クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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 2110年10月1日に日本連邦の自治国家ローゼンブルム王国のミラノに近い、日本連邦とエンデラント連合との国境に近いエンデラント連合領の湖畔にあるロカルノ市にて
会談が行われました。

エンデラント連合の外務大臣に就任したリィザ・ランドックと新首相となったアーセナル・シュワルツネッガー氏らが、ローゼンブルム王国国王夫妻、日本連邦の阿倍野真三大統領、志木田茂雄外務大臣、中谷元雄国防総省大臣、私の父である田中隆男大臣、そして、「黄金のタックチーム」である私達4人を含む宇宙医科大学校の同期生や有名プロデューサーであるケマル・縁部理桜氏と、私達学生生徒の「引率者」であるマギー教官らが参加して、政権就任直後に我がエンデラント連合でのマナの段階的使用停止とノーマへの一切の迫害や追放の禁止を、政策変更として実施しました。

「マナの停止は半年程度の移行期間後に完全停止します。
検疫官の組織や制度も2110年11月10日を以て廃止します。
また検疫官の悪行なども全て司法や特別捜査委員会など司直の手で明らかにして、公開致します。」と、と新首相となったアーセナル・シュワルツネッガー氏が表明しました。

 後に、「エンデラント連合革命」とも、「第二次ミュンヘン一揆」とも言われるようになる、エンデラント連合での2110年11月8日から9日にかけての動乱の動きは、エンデラント政権側や日本連邦軍、「黄金のタックチーム」である私達4人を含む宇宙医科大学校の同期生を含む生徒や教官らも戦闘に参加して鎮圧されました。

動乱鎮圧後の11月10日付けで、日本連邦政府はエンデラント連合とローゼンブルム王国のそれぞれの各地域統合軍の組織の正式な発足を公表し、それを記念する観閲式が王都ジェノバで大々的に開催され、「黄金のタッグチーム」である私達4人を含めて、宇宙医科大学校の生徒や教官なども参加しました。

特に戦果を挙げた者やその部隊は、情報部隊や通信部隊などを含めて、名誉ある勲章である「旭日章」が授与され、宇宙医科大学校の生徒や教官は、全員、「旭日章」が授与されました。

嬉しい事に、その翌日の11月11日、ヒルダの誕生日恒例の王宮でのヒルダの誕生日パーティーに、なんと、ヒルダの家族が招待され、5年余りの間、離ればなれになっていた家族と涙の再会を果たしました。

ところが、この4日後の11月15日に、ミスルギ皇帝夫妻がモモコ公国でローゼンブルム国王夫妻らと会談することになっていたのですが、その前日の14日、ミスルギ皇帝夫妻がモモコ公国に到着した時を待っていたが如く、ミスルギ公国皇帝夫妻のどら息子でお馬鹿な皇太子、ジュリオ・飛鳥・ミスルギが、手兵を率いて、エンデラント連合の国境の町ザールブリュッケンを攻撃するが撃退され、ナポレオンのパリ凱旋を夢見るが如く、こともあろうに日英仏連合部隊が警備するフランスの首都パリに向けて進撃したとの知らせが舞い込んだのです!!


明らかなジュリオ皇太子の暴走行為と軍事行動に、日本連邦や周辺各国は徹底的に反撃し、押さえ込みました。
その大きな功績には、「黄金のタッグチーム」である私達4人がラグナメイルで敵に放った、「奇跡の攻撃」もあったのです。

ジュリオ皇太子の暴走行為と軍事行動で国力も領土も、ボロボロに落ちたミスルギ皇国はどうなるのか??
ミスルギ皇帝夫妻やアンジュリーゼなどの皇室家族らの運命は??

「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人を含めて、ジルなど新キャラも加え、宇宙医科大学校の同期生らの立場は益々上昇か??
国際情勢の「動かす一翼」と祭り立てられた私達のその後は?



