クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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原作では、内容が濃いにも関わらず、重要なポイントが抜け落ちていたり、放送時間や作成時間の制約、作画のミス、アルゼナルの解説不足があったりするなど、悲しい点も多く目立ちます。
例えば、アルゼナルの「闇物資」の調達方法とか、アウローラをどうして維持管理していたのか、エンブリヲの謎など、数多くの疑問点があります。

本作品では、原作の未解明部分にも光を当て、なるべくキャラは死なせたくない、ノーマの置かれた状況などを向上させる、などを行っております。
内容を更に充実させて早く25話を突破したい、と考えております。


2110年5月5日、王宮襲撃事件の戦闘に参加、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与され英雄視された私達4人や同期生たち。
その翌日に、後に歴史的な会談と言われるようになる会談に参加、ミスルギ皇国などのマナを使用する国家や地域に対する「和戦両様」の方針が決定された。
その際に、同年の7月7日、私ことリデルの誕生日パーティーにて、私とミスティ、アルベルトとヒルダの恋人宣言が発表されることになった。

当日の未明、招集されドラゴンの世界で王宮などを守る戦闘に参加、無事に帰還し、
王宮で「恋人宣言」をした。
恋人宣言したカップルの中に「サプライズ」があり、まさかマギー教官が有名なプロデューサーで、私達4人の師匠でもある、ケマル・縁部理桜氏の恋人とは驚いた。

恋人宣言をした私達は、文字通り「世間の注目の的」になってしまった。
一方で、その成果を妬んだ連中が、大胆にも大きな妨害工作をしようと陰謀を進めようとします。

恋人宣言をした私達は、どうなるのか?
私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係は今後、どう発展するのか?
今回は、国際情勢の「動かす一翼」になり、敵対勢力からのテロ攻撃への対応など、恋人宣言をした私達のその後の運命などを描きます。



第16話 恋人宣言の反響の大きさとテロ攻撃の激化で大忙し

2110年7月7日の夕方。

 

私が、ローゼンブルムの王宮内で、生まれて初めてミスティを『お姫様だっこ』をして抱きかかえてしまった頃。

 

ローゼンブルム迎賓館では、日本連邦外務大臣の志木田茂雄氏、日本連邦国防総省の中谷元雄大臣、大統領府の主席補佐担当大臣で私の父である田中隆男、ドラゴンの世界から訪問した、国防大臣でサラの父親であるアップルディーネ、巫女でサラの母親でもあるレモディーネ、ローゼンブルム国王、ローゼンブルム王国の首相ピエモンテ・マンシュタイン氏、そしてローゼンブルム方面司令官の佐藤大助大将が緊急会談を行っていた。

 

「ミスルギ皇国近衛長官リィザ・ランドッグを釈放せよ、と、別世界ながらも、裏のドラゴン族とも言われるドラク族から再三の恩赦や特赦請求が来ているのです。

応じざるを得ません。」

レモディーネが言った。

 

「何故、今頃になって彼女を釈放せよ、恩赦や特赦請求との声が出る理由は?」外務大臣の志木田茂雄氏が尋ねた。

 

「お金と、あなた方の地球での勢力圏のためですよ。

ミスルギ皇国近衛長官リィザ・ランドッグは、近衛長官に就任以来、職権乱用の限りを尽くして、自分の出身世界のドラク族に、金や情報を際限なく与えてきたのです。

その金額は、ミスルギ皇国の窮状を救うレベルの金額です。」

レモディーネが答えた。

 

「釈放後、リィザ・ランドッグを彼らはどうするのですか?」外務大臣の志木田茂雄氏が、いぶかしげに、再度尋ねた。

「ゲルマン系や西洋魔法などの拡大のために利用したい模様です。

そうなると、彼女の次の目標はミスルギ皇国よりは、むしろ第一目標はエンデラント連合になりますね。」

「それは朗報ですな。」

勿論、これこそが「国益での利害の一致」である。

 

「ミスルギ皇国は、我が国にとっては、脅威そのものです。

彼らの再三のテロや水面下での攻撃は、断固として対処してきましたが、彼らの国力の向上は、どのような事であっても見過ごせません。」

国防総省の中谷元雄大臣は、厳しく指摘した。

 

