クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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小学校を卒業した「黄金のタッグチーム」の4人が「宇宙医科大学校」に入学して医師を目指しはじめた矢先の2110年5月5日、王宮の襲撃事件に巻き込まれ、否応なしに国家間、地域間の対立に巻き込まれてしまった私達4人や同期生たち。

王宮襲撃事件の戦闘に参加、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与され英雄視された私達4人。
その翌日に、後に歴史的な会談と言われるようになる会談に参加、ミスルギ皇国などのマナを使用する国家や地域に対する「和戦両様」の方針が決定された。
その際に、同年の7月7日、私ことリデルの誕生日パーティーにて、私とミスティ、アルベルトとヒルダの恋人宣言が発表されることになった。

私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係は今後、どう発展するのか?
本当の恋の行方と驚きのサプライズの参加が??

今回は、黄金のタッグチーム4人などの、恋人宣言までのドタバタ劇です。



第14話 ラグナメイルで異世界の戦闘後に恋人宣言

 2110年7月7日。

「黄金のタッグチーム」である私達4人、私ことリデルとミスティ、アルベルトとヒルダは、未だ夜が明けきらない時間に、王宮の1階に集合していた。

もっとも、ミスティが機転を利かせてくれて、昨夜は4人とも王宮で宿泊させて頂いたのだ。

 

1階の集合場所で待っていたのは、何とマギー教官(本名マギー・ヒイラギ)と、有名なプロデューサーで、私達4人の師匠でもあるケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏だったのだ!!

あれ??やはりそうなのか??

 

「やあ、おはよう。黄金のタッグチームの皆さん。」

ケマル・縁部理桜氏が、驚いた私達を迎えて挨拶をした。

「おはようございます、プロデューサー。マギー教官。」

「お身体の具合でも悪いのですか?」と、わざと私が尋ねた。

マギー教官は誕生日パーティーに出席することにはなっていたが、「恋人宣言」イベントそのものに出席するとは、この時点では私達4人は知らなかったのだ。

 

「いや、そうではないよ。それでは皆さん、今日は宜しく。」

ケマル・縁部理桜氏は、TV局などの中継スタッフとの打ち合わせのためにここを立ち去った。

 

残されたマギー教官は、ひとりで必死に何か考え事をしているかのように、座席に座っていた。

「ああ、おはよう。君達も今日は大きな山だね。」

マギー教官は言った。

興奮した、というより、高揚した雰囲気がみなぎる。

「君達もいよいよ、殿堂入り?

たいしたものだね。」

「殿堂入りとは、どのような事ですか?何か表彰でもされるのでしょうか??」

ミスティが、いつもの笑顔で真剣に尋ねた。

いつもながら、本当に天然ボケもすごいよ、ミスティ王女様。

 

さすがに、私はこう言った。

「ミスティ、ここまで来たら、もう少し察してあげようよ。

マギー教官がどのようなお立場なのかをね。」

 

「しょうが無いじゃない、リデル。王女殿下は何事も正直で真っ直ぐのお考えだから。」

ヒルダが冷やかす。

「そろそろ、ミスティと『殿堂入り』して指輪交換する時期やタイミングを考えたら??

うふふふふ。」

 

この言葉にすぐに反応したのは、ミスティではなく、マギー教官だった。

「『殿堂入り』して指輪交換する時期やタイミング、かあ・・・・。

考えなきゃ。」

ああ、やっぱりね。マギー教官もその辺の事を考えているのか。

 

 

「リデル君にアルベルト君。君達ならば、恋人宣言時にどういう口説き方をする?」

話題が本日も全力で吹っ飛び過ぎだよ、マギー教官。

 

「私ならば、『正に君は美の女神、宇宙のオンディーヌ、ミロのビーナスそのものだ!!

おー、ドラマティック!! 君に出会うために私は生まれ、生きてきたのかもしれない!!』、と言いますね。」

私は答えた。

 

「僕なら、『ジークフリートがクリームヒルトを愛し守ったように、ヘルメスがアフロディーテを愛し守ったように、僕は何時も君を愛して君を守る!! 

君は僕の太陽だ!! 僕は君を守る騎士だ!!』、と言いますね。」

アルベルトは答えた。

 

マギー教官はそれを聞いた後、また本当に顔を真っ赤に染めて、「うん、良い言葉だね。」と言って、俯いてしまった。

まさか、またのろけたの??

 

後に私達4人は、この時、マギー教官が「更なるのろけた理由」を知ることになる。

 

 

 その時だった。

緊急招集のサイレンが鳴り響き、私達4人のラグナメイル携帯通信に通信が入ったのだ!!

