クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~ 作:田中_jack
それ以降の活躍する主人公らを描きます。
婚約発表を前に、大波乱の大戦闘が発生します。
2118年4月7日、午前11時。
「黄金のタッグチーム」の4人、私とミスティ、アルベルトとヒルダが、フランスから来た2人の医者で私達4人と同じ年齢の、ボルタ・リエーヌ氏と、その恋人で婚約者のフランソワ・ブルボン女史とジュリオ元皇太子の縁で初めてモモコ連邦の迎賓館隣にある「高級リゾート 縁部理桜ホテル モモコ連邦首都館」での面会が終了した。
彼らに対する私達の印象では、「荒削りながらも、見所のある人材」であった。
軍隊や戦闘経験、諜報活動や地下活動などの経験は無いようだ。
また、フランス生まれのフランス育ちだからであろうか、政治家、軍人、外交官などのような客観的な見方はまだ出来ていないようだった。
2113年7月24日に、日本連邦政府が公表した事実や、声明に対して、フランスがガリア帝国と共に否定的な見解や反対意見を表明した理由も説明出来ない様では情けない。
それでも、何かやってくれそうだ、との好印象は感じるものがあった。
まあ、18歳で「軍隊や戦闘経験、諜報活動や地下活動などの経験」をしている私達4人の方が、世間様から見れば「普通の環境で育っていない、生活していない」ことになるのだろうが。
今回の件では私達4人を含めて、国内外の様々な思惑が、それぞれの立場と考えがローゼンブルム王国で交差する、正に「クロスミスティ」の状況になっていることを、改めてまざまざと見せつけられたのだ。
翌日の4月8日。
「黄金のタッグチーム」の私達4人は、軍事の世界において、新たな構想を試験しようと動き出した。
これには、「防衛技術研究者」の地位や権限、現役の「大尉」であること、そして現在は東京にご栄転され、本土統合軍司令官になられた佐藤大助元ローゼンブルム地域統合軍司令の口利きが大きな力となった。
実施試験は、4日後の4月12日より開始された。
これには、宇宙医科大学校の生徒や教官、特殊機動部隊(サリア達などは卒業しても、この部隊には所属している)、卒業生(依然として卒業生は全員、宇宙医科大学校付属病院勤務である)、ローゼンブルム大学の各学部や大学院、各軍の教導部隊や研究開発部隊などが参加して行われた。
私とミスティを中心として考案したラグナメイル等の戦闘力の向上とその弱点を補う師団、「空陸両用師団」構想を、アルベルトとヒルダを中心に考案した「紛争予知予防システム」構想をそれぞれ打ち上げた。
「空陸両用師団」とは、15000人の「警備師団」に、4個飛行隊などを持つ3000人の航空団3個など、10000人を付加、合計25000人の師団として運用する、空陸の双方で戦える師団である。
「紛争予知予防システム」とは、「バタフライ効果」と「カオス理論」、そして「宇宙の法則」を取り入れ、カバラの法則すら導入している画期的なシステムである。
別名、「霊界通信システム」とも「水晶玉占いシステム」とも呼ばれている。
更に、ラグナメイル等の戦術や宇宙航空戦の戦術などもこれまでの戦訓を踏まえて、「ダイヤモンド編隊飛行」による潜在能力の引き出しを、更に効率良く打ち出した「ローゼンブルム戦法」とも「愛のクロスミスティ戦法」とも呼ばれる戦法戦術を編み出した。
これは、バラの花びらの如く、らせん状に絞り出すような空間などの波動攻撃やその歪みもでも利用しようという戦法だ。
そして、それらの構想を宇宙医科大学校やその付属部隊「特殊機動部隊」を含めて、各軍の実験研究部隊や教導部隊などの協力を得ながら、運用試験を開始した。
何故「大尉」がこんな事をするのか??
