クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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 小学校を卒業した「黄金のタッグチーム」の4人が「宇宙医科大学校」に入学して医師を目指しはじめた矢先の2110年5月5日、王宮の襲撃事件に巻き込まれ、否応なしに国家間、地域間の対立に巻き込まれてしまった私達4人や同期生たち。

王宮襲撃事件の戦闘に参加、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与され英雄視された私達4人。

アンジュリーゼやサラマンディーネらが留学生として入学することになり、私達や同期生らは、多くの特権すら与えられ、更なる発展と大きな歴史の流れに翻弄される予感が??
私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係はどうなるのか?

黄金のタッグチームが、後に歴史的な会談と言われるようになる会談に参加します。



第12話 黄金のタッグチームが歴史的な会談に参加する

 2110年5月6日の夕方。

自治領ローゼンブルム王国にある私の家で、後に歴史的な会談を言われる、ある会談が開かれようとしていた。

 

会談の出席者は、私の父と母、ローゼンブルム王国国王ご夫妻、アルベルトの両親、ヒルダの叔父夫婦、ローゼンブルム王国国王と陸軍士官学校の同期で、現在はローゼンブルム首相として「フォルツァ・ローゼンブルム」党首でアルベトの親戚でもあるピエモンテ・マンシュタイン氏、有名なプロデューサーで、私達4人の師匠でもあるケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏、今回の王宮襲撃事件で警備師団を率いて大活躍し、本日、大将に昇進した佐藤大助司令、王宮SP代表者して隊長の加藤稔さん、そして私達4人の「黄金のタッグチーム」だけである。

 

この「会談」は、医療法人「田中ハート会病院」の創設者で医師、現在は大統領府の主席補佐担当大臣を勤める私の父、田中隆男(たなか たかお)と、私の母で医師の田中真利愛(たなか まりあ)が呼びかけて実現させたものだった。

 

何故、「会議」ではなく、大袈裟に「会談」なのか??

それは、私達4人の「黄金のタッグチーム」の秘技が明かされたことと、私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係を決定付けることが重なり、その後の私達4人の運命だけではなく、国際情勢や宇宙情勢すら決定したものであったからだ。

 

 

 私の父が、開口一番、皆に今日の会談の内容と日本連邦政府の方針を伝えた。

 

「事態は、まるで雪の玉が坂を転がって大きくなりながら加速していくような、急展開の連続で進んでいます。

もう、時間はあまり有りません。

昨日のミスルギ皇国の近衛兵らの王宮襲撃にもありました通り、いつ、どこで、何が発生しても不思議ではないのです。

 

そこで、本日は「黄金のタッグチーム」の秘技を明かし、ミスルギ皇国に対する最終的な手段や政策を、ここでお集まりの皆さんのご意見を踏まえながら事実上、ここで決定します。

 

既に、阿倍野真三大統領より、ミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国の3ヶ国には、更なる強硬策の方針が決定されております。

また、マーメリア共和国やヴェルダ王朝に対しては、ノーマの取締はあると建前では言っていますが、現在では野放し状態ですので、完全にマナの使用を停止するような外交攻勢政策を決定しております。」

 

ローゼンブルム国王陛下が、私に尋ねた。

「君たち4人のラグナメイルの名称を確認したいのだが。」

 

「はい、私こと、リデルのラグナメイルは「栄光」、

ミスティ王女のラグナメイルは「東京ローズ」、

アルベルトのラグナメイルは「ジークフリート線」、

ヒルダのラグナメイルは「アップル雷神」、

の名前が付いています。」

ミスティは王女様だからな。敬称を付けないと。

 

「全ては、私達4人の家紋に由来するものです。」

私こと、リデルから順番に説明した。

 

リデル・田中:

「私の家紋は、田中家の家紋である有名な『左右より稲の頭を垂れた姿』に、親戚であるイギリスのハート家から受けた家紋である『アーサー王とエスクカリバーの剣』の合同の家紋です。

左右より稲の頭を垂れた姿は、日本の稲作文化の象徴と五穀豊穣を意味し、アーサー王とエスクカリバーの剣は、全ての敵、全ての闇を打ち砕く力の象徴でもあります。」

 

ミスティ・ローゼンブルム:

「私の家紋は、王国王家の象徴である、花言葉では愛や愛情・熱烈な恋を示す「赤いバラ」です。

しかし、バラには棘もありますよ。」

ミスティは、和やかに笑って言った。

 

アルベルト・マンシュタイン:

「私の家紋は、古代ゲルマン神話の英雄ジークフリートとその剣を示しています。彼はメドューサを退治した英雄ですので、その勇敢さを示す象徴でもあります。」

 

ヒルデガルト・シュリーフォークト:

「私の家紋は、リンゴを雷(いかづち)の矢で射る姿を示しています。

これは、昔、スイスの独立戦争での弓矢の名手が子供の頭の上にリンゴを載せて、リンゴを射った故事と、天のご加護である雷(いかづち)の支援、つまり日本で言うところの雷神のご加護を意味します。

