クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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 前回で明らかになった、「マナ使用勢力による仕組まれた戦争」に対抗するべく、今回、「黄金のタッグチーム」の4人、私とミスティ、アルベルトとヒルダに、新たなる戦力が加わった宇宙医科大学校の生徒らが、大動乱の始まった世界に対してどのように立ち向かうのか??

今回は、またもや歴史的な会談に参加する主人公らを描きます。



第35話 夏休みなのに、またもや歴史的な会談に参加

 2113年7月20日、午後1時。

 

「黄金のタッグチーム」の4人、私とミスティ、アルベルトとヒルダは、前日の夜、つまり7月19日の夜に、ようやく予約されたスケジュールから解放されたので、その日から滞在したのは、王宮から程近い、あの「ローゼンブルム王宮 ジェノヴァ海岸別荘」である。

そう、その隣に、「高級リゾート 縁部理桜ホテル」がある別荘である。

今回は、すんなりと使用出来たので、「また何かある」と思って、勉学や休養に集中した。

 

そして、私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人は、更なる愛と絆とはいかにあるべきかを考え始めたのだ。

 

 

正式に夏休みに入った、7月20日、午後1時に連絡が入った。

その時、私達4人の「黄金のタッグチーム」は、無料で「ローゼンブルム王宮 ジェノヴァ海岸別荘」を使用させて貰える引き替えに、極めて重大な話があるので来て欲しい、と言われ、『高級リゾート 縁部理桜ホテル』の特別室に案内された。

気分転換にと外出する準備が整い、海で遊ぼうか、プールに行こうか、と迷っていたタイミングだった。

 

 

そして、その極めて重大な話で、政治や社会の大きな転換を迫ることを証明する事実と、今後の方針が明らかになったのだ。

またもや「歴史的な会談」に参加することになってしまった。

 

参加者は、私の両親やミスティの両親、アルベルトの両親、そして、ヒルダの両親と叔父夫婦、ローゼンブルム王国国王と陸軍士官学校の同期で、現在はローゼンブルム首相として「フォルツァ・ローゼンブルム」党首でアルベトの親戚でもあるピエモンテ・マンシュタイン氏、有名なプロデューサーで、私達4人の師匠でもあるケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏とその婚約者のマギー・ヒイラギ教官、宇宙医科大学校の校長、シルヴィオ・ベルルスコーニ氏、元ローゼンブルム方面統合戦略指揮司令部の司令官で、現在はローゼンブルム地域統合軍の総司令官に出世した佐藤大助司令、王宮SP代表者して隊長の加藤稔さん、そして私達4人の「黄金のタッグチーム」だけである。

 

 

この「会談」は、医療法人「田中ハート会病院」の創設者で医師、現在は大統領府の主席補佐担当大臣、そして大統領の側近を勤める私の父、田中隆男(たなか たかお)と、私の母で医師の田中真利愛(たなか まりあ)が、3年前と同様に呼びかけて実現させたものだった。

 

 

「本来でしたら、周辺諸国の大統領や首相も交えた会談にするところですが、3年前同様に、別の意味で緊迫した情勢ですので、このようにさせて頂きました。」

私の父、田中隆男大臣は冒頭、挨拶を兼ねて発言した。

 

「7月7日の大型怪獣の襲来にもあったように、フランスなどが明らかに別の手段での攻撃に出ています。

また、我が国の情報機関や旧チェコ共和国とウィーン周辺との連邦である「チェコ・オーストリア連邦」の新しい指導者、円鰤夫(エンブリヲ)氏ことエンブリヲ・フォン・フリードリッヒ首相の証言や資料の提供などにより、過去の一連の旧ミスルギ皇国の攻撃も、異星人の「ザイア星のザイア民族」とフランスなどが主導した「仕組まれたヤラセ」の謀略であったことが明らかにされました。

 

我々は、過去の戦いや戦略によって、マナの使用は今年中に止められますが、彼らの謀略や挑発はエスカレートしています。

何としても、「ザイア星のザイア民族」とフランスなどのマナ勢力の野望を阻止し、平和な地球や安定した内外や異星間の関係を構築していかなければならないのです!!」

 

