クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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小学校を卒業した「黄金のタッグチーム」の4人が「宇宙医科大学校」に入学して医師を目指しはじめた矢先の2110年5月5日、王宮の襲撃事件に巻き込まれ、否応なしに国家間、地域間の対立に巻き込まれる私達4人や同期生たち。

その結果、事実上、自分達の祖国であるミスルギ皇国から「宇宙医科大学校」への留学のために引き離されることになったアンジュリーゼとモモカ、そして「マナ中毒」の治療のためにローゼンブルムに来たシルヴィアの運命はいかに?
円鰤夫(エンブリヲ)にそそのかされたミスルギ皇国皇太子であるジュリオ・飛鳥・ミスルギの陰謀は?

そして、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与された、私達4人の「黄金のタッグチーム」には、更なる発展が??
私とミスティ、アルベルトとヒルダの「関係強化」はどうなるのか?



第11話 アンジュリーゼとサラマンディーネが宇宙医科大学校に留学

 王宮の襲撃事件から一夜明けた2110年5月6日。

2110年5月5日に発生した王宮の襲撃事件にて、私達4人の「黄金のタッグチーム」を含めて、私達「宇宙医科大学校」の同級生や警護SP、そして日本連邦軍の警備師団15000人の活躍は、事件発生と戦闘中より、速報の形で広く公表されていた。

 

国民保護の観点から、敢えて報道統制をせずに公表し、防衛体制や警備体制を整えたことは、その後のテロ対策や即応体制の強化に大いに参考にされる事例とされた。

 

「宮廷クーデターか、それとも組織的な反逆行為なのか??」

「ミスルギ皇国で愚連隊の輸出攻勢?近衛兵まで輸出するのか??」

「ミスルギ皇国の政府高官も逮捕 意図的な事件は侵攻を正当化する言い訳にするのか??」

「ミスルギ皇国との外交関係を世界はどうするのか??」

世界各地のメディアは、こぞって書き立てた。

 

 

 ミスルギ皇国では新しい動きがあった。

5月6日の朝一番で、アンジュリーゼと筆頭侍女のモモカを宇宙医科大学校に留学させることが決定され、その妹シルヴィアを治療のためとして、ソフィア皇后陛下の付き添いの下でローゼンブルム王国に入国してきたのだ。

 

シルヴィアの治療は、私の両親が経営する医療法人「田中ハート会病院」を中心に行い、ローゼンブルム大学医学部付属病院や宇宙医科大学校付属病院も協力することになった。

こうなると、宇宙医科大学校とローゼンブルム大学の双方に学籍がある、私達4人の「黄金のタッグチーム」「黄金のダイヤモンド・タッグ」にとては、極めて有利である。

 

尚、これらの手厚い対応は、ミスルギ皇国と日本連邦政府や自治領ローゼンブルム王国の極めて緊張した状態の中で実施された。

あくまでも「人道的な観点からの治療受け入れ」というのが、日本連邦政府や自治領ローゼンブルム王国の公式な見解であった。

 

 しかし、実質的には、ミスルギ皇国の過激な行動を呼び寄せる「馬の前にぶら下げたニンジン」「猫の目の前にちらつかせた小魚」同然である。

これまでのミスルギ皇国の行動を見れば、それは明らかだった。

 

その証拠に、まるで対抗するかのように、アンジュリーゼと筆頭侍女のモモカを宇宙医科大学校に留学させることが決定されたと公表された後の30分後に、「ドラゴンの世界」から、巫女でサラの母親(レモディーネ)が、娘のサラ(サラマンディーネ)と、その側近のナーガとカナメ、そして男性3人を宇宙医科大学校に留学させることが決定された、と公表したのだ。

それでも、後に、「マナ」の世界を崩壊させる、日本連邦政府が放った「第二の矢」となる政策であった、と歴史的に評価されることになる。

 

 

 5月6日の早朝、ソフィア・斑鳩・ミスルギ皇后陛下が、シルヴィアの治療のため入院する医療法人「田中ハート会病院」の創設者で医師、現在は大統領府の主席補佐担当大臣を勤める私の父、田中隆男(たなか たかお)と、私の母で医師の田中真利愛(たなか まりあ)に、挨拶した。

 

「末娘のシルヴィアの治療を、宜しくお願い申し上げます。」

「全力で最善を尽くします。」と父が答えた。

 

