイ16世のこと)に危害を加えるならば、外国列強の軍隊がパリを粉砕させるつもりであることをパリ市民は知るべきである」と脅迫を加えたため、(フランス国内の)革命派はむしろ激怒し、ジロンド派などから主戦派と称するグループが台頭して、外国と戦って国王の反革命を暴くと息巻くようになった。また愛国心の高揚はパリのサン・キュロットたちをさらに過激な活動へと駆り立てた。

 

結局、ピルニッツ宣言はフランス革命がヨーロッパ全体を巻き込んだ戦争へと発展していくきっかけとなった。

 

 

つまり、「言葉の綾」を理解しないという事は、必要以上に双方の過激な見解が過激な言動を招き、本当の戦乱へと発展するという事につながるのです!!

政治や外交を本当に理解したいのであれば、「言葉の綾」を理解しなければならないのです!!

フランス革命では、政治や外交でのド素人が実権を握ったために、無為無策の結果、多くの血が流れる悲惨極まりない政治状況が生まれ、「恐怖政治」すら行われたのは、このような理由からなのです!!

 

ですから、本作品で何度も言及していますが、フランス革命を終息させたナポレオン・ボナパルトは、政治家としても実に優秀だった訳です。

 

 

 

話題休閑。

私としたことが、フランスを訪問したので、つい、フランス革命から現在までの得られた教訓は何か、と考えてしまった。

はははは。

 

それはさておき、要するに、このような「言葉の綾」を理解出来ない連中が22世紀の現在でもいたわけで、南朝鮮やスペイン、ポーランド、北米東部などに潜んで活動を続けたテロリストや過激組織だったわけです。

 

全く、呆れ果てるが、それでも時は流れ、政治や社会は動いてくのであるから、政治家や政府などは何もしない訳にはいかない。

これが、政治的決定の重みであり、責任でもある。

表向きの理屈では理解出来ない、理屈では道理が通らない部分があることを理解することは戦略の第一歩だ。

 

 

 

「ジャンヌ・マリ・マノン・フィリポン・ロラン大統領夫人。

フランス革命でジロンド派の影の女王として活躍されたロラン夫人と同じお名前であるとは、本職としましても、ロラン大統領ご夫妻の大いなる天命を感じずにはおられません。」

私はロラン大統領夫人の挨拶で、このように述べた。

 

「良く言われますわ。

夫と共に、第三次フランス革命後のフランスを立て直し、必ずや彗星の如く登場したナポレオンの栄光の如く、フランスという名の花を咲かせてみせましょう。」

ロラン大統領夫人が、大統領夫人として、決意を滲ませる返答を頂いた。

 

「おお、実にお美しい決意でございますわ。

正に、貴国はマリーローズの如く美しく花を咲かせるでしょう。」

ミスティが、にっこりと笑って、実に美しくロラン大統領夫人の心意気を表現した。

 

「ミスティ大統領夫人に、そのようにお褒めを頂くとは、光栄の至りですわ。」

ロラン大統領夫人も、笑って答えた。

 

 

「ロラン大統領閣下。

今後、フランスは、日本連邦や欧州連邦に対して、どのような外交をお考えでしょうか??」

アルベルトが、ロラン大統領にお尋ねした。

 

「アルベルト大統領閣下、我が国は、北欧のマーメイア連邦と同様に、軍の日本連邦への加盟だけではなく、完全加盟を考えております。

もっとも、完全加盟には時間と資金が掛かります。

 

また、欧州連邦の更なる拡大も支持しております。

一日も早く、地中海同盟のような連邦組織の実現を進めるべきです。」

ロラン大統領は、日本連邦や欧州連邦の基本政策を支持する考えを示した。

 

「フランスの再統一問題や、マナシステムの精算についてはどのようにお考えですか??」

ヒルダが、ロラン大統領にお尋ねした。

 

