クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~ 作:田中_jack
それでも、台詞がない!!
ヒルダはアンジュに司令官の地位を譲渡してしまいましたしね。
最終話の終末に向けて、アンジュだけではなく、ミスティやヒルダはどうなるのか??
注目しています。
2110年11月15日に、ミスルギ皇帝夫妻がモモコ公国でローゼンブルム国王夫妻らと会談することになっていたのですが、その前日の14日、ミスルギ皇帝夫妻がモモコ公国に到着した時を待っていたが如く、ミスルギ公国皇帝夫妻のどら息子でお馬鹿な皇太子、ジュリオ・飛鳥・ミスルギが、手兵を率いて、エンデラント連合の国境の町ザールブリュッケンを攻撃するが撃退され、ナポレオンのパリ凱旋を夢見るが如く、こともあろうに日英仏連合部隊が警備するフランスの首都パリに向けて進撃したとの知らせが舞い込んだのです!!
明らかなジュリオ皇太子の暴走行為と軍事行動に、日本連邦や周辺各国は徹底的に反撃し、押さえ込みました。
その大きな功績には、「黄金のタッグチーム」である私達4人がラグナメイルで敵に放った、「奇跡の攻撃」もあったのです。
ジュリオ皇太子の暴走行為と軍事行動で国力も領土も、ボロボロに落ちたミスルギ皇国は、以前から日本連邦政府と極秘に進めてきた秘策を実行、マナの段階的な使用停止とノーマ迫害の禁止を条件に、ジュライ皇帝がモモコ連邦大統領に就任し、ミスルギ皇国を編入することで解決しました。
大学入学後、初めてのクリスマスと冬休みを控えた12月21日の「クリスマス会談」に主席した「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人を含めて、その恋人達の親密度は更に向上していきました。
新キャラも加え、宇宙医科大学校の同期生らを含めて、どのように発展していくのか??
日本で過ごすクリスマスと冬休みを迎え、恋も仕事も学業も益々ヒートアップ、大発展の予感??
国際情勢の「動かす一翼」と祭り立てられた私達の恋の行方は??
「黄金のタックチーム」である私達4人はプロデューサーのケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏と、その恋人のマギー教官と共に12月24日より、日本に10日間の予定で移動した。
12月24日は、東京都心にある秋葉原のホテルで一泊することになっていた。
そのホテルは、秋葉原駅の中央口にほど近い「秋葉原ワシントンホテル」であった。
何となく、良い感じのするホテルだなあ。
一方、12月24日夕方、日本の東京にある幹部学校校内の会議室にて、宇宙医科大学校校長のシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が、幹部学校校長の君塚博氏との会談後、同席していた宇宙医科大学校の一年生の担任、マギー教官の勧めと同伴で、両学校校長が私達の宿泊先のホテルを訪れ、ホテルのレストランで夕食を共にした。
幸いにも、イタリアン風の創作料理が得意なレストランだったので、概ね好評だった。
そして、この夕食が、また「黄金のタックチーム」である私達4人を大きく羽ばたかせることになったのだ。
幹部学校校長の君塚博氏は私達に尋ねた。
「君達『黄金のタックチーム』らは、宇宙軍の予備役下士官にも関わらず、現役の将兵以上の活躍をして貰っている。
現役の一人として、非常に有難いと思う。
予算の特別枠で統合軍などの予備役を兼任して貰っていることや、宇宙医科大学校の生徒や教官といった立場にも関わらず、「外交特権」及び「国際宇宙交流大使」そして、「防衛技術研究者」の地位や権限も与えられ、別格で特別な待遇を与えられているのは良くわかっている。
しかし同時に予備役にこのような負担を強いているのは、現役の能力が足りないことを証明している。
申し訳ないとも思っているのだ。
どうすれば良いのだろうか?」
君塚校長は、軍隊で常に問題になる現役と予備役とのバランスの問題の事を指摘されたのだ。
これは本当に頭の痛い問題なのだ。
日本連邦は、アジア太平洋地域からユーラシア大陸、ヨーロッパまで拡がる連邦国家である。
古い言い方をするならば、かつてユーラシア大陸を制覇しかけた、モンゴル帝国の規模をはるかに超えている規模だ。
これだけの土地や空間を守るのであるから、現役の将兵は常に数も多く、質も高い人員や組織が必要である。
一方で、予算の制限や人員の制限もあり、予備役をある程度以上、確保しておかなければならないのも事実だ。
そして、IT技術、航空宇宙分野などの急速な発達が進む現代社会では、軍隊での保守的な体質、お役所の中のお役所体質では、十分には対応が出来ないのも事実なのだ。
こうした問題は、特に1990年代から高まり、日本ではその対策として、世界初となる民間人から予備役候補生を集めて訓練し、予備自衛官にする「予備自衛官補」という制度を2002年度に設立した程だ。
この制度は、日本連邦軍の組織を作る際にも、そのまま軍の予備役活用に応用され、現在に至っている。
私達の立場も、かつての「予備自衛官補」と基本的には同じ立場である。
「現在の私達のような予備役体制やその運用方法が、従来の予備役制度に比べて、むしろ時代に適合しているのではないでしょうか??