ちなみに、リンゴの花言葉は、選択、最も美しい人へ、最もやさしき女性へ、という意味です。」

 

 

「さすがだ。この名称で説明が出来るね。」

ローゼンブルム国王陛下が、私達を褒めた。

「今、ここでは、必死の議論が必要だ。敬称などはどうでも良い。それに、君たち「黄金のタッグチーム」は皆、同期生だ。だから、本当に一体となったチームプレイも大切だよ。」

 

「はい!!」

私達4人は、決意を新たにした。

 

「良い名前だよ。正に正鵠を射るとは、この事だ。」私の父も褒めた。

「黄金のタッグチーム4人の家紋や、ラグナメイルの名称は、ローゼンブルム王国の周辺諸国をいかに攻略するかの「勝利への祈願」でもあるのだ。」

私の父は、はっきりと言った。

「何故ならば、日本など東洋からの龍脈、つまり龍の潮流というべきエネルギーは、地形でも風水的にも、ここローゼンブルム王国で途切れているのだからな。

そのために、君達4人の家紋とラグナメイル、一体となったチームプレイによって、マナを使った国々の団結を切り裂き、解体して、ノーマ解放への戦いに勝利するのだ。」

 

「もっと、具体的にお教え下さい。」

ミスティが私の父に尋ねた。

 

「田中家の家紋によって、この世の五穀豊穣と栄光を示し、また、アーサー王とエスクカリバーの剣は、全ての敵、全ての闇を打ち砕く。

 

ローゼンブルム王家の家紋によって、日本連邦の首都東京からここローゼンブルムまで、赤いバラの丸、つまり日本の国旗である日の丸がはためく。

 

マンシュタイン家の家紋によって、ライン川やその周辺の守り「ジークフリート線」が守られ、敵の連携が破壊されるように、ミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国の3ヶ国など、敵の連携は破壊される。

 

シュリーフォークト家の家紋によって、リンゴという赤い丸を射貫くように、恋のキューピットが最も美しい人と最も相応しい人のハートを射貫き、雷(いかづち)のご支援、つまり雷神のご支援を頂く。

リンゴは、日本の国旗である日の丸も意味する。

 

このような、すばらしい「勝利への祈願」でもあるのだ。」

 

「なるほど、面白い。」アルベルトが言った。

「まるで、ドイツの国歌のようですね。」

「その通りだ。」

「私のラグナメイルの名だけ、少々イメージが悪いとは思っていましたが、「ジークフリート線」で良かったのですね。」

「家紋のイメージの裏には、大戦略が隠されていたとは、驚きですね。」私も驚いた。

「ローゼンブルムの王家の家紋は、何故赤いバラなのか疑問でしたけれど、他の家紋との組み合わせの一つとは・・・。出会いは大切ですね。」

ミスティだけが、うっとりした顔をしてロマンチックに語った。

本当に、ミスティはこういうのは好きだな。

 

 

「マナを使用している国家や地域に対する政策は、今後、どう変化するのですか?

先程のお話では、ミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国の3ヶ国には、更なる強硬策の方針が決定され、マーメリア共和国やヴェルダ王朝に対しては外交攻勢政策が決定されたとの事ですが。」

ヒルダが心配そうに尋ねた。

ヒルダはエンデラント連合の出身であり、現在はローゼンブルム王国に在住しているヒルダの叔父夫婦も、出身地やシュリーフォークト家の未来を含めて心配そうな顔をしていた。

 

「当面は、表向き変化がないよ。但し、あくまでも建前上でね。」私の父が答えた。

「実際には、昨日の王宮襲撃のような事件やテロなどの不測の事態は、今後ともに増加するだろう。

 

本日、大将に昇進した佐藤大助司令には、立場上の問題があって言いにくいだろうから、大統領府の主席補佐担当大臣である私の立場からはっきり言えば、すでにミスルギ皇国とは、「宣戦布告なき戦争」をしているのだ。

今のところは、我が日本連邦の圧倒的な勝利が続いているが、NBCテロとか、円鰤夫(エンブリヲ)とその手下の異常極まりない攻撃を考えれば、本当に予断を許さない。」

 

「誰です?その、円鰤夫(エンブリヲ)とは??」

私達4人の師匠でもあるケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏が、尋ねた。

 

「本名は、エンブリヲ・フォン・フリードリッヒという男です。

ガリア帝国の首都ウィーン市の市街地郊外の出身で、医師と薬剤師の資格取得後、科学者や研究者として活躍したのですが、2095年に突然豹変して「独立自由党」なる排他的な政党を立ち上げ、その党首に就任しました。

そして、「マナ」の社会の建設の影の立役者であった、とも言われています。

現在は、製薬会社やコンサルタント会社の会長などをしながら、「フィクサー」として、ミスルギ皇国などを影から操っているのです。

 

円鰤夫(エンブリヲ)とその手下は、我々の調査では異星人「レプタニアン系」であり、4つの人種的系列の中でも特に獰猛な人種系に属するようです。」

 

