クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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本作品では、今後、原作の未解明部分や具体性のなさにも光を当て、なるべくキャラは死なせたくない、ノーマの置かれた状況などを向上させる、具体的な地名や想定された状況などを表現する、などを進めたいと思います。


2110年5月5日、王宮襲撃事件の戦闘に参加、「黄金のダイヤモンド・タッグ」の称号を授与され英雄視された私達4人や同期生たち。
その翌日に、後に歴史的な会談と言われるようになる会談に参加、ミスルギ皇国などのマナを使用する国家や地域に対する「和戦両様」の方針が決定された。
その際に、同年の7月7日、私ことリデルの誕生日パーティーにて、私とミスティ、アルベルトとヒルダの恋人宣言が発表されることになった。

当日の未明、招集されドラゴンの世界で王宮などを守る戦闘に参加、無事に帰還し、
王宮で「恋人宣言」をした。
恋人宣言をした私達は、文字通り「世間の注目の的」になってしまった。
一方で、その成果を妬んだ連中が、大胆にも大きな妨害工作をしようと陰謀を進めようとし、
「アジア・ユーラシア視察」の最終日の7月12日に、イスタンブールで大規模な戦闘に巻き込まれ、16日までに通算20回も戦闘に参加した私達「宇宙医科大学校」の1年生。


7月16日にようやく私達は、ローゼンブルム王国の王都ジェノヴァに戻った。

これを待っていたかのように、7月16日の夜、ミスルギ皇国の皇都の近く、マルセイユ港から武器などを大量に積載した「大型のコンテナ船」が出港した。
それに乗った者達は、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味であった。

彼らが大胆にも、ローゼンブルム王国や日本連邦、そして「黄金のタッグチーム」である私達4人などへ、大きな破壊や妨害工作をしようとします。
しかし、これが、ミスルギ皇国などの「マナを使用している国家や地域」にとって、とんでもない、意図しない方向へ国際情勢を大きく揺るがす事態になります。

私とミスティ、アルベルトとヒルダの関係は今後、どう発展するのか?
国際情勢の「動かす一翼」になり、テロ攻撃への対応など、恋人宣言をした私達のその後の大きな決断などを描きます。



第17話 ガッポリーネの懺悔と投降

 2110年7月16日の夕方。

 

 

日本連邦の自治国家ローゼンブルムの王都ジェノヴァにある、ローゼンブルム方面司令部では、司令官の佐藤大助大将が、日本連邦外務大臣の志木田茂雄氏、日本連邦国防総省の中谷元雄大臣、大統領府の主席補佐担当大臣で私の父である田中隆男、ドラゴンの世界から訪問した、国防大臣でサラの父親であるアップルディーネ、巫女でサラの母親でもあるレモディーネ、ローゼンブルム国王、ローゼンブルム王国の首相ピエモンテ・マンシュタイン氏らと、イスタンブールでの戦闘の終結を受けて、今後の対応について緊急会談を行っていた。

 

尚、イスタンブールでの戦闘は、後に「イスタンブール事変」とも、「黄金のタッグチームが世界中に最初の影響を与えた事件」とも言われるようになる。

 

本来ならば、会談にはローゼンブルム迎賓館を使用するべきだが、イスタンブールでの戦闘を受けて、日本連邦やその同盟国では厳戒態勢が敷かれていたので、急遽ローゼンブルム方面司令部の一室を使用することになったのだ。

 

「本日、ミスルギ皇国近衛長官リィザ・ランドッグを釈放しました。

別世界ながらも、裏のドラゴン族とも言われるドラク族に引渡しましたよ。

彼女に付いてきた黒装束の120人のごろつき共と一緒にね。

もっとも、全員、一度は処刑という形で殺し、その後我々の高度な技術や甦生召還術で生き返らせたのですが。」

レモディーネが言った。

 

「ある意味で死刑以上に恐ろしい刑罰ですな。」

外務大臣の志木田茂雄氏が同意して、日本連邦政府の方針を次のように伝えた。

 

