クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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第3部としまして、この部では、「クロスアンジュ」の原作との比較や、原作への期待と実際の内容との違い、批評、筆者のこの2次作品発表の経緯や内容解説などを中心に発表させて頂く予定です。

今回は、原作すら飛び出た「エンブリヲが作ったマナシステムの根本的な間違い」です。
原作のゲームのエンディングには「エンブリヲ ルート」があるとか。
原作でももう少し余裕があれば、色々なエンディングについて触れる時間があったかもしれませんね。

今回も、敢えてそのタブーに独自の解釈を加えて述べてみたい、と思います。
また、このサイト「ハーメルンSS」にある戦記物のように、「軍事関係の部隊」や「歴史の流れ」についても、いずれ記載させて頂こうかと存じます。



第108話 座談会 その5 エンブリヲが作ったマナシステムの根本的な間違い

2131年1月11日。

午前8時。

今日もドラゴンの世界での座談会であるので、ドラゴンの世界にお邪魔している。

 

前回の座談会と同じく、ドラゴンの世界のサラなどの本拠地、『日本列島の首都、京都』で、座談会が開催されるのだ。

 

 

実は、昨年の2130年に編成した秘密部隊が、新年早々の1月9日に実動をしたのだ。

つまり、「軍事出動」をした、ということだ。

 

秘密部隊の名は「特殊異次元機動戦闘部隊」、通称「ゾンビバスターズ」「異次元ゴーストバスターズ」である。

以前、現在はトラク族が監督している異宇宙の「カレン族」との宇宙戦闘や異次元戦闘の教訓、つまり「押しくら饅頭戦闘」「のれんに腕押し戦闘」の教訓から、異次元戦闘や、SFホラー映画のようにゾンビやゴースト退治まで、幅広い「戦闘」を行う部隊である。

 

勿論、こんな「特殊部隊」は、軍の一般部隊どころか、特殊部隊でも無理である。

そこで、昨年の2013年に、ジェノヴァの我が母校、宇宙医科大学校の内部に編成したのだ。

 

 

1月9日の戦闘そのものは、カレン族からの通報で、正体不明の敵から不意打ち奇襲を受けた、との連絡を受けて、統合軍1個と宇宙軍1個の派遣と同時に、「特殊異次元機動戦闘部隊」を出動させた。

 

戦闘は数時間で終結し、損害もなかったが(平行世界や異次元戦闘は、戦闘相手のモード別に効力が違う)、その結果、平行世界異次元の温泉スポットからレアメタルの元になるであろう、「元素113」「元素116」などがまるで熱水鉱床の如く、間欠泉の如く大量に噴出する??という珍事も発生してしまった。

 

まるで、ファンタジー小説の世界のようだ。

 

この報告に私達もアルベルトらも研究熱心で大喜びした。

そして、「利用法の検討」「元素変換のより簡単な方法」などの開発を指示したのだ。

しかし、その時の決断は、文字通り「我が子らを出兵させる決断」を強いられたのだ。

今更ながらに、我が父の田中隆男と、我が母の田中真利愛の苦しみが、よく理解出来た。

 

 

 

午前8時30分。

「只今から、『喫茶アンジュ』がある、ドラゴン世界の迎賓館大ホールにて、座談会を行いますので、関係者の方はお集まり下さい。」

私の義理の父、エマニエル・ローゼンブルム国王が、放送を使って呼び掛けた。

 

 

 

中央に、エマニエル・ローゼンブルム国王とグレース王妃が座られた。

進行役は、サラとその夫のレオポルドが担当することになった。

 

 

「司会は私、原作では『ローゼンブルム国王』と呼ばれておりますが、前回までと同じく、引き続き担当申し上げます。

記録係は、私達の記録映画撮影などのスタッフの様が中心にお願いします。

書記は、前回に引き続きアルベルト・マンシュタイン大統領にお願いします。」

エマニエル・ローゼンブルム国王が、座談会の開始を告げた。

アルベルトも、頭を下げて挨拶した。

参加者は皆、拍手、喝采!!

私やアルベルトの子供も、拍手をした。

 

 

 

エマニエル・ローゼンブルム国王が、最初に発言した。

「『クロスアンジュ』原作(以下、単に原作と省略)より、この2次小説発表までの経緯について、筆者より、今回はエンブリヲが作ったマナシステムの根本的な間違いを中心にお話を頂きます。

 

 

 

『原作や、この2次小説におけるマナシステムの問題点につきましては既に前回までご指摘していますので、今回は割愛させて頂きます。

 

原作にて、エンブリヲの世界のマナシステムの根本的な間違いは、「職業の価値」「労働の価値」「剰余価値」「利益と投資の循環」と、その対価を何に求めるか、の大きな間違いを犯してしまった事です。

 

考えても見て下さい。

例えば、宇宙飛行士の職業は、待遇の面で見れば何でしょうか??