敢えて言おう。
それは、「大尉」の階級だからだ。
大尉とは、例えば陸軍で言えば中隊長クラス、現場では一番、指揮にやりがいがある地位と階級である。
その一方で、「名誉除隊」の対象になり易い階級でもある。
つまり、名誉除隊という肩たたき、一般に言う「リストラ」の対象になり易いのだ。
例えば、「貴方はもう、少佐で除隊ですよ。」「営門少佐」と宣告されたり、そのような状況に陥ったりすることが軍隊に限らず、民間でも万年課長、万年係長のように良くあることなのだ。
軍隊など、どうしてもピラミッド型の大型組織にならざるを得ない場合には、ある程度の段階での「足切り」も必要な場合もある。
しかし、パイロットや、医師などの医療関係、特殊部隊などは、単なる「兵卒」はいない。
何故ならば、たとえ1人でも、部下がいなくても、自分の判断で任務や職務を遂行しなければならないからだ。
いちいち、小隊長や中隊長、大隊長などの上官にお伺いを立てて命令を聞いていればよい、という立場ではない。
そんな事をすれば、たちまち作戦や任務は失敗、自分も他人や部下も戦死や墜落死などで死に追いやることなど、重大な失敗になりかねないからだ。
だから、人事や、人員の配置には、それなりの苦労があるのも事実だ。
エリート部隊の養成は必要とされるが、その一方で養成し過ぎると、人事等で問題が生じる。
宇宙医科大学校やその卒業生が、「現役と予備役の双方の扱い」になっているのも、人事面の影響を懸念したためなのだ。
「黄金のタッグチーム」の私達4人は、それぞれ生まれや家庭環境は異なるが、今は軍隊での階級は同じ「大尉」であり、小学校以来、実の兄弟の如く接して暮らしてきたのだ。
そして、私とミスティ、アルベルトとヒルダがそれぞれ恋人同士になり、婚約した。
この当時は、フランスなどの大動乱の動きもあり、今後はどうなるのか、不測の事態が私達に訪れるか、全く分からない状況であった。
私達も予備役で医者であるが軍人の端くれである以上、全員戦死ならばそれは仕方が無いと思っていたが、恋人同士の死に別れが、最も懸念される事態だった。
「それだけは絶対に嫌だ」というのが、私達4人の一致した見解だったのだ。
だから、せめてこの世に生きた証が欲しかった、という強い思いもあったことは事実だ。
かのナポレオンは、16歳で少尉任官、フランス革命期の混乱と戦果で頭角を現し、26歳で中将、そして真の指導者となっていったが、自分達もナポレオンのように大出世するとは、この時は夢にも思っていなかった。
そして、その思いは、実に早く実現し、大成功、そして大出世へのきっかけを掴むことになる。
2118年4月17日。
構想の運用試験で一応の良い成果が得られ、試験は大成功した、と、参加者全員が確信を持った試験運用の最終日。
実戦を想定しているため、全部隊が実弾やミサイル、レールガン、レーザー砲等を装備して待機していた。
朝一番とも言える午前6時30分に「警戒警報」が伝えられた。
ミサイル防衛、敵の襲撃、陸海空、宇宙からの攻撃などに備えるべく、警戒待機する私達。
そしてまたしても、巨大怪獣や奇怪な敵、そして艦艇部隊などが襲って来たのだ!!
午前8時、ヴェルダ王朝方面より、ジェノバを中心に巨大怪獣や大型人造人間と言われる奇怪な敵、そして艦艇部隊、ドローンなどの各種無人機、戦闘機などが襲って来た!!
レーダー等の探査によると、全て「無人コントロール」であった。
そして別働隊が、モモコ連邦の首都モモコや、重要都市のトゥーロンやマルセイユ、スペインのバルセロナ、バレンシア、パルマ、マラガ、英国やスペインのジブラルタル海峡周辺、ポルトガルの首都リスボンなどを襲ったのだ!!
「今が攻撃のチャンスだ、攻撃開始!!」
4個飛行隊などを持つ3000人の航空団2個など、運用試験のため7000人を付加された増強警備師団である「空陸両用師団」の師団長、冨樫優中将が、攻撃開始の命令を出した。
また、「紛争予知予防システム」を駆使して敵の出現予測などを計算しつつ、先手を打った。
その相乗効果は絶大だった。
計算予測以上の効果が現れ、地上からはMLRS長距離精密誘導ロケットやATACMSなどの対地長距離精密誘導ミサイル、SAM、SSM、各種長距離砲や多目的誘導弾の支援に、対空戦闘から地上戦闘まで変形して対処出来るラグナメイルが対応する。
当然、ラグナメイル等では「ローゼンブルム戦法」とも「愛のクロスミスティ戦法」とも呼ばれる戦法戦術を駆使した。
面白いことに、ラグナメイルを操縦している衛宮士郎や遠坂凛、アーチャーやセイバー、ギルガメッシュとバゼット・フラガ・マクレミッツらの「異能集団」は、我々4人同様に、それぞれの「魔法」を操縦しながら攻撃に使用出来るのだ!!