 

「緊急招集だ!!直ちにラグナメイルに搭乗、出撃後、ドラゴン世界の王宮を警備警戒せよ!!」

佐藤大助司令の直々の命令が飛ぶ。

ケマル・縁部理桜氏も今や軍属扱いだ。

すぐに彼に連絡を入れた。

「ラグナメイルに乗って戻ってきてね。空間と時間の調整をすること!!」

とケマル・縁部理桜氏は言った。

 

 

1組からはクラス長のゾーラ・アクスバリ女史と、オスプレイ・山田氏、「黄金のタッグチーム」である私達4人、私ことリデルとミスティ、アルベルトとヒルダ、アンジュ、モモカ、サラとその取り巻き5人、そしてタスクが出撃した。

ドラゴンの世界で案内人が居るのは嬉しい。

 

2組は、クラス長で私達より6歳年上のエルシャ女史(本名エルシャ・リンドス)とアレクトラ・フォン・アタチュルク氏、そして、私達と同じ年齢のロザリー(本名 ロザリアス・ロルカ)とジョージ・ルイス氏の4人が出撃した。

 

何となく、「選択科目として「肉体美の観察」授業」で縁が出来た連中だけ出撃したのは、何かの偶然か??

 

 

 ちょうどその頃。

ドラゴンの世界では、5月5日のローゼンブルム王国の王宮襲撃事件で捕まり、ドラゴンの世界に送り込まれて取り調べを受けていたミスルギ皇国の近衛長官リィザ・ランドッグが脱走し、共に襲撃に加わり脱走した愚連隊やヤクザな連中らと共に、ドラゴンの世界のパラメイルに乗り、王宮にテロ攻撃を仕掛けようとしていた。

 

そこで信じられない光景を目にした。

王宮を守っていたのは、自分のかつての部下であった近衛兵らであったことだ。

「クソ、なんてことだ!!裏切り者め!!」

リィザ・ランドッグは、自分の立場すら忘れて吐き捨てて言った。

「王宮を襲撃して人質や金品を奪い、ミスルギ皇国に帰ろうとしていたのに・・・・・!!(怒りの顔)」

 

 

―――――――――回想――――――――――

 

 

 リィザ・ランドッグは、ドラゴンの世界の出身だが、サラなどの「表のドラゴン」とは違い、元々は西洋魔術の世界を取り仕切る役割を担う「裏」のドラゴン族、「ドラク族」の出身だった。

21世紀に、彼らから見れば「もう一つの地球」のEURO崩壊、経済の混乱からEU崩壊を目の当たりにしたドラク族は、このままでは居場所も活躍の場も無くなると、相当無理な活動を始めた。

 

「君がマナの世界を作る協力をするならば、ミスルギ皇国の皇帝側近の地位、近衛長官の地位を用意するよ。」

2090年に円鰤夫(エンブリヲ)と交わした約束で、リィザ・ランドッグはジュライ皇帝の部下に推薦され、2095年には側近中の側近、近衛兵らにて皇族やその施設を守る責任者、近衛長官の地位に就いた。

 

「近衛長官の地位を最大限に利用してやる!!」

彼女は、文字通りその野心を爆発させた。

猟官運動、皇帝の名を借りた側近らの粛清、政治家や官僚のへの人事や政策などへの介入、出身ドラゴン族であるドラク族への「違法な資金や情報の横流し」も続けた。

 

もちろん、皇族の側近である以上、忠誠心を示して実績を作らなければならない。

そのために、わざと流れ者や薬物中毒患者を「暴漢」にして皇族を襲わせ、自らが怪我を負うことまですらも、何度も演出した。

 

その「高い忠誠心」が評価されたために、ジュライ皇帝やソフィア皇后だけではなく、ミスルギ皇国皇太子であるジュリオ・飛鳥・ミスルギまでもが彼女にメロメロになり、何でも任せられると、厚い信頼を寄せるようになった。

 

だから、皇族の行いの裏側までも熟知するようになり、ノーマの取締と称して発砲や射殺まで容認する非道な政策や、2105年の「ミスティ王女への事故を装ったテロ事件」や、2110年の「ローゼンブルム王国王宮襲撃事件」などを皇帝の指揮の下で引き起こせたのだ。

 

 

 その一方で、2103年頃から、ミスルギ皇国の経済や社会の疲弊は徐々に深刻なものになっていった。

さすがの皇族や近衛長官もその悪影響から逃れることは出来ず、ケマル・縁部理桜氏のプロデュースした番組にジュライ皇帝やアンジュリーゼも出演するなどの「副業」をしなければならなくなっていった。