「彼らの「マナ国家群」は、表面上の軍事戦力はともかく、検疫官やその組織の連中の行いは、昔の旧ソ連の秘密警察やKGB、ナチスドイツ時代のゲシュタポ以上の凶悪なものです。

また、マナによる洗脳効果や思考力の低下は、近年のミスルギ皇国の全く一貫性のない外交やテロ行動などの言動、経済社会活動の停滞などにも表れています。」

 

「ドラゴンの世界でも即応軍などの各種即応部隊を編成しました。

何かあれば、こちらからも直ちに援軍を差し向けます。」

アップルディーネは支援を約束した。

 

「幸いにも、我がローゼンブルム王国内の防衛警備体制も強化が進んでいる。

日本連邦のアジア側とローゼンブルム本土を繋ぐ超高速リニア鉄道も海底トンネルルートと陸上ルートがそれぞれ複数ルートで開通している。

テロの対応力も万全だろう。」

ローゼンブルム王国の首相ピエモンテ・マンシュタイン氏は、自信を示した。

 

「しかしながら、油断は禁物ですぞ。」

大統領府の主席補佐担当大臣で私の父である田中隆男は、中谷元雄大臣と同様、厳しく指摘した。

「スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味や、各地の不満分子やテロ組織が動き出しているとの情報があります。それも、ミスルギ皇国の依頼を受けたと思われるのです。」

 

「緊急事態だ。テロなどの攻撃に対処するべく万全の体制を!!」

ローゼンブルム国王は、テロと戦う能力の強化を訴えた。

 

「現在の防衛体制は、ローゼンブルムの地域即応軍がようやく編成が終了したばかりです。

本格的な戦力向上には時間が掛かります。

日本連邦軍などの戦力の向上や新地域軍の編成も急がせております。」

ローゼンブルム方面司令官の佐藤大助大将が答えた。

 

動乱の時代が刻々と迫っていた。

 

 

 

 2110年7月12日。

「黄金のタッグチーム」である私達4人、私ことリデルとミスティ、アルベルトとヒルダを含む宇宙医科大学校1年生の1組と2組は、「アジア・ユーラシア視察」の最終日だった。

 

何しろ、ハードなスケジュールだった。

7月8日の朝に宇宙医科大学校を出発、途中の宇宙空港で「とくダネNEWS!」の番組に、中継で参加後、軌道エレベーターの視察を経てインドのコーチン、タイのバンコック、ベトナムのハノイを訪問して1泊したのだ。

 

7月9日には、ハノイから沖縄の那覇経由で、種子島と内之浦のJAXA発射場を見学後、名古屋と東京の関連施設を視察し、東京で9人のスクールアイドル「μ’s」との合同イベントに参加。

 

7月10日には、朝食後につくば市のJAXA施設で徹夜の訓練。

 

7月11日にはつくば市のJAXA施設に近い茨城空港を視察後、空港から仙台市の霞目飛行場に小型機で移動、仙台のアイドルグループ「WUG」との合同イベントに参加。

参加後、「WUG」と共に松島基地を慰問訪問して、そこから千歳空港経由でモスクワに移動、「星の街」と言われる宇宙関連施設の町で一泊した。

 

訪問した各地でも、7月7日の「恋人宣言」の反響が、極めて大きい効果があったことを肌身で感じた。

「お堅い職業」の私達に対して、どこでも握手を求めるファン(?)の集団がすごかったのだ。

 

同行しているケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏やマギー教官は、私達にこう言った。

「本当の人気者、世界の頂点を目指す人材とは、こうでなければならないのだよ。」

と、いつもの冷静な顔だったことが、今でも鮮明に覚えている。

さすが、大物は違うなあ。

私達もこうならなければ。

 

私にとっても、他の参加者にとっても、自分の周りや、そして世界が変わり始めたことを実感した瞬間だった。

 

 

 そして7月12日、イスタンブールまで移動してきたのだ。

 

 ここで、私達は大戦闘に巻き込まれた。

到着後、ラグナメイルの訓練をすると、事前にラグナメイルや戦闘ヘリ、戦闘機が待機している空軍と宇宙軍の基地に移動したのだが、そこで「緊急アラート」の非常警報が鳴った。

 

「すぐに搭乗、戦闘態勢!!」

駐留している日本連邦軍の各軍や同盟国のトルコ軍などが出動した。

私達も、ラグナメイルに搭乗、戦闘に参加した。

なんと、私達「宇宙医科大学校」の視察団ですら、1日で5回も出撃して戦闘に参加したのだ!!