第22話 ジュライ皇帝の秘策でミスルギ皇国は破滅を免れる

 2110年11月15日。

 ミスルギ皇帝夫妻が主催する、モモコ公国でローゼンブルム国王夫妻らとの会談が始まった。

会場は、モモコ公国の迎賓館と、それに隣接する「高級リゾート 縁部理桜ホテル モモコ公国館」である。

本当に、いつもプロデューサーのケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏には、お世話になりますよ。

改めてこのお方は、只者ではないことがよく分かる。

 

 

 開口一番、ローゼンブルム王国国王が、ジュライ皇帝にこう言った。

「ジュライ皇帝陛下、ようやく、山は超えたようですな。」

 

「確かにそうです。ローゼンブルム国王陛下。」

ジュライ皇帝が返事を返す。

「しかし、愚息ジュリオの暴走はある程度は予想していましたが、こともあろうに、クーデターを行って皇帝になり、フランスやエンデラント連合などにあれだけの戦争を仕掛けて、無残な敗北を晒すとは・・・・。

全く、面目ない、お恥ずかしい限りです。」

 

「既に、ジュリオ皇太子は、重度の薬物中毒患者のような状態です。」

私の父、田中隆男大臣は言った。

「これでは、とても裁判に出廷出来る状態にはございませんね。

それにしても、今回の一連の顛末で、ミスルギ皇国の支配者は、「建前上」誰もいなくなったことになったのは、極めて危険な事です。

政治的、軍事的な空白地帯は、すぐに国内外の紛争や戦争への引き金になります。」

 

確かに、その通りだった。

現状では、ミスルギ皇国には統治者が誰も居ないのだ。

ジュライ皇帝には、腹案や秘策があるのだろうか?

 

「これでも、ジュライ皇帝陛下には、大いに助けられています。」

私の父、田中隆男大臣は言った。

「最近は多くの情報やご相談事を頂いておりますから。

特に、今年7月に発生した一連の事件以降は、1年前にご提案頂いたジュライ皇帝陛下の腹案や秘策に従って、多くの準備を進めていくことが出来たのは、我が国としても本当に大助かりですよ。」

 

「11月の初めにジュライ皇帝陛下の腹案や秘策を、田中大臣から聞いた時には、本当にビックリ仰天しましたよ。」

ローゼンブルム王国国王が言った。

「志木田外務大臣、それでは、準備は完了したのですね?」

 

「はい、その通りです。」

日本連邦政府の志木田茂雄外務大臣は答えた。

「モモコ公国には、残念ながら王位継承出来る男性はおりません。

しかし、地中海の南にあるチュニジアとは「モモコ連邦」を組んでおります。

そこで、ミスルギ皇国で退位を強制されたジュライ皇帝陛下には、「モモコ公国」の王位にお就きになられた上で、「モモコ連邦」の大統領に就任されるのが最善の道であろうと思われます。

ここまでは1年をかけて施した準備は完了しており、本日の1日で可能です。」

 

「その上で、ミスルギ皇国の領土を「連邦」の一部として吸収合併するのです。」

 

 

「ミスルギ皇国の皇位や皇室はどうなるのですか?」

ソフィア皇后が志木田茂雄外務大臣に尋ねた。

「ミスルギ皇国の経済や社会状況を見るならば、皇位以上に大切なのは、国民生活の向上や安定です。それがなければ、再びクーデターも発生しうるでしょう。」

 

「勿論、秘策はございます。」

志木田茂雄外務大臣は答えた。

「初めに通貨機能としてのマナの機能を廃止し、事実上通貨になっている日本連邦の「円」を正式通貨とします。

 

次に、マナの使用制限やノーマの迫害を禁止することと引き替えに、大規模な経済支援を行います。

エンデラント連合への経済支援を大きく超える金額です。

 

これで、年1000%レベルの通貨インフレが進む、悪化したミスルギ皇国の経済を好転させます。

これらの政策をお土産に、ミスルギ皇国の国体や基本政策を変更するのです。」

 