私達のような立場の人材や組織を増やすことが最善かと愚考します。」
私は答えた。
「リデル君、それはどういうことなのかね?」
宇宙医科大学校校長のベルルスコーニ氏が興味深そうに私に尋ねた。
「私達は、いわば『実験研究部隊』だからです。
また、宇宙医科大学校の生徒である立場なので、ラグナメイルの改造や戦術の研究なども自由に行える立場にもあります。」
私は答えた。
「ラグナメイルは、戦闘ヘリや攻撃ヘリ、そして攻撃機と戦闘車両が組み合わされた複合戦闘システムと言えます。
また、宇宙空間への応用も期待できる機体システムです。
パラメイルはその軽量版でしょうか。
動力や搭載量の制限で補給の問題はありますが、何処でも呼び出せる、統合運用的な緊急展開部隊には非常に使い易いのです。
ですから、運用側の私達搭乗員らも、それに適した訓練を行い、最適な組織を作る必要があろうか、と愚考しております。
必ずしも、現役にこだわる必要はないのではないでしょうか。」
ラグナメイルに適しているのは柔軟に対応できる組織であり、統合運用的な緊急展開部隊が最適であることを、私は強調した。
「なるほど、その通りだ。宇宙軍の所属であることが、自由度を更に上げているね。」
ベルルスコーニ氏が同意した。
「今まで出来なかった、統合運用的な緊急展開部隊には最適、か。
実に良い指摘だ。」
君塚博氏も同意した。
「他に面白い着眼点はないかね?」
君塚博氏が質問した。
「ラグナメイルのような新兵器システムを取り入れる最大の障害は、22世紀の宇宙時代になっても、なかなか変化できない、変化しない、人間社会の保守的な思考にあります。」
アルベルトが言った。
「マナの問題一つでも、この有様ですから。
人間は、物理や数学などのリアリズムだけでは推測や予想が出来ないのですよ。
かつての産業革命しかり、インターネットの爆発的な普及と発展を遂げたIT革命しかり。」
物理や数学に深い造詣があるアルベルトらしい答えだ。
「やはり、2007年に当時の日本防衛省技術研究所が打ち出した「ガンダム開発」計画のような、画期的な計画に、ラグナメイルのような新兵器システムを取り入れるなどの斬新な計画が不可欠だ、と愚考致します。」
まるで、技術研究所の所長のような台詞を、アルベルトはさらっと言った。
「現在も進行中の「ガンダム開発」計画、か。
確かに、君の指摘は正しいよ。」
君塚博氏も同意した。
「ナポレオンのような、時代の固定概念すら覆す着想と発想が不可欠です。」
ミスティが言った。
「また、ナポレオンの失敗に学ぶことも重要かと思います。
スペイン戦役しかり、冬将軍に敗れたロシア遠征しかり、ですね。」
ナポレオン戦争など、時代に翻弄されたイタリア半島にあるローゼンブルム王国だからこそのミスティの発想だ。
「民間仕様のパラメイルのように、技術の裾野を拡げる施策や努力も不可欠です。」
ヒルダが言った。
「どうしても、軍専用の兵器や指揮システムなどは、民間の洗礼を受けないので、時代の要請に合わなくなってしまいます。
かつての携帯電話やスマートフォンが、あれだけの爆発的な発展を遂げたのは、軍事用の通信システムを基に、民間企業の各社が激しい競争をしてきた成果でもあるわけです。
ラグナメイル、パラメイルのような新兵器システムの民間仕様を造り、災害対応や山林地帯などへの輸送支援など、新たな需要を掘り出す努力も必要かと思います。」
ヒルダは実家やその周辺などのリンゴ畑をイメージしている。私も面白い着眼点だと感じた。
「うん、なかなかこのような指摘は、軍関係の学校では出てこないね。良い着眼点だ。」
君塚博氏が賞賛した。
「彼ら、彼女らの将来が楽しみですよ。」
ベルルスコーニ氏も賞賛した。
「担任として、本当に光栄ですわ。」
マギー教官がお礼を述べた。
この後は、食事も進み、ケマル・縁部理桜氏やマギー教官も交えて、楽しい雑談が続いた。
両校の校長やケマル・縁部理桜氏、マギー教官にもお酒をかなり飲み、ほろ酔い気分になってしまったところで、君塚博氏が私達に、こう切り出した。
「幹部学校の学生クラスへの質問や想定問題に出す話なのだが、エンデラント連合は今の時点で、今年11月にミスルギ皇国の北半分を保障占領した陸軍部隊をベルギーへ撤退させた。
その勢力はNATOの後継であるヨーロッパ連合軍司令部のあるベルギーのブリュッセル周辺に駐屯している1個軍、6個師団基幹の36万人だ。
君達は今後の情勢をどう見る??