「フランスは分裂こそしたものの、国歌も言語も同じ。

再統一は時間の問題です。

懸案は『経済格差の是正』ですね。

我が国の方が、モモコ連邦よりも大きく水を開けられ、低い経済レベルでは再統一までの時間はかかります。

日本連邦や欧州連邦のご支援を頂きたいところです。

 

マナシステムの精算については、第二次、第三次のフランス革命の遠因の一つになっておりました。

2125年の「2つの大統領府秘書室長事件」ですら、マナシステムの尾を引いていた事件だったのですから。

 

日本連邦、欧州連邦などのご尽力もあり、ようやく我が国でのマナシステムの精算が進み、金額の関しては、精算が済んでいると認識してはおりますが、過去の隠された悪行などについては、今しばらく調査や研究を進めて、実態解明を進めたいと存じます。」

ロラン大統領が、真摯に答えた。

 

その後、経済協定や軍事協定など、1泊2日ではあったが、マーメイア連邦のグスタフ・アドルフ皇太子夫妻も同時にパリを訪問され、大きな外交成果を挙げた。

3月31日までに、マーメイア連邦とフランスは、日本連邦軍との統合運用の準備を完了し、4月1日より、統合運用を開始することに合意した。

そして、その日、グスタフ・アドルフ皇太子は国王として即位されることが、正式に発表された。

 

 

その1週間後の3月15日。

今度は、アジア太平洋諸国を10日間で歴訪するスケジュールで、私とミスティアルベルトとヒルダ、そして阿倍野真三大統領とあけみ夫人と共に行動した。

最初の訪問地は、南朝鮮だった。

 

 

午前10時、金定男大統領は金玲輪夫人を伴い、ソウル市内の大統領官邸(いわゆる青瓦台)で私達を出迎えて頂いた。

 

「日頃から、大変お世話になっております。」

金定男大統領は金玲輪夫人と共に、丁重に挨拶した。

私達も丁重に挨拶を返した。

 

「昨年の第三次フランス革命を迅速かつ奇跡的に終息させたご手腕に称賛申し上げると共に、その直後の『靖国神社と日本武道館爆破未遂事件』の寛大なるご処置について、この場をお借りして心から、御礼を申し上げます。」

金定男大統領は、金玲輪夫人と共に、『靖国神社と日本武道館爆破未遂事件』に関して謝罪した。

 

「金定男大統領閣下、この事件はもう、済んだことです。

事件の詳細やその爆発物処理などに関しての費用負担などは、既に事務方の協議で済んでいます。

ですからご心配はいりませんよ、金定男大統領閣下。」

私は謝罪を受け入れると共に、このように返答した。

 

「有難うございます、リデル・田中大統領閣下。

アルベルト・マンシュタイン大統領閣下と共に、本当にご立派になられましたねえ。」

金玲輪大統領夫人から、お褒めを頂き、こちらの方が恐縮した。

 

 

嬉しいお言葉、照れますねえ。

まあ、東京目黒の幹部学校時代、私達は同期だった。

一応、私やアルベルト達は、2118年の「幹部学校ジェノヴァ分校」の入学扱いであったが。

当時、金定男大統領は、金玲輪夫人と共に、留学生として夫婦で、東京目黒の幹部学校で共に学んでいた。

勿論、これは留学生としては大変珍しい事であった。

 

私やアルベルトなどは、宇宙軍であったのだが、何故か当時は「地中海大海戦」の成果を教育する等の命令を受け、教官としても勤務していた。

当時から名実共に「幹部学校ジェノヴァ分校」は、世界にただ1つの最先端講義内容を持つ学校と言える、と評価されていたので、それならば、本校である東京目黒の幹部学校でも教えて欲しいと請われ、私を含む宇宙医科大学校の同期生などは教官と生徒の二役を東京でもこなしたのだ。

 

そして、金定男大統領は、金玲輪夫人や私達と「統合運用教育」を各軍種の幹部学校学生達と共に受講していた。

 

あの時は、私達と一廻り年上の金定男氏や、金玲輪夫人らと学び合い、語り合ったものだ。

当時18歳そこそこの軍人に、学生と教官の二役をさせるとは、我が国の軍隊は大丈夫か??と、当時は本当に考えたものだが。

ああ、懐かしや、幹部学校時代!!