「一生、衣食住に困らない待遇を与えるから、(例:クーポン券や年金、キャッシュカードや特殊な死亡保険に加入して頂くので、)「宇宙居住訓練」「宇宙ロケットに搭乗して国際宇宙ステーションに乗り込み実験をして欲しい」という募集に参加しているのが、職業として見た宇宙飛行士でしょう。

 

実際は、2016年現在でも、日本の宇宙飛行士の待遇はあまり良くないので、初任給30万円、30代で33万円、40代で36万円くらいですが。

普通の保険にも入れず、特殊保険や死亡時の「殉職見舞金」くらいですか。

 

防衛省・自衛隊でも、通常の保険以外に「PKO保険」などがあります。

こんな待遇で良いのかな??と、筆者は思いますが。

 

それはさておき、このように、マナシステムの根本的な間違いは、マナシステムが短案瑠動力源だけではなく、無限の黄金としての価値にしてしまったために、「職業の価値」「労働の価値」を破壊してしまった点です。

これが、数ある間違いの中でも、最も大きな間違いだと、筆者は認識しています。』

筆者は、この説明に、正に必死で話をしていた。

 

私はその姿勢に、感動すら覚えた。

そして、次のように質問した。

 

「つまり、マナシステムの根本的な間違いは、共産主義的な思想がその根本にある、ということですね??」

 

『その通りです、リデル・田中大統領。

似たような発言をこの2次小説の中でも何度もしましたが、ご指摘の通り、マナシステムの根本的な間違いは、共産主義的な思想にあります。

 

そして、20世紀は共産主義によって1億人以上の人が殺され、そしてその残党により、21世紀でも虐殺や紛争が続いています。

イスラム原理主義や過激派などの発想の根本には、共産主義的な貧乏人の嫉妬があるのですから。』

 

『そして、もう一つの忘れてはならない点は、金融資本主義、マネタリズムの究極の姿が、マナシステムに入っている点です。

 

悪い意味でのヘッジファンドの究極の姿、金融資本主義の究極の姿が、マナシステムに入っています。

マナシステムに適合出来ない人間をノーマとして迫害し、その利益の根本のエネルギーを持ってくるドラゴンを狩る道具に使う。

これは、奴隷制以下の扱いですよ。

 

そして、マナシステムの社会描写が原作にもありましたが、市民達は全て骨抜きにされ、洗脳されてエンブリヲに管理された訳です。

このような所に、「剰余価値」「利益と投資の循環」など、あるはずがありません。

全ては、マナシステムに吸収されているのですから。』

 

 

「じゃあ、私が原作でシルヴィアを救出しようとして、戦闘であんなに兵隊が弱かったことも、タスクが敵を次々に倒したことも、それが理由??」

アンジュが筆者に尋ねた。

 

『その通りです。

原作の制作陣である福田CPも、マナシステムの社会では軍人らも戦闘意欲がない、弱いとの設定をしたとの発言をされていました。

 

そうでなければ、手榴弾を使用して大型双発ヘリを撃墜することは無理ですよ。

もっとも、その時には何故かアルゼナルから持ち出していた対戦車ロケット弾を持っていなかったのはおかしいのですが。

原作の兵器体系などに関しては、筆者としても言いたい事はたくさんあります。』

筆者は原作への疑問を含めて答えた。

 

「ああ、それは、制作陣の怠慢よ。

私的には、その時にアケノミハシラに仕掛けて、最終話で爆破した、としているけれども。」

アンジュが答えた。

 

「しかし、本当に原作のミスルギ皇国はふぬけだった。

中央の執務室の盗聴すら気付かなかったのだから。」

タスクが、感慨深げに言った。

 

『ちょっとだけ裏設定を申し上げれば、タスクの諜報活動や破壊活動の部分を、この2次小説では、ジルや「G機関」のアル・ガッポリーネにも重ね合わせているのです。

ですから、本作品でも、第三次フランス革命の時、タスクを派遣しているのは、その証拠です。』

 

 

「なるほどね。

エンブリヲのマナシステムはどの道、破綻する運命であったことは分かった。

そこで疑問なのだけれども、原作ではどうしてノーマにあれだけの武器を与えたのかしら??

 

過去に反乱ですら行ったのでしょう??」

サラが、疑問に思って、筆者に質問した。

 

『良い質問です。

原作で登場するエンブリヲのマナシステムの、唯一の「金銭的な利益価値」「労働価値と収益」は、マナシステムの根本にあるドラクニウムの取得です。

 

彼らはドラゴン、特に大型ドラゴンの死体を回収し、それをある場所、つまり解体所に運んでドラクニウムの結晶を入手、「エネルギー反応炉」として使用されたアウラの体内に注入して「エネルギーと財産」を得ていたのです。

その裏の部隊が存在していた訳です。

 

このシステムは、ちょっと考えれば明らかですが、経済そのものが成り立たない社会になっていることでも分かります。

農林水産業は??

配送業は??

建設業は??