 

「我が国は素早い行動力はあるが、もう少し国際世論の味方を増やすべきですね。」

エマニエル・ローゼンブルム王国国王が発言した。

 

「とにかく、フランスなどの謀略を早急に明らかにして、国際世論を味方にしなければ。

幸い、アンジュリーゼさんの兄や妹も回復したし、大々的な宣伝や広報も可能でしょう。

そのためにも、ケマル・縁部理桜さんにも、宣伝や広報の強化を頑張ってもらわないと。」

 

 

「はい、勿論です。

私のプロデューサーの腕に掛けても徹底的にやります!!」

宇宙医科大学校の教官で予備役准将でもある、ケマル・縁部理桜氏が、宣言した。

 

「既に、多くの人材、いや逸材が新たに入隊したので、十数種類の政府広報や一般向けの番組や企画を進行中です。

近日中に公表できるよう、準備を進めております。」

 

 

「おお、それは心強い。」

ローゼンブルム首相であるピエモンテ・マンシュタイン氏が喜んだ。

 

「例の『G機関』こと、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとその関係者も活躍しておりますぞ!!

もちろん、その他の情報機関なども頑張っております。

 

ところで、7月7日に出現した大型怪獣ですが、対策や対応はどうされるのですか??

私も、あの時は警備の最高責任者として肝を冷やしましたぞ。」

 

 

「ご心配なく。我が軍の能力は日々向上しております。」

ローゼンブルム地域統合軍の総司令官、佐藤大助司令がなだめた。

 

佐藤大助司令の両肩には、星が8つ付いている。

元帥では星が5つ付くから、「三大元帥」、か。

通常の人事ならば、私達が初めて出会った2110年5月5日の時点では警備師団の師団長であった佐藤大助司令が、たった3年という短期間で、師団長の階級である中将(星が3つ)から星が5つも増える出世はないのだが、事実として出世を遂げている。

正に、大出世中の大出世、大抜擢だ。

 

「たとえ、大型怪獣が戦車軍団の如く、某恐怖歴史SFゲームのように攻めてきても、我が軍は必ず撃破します。

彼らも戦闘力を進化や向上させますから、それに対抗できるように、戦車から各種ミサイルや砲弾、レールガン、レーザー砲などの指向性兵器に至るまで、徹底的な向上を進めております。

 

また、フランスに対しては、有事の際には袋だたき攻撃が決定しております。

尚、かつて2110年11月14日のパリ攻防戦で共に戦った、英国の日英連合部隊の司令官、リデル・ロンドン元大将が、今年7月に三大元帥として英国の最高司令官に就任されました。

彼ら英国軍と現在、対フランスや対ガリア帝国、西アフリカを領土に持つヴェルダ王朝、北欧とバルト海沿岸に領土を持つマーメリア共和国も視野に、対北欧、対東ヨーロッパ、対西アフリカなどの有事作戦などを練っているところです。

これには対アルゼンチン戦や対フランスの海外領土占領作戦なども含まれていることをご承知下さい。」

 

 

「なるほど、有事作戦は大丈夫ですね。」

私の父、田中隆男大臣は安心して言った。

 

「次に政治状況です。

既に起訴され、重罪の判決を受けたエンデラント連合のビスマルック前大統領と、フランス国のオルドーレ前大統領なのですが、エンデラント連合はともかく、フランスではその後任のサルコージ大統領が今月の18日に、また愚かなスキャンダルを引き起こしたのです。

 

今回は、マナの制御装置の製造販売に関するリベート贈収賄スキャンダルで、10兆円規模の贈収賄を彼やその腹心や側近が受け取っていたとされるものです。

我が連邦政府の調査などによれば、マナのエネルギー源であるドラクニウムの供給が先細り、その供給をしてあげる、と虚偽の口利きで10兆円規模の贈収賄になったようです。

 

それならば、自ら進んでドラゴンの世界などに行って、ドラクニウムを回収すればいいのですがねえ。」

 