 

 

「こちらこそ、金定男大統領閣下は、金玲輪夫人と共にますますご立派になられ、今後とも私達の模範にさせて頂きたく、お願い申し上げる次第です。」

私が、このように挨拶した。

 

 

 

午後1時。

「会談の結果を発表します。

南朝鮮政府は、軍を3月31日までに、マーメイア連邦とフランスと同様、日本連邦軍との統合運用の準備を完了し、4月1日より、統合運用を開始することに合意しました。」

私は、会談後の記者会見で、このように発表した。

 

「日本連邦や欧州連邦、そしてアジア太平洋連邦も合意に達しました。」

欧州連邦大統領のアルベルトが、はっきりと力強く発言した。

 

「この成果によって、南朝鮮のアジア太平洋地域の一員として、ますます貢献され、発展されることを願っています。」

アジア太平洋連邦大統領の阿倍野真三氏が、大統領経験者らしい言い方で発言された。

 

 

記者会見などの一連の行事が終了した、午後3時。

私達は、金定男大統領や金玲輪夫人らと共にソウル市内の大統領官邸(いわゆる青瓦台)を出た。

そして、ソウル市内の名所を案内された。

名所と言っても、何故か「ロッテ百貨店」など、金定男大統領や金玲輪夫人らご家族が良く行くところだそうだが。

しかし、人口密集地域であるソウルであることは何度も訪問しているので十分認識しているが、どうして相変わらず、路上には出店の類や音楽演奏や大道芸人などの類いが多いのか??

 

 

その後、午後5時に興業業界の大手で丁グループの丁王友会長と、重工業の大手で現実グループの白明倫会長と一緒に、南山公園の南側にある「グランド・ハイアット・ソウル・ホテル」に入った。

このお二人の実業家は、日本連邦の政財界の会合でも時々お見かけする方だから、私達にとっては旧知の仲だ。

 

しかし、今回の会合は、名目上は「金定男大統領が経済の活性化策の意見を聞く夕食会」ということになっていた。

名目上、とは内容があまりにも違うのではないでしょうかねえ。

何ですか??

一種の「サロン」的運用をしているのでしょうか??

 

 

「同業のよしみとして懇意にお付き合い頂いている日本連邦の高木順一郎特務宣伝大臣と、友人の植村仁志外務大臣には日頃から大変お世話になっております。」

丁王友会長が、にこやかに私達と握手をしながら夕食会での口火を切った。

 

「お三方の大統領ご一行の皆様がソウルをご訪問され、心から歓迎申し上げます。」

白明倫会長も負けじと、泣かんばかりの笑顔で、ご歓待の言葉を頂いた。

 

 

一通りの歓待の挨拶などが終わり、食事に入った。

 

「何とか、何とかなりませんかねえ。

我が国に、大規模な投資をお願いしたいのですが。」

金定男大統領や金玲輪夫人らと共に、丁王友会長や白明倫会長からも、同様のお話を頂いた。

 

「本職としては大変不思議なのですが、貴国にお金が無いとか、外国からの投資を呼び込めないとかは、通常の世間の目から見ればどうしても良く分かりません。

その原因は、制度以外の点、例えば世界銀行やアジア開発銀行からの借金の返済が滞るなどの不可触の分野にもわたる厳しい現状にある、としか思えないのですが。」

私は、ずばり、本音を突いた質問を投げかけた。

 

元気でエネルギッシュな丁王友会長や白明倫会長は、私の質問を聞いたとたんに、答えに窮していた。

 

「私がお答えしましょう、リデル・田中大統領閣下。

他の皆様も是非、お聞き下さい。」

金定男大統領が発言した。

 

「私が大統領に就任以来、不正や腐敗を正すとして、汚職や贈収賄、不当な価格での受注や売買を徹底的に禁止して監督監視を強化したのは良いのですが、それで改めて見えてきたのは、我が国の腐りきった政治や経済社会の実態でした。