 

「経済政策はそれでも良いのですが、問題は周辺各国との外交や安全保障体制をどうするのか、ミスルギ皇国の見返り政策、そしてエンデラント連合に保障占領された地域をどうするか、が課題ですな。」

私の父、田中隆男大臣は言った。

 

「エンデラント連合は、第二次世界大戦の戦果の如く、フランス全土を占領したい野心を見せています。

だから、エンデラント連合はミスルギ皇国が領有していた、普仏戦争以来フランスと取り合ってきたアルザス、ロレーヌの2つの地方だけではなく、フランシュ・コンテ、シャンパーニュ・アルデンヌ、ブルゴーニュの3つの地方も「保障占領」する事態となったのでしょう。

 

今回の戦果については、エンデラント連合のアーセナル・シュワルツネッガー首相やリィザ・ランドック外務大臣は、これを「大戦果」と高く評価していますから。」

 

「そこが問題なのだ。

何とか出来るのは、日本連邦だけです!!」

ジュライ皇帝は、叫ぶように主張した。

 

「英仏両国は利害に直接絡んでいます。

エンデラント連合は、かつてのプロイセン以来の伝統政策や第一次世界大戦の遠因となった3B政策を進めています。

また、フランス国のオルドーレ大統領も、ミスルギ皇国へは従来の弱腰から強行策に打って出る決意を固めた模様です。

これらの動きを阻止しなければならないのではないですか??」

 

「うーん、しかし、日本連邦はエンデラント連合だけではなく、英仏両国とも同盟関係にあるのです。」

日本連邦政府の中谷元雄国防総省大臣は答えた。

「今回の戦闘で、彼らとは戦場こそ異なりますが、共に同じ地域で戦ったのです。

我が国が出来るのは、仲介する事だけですよ、ジュライ皇帝陛下。

 

だからこそ、『黄金のタッグチーム』などの、宇宙医科大学校の生徒や教官の登場となるわけです。」

 

つまり、「黄金のタッグチーム」の私達4人など、宇宙医科大学校の生徒や教官は、「国際協調」「異世界間協調」の売り出し商品として使われる訳だ。

 

「そして、今回の戦闘の原因となった、ミスルギ皇国のジュリオ皇太子を支持した一派を排除して、『暁の御柱』の機能を徐々に停止するところまで進める事です。」

中谷元雄国防総省大臣は、はっきりと主張した。

「ジュリオ皇太子を支持した一派は、ドラゴンの世界や、その他のパラレルワールド、それが駄目ならば異星人の世界にでも行って貰いましょうか。」

 

 

「中谷元雄国防総省大臣や志木田茂雄外務大臣の政策を支持します。」

ローゼンブルム国王は支持を表明した。

 

「私も支持します。」

ジュライ皇帝も支持を表明した。

 

 

 

「さて、大きな課題は解決へと進む見込みがつきました。

英仏両国やエンデラント連合との問題は、話し合いで解決の糸口を探りましょう。」

私の父、田中隆男大臣は言った。

 

「そこで、強力な助っ人です。

『G機関』こと、ガッポリーネ機関が始動し、今回の一連の戦闘などでも活躍しました。

この機関は、既に7月に投降、自首した、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその子分らが中心となって設立した諜報工作機関です。

第二次世界大戦で活躍した「F機関」こと、藤原機関を参考に設立しました。

ここにお招きしています。

『G機関』のスケベビッチ・アル・ガッポリーネとその関係者の皆様、どうぞ!!」

 

私にとっても因縁があった、あの懐かしい「スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその関係者の皆様」が、会場に入ってきて、ジュライ皇帝やローゼンブルム国王などと挨拶や握手を交わしていた。

 

私も彼らと握手した。

「お久しぶりです。お元気ですか?」

 