「我々も、既に非公式的に処置や呼び掛けをしているのですが、日本連邦政府と同盟国であるトルコ政府との連名で、今回のイスタンブールでの戦闘や攻撃、過去の日本連邦やトルコ、ローゼンブルム王国に対するテロ攻撃に関して、関係者や実行者が自首や投降するのであれば、身の安全の確保や恩赦や特赦をする、との声明を本日付けで公表しました。」

 

「釈放後、リィザ・ランドッグを彼らはどう扱い、利用するのですか?」外務大臣の志木田茂雄氏が尋ねた。

 

「既に、エンデラント連合の国内各地に拠点や活動組織を作り始めています。

政党すら立ち上げた模様です。選挙が秋にありますから。

また、ミスルギ皇国の元近衛兵500人は、日本連邦への亡命を希望しております。」レモディーネが答えた。

 

「それは朗報ですな。

元近衛兵500人については、政治的に考慮した扱いをお約束します。

ドラク族は本格的に、エンデラント連合を「攻略」するのですね。」

勿論、これは、日本連邦、ドラゴンの世界、そしてドラク族の「国益での利害の一致」である。

 

「何度も申し上げますが、ミスルギ皇国は、我が国にとっては、脅威そのものです。

また、今回のイスタンブールでの戦闘のように、各種の過激派やマナを使う国家も脅威です。」

 

国防総省の中谷元雄大臣は、前にも増して厳しく指摘した。

「彼らは追い詰められはじめています。

もう、彼らには国際法も常識もありません。何でも、どんな手段を使ってでも攻撃してくるでしょう。」

 

「ドラゴンの世界でも即応軍などの各種即応部隊を編成し、ここ王都ジェノヴァでも亡命キャンプや港湾などに配置しました。

何かあれば周辺諸国の緊急情報も、更なる援軍もお送りします。」

アップルディーネは更なる支援を約束した。

 

「本当に有難うございます。正に、百万の援軍を得た思いです。」

中谷元雄大臣は感謝した。

 

「エンデラント連合への働きかけや工作がうまくいけば、ライン川がヨーロッパ大陸を横断して北海に流れるように、マナ国家群を東と西に分断することも可能になるでしょう。」

ローゼンブルム王国の首相ピエモンテ・マンシュタイン氏は、戦略的な見通しを明らかにした。

 

「しかしながら、油断や楽観は禁物ですぞ。」

大統領府の主席補佐担当大臣で私の父である田中隆男は、中谷元雄大臣と同様、厳しく指摘した。

「スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味が、ミスルギ皇国から持ち出した各種の武器や戦闘機、金塊、機密情報などを積載した大型コンテナ船が、今夜マルセイユを出港する、との情報があります。それも、ミスルギ皇国の皇帝の依頼を受けたと思われるのです。」

 

「いよいよか!!どのように対処されるのですか?

もっともっと兵力を終結させなければ、とてもミスルギ皇国、エンデラント連合、そしてガリア帝国に対処は出来ない。」

ローゼンブルム国王は、切実に危機を訴えた。

 

「奴らに対しては、亡命を求めさせます。

彼らとは既に接触を深めていますので。

コンテナ船にいるであろう、正規兵が攻撃すれば、戦闘や特殊部隊の制圧で対応します。

現在の防衛体制は、ローゼンブルムの地域即応軍にある、水陸両用師団2個、警備師団12個が警戒体制で各地に配備されております。

 

また、これとは別に、ローゼンブルム方面には専属として陸軍の1個軍、海軍の連合艦隊1個、海兵隊の海兵軍1個、空軍の航空方面隊1個、宇宙軍の欧州方面戦略宇宙軍が新たに編成を完結させております。

日本連邦軍などの戦力の向上や新地域軍の編成も急がせております。」

ローゼンブルム方面司令官の佐藤大助大将が答えた。

 

後に、歴史家はこの時代を「動乱の時代」と呼んでいる。

その最初の時が訪れたのだ。

 

 

 

 7月16日の夜、ミスルギ皇国の皇都の近く、マルセイユ港から武器やラグナメイルなどを大量に積載した「大型のコンテナ船」が出港した。

それに乗った者達は、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味であった。

 

スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味は、本当に悲壮な覚悟と決意をして出港したのだ。

もう、二度と、マナを使用しているミスルギ皇国には戻らない、と。

だから、彼らの家族や親族縁者は全てエンデラント連合経由でローゼンブルム王国に亡命させ、自治国家の王国政府や日本連邦政府へ密かに連絡させ、自分やその一味の亡命や身の安全の保障を依頼していた。

 

また、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味は、2105年の「ミスティ王女や王宮へのテロ攻撃」以来、経済状況が悪化の一途を辿るミスルギ皇国をとっくの昔に見捨てており、彼らの稼ぎは、エンデラント連合での「売り上げ」や「労働」で得ていた。

 

―――――――――――ガッポリーネの回想――――――――――

 

 スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、マルセイユに近い、旧フランス南部、現在のミスルギ皇国の田舎町で、2070年に生まれた。

彼は美男子で常に学校の成績も良く、中学、高校、大学まで進学校やエリート校を進学、2088年に大手商社に入社した。

 

 その年の8月だった。

後に皇帝になるジュライ・飛鳥フランス陸軍大佐が、マルセイユで革命を起こしたのだ!!

ナポレオン・ボナパルトの後継者を名乗り、「ジュライ・飛鳥・ミスルギ」としてミスルギ皇国を建国したのだ。

当時のフランスには、鎮圧する戦力も国力も朽ち果てており、独立を認める以外の手法はなかった。

 

それから、彼の人生は狂い始めた。

彼の両親を含めて親族の多くは、ジュライ皇帝が強引に導入した、新しい情報通信システムの「マナ」を使用できない、逮捕時に抵抗した、との名目で射殺された。

 

もう、彼には、文字通り後がなかった。

そして、社会や国家に対する復讐心だけが、彼が生きる希望そのものだった。

最初は、地下組織を結成し、地下抵抗運動を開始した。

そこで、現在の妻であるボローニャと知り合い、結婚した。

 

 その後、マナに慣れきった人間が堕落し、経済が次第に不振となり、2095年頃からガッポリーネは商社のコネや人脈を利用して、彼は社会に対する復讐として「腐敗政治家」「脱税事業主」「汚職官僚」「芸能人などの有名人」などに対しての汚い部分、ダークな部分をネタに「脅迫」「ゆすり」などを行うようになっていった。

その対象の中には、皇族関係者も含まれていた。

 

警察の厄介になる事もあった。

しかし、警察自体、「マナ」で堕落する一方で、彼やその一味が起訴されることは絶対になかった。

彼が暗殺されたり、裁判にかけられたりすれば、自殺すらしなければならない程、困る人が大勢いたためである。

 

彼は、自分が汚い事をしてきた、と自覚している。

しかし、本当に非道な事をしたのは、ジュライ皇帝から直々に依頼された、2105年の「ミスティ王女の殺害を依頼された時」だけである。

 

だから、日本連邦政府の「過去の日本連邦やトルコ、ローゼンブルム王国に対するテロ攻撃に関して、関係者や実行者が自首や投降すれば、自身の身の安全や恩赦や特赦を与える」との呼び掛けに応じ、被害を与えたミスティ王女やその王家、取り巻き、リデル君やSP、侍女らに心から謝罪することを決意していた。

 

また、ミスルギ皇国の皇帝や皇太子、政府の無能さにも失望していた。

だいたい、日本連邦との為替インフレ率が年率1000%を超えるミスルギ皇国の経済社会状況で、どうやってまともな暮らしを維持出来るのだ??