 

また、マナのエネルギー源「ドラクニウム」が、2100年にローゼンブルム王国が日本連邦の一部に編入された頃から入手量が次第に減少、その影響で2103年頃からのインフレ傾向が顕在化、次第に日本連邦の製品や通貨が「マナ」の代わりにミスルギ皇国の通貨扱いされていったのだ。

なにしろ、日本連邦との為替インフレ率が年1000%を超える事態は、破産国であることの証明に他ならない。

 

特に、2110年の今年は経済や社会の疲弊が深刻化、年明けの1月より皇国の政府閣僚や近衛兵ですら、給与の遅配がはじまり、5月にようやく1月分の給与が支払われた程の悪状況に陥っていた。

 

「このままでは飢え死にだ!!」

「俺、近衛兵を辞めたい!!」

「近衛長官、なんとかならないのですか??」

皇族やその関連施設を守る、忠誠心の高い近衛兵ですらからも、このような不満の声が聞かれるようになった。

 

 経済や社会の停滞は、国家財政の悪化につながり、近衛長官の給与すら遅配される事態には、さすがのリィザ・ランドッグにとっても、深刻な打撃になっていった。

最初はドラク族への「違法な資金や情報の横流し」の一部をつまむ程度で済んでいたが、

2110年には、年明けからはドラク族への「違法な資金や情報の横流し」が出来なくなり、自分自身の警護の人員確保どころか、自分の生活費すら、給与などの人件費カットで厳しい状況に置かれていた。

 

そのような時、2110年5月1日、円鰤夫(エンブリヲ)は大量のお土産を持って、リィザ・ランドッグを訪ね、こう言った。

「新しい世界を作りたい。アンジュリーゼが訪問するタイミングを狙って近衛兵などをローゼンブルム王国の王宮を襲撃させるのだ。ジュライ皇帝にも話は通している。

協力してくれ。」

「はい、わかりました。」

その日は、1日中、朝から深夜まで、文字通り円鰤夫(エンブリヲ)の相手をし続けたのだ。

 

そして、5月5日、襲撃部隊を集めて絶叫し士気を鼓舞、潜水母艦「ローレライ」など3隻に分乗搭乗してローゼンブルム王国に上陸、ローゼンブルム王国の王宮を襲撃したのだった。

 

 

―――――――――回想おわり――――――――――

 

 

「最早、これまで。王宮を襲撃して人質や金品を奪い取れ!!」

「おう!!」と、共に脱走した愚連隊やヤクザな連中らが応じる。

彼らは全員、既に「死刑」の判決を受けていた連中だ。

 

そこへ、「金品などを満載した車両の車列」が王宮より出てきたから、彼らの目はそちらへ集中する。

「あれを襲え!!」

「金品はお望み次第だぞ!!」

次々と、車両を襲い金品などを奪う襲撃者たち。

 

当然、護衛や近衛兵らが応戦し、銃撃戦が始まった。

 

 

 そこへ、「黄金のタッグチーム」である私達4人などのラグナメイル部隊が到着、近衛兵らを支援する。地上には、機銃やミサイルにて攻撃していった。

 

「対地支援能力が足りない!!」

私は、この戦闘で初めて、ラグナメイルの「細かい地上目標」に対する精密攻撃能力不足を痛感した。

「収斂時空砲(しゅうれんじくうほう)」だけでは攻撃威力が大きすぎて、今回のような敵味方が入り乱れる状況では駄目だ。

そして、護衛の大小のドラゴンや王宮の護衛ラグナメイル部隊も戦闘を支援してくれたので、ようやく戦況は有利になっていった。

 

その後、襲撃部隊のパラメイルとの空中戦が開始された。

 

「空中戦体制!!デルタ型編隊で敵に突っ込め!!」

1組のクラス長、ゾーラ・アクスバリ女史と、オスプレイ・山田氏が命令を下す。

「イエス・サー!!」

「イエス・マム!!」

そして、機銃やミサイル、銃剣付きのビームライフルなどで交戦する。

私達のラグナメイルは、性能や機能が、サラのラグナメイルに倣った仕様になっているのだ。

敵のパラメイルは我々の戦闘によって、次々に撃墜されていった。

 

そこで、我々は戦闘機形態「フライトモード」から、人型の駆逐形態「アサルトモード」に機体を操作、空中白兵戦を戦った。

「最後の1機だ!!逃がすな!!」

リィザ・ランドッグが搭乗する機体だ。

 