エンデラント連合が隙あらばフランスに介入する可能性があると思う人は、手を挙げて下さい。」
「黄金のタックチーム」である私達4人は、全員、手を挙げた。
「リデル君から、その理由、エンデラント連合が介入する条件と時期を述べて下さい。」
君塚博氏が私達に答えの詳細を求めた。
私は、次のように解答した。
「理由は、プロイセン以来の伝統戦略であるヨーロッパの覇者戦略を、その後継であるエンデラント連合が踏襲しているためです。
エンデラント連合が介入する条件は、
1、自治領となったミスルギ皇国の弱体化や混乱への対応でフランスと対決した場合
2、フランスが自治領となったミスルギ皇国への侵攻した場合
3、フランスが自治領となったミスルギ皇国へ敵対的な同盟に参加するなど、直接、または間接的にエンデラント連合の国益を阻害した場合
4、フランスに対外強硬派や過激な言動をする政権が発足した場合
です。
介入しうる時期は、フランスやエンデラント連合などの国力や現状の経済社会状況を鑑みれば、2119年7月14日、フランス革命より330年記念の日付近が、一番可能性が高い時期かと愚考します。」
ミスティが次のように解答した。
「理由は、現状の包囲された戦略環境を脱するには、フランスを制圧して第二次世界大戦時のフランス占領時のように大西洋へ直接アクセス出来る国家に変化させたい願望があることと、第一次世界大戦の遠因となった3B政策に敵対する、オーストリア・ハンガリー帝国の後継を目指すガリア帝国がフランスと同盟関係になることを警戒していることです。
エンデラント連合が介入する条件は、
1、フランスがオーストリア・ハンガリー帝国の後継を目指すガリア帝国と同盟を結ぶなど敵対的な同盟に参加することでエンデラント連合の国益を阻害した場合
2、ポーランドやベラルーシ、北欧のマーメリア共和国、西アフリカのヴェルダ王朝、ガリア帝国やフランスなど敵対国が同盟を結んだ場合
3、エンデラント連合にハイパーインフレなどの経済危機が発生した場合
4、エンデラント連合に移民や外国人の大量流入があった場合
です。
介入しうる時期は、リデル君と同じく、フランスやエンデラント連合などの国力や現状の経済社会状況を鑑みれば、2119年7月14日、フランス革命より330年記念の日付近が、一番可能性が高い時期かと愚考します。」
アルベルトが、次のように解答した。
「理由は、第一次世界大戦の遠因となった3B政策に楯突くフランスを殲滅したい、との願望を捨てていないことです。
エンデラント連合での政権交代時の政策論争や、先の大統領選挙での民族主義的なプロイセンの鉄血政策的な言動が、それを証明しています。
エンデラント連合が介入する条件は、
1、フランスがオーストリア・ハンガリー帝国の後継を目指すガリア帝国と同盟を結ぶなど敵対的な同盟に参加することでエンデラント連合の国益を阻害した場合
2、エンデラント連合がフランスに独力では対抗出来なくなると危機感を強めた時
3、エンデラント連合が日本連邦や英国をあてにしなくても自国単独で軍事行動が出来る、と判断した時
4、フランスの近隣国で内戦や民族紛争が激化するか、その影響が無視出来なくなったと、エンデラント連合が判断した時
です。
彼らの歴史的な思考パターンより単独介入の可能性が高いことから、数年の用意周到な準備はするでしょう。
それを鑑みれば、介入しうる時期は、恐らくフランスの軍備や社会状況と、エンデラント連合などの国力や現状の経済社会状況を鑑みれば、2119年7月14日、フランス革命より330年記念の日付近が、一番可能性が高い時期かと愚考します。」
最後にヒルダが、次のように解答した。
「理由は、エンデラント連合は、ローゼンブルム王国など日本連邦の国力や戦力を、自治領のスルギ皇国などよりは、それ程あてにしなくとも良い経済社会状況にあることと、エンデラント連合が前政権までのマナ政策の間違いを正す過程で、社会の不満をどこかに持っていかざるを得ないためです。
エンデラント連合が介入する条件は、
1、エンデラント連合の国益を阻害した場合
2、フランスの近隣国などの地中海沿岸諸国やヨーロッパなどフランスへの影響がある地域で内戦や民族紛争が激化するか、その影響が無視出来なくなったと、エンデラント連合が判断した時
3、エンデラント連合が日本連邦や英国をあてにしなくても自国単独で軍事行動が出来る、と判断した時
4、第一次世界大戦のように、エンデラント連合がフランスに独力では対抗出来なくなると危機感を強め、国家が包囲殲滅の恐れがあり、フランスを最優先に攻撃して降伏させようと判断した時
です。
彼らのドイツナショナリズムは、詩人のハイネも19世紀に、次のように警告しています。
『ドイツの雷は、ドイツ的である。落ちるまで時間が掛かるが、必ず落ちる。
いずれ、その時が来るだろう・・・。』
その後継であるエンデラント連合は単独介入、またはベネルクス3カ国との合同軍での軍事介入の可能性が高いことから、数年の用意周到な準備はするでしょう。
それを鑑みれば、やはり、介入しうる時期は、恐らくフランスの軍備や社会状況と、エンデラント連合などの国力や現状の経済社会状況を鑑みれば、2119年7月14日、フランス革命より330年記念の日付近が、一番可能性が高い時期かと愚考します。」
「素晴らしい!!