早速、病院や内外の医療スタッフらの医療チームで、シルヴィアの診察をしたが、事前に閲覧したカルテから予想された以上に「マナ中毒」が悪化していた。

精密検査の結果、病状は恐るべき状態に悪化していることが判明したのだ。

ソフィア皇后に診察や精密検査の結果を報告する、私の父の表情は硬かった。

 

「ソフィア皇后陛下、シルヴィア皇女殿下のご具合は、極めて悪い、と申し上げざるを得ません。

頭の脳の働きの一部が圧迫されている部分や脳組織の縮小、足腰の神経系や筋肉系の悪化に加えて、偏食による栄養失調や自己免疫力の低下、思考能力や記憶力の低下、誇大妄想や過激妄想、強迫妄想、被害妄想などの精神的な症状と情緒の不安定さ、そして胃腸系や肝臓など内臓への過負担による機能低下や腫瘍も見られます。

私達が診察しようとしたら、開口一番に「私を殺しに来たの??来ないで!!」と叫ばれたのには参りました。

正に、重度の薬物中毒症状と良く似ています。

 

まずは、シルヴィア皇女殿下には、身心共に健康になりたい、健康を回復したい、との強い意志が必要です。

このまま治療せずに放置しておいても、廃人化、そして、あと数ヶ月のお命です。自然治癒出来るレベルを遙かに超えております。」

 

「そうですか・・・・。シルヴィアは幼い頃から身体が弱くて、引っ込み思案でした。

乗馬以外にはこれといった趣味もなく、他の人とも遊ぶことも少なく、少々甘やかして育てたのかもしれません。」

「シルヴィア皇女殿下は、マナをそれこそ、四六時中使用していたのではないですか?」

「目覚ましを含めて、通信やゲームまで、何でも四六時中使用していたと記憶しております。」

「それでは、強度のマナ依存症ですよ。遅かれ早かれ、マナ中毒の症状は悪化の一途を辿るはずです。」

「治療方法はあるのでしょうか?」

「はい、確かにございますが、遺伝子治療を含めて、数多くの方法を使用しなければ、治癒は出来ません。シルヴィア皇女殿下の体力と意思も大きく治療の効果を左右します。」

 

「あの、何故、ミスルギ皇国の病院や医師達には治療が出来なかったのでしょうか?

また、ミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国の名医に診察や治療をお願いしても、一向に良くならなかったのですが?」

ソフィア皇后は、どうしても聞きたいと思っている事を口にした。

 

「それは、原因が「マナ」そのものにあるからです。

マナ中毒を指摘することは、すなわちマナの社会制度を批判することですからね。

そうなれば、体制批判やノーマを庇うことと同じ扱いになり、医師や研究者であろうと検疫官らからの逮捕や発砲、射殺すらあり得ます。

 

ですから、原因がたとえ分かっていても、治療の研究すらままならないので、『原因不明』とか、『難病』とか、曖昧な言い方しか出来ないのです。

お持ち頂いたシルヴィア皇女殿下の多くのカルテや診察記録、治療記録などからも、それは良く分かりますよ。

何一つ、病気の原因に触れている部分の記述がありませんからね。

これでは、原因を知らない医師ではとても治療に入れませんし、たとえ、知っていたとしても、治療することですら命がけですよ。」

 

 私の父、田中隆男は、この局面では政治家であることと、マナの危険性を全面に出した方が良いと思い、ズバズバと本当の事をはっきりと言い続けた。

 

「マナを使用している国や地域、特にミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国はノーマやノーマの逃亡、ノーマを匿うことやノーマを庇うことに対しては極めて厳しく、発砲や射殺すら許されているのはご存じでしょう?

マーメリア共和国やヴェルダ王朝もノーマの取締はあると建前では言っていますが、現在では野放し状態ですがね。

 

マナ中毒に関しては、日本連邦などには治療方法や治療薬もあり、ミスルギ皇国などには手荷物の形で治療薬が持ち込まれているとも聞いております。

しかし、根本的な治療をするには、治療薬だけでは限界があります。

ミスルギ皇国などでは、マナ中毒患者が増加しているとも伺っていますが?」

 

私の父、田中隆男は、核心部分に触れる問いかけをした。

 

「はい・・・。『原因不明の難病』を患う患者が増加しているので、その影響で医療費の出費が増加を続けていることは間違いありません。

私も、厚生医療の立場から何とか研究を進めるように言っているのですが、医師や研究者の研究意欲が乏しく、ほとんど進んでいないのです。

田中先生の言われるように、マナ中毒が原因であれば、ミスルギ皇国では当たり前の事が当たり前に起きているだけですね。」

 

