クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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 小学校を卒業した「黄金のタッグチーム」の4人が「宇宙医科大学校」に入学して医師を目指しはじめた矢先の2110年5月5日、王宮の襲撃事件に巻き込まれ、否応なしに国家間、地域間の対立に巻き込まれてしまった私達4人や同期生たち。

王宮襲撃事件の戦闘に参加、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与され英雄視された私達4人。
その翌日に、後に歴史的な会談と言われるようになる会談に参加、ミスルギ皇国などのマナを使用する国家や地域に対する「和戦両様」の方針が決定された。

アンジュリーゼやサラマンディーネらが留学生として入学することになり、私達や同期生らは、多くの特権すら与えられ、更なる発展と大きな歴史の流れに翻弄される。
私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係はどう発展するのか?
本当の恋の行方と驚きのサプライズが??

今回は、黄金のタッグチームらの宇宙医科大学校の学生達の生活やエピソードを紹介します。



第13話 宇宙医科大学校のエピソード_その1

 2110年5月10日。

久しぶりに、「黄金のタッグチーム」である私達4人、私ことリデルとミスティ、アルベルトとヒルダは、「休み」が与えられた。

 

我々「宇宙医科大学校」は、入学と同時に学生全員が「宇宙軍の予備下士官」として採用されるので、5月5日の「王宮襲撃事件」の戦闘と、その後の4日間は軍務扱いで過ごしたのだ。

その間は、「完全武装」にて、「24時間の交代警備」「治安パトロール」などを実施した。

もっとも、5月6日のTV出演や、夕方からの「歴史的な会談」などは広報活動や政府関係活動であったので、「軍務扱い」にはなっていたものの、決して楽なものではなかった。

 

私達4人を含めて、「宇宙医科大学校」の学生は、一応、即応予備役扱いになるので、ある程度の待遇はあるが、それでも基本的な手当は、2万円/月の予備役手当と、訓練招集などでは1~1.5万円/日の招集手当である。

こんな状況と待遇で「命を投げ出す覚悟」が要求される立場とは。

とほほほほほ・・・・。(涙目)

 

だから、今回の功績により、宇宙軍の予備下士官の他に、陸海空軍と海兵隊、統合軍の予備下士官に特別枠で入れるのは、たとえ、それぞれの手当などが「雀の涙」レベルの手当であっても、私達にとっては本当に嬉しかったのだ。

特に、統合軍の給与や各種手当は、現役の軍人だけではなく、予備役でも宇宙軍と並んで待遇が良いので、大変嬉しく、そして有り難いものなのだ。

 

もっとも、私達4人を含めて、宇宙医科大学校の学生には、学生手当や、訓練手当、資格取得手当などがあり、衣食住や障害保険等は全員無料であるので、他の一般大学の学生よりは恵まれていることは間違いないのであるが。

 

 

 5月10日の朝。

昨夜は深夜まで勤務した関係で、宿舎に泊まった私達4人は、朝6時に食事をした後で一旦は談話室に戻った。

やはり、疲れやストレス解消をするためにも、ゆっくり、おしゃべりでもしたいからな。

 

そこで待っていたのは、何とマギー教官(本名マギー・ヒイラギ)と、有名なプロデューサーで、私達4人の師匠でもあるケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏だったのだ!!

あれ??今日は撮影もTV出演も、他の仕事もなかったはずでは??

 

「やあ、おはよう。黄金のタッグチームの皆さん。」

ケマル・縁部理桜氏が、驚いた私達を迎えて挨拶をした。

「おはようございます、プロデューサー。本日は如何されたのですか?」

私は尋ねた。

「お身体の具合でも悪いのですか?」

 

「いや、そうではないよ。少々やぼな用事でね。

これから東京に行かなければならないのだ。

東京秋葉原でµsという9人のスクールアイドルグループとか、仙台で活動するWUGというアイドルグループと接触してくるよ。

それでは皆さん、また宜しく。」

ケマル・縁部理桜氏は、次の用事のためにここを立ち去った。

 

 残されたマギー教官は、ひとりで何か考え事をしているかのように、座席に座っていた。

マギー教官は、私達4人のクラス担任の女教官でもある。

私達4人のクラスは1組で、このクラスは、別名「特異な人材の集まり」とか「特異点」とか呼ばれている。

留学生も最優先で1組に廻されるので、アンジュやサラなども1組の所属になる。

ワープ航法の「特異点」??

そんなに異端なクラスなのか??