 

「人のふんどしで相撲を取ることしか考えないから、そうなるのだ!!」

宇宙医科大学校の校長、シルヴィオ・ベルルスコーニ氏が、酷評した。

 

「彼らは、19世紀から21世紀の米国がその方法を使いすぎて、21世紀には衰退、分裂の道に至った教訓すら忘れている。

財政赤字の補填しかり、湾岸戦争やイラク戦争しかり。

昔のEUに加盟していたギリシャやイタリア、スペインなどの通貨危機や財政危機と、同じ穴のムジナだよ。

人の金や成果しかあてにしていないのだから、盗人猛々しいよ!!

その点では、かつての中国やロシアは、まだ少しはましだったがね。

あくまでも、ほんの少しだけど。」

 

さすが、校長。

鋭い感覚と評論には、まずます磨きがかかっていますね。

 

「その点、日本やドイツ、イタリア、トルコは独力で自己改革を成し遂げてきた実績がある。

フランスは、ナポレオンの時代以降は、現在まで本当に落ち目そのものではないか!!

独力で何も出来ない国家まで転落してしまった。」

 

シルヴィオ・ベルルスコーニ校長は、フランスへの批判には容赦ないなあ。

 

 

「それならば、尚更、フランスなどが我が国やその同盟国にテロや攻撃、誹謗中傷を仕掛けてきますよね??

もう、テロや事故を装った犯罪などには最高度の警戒と体制、そして迅速な対応が不可欠です。

先の『イスタンブール事変』でも、直接の被害よりは、陸海空などの各種物流の停滞や障害による被害の方が遙かに大きかったのですから。」

SPを代表して参加した加藤稔さんが言った。

 

この人も、今や警視総監に次ぐ地位の警視監に大出世、か。

SPは本当に神経をすり減らす業務。

よくぞ、頑張っておられます。

 

 

「正に、何でもあり、ですね。」

私が思わず、感想を言ってしまった。

 

「現在のモモコ連邦の一部となった、旧ミスルギ皇国の例を見るまでも無いのですが、フランスや現在マナを使用している国家や地域の経済や社会状況では10年は持たないでしょう。

それ故に、これからの数年間から10年程度の期間が最も危険です。

アルゼンチンが典型的な例ですが、この機会に米国や英国、フランスなどに復讐戦を挑む国家も増加するのではないでしょうか。

また、ザイア星のザイア民族等との本格的な宇宙戦争や彗星、隕石の落下攻撃なども想定するべきでしょう。」

 

 

「地震兵器、気象兵器、NBCテロ、サイバー攻撃、量子力学的な攻撃などにも警戒が必要です。」

アルベルトが言った。

 

「地球に触手を伸ばそうとする異星人と、それと手を結ぶ勢力にも警戒しなければなりません。

また、地球に進出している異星系の方々や勢力との連携も大切ですわ。」

ミスティが言った。

 

「マナ残存勢力もある程度の力は残っています。ノーマ取締がいかに違法で非道なものであったのかを暴くこと、それで得た全ての財産の差し押さえや資金洗浄などの摘発も徹底しかければなりません。」

ヒルダが、これだけは絶対に成し遂げる、と力を入れて発言した。

 

 

「当然、それの対策や施策も急務だね。」

ピエモンテ・マンシュタイン首相は応じた。

 

「資金洗浄や不正送金などには、今まで以上に対策を強化しているよ。

特に、マナに関係しているフランスやガリア帝国、ヴェルダ王朝、マーメリア共和国を中心に監視や摘発を強化している。

その対策に効果のある政策も、2110年からスタートしているがね。」

私の父、田中隆男大臣は、秘め事を告白するかのように語った。

 

 

「まさか、あの政策、例のドラゴンの世界からの返礼に頂いた10京円を財源にした、10万円金貨2枚、5万円銀貨4枚、1万円札10枚のセットで、年4回給付する給付金制度のことですか??」

私は思わず、信じられない表情で叫んだ。

 