 

少なくとも、都市部では「遊んで暮らす状況」になっていたのは明らかですから、住民は愚民化したいたのです。

 

話を敢えてちょっと脇道に入ったのは、筆者としては、原作でノーマが集められている「アルゼナル」は、あくまでも「表の戦闘部隊」であり、「裏の戦闘部隊」はミスルギ皇国が統括する組織であった、と考えております。

もっとも、その部隊は原作の5話、9話などから正に裏部隊であった、と思われますが。

 

ノーマにあれだけの武器を与えたのか、その理由は、ドラゴンをそれだけ恐れていたこと、サラなどのドラゴンの世界が復讐をすることを恐れたのでしょう。

 

そして、ノーマを摘発する部隊は、秘密警察そのものであったのです。』

 

 

「それでは、最終話である第25話で、エンブリヲが「マナによる高度情報化社会は失敗した」と言っていますが、これとの関連は??」

ケマル・縁部理桜(えんぶりお)財務大臣が筆者に質問した。

 

『ここからは、原作で悪役中の悪役であった、エンブリヲの個人的な趣味や思考が入るのですが、原作を元にしたゲームの、エンブリヲルートでの学園エンドのような社会を目指していたのかも知れませんね。

 

ですから、ノーマの部隊は、表の部隊なのですよ。』

 

「はい、筆者に質問。

原作で、ドラゴンが魔法陣を投影して防御していました。

また重力を制御するドラゴンもいました。

これはどうして??」

サリアが、優等生らしい質問をした。

 

『サラやその取り巻きを見れば、分かります。

ドラゴン、つまり龍神によるパワーを表現した魔法陣、と解釈します。』

 

「えーー??

ドラゴンはそんなに簡単に魔法陣を出せる??

私の立場が無い!!

私も、もっともっと修行をしなければ!!」

シャナが叫んだ!!

 

 

「まあ、あんなレベルなど、私にとっては朝飯前。

ねえ、士郎。」

凛が笑って言った。

 

「ああ、そうだね、遠坂、いや、凛。」

衛宮士郎が、嬉しそうに妻の凛に言った。

 

 

セイバーが立ち上がって提案と試験を行いたい、と次のように発言した。

「シロウ、凛、そして、筆者。

ちょっと、私ことセイバーが、ドラゴンの世界で腕試しをすることをお許し下さい。

ドラゴンさん、そこの前で巨大魔法陣を作って下さい。

 

そうそう、人の居ない方向に攻撃します。

 

 

それでは同じ秘技を使えるリデルさん、貴方も手助けを。

 

1、2の3!!

『エクスカリバー!!』」

 

 

そして、ドラゴンが作った魔法陣は、粉々になった。

 

 

「はははは。

やはり、思った通り。

ドラゴンの世界の魔法陣は、せいぜい、こんなレベルですか。

私の攻撃すら弾けないようでは、ラグナメイルの攻撃に耐えられないはずですわ。」

セイバーが、試験に合格したような高揚感で、こう言い放った。

 

「ほう、セイバーさん。

私のドラゴンやアウラの防衛システムでは弱い、とおっしゃるのかしら??」

サラが、目付きを細めて言った。

 

「あらあら、本当の事を言ったまで、ですわ。

おほほほ。

ご機嫌を損ねたら、お許しあそばせ。

おほほほ。」

セイバーが、負けじと笑う。

 

「まあまあ、セイバーさんにサラさん。

ここは押さえて。」

バゼットがサラとセイバーを押さえ、仲介に入った。

 

「そうそう。

ここで喧嘩はいけませんよー。

お姉様が、成敗しちゃうからねえ。」

ミスティとヒルダが言った。

 

「月に代わって、いや、世界、宇宙、天に代わって、おしおきだ!!」

私と、アルベルトが言った。

私やアルベルトの子供達も、同じ台詞を吐いた。

 

「ちょっと、ちょっと。

貴女方は超能力者よ。

もっと気品のある言動をしなければダメ。

 

セイバーさんはアーサー家の誇りある方でしょう??

サラさんは、このドラゴンの世界の高位にある方でしょう??

 

もっともっと、大統領夫人の私のように、気品と高貴さに溢れるものを持たなければ。

もっとも、セイバーさんやサラさんも、一生かかっても、私のようになるには厳しいかも知れませんけれどもねえ。

おほほほほ。」

アンジュがこともあろうに、皆をいきり立たせる爆弾発言をして、参加者らをずっこけさせた。

あんたが言うか!!

 

「コホン。

静粛に、静粛に。

時刻は午前12時ですので、ここで一旦、昼食に入ります。

午後1時30分から、再開します。」

エマニエル・ローゼンブルム国王が、司会者として、慌てて会場を収めた。

 

全く、アンジュもそうだが、サラやセイバーも、「三つ子の魂、百までも」を実践していますねえ。

これだから、楽しい面もあるのですが。

 

こうして、座談会は午前12時に終了した。

 

午後からはこれまでの全体質問だ。

 




今回は第3部として、エンブリヲの世界のマナシステムの根本的な間違いを中心に描きました。
次々に原作の矛盾やこの2次小説の考えを明らかにしてきましたが、如何だったでしょうか??

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であることを明らかにして、正式に実行段階に進めました。
私達は今後、どのように実行し、発展していくのか??


次回も、ドラゴンの世界で座談会を行います。
これからは、外伝やエピソード等が多くなるかと存じます。
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