君達はすぐに幹部学校に入学してくれたまえ、と言いたいくらいだよ。
まあ、来年早々、茨城県の女子学生らを「戦車道の教育」をすることで有名な軍人、蝶野亜美陸軍大尉を宇宙医科大学校の教官として赴任するので、宜しくお願いするよ。」
君塚博氏が私達を褒め称えてくれた。
「私が密かに想定して研究していた事と同じ考えとはな。
それぞれの立場からの想定だろうが、正に4人とも違った視点から同じ結論を導き出しているね。
私も、そろそろ退役後の人生設計を考える時期かも知れん。はははは。」
ベルルスコーニ氏も賞賛した。
「日本連邦が増強を進めている地域統合軍も、2110年中にはエンデラント連合に配備する想定はなかったのだが、地中海アフリカ方面に配備予定の部隊を急遽回して配備した程、情勢は変化している。
2120年までに配備予定の地域統合軍が現役24個+予備6個の計画は、前倒しの情勢で、2120年までには現役30個+予備10個を想定している模様だ。
これにより、日本列島などの日本連邦中心地域など各地域の防衛体制も、更なる改編や増強を進める計画だ。」
「黄金のタッグチームの4人は、皆、良い視点をしているね。
私も予備役軍人の経験があるから、このような視点は大事ですよ。」
ケマル・縁部理桜氏も褒めてくれた。
不思議な事に、私達4人とも、解答で軍事介入の可能性のある時期は一致していた。
そして、それが後年、現実のものとなったのだ。
翌日の12月25日はクリスマス。
東京にて、9人の有名スクールアイドルグループ「μs」への慰問を兼ねたクリスマスパーティーに出席した。
その後、12月26日から28日までは仙台の7人アイドルグループ「WUG」と仙台、山形、新潟、長野を一緒に回り、29日には横浜周辺の宇宙関連施設を見学後に阿倍野大統領を表敬訪問した。
30日は大阪に行き京都で一泊、31日は東京に戻って「年の瀬、年明け」のイベント、
1月1日にようやくアルベルトの誕生日を祝った直後に新年のイベント、1月2日にジェノヴァに戻り、王宮のアルベルトの誕生日パーティーに参加した。
一緒にこのようなイベントの参加することで、私達4人も、ケマル・縁部理桜氏もマギー教官も、「恋も仕事も学業も益々ヒートアップ」の大ハッスル状態になってきたのだ。
これもケマル・縁部理桜氏の成せる技なのだろう。
後に知ったのだが、彼は、「春の園遊会の参加」や、「大統領絡みのイベントへの参加」などをこの時期に予定を入れていたのである。
我々の、更なる大発展の予感がしてきた。
クロスアンジュに登場しているパラメイルやラグナメイルは、アニメで今までに登場した中で一番、実現の可能性の高い「人型兵器」であると、筆者は考えています。
動力、素材、兵器システムなどの課題は盛りだくさんですが。
また、兵器や軍事組織の運用やその社会要求を見るには、今回のストーリーのように徹底した戦略的な視点が欠かせません。
事実として、東京目黒にある自衛隊幹部学校では、今回の登場キャラ間の会話のような教育も行っています。
「絶対兵器」を作っても、いずれ陳腐化するのです。
さて、大学1年生も残り僅か。
「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人を含めて、新キャラも加え、宇宙医科大学校の同期生らは、どのように発展していくのか??
ドタバタのスケジュールの中、恋も仕事も学業も益々ヒートアップの予感??
2年生になったらどうなるか??
次回をお楽しみに。