例えば、遠坂凛の「ガント」とか、セイバーの「エクスカリバー」攻撃も、敵に対してかなりの効果を挙げた。
これも、実に興味深いものである。
更に、空軍や宇宙軍の制空戦闘や精密対地攻撃、海軍の海上や海中からの攻撃で、ジェノヴァへ向かった総数20万個レベルの敵は、わずか10分間で消滅した。
もっとも、巨大怪獣や大型人造人間と言われる奇怪な敵は、密集隊形で突撃してきたので、砲爆撃で次々に撃破することが出来たのも幸いだった。
我が部隊は、その勢いで、他への侵攻部隊の撃滅を司令部より命令を受けて、補給や整備をしつつ、他の方面に侵攻した部隊をモモコ連邦、スペイン、ポルトガルの各国と協力しながら次々に撃滅させていった。
戦闘終了まで、開始からわずか4時間であった。
戦闘終了後に撃破数を数えたところ、総数200万個レベルに達したのだ。
尚、この戦闘は、後に「地中海大海戦」と、戦史に書かれる戦闘となった。
ヴェルダ王朝やフランスがバイオテクノロジーの大成果による巨大怪獣や大型人造人間を大量量産した奇怪な敵との戦闘方法が確立した戦闘であった、と評価されることになったのだ。
この戦闘では、意外なこぼれ話があった。
巨大怪獣や大型人造人間と言われる奇怪な敵であっても、「逃亡」や「帰巣本能」があり、その一部の20万個単位が、戦闘の翌日の4月18日に、各々がヴェルダ王国の首都アルジェと、フランスのブルターニュ半島に上陸して、相当深刻な被害を与えたのだ。
ヴェルダ王朝軍やフランス軍が、それぞれ必死に応戦したが、ヴェルダ王朝の首都アルジェは半ば壊滅し、ラバトやカサブランカなどの各地での戦闘も激化していった。
また、フランスでは首都パリまで敵に迫られていた。
こともあろうに、自分達で作った「巨大怪獣や大型人造人間」という「味方のはずの敵」に敗北しつつあった。
正に、自業自得、因果応報だ。
4月19日朝、ヴェルダ王朝政府とフランス政府は、「エンデラント連合、モモコ連邦、日本連邦、英国、スペイン、ポルトガル、ベネルクス3国」に対して、援軍をパリやアルジェに投入することを要請した上で、今回の攻撃や、2113年7月24日に日本連邦政府が公表した過去の攻撃やテロ等の事実、声明に対して賛成して事実関係を全て認めることを発表し、事実上、降伏した。
日本連邦政府などは、この事態に対しては当初、「彼らに深刻な懲罰を与える絶好の機会」と捉えていたが、日本連邦軍の対処能力に比べて、著しく戦闘能力の低いヴェルダ王朝軍とフランス軍は壊滅しつつあり、そろそろ支援が必要と判断、地域統合軍などを差し向けた。
そのため、部隊展開から1日で、ヴェルダ王朝やフランスが自分達で作った「巨大怪獣や大型人造人間」の敵は壊滅させることが出来たのだ。
2218年4月22日夜、ヴェルダ王朝の王国政権とフランスの政権が崩壊した。
翌日の4月23日未明までに、ヴェルダ王朝とフランスには、それぞれ臨時政権が発足した。
今回の「地中海大海戦」での大戦果により、日本連邦軍の戦闘能力や危機管理能力の高さが、改めて実証された。
そして、「黄金のタッグチーム」の私達4人が作り出した2つの構想と1つの戦術で大成功したことも、併せて大々的に発表されたのだ!!
4月27日の午前10時より、ジェノヴァにて、今回の「地中海大海戦」の戦勝を記念した大々的な戦勝パレードが、参加部隊らの観閲行進や市中行進を交えて開催された。
そこで、何故か私が、突然、何の予告も無しに、戦闘に参加した軍の代表として市民の皆様向けに「演説」することになったのだ。
新米の大尉が、一般向けに演説だと??
「黄金のタッグチーム」の他の3人は、自分が当てられなかったので安堵していた。
もう、いいや!!
やってやる!!
覚悟を決めて、熱い想いを、情熱的に10分程度、語った。
そして最後に、こう締めくくった。
「日本連邦、万歳!!
そして、日本連邦と、その全ての国民とともにある、日本連邦軍万歳!!」
『万歳!!万歳!!』
演説の最後には、もう、大歓声が何度も響き渡った!!
そして、聴衆の間から熱い情熱で、国歌が自然に賛美歌のごとく、歌われ出した。
実に、実に、感動的な場面だった。
私の演説した演台から近い位置に、お忍びで来られたVIPの1人が、感激してこう言った。
「素晴らしい、素晴らしい演説だった。
彼こそ、日本を、そして世界をリードできる逸材に違いない!!
すぐにでも、彼の政治家への道を探らなければ!!」
そのVIPとは、日本連邦の阿倍野真三大統領である。
その目には、涙が溢れていた。
今回は婚約発表を控えた「黄金のタッグチーム」らの大成功を描きました。
婚約の正式発表で私達4人を含めて、宇宙医科大学校の同期生らは、どのように今後発展していくのか??
今後の情勢の変化は??
私達に益々大きな発展と大波乱の予感です。
フランスは、日本を含めた世界はどうなるの??
新たなる訪問者は、私達に何をもたらすのか??
次回をお楽しみに。