「ああ。元気だよ。君達も大活躍だね。」

ガッポリーネ氏は笑顔で答えた。

「今後とも宜しく頼むよ。君達からの多くの支援を待っているよ!!」

まったく、ちゃっかりしている方々だ。

その「G機関」の活躍で、後に大きな進展があったのだから。

 

 

「黄金のタッグチーム」の私達4人は、会議後、ガゼボの名曲「アイライクショパン」を演奏し、会議の出席者らの前で歌った。

 

私がピアノを弾き、全員で合唱した。

今回の戦闘で戦った、全ての将兵らを慰めるために。

ピアノの演奏と歌詞が心に響く曲であることが、この曲を世界的な名曲にしたのだ、と改めて実感した。

 

 

それを聴いていたケマル・縁部理桜氏は、恋人のマギー教官と共に涙を流していた。

「いいね、いいね、彼らがこの事態を必ず終息してくれると信じていた。

これからも、きっとそうだろう。

まだまだ、彼ら、彼女らは上昇していくぞ!!」

 

 

 

 11月15日の会議の内容は、直ちに実行された。

11月15日の夜にジュライ皇帝は「モモコ連邦」の大統領に就任した。

そして、翌日の11月16日に、ミスルギ皇国は「モモコ連邦」の自治領となった。

 

これにより、ミスルギ皇国は自治領となったものの、政治的、軍事的空白地域ではなくなった。

また、皇位継承の問題も、一応解決されることになったので、アンジュリーゼは「大統領の娘」になった。

 

また、既に起訴されたエンデラント連合のビスマルック大統領から、フランス国のオルドーレ大統領が高級ブランド品や貴金属、宝石類など総額1兆円規模の賄賂を受け取っていたことが11月16日に発覚し、極めて言い訳染みた弁明の上、オルドーレ大統領は贈収賄容疑で11月20日に起訴され、即日辞任した。

これで、フランス国は強行策を進めることは出来なくなった。

この事件は、エンデラント連合と「G機関」からの合同調査により発覚した情報を元にしたものであった。

 

 

11月20日~21日、11月30日~12月2日、と12月10日には、志木田茂雄外務大臣がエンデラント連合の大統領選挙に立候補しているアーセナル・シュワルツネッガー首相を訪問、のべ10回も会談し、エンデラント連合が保障占領している地域を「穏便に解放」してくれるように交渉を重ねた。

 

その中で、日本は平和的な解決を望んでおり、フランスとエンデラント連合の関係には関与しないが、ミスルギ皇国から過去持ち出された金品などについては返還されるべきであるとの立場を説明した。

 

これは、過去にリィザ・ランドック外務大臣が、ミスルギ皇国の近衛長官時代に出身のドラク族へ持ち出した、100京円規模の金品や貴金属類、情報などを指しており、これを受けて、支払う金が一銭もないエンデラント連合国は、ついに折れた。

 

12月20日にアーセナル・シュワルツネッガー首相が大統領に当選した当日、声明の形で保障占領している地域の返還に応じたのだ。

また、リィザ・ランドック外務大臣は、アーセナル・シュワルツネッガー大統領の後任にと、首相を兼任することになった。

 

 

尚、リィザ・ランドック外務大臣が、ミスルギ皇国の近衛長官時代に出身のドラク族へ持ち出した、100京円規模の金品や貴金属類、情報などの返還問題は、後年、私が日本連邦大統領に就任した直後に、最初の政治課題として挙げられた事案の一つになり、私にとっても因果な問題であったのだ。

 

ともかく、これでミスルギ皇国は破滅を免れたのだ。

 




 ジュリオ皇太子の暴走による戦闘と混乱は、ジュライ皇帝の腹案と秘策でミスルギ皇国の破滅は免れました。

さて、クリスマスの季節。
「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人を含めて、新キャラも加え、宇宙医科大学校の同期生らを含めて、恋の行方などは益々ヒートアップ??

次回をお楽しみに。
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