 

 

 戦闘は、まるで、「エースコンバット」のごとく、イスタンブールの上空で敵の戦闘機やラグナメイル、パラメイルや無人機と空中戦や格闘戦(ドッグファイト)を繰り広げた。

もう、現代の戦闘は、文字通り、何でもありだ。

 

敵は対地ミサイルやロケット弾、手製の巡航ミサイルまで使用してきた。

勿論、21世紀以来の日本連邦軍の自慢である「ミサイル防衛網(MD)」も全力で機能し、

それらを全て撃墜し、基地や関連施設を破壊した。

イスタンブールに司令部を置く日本連邦軍海軍の第5方面護衛艦隊や、各軍の防空戦闘部隊なども戦闘に参加した。

 

 

 7月15日。戦闘は終結した。

今回の戦闘で、私達「宇宙医科大学校」の視察団ですら、通算20回も出撃して戦闘に参加した。

本当に激戦だった。

 

12日から15日まで、実質4日の戦闘は、今までのテロ攻撃や王宮襲撃戦闘などの経験とは全く別物であった。

軍隊では「予備下士官」である私達ですら、嫌というほど軍隊には「継戦能力」とはこのように大切なものだ、と理解するには充分な経験であったのだ。

 

日本連邦軍側やトルコ軍側なども全く損害が無かったわけではない。

それでも、港湾の一部の破壊と、イスタンブール周辺の基地や宿泊施設へのテロ攻撃くらいで済んだのは幸いだった。

イスタンブールとその周辺で、一般市民の人的被害を防げたのは不幸中の幸いだった。

 

しかし、戦闘での影響の大きさは、人的被害よりも、交通の要衝、アジアとヨーロッパとを結ぶイスタンブールでの戦闘は、むしろ空輸や海運などの物資輸送の混乱やその被害の方が大きかった。

現代社会の問題点、弱点を突かれたのも事実だろう。

 

 

 

 当然の事ながら、イスタンブールを攻撃した敵の正体の分析評価と、連邦軍などの対応も早かった。

敵は「ヨーロッパ統一戦線」を名乗っていたが、実態はヨーロッパなどのテロ組織の寄り集まりで、バルカン半島からガリア帝国の過激派集団に、各国の軍や諜報機関、犯罪組織の手先が支援していた武装集団であった。

 

当然の事ながら、日本連邦やトルコなどは、「ヨーロッパ統一戦線」を名乗っていた集団や、その組織が潜む黒海沿岸諸国、トルコ周辺国に厳しい対応を「要請」し、組織の壊滅をしなければ国家そのものを「テロ支援組織として壊滅させる」と声明した。

 

トルコの隣国のシリア、イラクやイラン、グルジアなど、アジア諸国を中心に各国は徹底した対応を行った。

しかし、バルカン半島のルーマニアはいい加減な対応であった。

ウクライナやモルドバもルーマニア同様の対応だった。

日本連邦や、その同盟国であるトルコなどは、これら3ヶ国を「仮想敵国」として、マナを使用している国家同様に敵視し始めた。

 

 

 

 7月16日、「黄金のタッグチーム」である私達4人、私ことリデルとミスティ、アルベルトとヒルダを含む宇宙医科大学校1年生の1組と2組は、「アジア・ユーラシア視察」を終えて、ようやくローゼンブルム王国の王都ジェノヴァに戻った。

 

これを待っていたかのように、7月16日の夜、ミスルギ皇国の皇都の近く、マルセイユ港から「大型のコンテナ船」が出港した。

そこには「一般貨物」としていたラグナメイルやパラメイル、無人機、ヘリ、V/STOL機、各種の武器弾薬などが大量に入れられていた。

また、金塊50tや各種機密や秘密に分類された書類や記録類もあった。

 

それに乗った者達は、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味であった。

 

これから、彼らは、どこで何をするのか??

 

 




 スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味が大胆にも、ローゼンブルム王国や日本連邦、そして「黄金のタッグチーム」である私達4人などへ、大きな破壊や妨害工作をしようとします。
しかし、これが、ミスルギ皇国などの「マナを使用している国家や地域」にとって、とんでもない、意図しない方向へ国際情勢を大きく揺るがす事態になります。

次回をお楽しみに。
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