私ですら、何故我が国がここまで腐ったのか、その原因を理解するのに時間が掛かりました。

 

原因を一言で言えば、我が国を腐らせているのは、借金体質と「ケンチャナヨ精神」で見られるいい加減さと見栄の張り合い、オリジナルの無さ、そして優柔不断と事大主義です。

私が大統領に就任後、全て日本式や国際標準に経済指標を切り替えましたが、そして実態を国際比較した結果は、もう、『人の物は俺の物、俺の物は俺の物』『自国の力で研究開発や製造出来る物など何も無い』というデタラメ極まりない、悲惨で本当の国力が無い、国や社会の実態でした。

目の前が、真っ暗になりましたよ。

そして改めて朴正煕大統領が生前に書いた著書の真意が、100%理解出来ました。

 

日本には「人のふんどしで相撲を取る」との皮肉を込めたことわざがありますが、我が国には「ソウルに着ければすべて良し」のことわざで、全て説明が出来るくらいですから。

そして過去の正義すら無視したトンデモ判決や間違った政策などで「ONIK」とか「ケチ」とか「嘘つき」とか言われ続けている我が国。

 

例えば2015年にソウルでの日韓首脳会談で、当時の朴槿恵大統領を訪問された当時の安倍首相に対して、朴槿恵大統領が昼食すらご馳走しなかったドケチ行為などの事実が、今でも我が国と日本などとの間で尾を引いているのです。

ですから、本日も移動中にお気づきかと存じますが、相変わらず、路上には出店の類や音楽演奏や大道芸人などの類いが多いのですよ!!

 

このような点が、我が国が投資対象として嫌われている、最大の理由なのです!!」

金定男大統領が、もう泣かんばかりに発言した。

 

 

「それでも、それでも、少なくとも昔よりは改善はされているのですよね??」

ミスティが、同情心を持ちつつも、質問した。

 

「はい、その通りです。

こちらにおられる、丁王友会長や白明倫会長の経営される企業グループは、本当に日本的経営を取り入れられ、清廉潔白に頑張っておられます。

本当に、我が国の希望なのです!!

 

しかし、このような企業グループは、我が国にはまだまだ少ないのです!!

大半は、未だに『ケンチャナヨ精神』そのもの、いい加減で日和見で、無責任体質そのものなのですから!!」

金定男大統領が、泣きたくなる感情を込めて言った。

 

丁王友会長や白明倫会長も、自国の厳しく悲惨な現実を指摘され、泣いていた。

 

 

「私は、興業業界しか知りません。

しかし、オリジナルの大切さ、着想の大切さは良く分かっています。

どうか、どうか、皆様の非凡な才能の一部で結構ですから、我が国にお使い下さい!!」

丁王友会長が頭を下げた。

 

「私は工学分野の技術屋上がり、正に叩き上げですから、ノーベル賞を受賞された皆様のような大きな貢献はしていません。

それでも、オリジナルの技術の蓄積で重工業を育ててきた実績があります。

どうか、どうか、我が国に現在の数段高い、1桁でも2桁でも多額で大規模な投資を!!」

白明倫会長も頭を下げて、投資を懇願した。

 

 

ここで、アジア太平洋連邦の阿倍野真三大統領が口を開いた。

「うーん。

リデル君、アルベルト君。

どうしようか??

 

金定男大統領、一つだけ質問させて下さい。

去る2130年2月16日に撃破した「召霊魔法陣」ですが、その後の宇宙軍などの解析により、その大きさが10万光年を超える、正に銀河規模の大きさであったことが判明しました。

 

そして、そのエネルギー制御は、確かに異次元アメーバー怪獣集団が主に行っていましたが、サブコントロールは地球のある地域からされていました。

それは、スペイン、ポーランド、シリア、ウガンダ、北米東部、メキシコ、ボリビア、アルゼンチン、朝鮮半島南部、シンガポール、の10箇所です。

そして、没収した資産が、何と100垓円相当でした!!