「その通りだよ、リデル。

さすがは我が息子、正解だ。

良く出来ました。」

私の父、田中隆男大臣は、私を褒めた。

 

「さすがは、リデルよねえ。

カエルの子はカエルだわ。」

私の母、田中真利愛からも、私は褒められた。

 

 

「やはり、金貨や銀貨、紙幣の追跡やそのシステムのお陰ですか。」

アルベルトが質問した。

 

「それだけではないね。

この給付金制度は、現代では逆行していると言って良い、原則として指定窓口での受け取りや、病気や怪我などで入院している方には担当者が直接給付金を手渡す制度なのだ。

その担当者が、警察官や入国管理官、憲兵隊員など逮捕権限のある組織や公職の方の場合がほとんどだよ。

一般事務員は単なる事務手続きだけしかやらないのだ。

不法滞在者とか、給付詐欺を行う人や組織への対策としては、良い摘発へのエサだよね。」

私が、給付金制度の裏事情を語った。

 

 

 

「最後に、特にガリア帝国やフランスに対して行う、外交攻勢は7月の24日に発表という形で行う。

これは、阿倍野真三大統領と閣議の了承も得ている。

当然、そのネタは、ジュライ元国王とジュリオ元皇太子への、フランスが仕掛けた替え玉により、これまでの旧ミスルギ皇国の一連の戦乱や事件はフランスの自作自演工作であったことの暴露。

そして、ジル、本名アレクトラの生存を公式に明らかにすることで、ガリア帝国の非道さを訴えること。

この2点だ。」

私の父、田中隆男大臣は、断言した。

 

「ケマルさん、宣伝の準備は万全ですか??」

 

 

「完璧です、田中大臣。」

ケマル・縁部理桜氏は、胸を張って答えた。

「7月21日から24日まで、3日間、宇宙医科大学校の3年、4年と「特殊機動部隊」関係者らを交えた歓迎パーティーと写真集などの撮影会を行います。

7月24日と25日にはこの場でTV出演を行います。」

 

だんだん、面白くなってきた!!

 

 

 

 7月20日の夜。

ジェノヴァ海岸別荘に戻り、夕食後、「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人は、ローゼンブルム王国夫妻の晩餐会(?)に出席していた。

これには、国王ご一家全員も出席されている。

何故か、私の双子の妹の由美子も、ミスティの双子の兄、ハレー王子の隣に同伴しているのだけれども。

私の両親らは、隣の『高級リゾート 縁部理桜ホテル』に滞在しているのだ。

 

「皆さん、いいわよね、本日の夜の準備は??」

グレース・ローゼンブルム王妃が言った。

 

「しっかりと、今宵は愛を深めなさい。

お風呂の香水とか、ハーブとか、その他の必要用具も、沢山準備しましたからね。」

 

 

 

私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人は、いつもの如く、一緒に大風呂に入り、長風呂をした。

 

そしてその後は、私とミスティ、アルベルトとヒルダは4人居間に入り、30分ほど雑談をしてから、それぞれの部屋に入り、お互いに2人でベッドを共にした。

 

私とミスティは、もう、何というか、恋人同士の意識よりも、既に婚約者同士同様だった。

アルベルトとヒルダも、同じように既に婚約者同士同様だった。

だから、裸同士で寝ようと、それで抱き合おうと、ごく自然に出来たのだ。

 

今にして思うと、グレース・ローゼンブルム王妃が考えた、一番効果のあるストレス解消法だったのだろう。

今でも重宝していますよ、この方法!!

 

 




 今回は大学4年生の夏休み直後の動きを描きました。


4年生の夏休みを迎え、大きな節目を迎えた「黄金のタッグチーム」である私ことリデル、ミスティ、アルベルトとヒルダの私達4人は、更なる愛と絆を深め合います。
私達4人を含めて、宇宙医科大学校の同期生らは、どのように今後発展していくのか??

大きく暴露された事実を公表、今後の情勢の変化は??

4年生の夏以降、私達に益々大きな発展と大波乱の予感??

次回をお楽しみに。
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