「私は、ミスルギ皇国などで彼と話をしています。名刺交換の機会も頂きました。

何度も皇国の皇宮などでお会いしていますよ。

勿論、彼はエンブリヲ・フォン・フリードリッヒ、と名乗っていましたが。」

ケマル・縁部理桜氏が、さらりと言った。

 

「本当ですか?最近はいつお会いしたのですか??」私の父が驚いて尋ねた。

「ええと、最近では今年の4月24日に、ミスルギ皇国でお会いしました。」

他の出席者も皆、一様に驚いた。

「その名刺、拝見できますか?」王宮SP代表者して隊長の加藤稔さんが言った。

 

円鰤夫(エンブリヲ)の名刺には、製薬会社やコンサルタント会社、政党など、自分が関わっている組織の住所や連絡先、電話番号、電子メールアドレスなどの他に、ある住所とその電話番号、電子メールアドレスなどが書かれていた。

これは、私の父親を含めて、全く知られていない住所だった。

 

「何、この住所は??」

その一つは、異星人「レプタニアン系」の異星での住所だ。

もう一つは、ローゼンブルム王国とミスルギ皇国に挟まれた、歴史的にも領土問題で争ってきた地域にある小国、「モモコ公国」の住所だった。

 

 

「うーん、円鰤夫(エンブリヲ)側も、何か戦略変更をしてきたようだな。」

ローゼンブルム王国の首相、ピエモンテ・マンシュタイン氏が言った。

「基本的には、彼は「プライベートは大事だ」とそれほどは社交的ではなく、あまり人付き合いなどはしない人物なのだ。

最近は自ら動かなければならなくなったようで、5月5日の夜、ミスルギ皇国皇太子であるジュリオ・飛鳥・ミスルギと接触し、いろいろ煽てて吹き込んだ模様だ。」

 

「5月5日の王宮襲撃にも、円鰤夫(エンブリヲ)は関わっているのでしょうか?」

私はいささか不安になってピエモンテ・マンシュタイン首相に尋ねた。

「それは分からないが、彼は自らを「調律師」と名乗っている。」

 

「それとは別に、円鰤夫(エンブリヲ)側がモモコ公国の住所をこちらに教えてきたのは、何らかの接触をしたいとの意図もあるのではないでしょうか?

私の印象では、彼らは確かに追い詰められているのでしょうが、その状況を楽しんでいるようにも見えるのです。」

私は、畳みかけるように、皆に尋ねた。

 

「リデル君、その見解は正しい。良い戦略眼をしているよ。」

本日、大将に昇進した佐藤大助司令が、口ひげをなでながら言った。

「現時点でのこちらの兵力は、警備師団4個と水陸両用師団1個、あとは海軍の各種部隊が空母機動艦隊など戦術単位1個ずつ、海兵隊は1個師団を移動中で、空軍と宇宙軍は最小限の部隊しかない。

 

とても現時点では攻勢を取れないし、攻勢をかけるにしても時間がかかることは、ミスルギ皇国や円鰤夫(エンブリヲ)側も知っているよ。

ローゼンブルム王国はミスルギ皇国、エンデラント連合、ガリア帝国の3ヶ国と接しているのだから。」

 

「異星の住所に行って円鰤夫(エンブリヲ)氏と会談でもしましょうか?」

アルベルトが発言した。

「いいかもね。しかし、我々は恒星間航行の技術や経験がまだ足りない。

他の異星人の支援も欠かせないよ。」

「今の段階では、慎重に行動するべきだな。」

「ミスルギ皇国の皇后様との接点を深めることも必要だ。」

「モモコ公国で彼らと接触するべきですね。」

私、ミスティ、アルベルトの両親やヒルダの叔父夫婦は、このように言って、交渉を進めつつ、強行策を取る「和戦両様」の構えを提案した。

 

 

「結論としては、和戦両様で、それぞれの方法で最高の成果を出せるように、あらゆる行動をしましょう。」

私の父が、今回の会談の結論を、そのようにまとめた。

 

こうして、ミスルギ皇国に対する最終的な手段や政策は、他のマナを使用している国や地域同様に、「和戦両様」の方針が決定された。

 

 

そして、更なる外交や宣伝攻勢を進めるため、私の誕生日である7月7日に、私達4人、すなわち、私とミスティ、アルベルトとヒルダが「恋人宣言」をすることが決定されたのだ!!

「いいのかい、君達はこれで?」

ローゼンブルム国王は私達4人に尋ねた。

 

「はい、お願いします。死ぬまで、いや、死んでも、寄り添います!!」と、私達4人は、はっきりと親族や会談の出席者に宣言した。

 

この時から、私達4人には、本当の「恋愛感情」が芽生えていったのだ。

 




 今回は、マナの廃止に向けたローゼンブルム王国の戦略ストーリーの始めの段階を書いてみました。

次回は、「宇宙医科大学校のエピソード」についてです。
この内容は、今後も何度か出てきます。
青年として、淑女として成長していくのですから、当然ですよね。
本当の「恋愛感情」が芽生えた『黄金のタッグチーム』の私達4人はどのような運命が待っているのか?

次回をお楽しみに。
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