 

 

 2110年7月7日の昼。

スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、ジュライ皇帝より呼び出しを受け、このように依頼を受けた。

「ローゼンブルム王国の王都を中心にテロや軍事攻撃をせよ!!武器や弾薬、食料などはお望み次第だ!!」

 

「しかし、皇帝陛下、マナを使用できない国や地域での長期間の作戦になります。」

 

「効率の良い燃料やエンジンシステムを積んだ大型コンテナ船に偽装した軍艦で運ぶのだよ。V/STOL機、ラグナメイルやパラメイルも付けてやる。

武器や船は、散々工作に使用したから、廃棄や沈没させて良い。好きに任せる。」

 

「我が国には、それ程の軍備や燃料などの運用数量や備蓄はありませんよ。

ましてや、資金も枯渇しつつあるはずです。」

 

「ふん、さすがは良く知っているな。その通りだよ、ミスルギ皇国だけの稼ぎならばな。

ここに、日本連邦から、我が国への親族に宛てた送金の山がある。

これを報酬に与えよう。

また、5年前の行動で払えなかった10万円金貨1000枚も、今、払おう。」

 

そこには、ドラゴン世界からの10京円のお返しの一部を利用した、多くの「10万円金貨2枚、5万円銀貨4枚、1万円紙幣10枚」、合計50万円の給付金の送付封筒の山があった。

 

ふと見ると、その中にはアンジュリーゼ皇女殿下がジュライ皇帝に宛てた「送金の封筒」すら、あったのだ!!

 

それらを全て頂くと共に、心から、こう思った。

「皇帝は、最早人間の最低限の道徳や倫理観すら捨てた!!

何がナポレオン・ボナパルトの後継者だ!!」

この時、スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、ミスルギ皇国にあった、最後のひとかけらの愛国心や貢献の心すら捨て、ミスルギ皇国からの脱出を決意したのだ!!

 

―――――――――――ガッポリーネの回想おわり――――――――――

 

2105年7月17日の未明。

「野郎共、上陸する!!」

スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、ジェノヴァ沖に停泊した大型コンテナ船に偽装した軍艦の操舵室で、その一味に対してこう叫んだ。

 

「俺に付いてこい、完全武装と、ありったけの武器弾薬、燃料、V/STOL機、ラグナメイルやパラメイルも付けてな。

あと、正規の軍人や諜報員は、昨夜で相当飲ませておいたが、全員拘束、きつい酒を飲ませておけ。べろんべろんに酔わせろ。アルコール度98%のウォッカを1本、いや、2本でも3本でも飲ませてな。アルコール漬けにするようにやれ。

確認できない怪しい奴らも同様だ。念を入れてやれ。」

 

「合点承知!!親分には何処までもついて行きます!!」

子分達が、涙を流してその指示に従った。

 

 

すぐに、一隻の沿岸警備船と、軍艦が接近してきた。

「亡命と投降、そして入港を望む」と、光発光信号で連絡した。

すると、すぐに返答が帰ってきた。

「了解した。船長のお名前は?」

「スケベビッチ・アル・ガッポリーネ」と、返答した。

 

「すぐに海軍と特殊部隊を出動させます!!」と、沿岸警備船からすぐに返答が返ってきた。

 

 

 7月17日朝4時。

スケベビッチ・アル・ガッポリーネが乗った「大型コンテナ船に偽装した軍艦」は、ジェノヴァ近くの港に曳航され、接岸した。

 

そして、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味は、全員投降し、亡命と保護を求めた。

勿論、船内で酒に酔わされ拘束されていた、正規の軍人や諜報員、怪しい連中は、その場で逮捕され拘束、連行された。

スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、ただ、一言、沿岸警備隊などにお願いをしていた。

「2105年のテロ事件で被害を与えてしまった、ミスティ王女やその王家、取り巻き、リデル君やSP、侍女らに心から謝罪したい。」と。

 

 

 

 7月17日朝8時。

 

 ローゼンブルム王国の王宮や王都は、文字通り厳戒態勢であった。

もう、国そのものが、戦闘体制に置かれていた、と言って良い警戒体制であった。

 

「黄金のタッグチーム」である私達4人は、同期生の1組、2組の「戦友達」と共に、王宮にいた。

もちろん、ラグナメイルを待機させて。

同期生の1組、2組の「戦友達」は王宮の周囲の警備を担当した。

我々は、イスタンブールでの戦闘経験から、軍やSPらからも「戦士の一員」と見做されるようになっていた。

 

 

スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその子分4人が、王族や「黄金のタッグチーム」である私達4人、私の父など政府関係者が待機していた会議室に入ってきて、このように謝罪した。

 

「2105年のテロ事件で被害を与えてしまった、ミスティ王女やその王家、取り巻き、リデル君やSP、侍女ら、全ての被害者の方々に心から謝罪します。

本当に、申し訳ありませんでした。

実行犯の主犯として、全ての罪を背負います。

ですから、これら子分や家族達は、どうか命だけは助けて下さい。」

 

「親分、それは無いですぜ、俺たちは親分に死んでも付き添います!!」

 

「まあ、命がけで亡命して謝罪した勇気は称えよう。」

被害者の一人で、SPの加藤隊長は言った。

「私が君達の立場だったら、とても出来ない事をしたのだからね。

確認したいが、2105年のテロ事件は、やはりジュライ皇帝の依頼なのだな?」

 

「その通りです。報酬は前金で10万円金貨200枚でした。

しかし、実行後の報酬10万円金貨1000枚は5年間も支払われず、7月7日にようやく受け取りました。」

 

「実に現金で、汚い皇帝だな。」

SPの加藤隊長は、吐き捨てるように言った。

「はい。私達は、ミスルギ皇国の皇帝や皇太子、政治や経済に絶望して、亡命してきたのです。」

 

「大型コンテナ船に偽装した軍艦の積み荷には、V/STOL機、ラグナメイルやパラメイルなどの武器や弾薬の他に、金塊50tとか、機密書類、秘密書類記録映像等が多数あるのですが?」

大統領府の主席補佐担当大臣で私の父である田中隆男は、こう尋ねた。

「念のためお尋ねしますが、ジュライ皇帝の亡命のための足掛かりに、あなた方は利用されてはいないでしょうかね??

2105年のテロ事件以外には関わっていないでしょうね??」

 

「2105年のテロ事件以外には関わってはいません。

また、ジュライ皇帝の亡命のための足掛かりに私達が利用されているのであれば、皇室の金庫を全て私が開けて機密書類や金塊を持ち出せるはずがありません。

ただ、ジュライ皇帝には、何らかの深い意図は感じました。」

 

「ほう、深い意図とは?」

 

「私は、7月7日の昼、ジュライ皇帝に呼び出され、こう告げられたのです。

『ローゼンブルム王国の王都を中心にテロや軍事攻撃をせよ!!武器や弾薬、食料などはお望み次第だ!!』

 

『効率の良い燃料やエンジンシステムを積んだ大型コンテナ船に偽装した軍艦で運ぶのだよ。V/STOL機、ラグナメイルやパラメイルも付けてやる。

武器や船は、散々工作に使用したから、廃棄や沈没させて良い。好きに任せる。』

 

『日本連邦から、我が国への親族に宛てた送金の山がある。

これを報酬に与えよう。

また、5年前の行動で払えなかった10万円金貨1000枚も、今、払おう。』と。

 

そして、その中に、ドラゴン世界からの10京円のお返しの一部を利用した、多くの「10万円金貨2枚、5万円銀貨4枚、1万円紙幣10枚」、合計50万円の給付金の送付封筒の山があったのです。

 

ふと見ると、その中にはアンジュリーゼ皇女殿下がジュライ皇帝に宛てた「送金の封筒」すら、あったのですよ!!

 

それらを全て頂くと共に、心から、私はこう思ったのです。

『皇帝は、最早人間の最低限の道徳や倫理観すら捨てた!!何がナポレオン・ボナパルトの後継者だ!!』と。

 

仮に皇帝がこの地域での政治的、軍事的バランスを崩し、更なる紛争や混乱を望んでいるのであれば、理解できないことではありません。」

 

「あり得る話かもしれませんね。」

私の父も、ある程度は理解した様子だった。

 

スケベビッチ・アル・ガッポリーネは、これまでの経緯を必死に説明した。

そして、『アンジュリーゼ皇女殿下がジュライ皇帝に宛てた「送金の封筒」』を差し出して、見せた。

 

 

「う、嘘でしょう??こんな事があるの??」

ミスティは、必死になって何度も「アンジュリーゼ皇女殿下がジュライ皇帝に宛てた送金の封筒」を見た。

残念ながら、間違いなく彼女が送金のために送った封筒だったのだ。

 

「こんな・・・。酷すぎる!!」

私は言った。

「皇帝は娘の送金を貰っておいて、娘の住んでいる都市を攻撃する命令をする??