「黄金のタッグチーム」である私達4人と、それに追随したサラ機、アンジュ機が続く。

サラ機より通信が入った。

「ドラゴンも包囲捕獲に加わりました。取り押さえましょう。」

 

そして、それから3分後。

リィザ・ランドッグが搭乗する機体は取り押さえられ、身柄も確保された。

 

 

空中戦闘は10分、地上戦闘を含めても30分で終了した。

 

「皆様、大活躍でした。誠に有難うございます。」

ドラゴンの世界での最高位である大巫女様が、私達を含めて、全ての戦闘参加者に感謝の言葉を述べた。

 

「日本連邦、ローゼンブルム王国へのお礼とこれまでの支援に感謝の意を示すため、「金品などを満載した車両の車列」を出して、そのままローゼンブルム王国へ送るところでした。

そういえば、本日7月7日はリデル様のお誕生日。

本当におめでたい日です。

すぐにドラゴンの輸送支援も含めて、ローゼンブルム王国の王宮へ運びましょう!!」

 

時計を見ると、時刻は午前5時前。

十分間に合うな。

 

 

 

 王宮の前の庭園に、金品などを満載した車両の車列を運ぶ大小のドラゴンの輸送と護衛、ドラゴンの世界の護衛ラグナメイルの先導の後、我々のラグナメイル部隊が次々に帰還した。

その迫力ある様子は、正に3DのRPGファンタジーゲームの如く、王宮の関係者やTVなどのメディアに中継しているレポーターなどの度肝を抜く威力があった。

 

到着後、直ちに補給や整備の部隊員が駆け付けて、補給や整備を開始してくれた。

本当に有難う!!

また、輸送部隊や警備部隊は、ドラゴンの世界よりお礼として頂いた金品などの輸送や保管業務を開始していた。

 

当然のことながら、内外のメディア関係者や記者らは、興奮しながら必死にその様子を中継したり、取材をしたりしていた。

彼らの過熱した報道を見ると、私の誕生日パーティーは、もう、どうでも良いのかな??

とも思えた。

 

 

 

 7月7日、午前10時。

私こと、リデル・田中の誕生日パーティーが王宮で開始された。

 

私とミスティが、一番先頭で、共に会場内に入り、歩き始めた。

私を含めて、男性は皆、タキシードを着ていた。

女性陣は、それぞれの一番似合うドレスや衣装を着ていた。

そして、全員、ドラゴンの世界の最高勲章、龍一等ダイヤモンド章を身につけていた。

 

並んだ順に、私とミスティ、アルベルトとヒルダの、2組のカップル、「恋人達」だった。

ここまでは、シナリオ通りだ。

その後に続く方々がいるとは、この時まで、全く知らなかったのだ!!

 

3番目には、なんとケマル・縁部理桜氏とマギー教官だった!!

4番目には、タスクとアンジュ、5番目にはレオポルドとサラ、というように、はっきり言えば、今日の戦闘参加者同士のカップリングを中心に「恋人宣言」をすることになったのだ!!

これも、ケマル・縁部理桜氏の「サプライズ企画」だった。

 

 

そして、全てのカップル、「恋人達」が入場した後、登壇したケマル・縁部理桜氏は、自信たっぷりに、「恋人への詩」と題する詩を朗読した。

 

『正に君は美の女神、宇宙のオンディーヌ、ミロのビーナスそのものだ!!

おー、ドラマティック!! 君に出会うために私は生まれ、生きてきたのかもしれない!!』

『ジークフリートがクリームヒルトを愛し守ったように、ヘルメスがアフロディーテを愛し守ったように、僕は何時も君を愛して君を守る!! 

君は僕の太陽だ!! 僕は君を守る騎士だ!!』

 

ケマル・縁部理桜氏は、その甘いマスクと声で、なめらかに詩を朗読した。

あのー、もしもし? その台詞は、私とアルベルトの言葉を繋ぎ合わせたものでしょう??

そうか、マギー教官はこの台詞を吐かれて、ケマル・縁部理桜氏に口説かれたのか。

 

 

こうして、『黄金のタッグチーム』の私達4人は「恋人宣言」をした。

そして、その反響の大きさと環境の変化は、「恋人宣言」直後から身に染みて理解することになる。

 




 今回は、本当の「恋愛感情」が芽生えた『黄金のタッグチーム』の私達4人は、戦闘後に「恋人宣言」をしました。

今後は、更なる環境の劇的な変化や心境の変化が訪れます。
次回は「恋人宣言をした直後」です。
兄弟のように暮らしていた私達4人は、更なる仲間を得た一方、内外の情勢変化にも影響を与え始めます。

次回をお楽しみに。
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