ソフィア皇后は、半分涙声で言った。

「本当に、ミスルギ皇国はマナを情報通信やエネルギー源に使用するという、間違った選択をしてしまったのですね・・・。」

 

 

 私の父は、ソフィア皇后やアンジュリーゼ皇女殿下、そして筆頭次女のモモカにも念のために精密検査とマナ中毒の治療薬による治療を勧め、すぐに検査は実施された。

その結果、3人とも、幸いにもマナ中毒の症状はほとんど問題にならないレベルであった。

 

そこで、私の父は治療薬による処方と定期的な検査を勧め、今後とも実施されることになった。

 

 

 JUFNNが朝8時から放送している「とくダネNEWS!」では、昨日の「ミスルギ皇国の愚連隊や近衛兵らによる王宮襲撃事件」についての特集を組みたいと、TV局側からケマル・縁部理桜氏に向けて「いつものまさかの突然の番組出演依頼」が舞い込み、大倉キャスターの肝煎りで、番組出演と生のインタビューなどの番組枠を全て使う異例の放送が実現した。

 

この裏には、これもいつものように私の父や、大倉キャスターと長年親しい私の母親の斡旋や依頼もあった。

本当に、大倉キャスターとは「ご縁」があるのだなあ、と感じずにはいられなかった。

 

番組には、「黄金のダイヤモンド・タッグ」との称号を頂いた、「黄金のタッグチーム」と呼ばれることになった、私と、ミスティ、アルベルト、ヒルダの4人と、プロデューサーとしてケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏も出演していた。

また、今回の王宮襲撃事件で大活躍した警備師団を代表して佐藤師団長、王宮SPを代表して隊長の加藤さん、ケマル・縁部理桜氏にお世話になっている出演者や関係者、宇宙医科大学校の同期生や宇宙医療大学校の教官ら、ミスティの誕生日パーティーに参加した面々も出演した。

 

 

 番組の冒頭、大倉キャスターが、

「自治国家ローゼンブルム王国の王都王宮で、昨日の午前10時より開催された、恒例となっているミスティ・ローゼンブルム王女の誕生会パーティーにて、インターネット中継でもご存じの方も多いかと存じますが、『ミスルギ皇国の愚連隊や近衛兵らによる王宮襲撃事件』に対して、正に迅速な対応により事態は収拾されました。

 

本日は、予定を大幅に変更して、「黄金のダイヤモンド・タッグ」との称号を頂いた、お馴染みの有名チーム、「黄金のタッグチーム」のケマル君、ミスティ王女、アルベルト君、ヒルダさんの4人と、有名なプロデューサーとして、この4人の出演する教育番組「お兄さんお姉さんといっしょ」「政府広報」などの総指揮を執られているケマル・縁部理桜さん、そして王宮襲撃事件に対応された各部隊や参加者らにもお越し頂き、本番組独占のロングインタビューを行います。」と述べた。

 

「笹井君、インタビューの前に整理したいのだけれども、ミスルギ皇国は、次の軍事的な大攻撃やテロ攻撃をする、との報道が多くなっているけれど、政府や当局はどうのように見ているの?」

 

「ミスルギ皇国の行動は予測がつかず、何が発生しても良いように万全の体制を取る、として警戒を強化しています。

それらとは別に、今日の朝一番で、昨日の王宮襲撃事件の際に王宮でのミスティ王女誕生会パーティーに出席していたアンジュリーゼ皇女殿下と筆頭侍女のモモカを宇宙医科大学校に留学させることが決定されました。

 

また、その妹シルヴィア皇女殿下を治療のためとして、ソフィア皇后陛下の付き添いの下でローゼンブルム王国に入国されました。

連邦政府当局では、これは人道上の見地からの対応だ、としていますが、政治的な駆け引きの一環であろうとの観測が有力視されています。」

 

「ミスルギ皇国のアンジュリーゼ皇女殿下が当時滞在していた王宮を、同じ国の近衛兵らが襲撃するとは、狂気の沙汰そのものだね。

宮廷クーデターとか、陰謀の匂いもプンプンするね。

5年前のテロ事件の犯行と言い、今回の王宮襲撃といい、何をするか本当に分からない相手だから警戒を怠らないと。

 