狂気の沙汰だ!!」

 

「信じられない!!何を考えているのだ、ジュライ皇帝は??」

アルベルトが叫んだ。

 

「もう、人の心すら失ったのよ、ジュライ皇帝は!!」

ヒルダは泣いて言った。

 

 

「私は、皆さんを許します。」

ミスティは、普段はあまり見せない決意を持った顔で、スケベビッチ・アル・ガッポリーネらに向けて、はっきりと宣言した。

「散々、ミスルギ皇国でも苦しまれたのでしょう??

これからは罪を贖う気持ちではなく、前向きに生きて下さい。」

 

「私も、皆さんを許します。もう、過ぎた事です。」

私は、明るい声で言った。

「過去を引き摺り続けることは、魂を重くして、そして汚す行為です。

そのままでは天国には還ることが出来ないのです。

それではいけませんよ。人に役立つ事をして下さい。」

 

ローゼンブルム国王夫妻らも、どうすべきか困った顔をしていた。

 

結局、日本連邦政府が声明を出した通り、彼らを許し、罪に問わない事を関係者全員で了承した。

尚、「アンジュリーゼ皇女殿下がジュライ皇帝に宛てた送金の封筒」については、鑑定の上、ローゼンブルム国王夫妻が一旦預かることになった。

 

 

それからしばらくして、突然の連絡が入った。

「警報、戦闘体制!!」

私達4人を含めて、ラグナメイルに搭乗して出撃する。

 

スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその子分4人が言った。

「私達も戦わせて下さい!!運んできたラグナメイルがあります!!」

「良いでしょう!!」SPの加藤隊長が言った。

 

襲ってきたのは、何と、ミスルギ皇国の航空機部隊だった。

それも、旧式のユーロファイターの改良版と、無人機部隊、そしてV/STOLである、F-35B型であった。

何故、もう日本でも使用していない古い機種だけ??

本日、接岸した船には、もう少し良い機種のV/STOLのF-38Bが30機搭載していたはずだが。

 

我々のラグナメイル部隊や防空戦闘機、そしてドラゴンの世界からの応援機などが、迎撃していく。

 

ラグナメイルでは、「レーザーショットガン」と、「短距離ミサイル」で戦った。

戦闘は10分程度で、ミスルギ側の全滅と味方の完全勝利で終了した。

 

 

 7月17日の昼。

日本連邦政府は公式に声明を出し、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその子分達や家族、親族全員の亡命とこれまでの行為に対する免責が認められた。

また、5月5日の王宮襲撃事件での、ミスルギ皇国の元近衛兵500人の亡命も認められた。

 

そして、本日明らかになったミスルギ皇国の更なる悪行を公表したのだ。

 

 

 その効果は早くも現れた。

7月17日の夕方、トルコ共和国が、グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンと共に、日本連邦へ代表権付きで加入を表明し、即日、日本政府などと基本合意したのだ。

これら4ヶ国は正式に、11月11日に日本連邦に加入することになった。

 

これにより、日本連邦はローゼンブルム王国からトルコまで、文字通り陸続きになった。

もっとも、旧ユーゴ諸国、アルバニア、ギリシャはローゼンブルム王国やトルコ、ヨーロッパロシア、日本、満州、ハワイ、加州とは違い、代表権を持っていないが。

 




スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその一味の懺悔と投降はミスルギ皇国などの「マナを使用している国家や地域」にとって、とんでもない、意図しない方向へ国際情勢を大きく揺るがす事態になりました。

私達4人を含めて、そろそろ夏休み。
そして2学期へと進みますが、今後も一波乱がありそうです。

次回をお楽しみに。
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