 

宇宙連合や銀河連邦の精査の結果、今回は全て地球由来だ、と分かりました。

電子マネーの裏付けをとった結果、為替やポイント返還のレートの関係で実質的に10垓円でした。

どこから、このような資産が貴国を含めて出てきたのですか??」

 

「実は、当方の調査の結果、異次元アメーバー怪獣集団やそれに呼応した連中が、平行世界や異次元を含め、収奪したものなのです。

ですから、そんな金額が出せたのです。」

金定男大統領が答えた。

 

 

ここで、私が発言した。

「今回の戦闘で動いた欧州連邦、日本連邦、アジア太平洋連邦に2.5垓円ずつ配分されます。

残りの2.5垓円のうち、世界銀行や宇宙外交、つまり麻生次郎氏、甘利明雄氏、志木田茂雄元大統領、中谷元雄前大統領らの宇宙活動資金などに1垓円が当てられますが、1.5垓円に関しては未だに配分先は決まっていません。

 

これは私の提案ですが、産業振興基金として、1.5垓円、つまり15000京円を充てては如何でしょうか??」

 

「私も、その意見に賛成します!!」

欧州連邦のアルベルト大統領が賛成した。

 

「いいんじゃない、それで!!」

ヒルダも、賛成した。

 

「私も賛成しますわ!!」

あけみ夫人も、賛成した

 

「私も賛成!!」

ミスティも賛成した。

 

「うーん。

まあ、良いでしょう!!

私も賛成だ!!」

アジア太平洋連邦の阿倍野真三大統領も、ついに賛成して頂いた。

 

「これで、貴国にも、産業振興基金の一部を、投資にも回せます!!」

私のこの発言で、事実上、南朝鮮に投資を決定したのだ。

 

「有難うございます!!」

金定男大統領らが、頭を下げた。

 

 

こうして、南朝鮮への画期的投資が実行されることになった。

また、シンガポールを含めた他の5ヶ国歴訪でも、程度の差こそあれ、大規模な投資を決定した。

まあ、噴き出した地球社会の矛盾をどう収めるかも、私達の仕事なのだから。

―――「ちょっとコーヒーブレイク その4」へのリンク―――

 

 

 

2130年のある土曜日の朝。

2130年3月26日。

 

「やっと、リデルが大統領に当選のところまで書いたわよね。

嬉しいわ!!」

ミスティが喜んで、私に抱きつき、キスした。

 

私も負けるものかと、ミスティに抱きつき、キスした。

 

 

「あーあ、お父様もお母様も、また朝からラブラブですよねえ。」

子供達がニコニコして冷やかす。

 

「いいの、いいの!!

みんなも、もう少し大人になったら、こうなるのよ!!」

ミスティが力説して反論した。

この点だけは、ミスティの性格は母親のグレース王妃にそっくりだ。

他の点は、父親のエマニエル・ローゼンブルム国王にそっくりなのだが。

やっぱり、親子だなあ。

 

確かに、私が大統領に就任した後も、今も世界や宇宙は激動の日々だ。

それでもいい。

私は常々思う。

世の動きは世の動きで対応すれば良い。

 

私がそのような悟りに達することが出来たのも、本当に、やっと家庭とは何かを実感として理解出来るようになったからだ。

嬉しい!!

 

 

 

―――「ちょっとコーヒーブレイク その4」へのリンク 終了―――

 




今回は第2部、大統領就任直後、大いなる宇宙からの変革を呼び込む、大事件により、地球社会の矛盾が噴き出すことを、召霊魔法陣の正体を含めてまとめました。


宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であることを明らかにして、正式に実行段階に進めました。
私達は大統領になり、事実上、政治家のトップになった後、どのように実行していくのか??

私達が大統領に就任することで期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦に加えて、新たにアジア太平洋連邦が規模拡大の方向に進み、それらの更なる拡大や目標達成に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は大発会のような、ど派手に行きます!!

次回をお楽しみに。
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