次に、襲撃を受けた王宮前から中継です。

中田君、王宮の現状や襲撃した部隊や集団などについて報告して下さい。」

 

「はい、大倉さん。王宮の周辺は激しい銃撃戦などで、ご覧のとおり、文字通り戦場のような破壊状況ですが、その被害は限定されているのは不幸中の幸いです。

激しい戦いを物語るかのように、陣地や土嚢や盾などがあちこちに散乱しています。

また、近衛兵らを拘束した現場では大きな氷の柱や塊があちこちにまだ溶け残っていますね。

 

捜査などの結果、今回の王宮襲撃事件の首謀者として拘束された人物は明らかにされたところ、ミスルギ皇国のジュライ皇帝の側近中の側近、近衛長官のリィザ・ランドッグでした。

王宮を襲撃した集団は、愚連隊やヤクザな連中で組織された黒装束集団120人、ミスルギ皇国で皇族らを警護する、正規の近衛兵500人です。」

 

「中田君、5年前のテロ事件で例の逃亡中のスケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味は、その中にいるの?」

 

「日本連邦軍や警察当局では、今のところ、そのような人物らは襲撃に参加していなかった、と発表しています。

彼らは事件発生の数時間前に突然、ジュライ皇帝からの命であるとして近衛長官のリィザ・ランドッグにより集合させられ、金品や食料をお望み放題であることをエサにされ、命令を受けて王宮襲撃に参加した模様です。

この点だけでも、ミスルギ皇国が深く関与していると言えそうですね。

逮捕拘束された襲撃部隊らは、全員、別の世界に送られて、尋問や調査などを受けているそうです。」

 

 

 大倉キャスターが話題を昨日のミスティの誕生会パーティーに切り替えた。

 

大倉キャスター:

「さて、昨日5月5日に開催されたミスティ・ローゼンブルム王女の誕生会パーティーにて、縁部理桜さんにまずお尋ねしたいのですが、昨日の誕生会パーティーは、いつもの通り国王主催ではなく、縁部理桜さんが主催されたのですね?」

 

縁部理桜:

「はい、その通りです。恒例になっていますが、ミスティ・ローゼンブルム王女をはじめ、王室をお助けするため、私の主催で開催させて頂いているのです。

私共としましても、やはり国王ご夫妻らの多大な負担を少しでも軽減するためにも、私が主催する形で誕生会パーティーなどを開催させ続けて頂いておりますし、今後とも継続していきたいと考えております。」

 

大倉キャスター:

「頻繁に来られる要人の対応などで王宮には侍女などの王宮関係者も多く、彼らへの給与や王宮維持の支払いも大変でしょうからね。

ましてや、5年前のテロ攻撃の標的にされて大きな被害を受け、また今回の襲撃事件で被害を被ったのですから、その辺りの事情はお察し申し上げます。

笹井君、井上さん、何か質問はありますか?」

 

笹井:

「何故、今回もミスルギ皇国のアンジュリーゼ皇女殿下を招待したのですか?」

 

縁部理桜:

「アンジュリーゼ皇女殿下には、最近は特に私がプロデュースした番組やイベントなどに出演頂いた回数も多く、深いご縁があるのです。」

 

井上:

「なるほど。今後もパーティーなどのイベントにアンジュリーゼ皇女殿下を招待するご意向でしょうか?」

 

縁部理桜:

「私は国籍や出身地、人種などで人を差別はしません。今後ともご招待しますし、参加やご出席を頂けると確信しております。」

 

大倉キャスター:

「話題は変わりますが、『ミスルギ皇国の愚連隊や近衛兵らによる王宮襲撃事件』では、ミスルギ皇国の悲惨な経済や社会の実態が、改めて浮き彫りになりました。」

 

大倉キャスター:

「ヒルダさんの出身地をかつて取材し、最近も取材した黒田君に聞きます。黒田君、ヒルダさんの出身地やミスルギ皇国などの現状はどうだったの?」

 

黒田:

「私が、ヒルダさんの出身地周辺を最近取材したのですが、ヒルダさんの話題が以前取材した時に比べて非常に多く聞かれました。

逆に、こちらからヒルダさんの人気とか、現状はどうか、などを質問されたくらいです。

やはり、日本連邦政府の政府広報やTVなどの出演の効果が絶大であるかと思われます。

 

ただ、ヒルダさんのご家族、特にお母さんについては、ヒルダさんの話題には未だに触れたくないとのご意志でした。

最近、女のお子さんが生まれた模様です。

 