 

「ああ、おはよう。君達もご苦労さんだね。」

マギー教官は言った。

疲れた顔はしていないようだが、どうも変に感じるところがある。

「君達もいよいよ、大人の仲間入りか。既に戦闘も経験したし、あとは別の経験をすれば、本当に大人だね。」

 

「別の経験とは、何の経験ですか?」ミスティが、いつもの笑顔で真剣に尋ねた。

まずい、ミスティが暴走しないように、会話をコントロールしなければ。

 

「・・・・。ええーと、その・・・。つまりだな、恋愛経験とか、ここは医科大学校だから、人間の肉体の観察眼や診察眼も鋭く持たなければならないのだ。

だから、これから授業でも、そのような経験も沢山積んで、早く一人前にならなければな。」

何となく、歯切れの悪い返事をマギー教官は返した。

いつもの歯切れの良いマギー教官とは、明らかに違う。

 

「そうですよね、人間の肉体の観察眼や診察眼も鋭く持たなければならないですよね。」

ヒルダはその言葉を、敢えて復唱するかのように、ニコニコしながら強調して返す。

ヒルダ、本当の意味、分かっているの??

やはりミスティよりヒルダの方が、女性の勘所は良いようだ。

 

「うん、その通り、その通り。女性として、恋愛経験も大事だぞ。」

マギー教官は力を込めて言った。

「リデル君にアルベルト君。君達ならば、どういう口説き方をする?」

話題が吹っ飛び過ぎだよ、マギー教官。

 

「私ならば、『おー、ドラマティック!! 君に出会うために私は生まれてきたのかもしれない!!』、と言いますね。」

私は答えた。

 

「僕なら、『君は僕の太陽だ!! 僕は君を守る騎士だ!!』、と言いますね。」

アルベルトは答えた。

 

マギー教官はそれを聞いた後、本当に顔を真っ赤に染めて、「うん、良い言葉だね。」と言って、俯いてしまった。

まさか、のろけたの??

 

後に私達4人は、この時、マギー教官が「のろけた理由」を知ることになる。

 

 

 2110年6月1日。

海や山、植物などの写生や撮影の季節だ。

ところが、この「宇宙医科大学校」では、医者の養成を目的にしている関係で、人間の肉体の観察眼や診察眼も鋭く持たなければならないので、芸術でも特別な授業をしていた。

絵の分野では、「写実主義」を採用しつつ、「印象派」的な面も大切にしていた。

 

医者だから、当然、患者の身体の状態を観察しなければならない。

だから、生徒は交代で、モデルをこなし、観察眼を養うのだ。

ところが、毎度毎度、問題になる事がある。

モデルの人選と、それを描く人の問題だ。

 

例えば、「検体」観察は、それはそれで良いし、問題はない。

だが、生身の人間となると、話は違う。

 

毎回モデルを外部から雇うのも厳しいものがある。

宇宙医科大学校は決して、毎回ヌードグラビアを飾れる雑誌社のような体質や業種ではない。

(その手の方々は、芸能界や別の業界での需要がある。)

 

だから、モデルの人選が必要になるのだ。

私達4人のクラスでは、選択科目として「肉体美の観察」があり、科目を選択した生徒の中から、クラス長のゾーラ・アクスバリ女史と、オスプレイ・山田氏がまずモデルをすることになった。

 

 ちなみに、選択科目を選択した生徒は、全員、何らかのモデルをすることになっている。

特に、ヌードや芸術性の高い過去の名画や彫刻作品を基にした作品は、モデルには100点満点が与えられ、描いた生徒にも高い評点が与えられるので、皆、必死なのだ。

 

その一方で、この人をモデルにと推薦指名した生徒は、指名した生徒のモデルを何でもしなければならず、例えば、ある女性生徒をヌードモデルにと推薦指名をする男子生徒は、自分も、推薦指名した女性生徒のヌードモデルにならなければならない。

更に、推薦指名の経緯や理由なども全て記録され、その写生の様子やモデルも動画や画像に収められる。

これは、宇宙医科大学校の発行する性教育や青少年の育成の参考資料、医学書、各種パンフレット等にも使用される。

だから、「選択科目」になっているのだ。

 

 私のクラスでは、必要な最小限の生徒は6人、クラス長のゾーラ・アクスバリ女史と、オスプレイ・山田氏、あと4人は最低でも必要だった。

そこで、「黄金のタッグチーム」は、相互にモデルになることで、選択科目の実習授業を受けることにした。

 

私達4人には、時間と成績、両方とも大切なのだ。

特に、政府広報などの撮影や政府系の活動等で、他の生徒に比べて時間的に余裕がないので、短時間で確実に「成績が取れる」ものを選択するしか方法が無かったのだ。

当然の事だが、私とミスティ、アルベルトとヒルダの組み合わせで。

 