ヒルダさんの出身国であるエンデラント連合の経済社会の現状は、不景気の傾向は一段と強くなり、社会の不満も高まっていますが、それでもミスルギ皇国よりは余程ましな方です。

 

一方、ミスルギ皇国では、マナの取引の信用が非常に低下しており、私は外交団の視察に同行して取材しましたところ、日本連邦の製品や10万円金貨、5万円銀貨、各種の紙幣や貨幣などが、正式の通貨の如く流通している現実を目の当たりにしました。

更に、日本連邦との為替インフレが進み、毎年1000%を超える通貨の下落が続いたことも、追い打ちを掛けています。」

 

 ここで、ヒルダの出身地のリンゴ畑や生家、ミスルギ皇国の町並みなどの映像が流れた。

 

大倉キャスター:

「ひどいねえ。日本連邦との為替インフレが進み、毎年1000%を超える通貨の下落とは、毎年自国の通貨価値が10分の1になることだよね。

そしてマナの信用が低下して、日本連邦の通貨や製品が流通しているとは、旧ソ連の崩壊直後の状況などとそっくりだね。

 

ヒルダさん、これからも頑張ってね。貴方のこれまでの努力が成果として、徐々にあらわれているのだからね。

こうしてTVや政府広報などの仕事をし続けるのも何かの縁なのだから、今後も一層精進してね。

何度も言うけれど、今のあなたにとっても決して損ではないからね。」

 

ヒルダ:

「はい、有り難うございます。わざわざ取材をして頂き誠に有り難うございます。

今後とも頑張りますので、宜しくお願い致します。」

 

 

 話題は、ここから『ミスルギ皇国の愚連隊や近衛兵らによる王宮襲撃事件』に関連して、正に奇跡的な出来事についての話になった。

大倉キャスター:

「王宮のSPや日本連邦軍の警備師団、『黄金のタッグチーム』などの奇跡的な大活躍についてですが、リデル君、どうでした?」

 

リデル:

「ここにおられる加藤隊長以下、王宮のSPの方々が必死に防戦している中、『ダイヤモンド・フォーメーション』と呼ぶべき体制で私達4人が参戦、一斉に敵に対してラグナメイルで攻撃し、そこに奇跡が起こったのです!!

その間に、佐藤師団長以下、日本連邦軍の警備師団の戦闘支援を頂き、事態は収束しました。」

 

私は、昨日の戦闘での模様や、戦闘に圧勝した奇跡を、興奮を交えて力説した。

 

大倉キャスター:

「なるほどねえ。君たち4人はまだ10歳そこそこだけど、軍の予備下士官扱いですよね。

それで戦闘に参加して生還するだけ、本当にたいしたものですよ。

大統領から「黄金のタッグチーム」には、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与されましたしね。

私だったら、そんな冷静な対応が出来るか自信がないね。

『黄金のタッグチーム』の皆様などに、それぞれ、今回の戦闘の感想を聞かせて下さい。」

 

ここで、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与された時の映像が流れた。

私は、本当に緊張していたのだな、と誰でも良く分かる顔をしていた。

もっと精進しなければ。

 

リデル:

「概ね、基本をしっかりおさえた戦いは出来たと思いますが、まだまだ未熟な部分もあります。もっと洞察力や戦略眼などを含めて精進しなければ、と痛感しております。」

私は基本的にもっと自分のあらゆるレベルを上げなければならない、という主旨で発言した。

 

ミスティ:

「私は、女性ではローゼンブルム王家で初めて戦闘に参加したそうです。初陣では努めて落ち着いて行動したつもりです。今回を教訓にして、今後とも頑張ります。」

ミスティも、私と同じ見解だった。

 

アルベルト:

「敵を撃退出来たとは言え、敵の部隊があれだけ、どうして王宮の近くまで移動出来たのか疑問です。」

アルベルトは、敵が奇襲を狙ったとの見解を示した。

 

ヒルダ:

「私が疑問に思うのは、アンジュリーゼ皇女殿下が王宮にいると分かっていて、何故攻撃したのがが、どうしても理解できません。何か深い意図か、大事件を作り出す陰謀を感じます。」

ヒルダは、今回の戦闘に、陰謀の疑いを指摘した。

 

佐藤師団長:

「警備師団の戦闘力には概ね満足しています。戦闘時には、迫撃弾やロケット弾、対戦車ミサイル、航空機等も飛び交い、多数を撃破・撃墜しました。

また防空戦や制海戦も行われた模様ですが、防衛体制の強化や戦果、課題などについての詳細は後日、明らかになろうかと存じます。

私自身は、警備師団の部下達は本当に良く戦った、と感謝しております。」

佐藤師団長は、警備師団の戦闘力を評価しつつ、今後の課題などを指摘した。

 

加藤SP隊長:

「SPの仲間達は良く戦ってくれたと思っています。今後とも、各関係部局と連携して警備強化を進めます。」

加藤SP隊長は、警備強化の必要性を訴えた。

 

レモディーネ・サラマンディーネ:

「軍や警察、SPの皆様を信頼しております。」

「必要があれば、ドラゴンの世界を含めたパラレルワールド等より、すぐに応援を出しますので、ご安心下さい。」

レモディーネ・サラマンディーネは、支援を約束した。

 

 ここで、重大発表が日本連邦軍の広報担当、一条貴音さんよりあった。

 

大倉キャスター:

「ここで、日本連邦軍の広報担当で、統合軍大尉である美女、一条貴音さんより重大な発表があります!!」

 

一条貴音:

「本日付けで佐藤師団長は、ローゼンブルム方面の統合戦略指揮司令部の司令官として、統合軍に転籍されることになりました。

階級は陸軍中将より、統合軍大将に昇進されます。

 

また、『黄金のタッグチーム』の皆様などには、全員、現在の宇宙軍予備下士官に加えて、陸海空軍と海兵隊、そして最高位の軍である統合軍の予備下士官にも、特別枠で入隊されることになりました。それぞれの制服や手当などもきちんと支給されますよ。

 

そして、『黄金のタッグチーム』の4人やその関係者には、「外交特権」及び「国際宇宙交流大使」そして、「防衛技術研究者」の地位や権限も与えられます。

本当に、おめでとうございます!!」

拍手喝采だった。

 

 大倉キャスターは、今日も私達を「持ち上げる」論調で、番組を取り仕切ってくれた。

本当に感謝、感謝だ。いつも有難うございます!!

 

 この放送で、早速、5年前の記者会見や生放送出演を遙かに超える、予想外の効果が現れた。

何と、日本連邦だけではなく、世界の大部分の国や地域でミスルギ皇国に対する抗議活動や製品等のボイコット運動だけではなく、日本連邦の擁護や支持のデモや活動などが、極めて大規模に、かつ広範囲に開始されたのだ。

マナを使用している国以外の全世界、と言っても過言ではなかった。

 

以前より、5年前の「ミスルギ皇国のアンジュリーゼ皇女殿下とその筆頭侍女モモカの政治的・社会的な暴言事件」などでも拡がったマナを使用している国家や地域への反対運動が、更に大きなうねりになっていったのだ。

 

そして、その象徴の一つが、私達4人の『黄金のタッグチーム』になっていったのだ。

 

こうして、私とミスティ、アルベルトとヒルダの「関係強化」は、公的な立場と、私的な立場の両面で、更に進んでいったのだ。

もう、国や地域ではなくて、世界的、地球的、パラレルワールド的、そして、宇宙規模で。

 

 

その日の夕方。

ミスルギ皇国の皇宮にある、皇室専用の部屋。

 

円鰤夫(エンブリヲ)にそそのかされたミスルギ皇国皇太子であるジュリオ・飛鳥・ミスルギが、更なる陰謀を考えていた。

 

「くそ、アンジュリーゼもシルヴィアも事実上、ここには住めない。

国内で事件を起こしても、ネタになりそうな当の本人達が居ないのでは意味がない。

あのママゴンである母もミスルギとローゼンブルムとの往復生活か。

こうなれば、次の手は、あのガッポリーネを使って、事件をやらかすか?」

 

 

ちょうど、その同じ時間帯には、自治領ローゼンブルム王国にある私の家で、後に歴史的な会談を言われる、ある会談が開かれようとしていた。

 

 




今回は、シルヴィアの病的な性格や、ソフィア皇后の性格を使い、うまくマナの廃止に向けたストーリーの始めの段階を書いてみました。

次回は、「歴史的な会談」についてです。
ミスルギ皇国に対する最終的な手段や政策が決定されます。
『黄金のタッグチーム』の私達4人はどのような運命が待っているのか?

次回をお楽しみに。
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