そして、隣のクラスである2組では、希望者が4人しか集まらなかったので、1組と2組と合同での「選択科目」として、「肉体美の観察」の実習授業を受けることになった。

2組は、クラス長で私達より6歳年上のエルシャ女史(本名エルシャ・リンドス)とアレクトラ・フォン・アタチュルク氏、そして、私達と同じ年齢のロザリー(本名 ロザリアス・ロルカ)とジョージ・ルイス氏の4人が参加した。

 

特に、エルシャは「4次元バスト」を持ちスタイルも良く、お母さん的な性格をした人で、子供達の育成や慰問支援でも、非常に子供達から慕われる人である。

当時、ミスティやヒルダが、「エルシャさんのような体格になりたいなあ。」とあこがれていたのを良く覚えている。

 

 

 1ヶ月かけて、この選択科目を受講し、全員100点満点の評点を得た。

そして、この選択科目には、一つの成果と、一つの笑い話がある。

 

 成果とは、やはりモデルになったそれぞれのペアの関係が非常に親密になっていったことだろう。

例えば、私とミスティでは、私は有名な彫刻である「考える人」のモデルを全裸で行い、ミスティは「ミロのビーナス」を元にモデルをしてもらった。

 

それぞれ、モデルになるのも描くのも難しい面がある。

授業を受ける部屋はエアコンもしっかり取り付けられ、温湿度も管理できる部屋だが、それでも時々、寒暖の差を感じてくしゃみをする時もあった。

また、ミスティがミロのビーナスのモデルをした時は、下半身だけに綺麗に布を巻き付けるのは非常に難しく、結局のところ全裸でモデルをしてもらったのだ。

 

その結果だが、「相互理解」はより深まった、と言える。

これは、本当だ。

 

 

 笑い話とは、この授業を「ヌードモデル撮影会」と勘違いしている人がいたことだ。

その人とは、アンジュとモモカ、サラとその取り巻きである。

何を考えているの?と、一度質問して、私はこう言った。

「撮影したいのならば、貴方もモデルになって下さいね。」

普通なら、ここで大人しく引き下がるだろう。

しかし、そうはいかない方々だったのだ!!

 

アンジュは、こう言った。

「これは、高貴な貴族の屋敷に飾るための油絵を描いているのですね?

私にも描かせてください。そのためのヌードモデル撮影ですから、問題はないはずです。

おほほほほほほ・・・。」

アンジュリーゼよ、わざと言っていない??

全く常識のない皇女殿下だ。

頭が痛いよ。

その後、アンジュはタスクとペアを組み、選択科目として「肉体美の観察」の授業に参加した。

 

モモカは、非常に興味津々の顔をして、こう言った。

「アンジュリーゼ様が言うことは正しいから、単なるヌードモデル撮影です。

だから問題はないはずです。」

あんた、思考力が無いのでは?

それに、タダのヌードモデル撮影など存在しないよ、モモカ。

もっと社会的な常識を勉強して下さい。

その後、モモカはラファイエルとペアを組み、選択科目として「肉体美の観察」の授業に参加した。

 

サラは本当に真剣な目つきと顔つきで、こう言った。

「これは性教育のための科目ではないのですか?」

ドクター・ゲッコー教官に身も心も毒されているな、サラマンディーネ様。

少なくとも、貴方様は非常に優秀なお方だ。

だから、もっと社会的な常識を勉強して下さい。

お願いします。

その後、サラはレオポルドとペアを組み、選択科目として「肉体美の観察」の授業に参加した。

 

サラの取り巻きは、こう言った。

「交尾の方法の実践教育は、何時ですか?

そのためのヌードモデル撮影ですから、問題はないはずです。」

ドラゴンの世界で是非実践して下さい、皆様で。

その後、ナーガはテルメと、カナメはレオナと、それぞれペアを組み、選択科目として「肉体美の観察」の授業に参加した。

 

つまり、私の追い返しに負けなかった者は全員、「肉体美の観察」の実習授業を受講した。

 

 

これらは全て、当の本人は真剣に聞いてきた事であるから、無知ほど恐ろしいものはない。

正に、喜劇的な笑い話だ。

 

 

 7月1日。

「5月6日の会談」で決まった通り、いよいよ、更なる外交や宣伝攻勢を進めるため、私の誕生日である7月7日に、私達4人、すなわち、私とミスティ、アルベルトとヒルダが「恋人宣言」をすることになり、その事前準備が開始された。

いよいよ、その時が近づいてきた。

 




 今回は、「宇宙医科大学校のエピソード」について書いてみました。
まだ大学校の1年生ですがね。

この内容は、今後も何度か出てきます。
大学校の学生として、青年として、淑女として成長していくのですから、当然ですよね。
本当の「恋愛感情」が芽生えた『黄金のタッグチーム』の私達4人はどのような運命が待っているのか?
次回は、「恋人宣言」をする私達4人。
劇的な変化や心境の変化が訪れます。

次回をお楽しみに。
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