クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~ 作:田中_jack
本当に嬉しい限りです。
物語は2120年、主人公らは20歳を迎え、大きな転機を迎えました。
「黄金のタッグチーム」の私達4人にとって、将軍になった私達に、「常勝将軍」「暴れん坊将軍」の如く、またもやの大勝利。
4月1日付けで大将に昇進。
そして、4月2日に、ローゼンブルム王国国王が、私達の弟や妹などの婚約を電撃発表しました。
またもや大波乱。
これからどんな劇的な運命が待ち受けているのでしょうか??
第56話 大いなる大戦略的勝利に向けての戦いが開始された
2120年4月2日、午後3時過ぎ。
場所はジェノヴァの宇宙医科大学校の大学付属病院。
私達は東京からジェノヴァに帰還したばかりだ。
建前上は、ここは私達の「勤務場所」であり、ベース基地でもある。
しかし今や、世界中の人達が、宇宙医科大学校関係者や私達が縦横無尽の活躍をしていることを知っており、また、ここには常時いるとは限らないことを知っている。
医者としては、この待遇は問題があることは分かっている。
例えば継続的な治療が必要な患者さんや来訪されるお方に対しても、失礼であろうことは良く理解している。
しかし、私達はもはや、「単なる医者や軍人」ではなくなっていたのだ。
「日本連邦の懐刀」ところか「世界の懐刀」になり始めていた。
午後3時30分。
大学付属病院の会議室、大ホールには、国防総省副大臣に昨日就任したばかりの佐藤大助5大元帥と、私の父、田中隆男大統領府主席大臣が待ち構えていた。
「皆さんの大将昇進、誠におめでとう。
宇宙医科大学校の入学以来、これまでの軍所属と戦闘、医療などの任務や功績に、心から感謝申し上げたい。」
佐藤大助5大元帥が、私達を前に挨拶をした。
「本当に、一人も戦死することなく、退役することもなく、全員で今日の日を迎えられることは、君達らと警備師団の師団長などとして共に戦った経験がある私としても、本当に嬉しい限りだ。
さて、本日より、残念ながら君達には、新たなる任務を与えなければならない。
それは、対テロ、対ゲリラ、そして、宇宙からなどの脅威からの対処、だ。
先日、75期や76期の人員で編成した主任務地域分担を維持しつつ、『喫茶アンジュ』の機能を含めて多様な任務に活用、活躍して頂きたい。」
佐藤大助5大元帥らしくない、抽象的で煙に巻いた表現で訓示した。
おかしい。
絶対に何か、隠している。
到着時にローゼンブルム王国国王が大々的に発表した件との関連もあるだろう。
「チーム毎などに、個別に任務を付加するので、この後の指示に従って貰いたい。」
本日朝、阿倍野真三大統領と朝食などで共に過ごした「黄金のタッグチーム」である私達4人と東郷ヤコブレフ氏と高垣楓さん、宇宙医科大学校の「特殊機動部隊」に所属する異能部隊、異能集団を代表して、衛宮士郎と遠坂凛のカップル組、アーチャーとセイバー組、ギルガメッシュとバゼット・フラガ・マクレミッツ組と共に、普段はあまりご一緒しない、秋月涼君と水瀬伊織さん組、御手洗 翔太君と萩原 雪歩さん組が、すぐに別室に呼ばれた。
そこには、私の父、田中隆男大統領府主席大臣と共に、私の叔父であるマイケル・ハート氏、そして、先程の爆弾記者会見でも王宮警護を担当していたSPの加藤稔隊長も同席していた。
そして、「G機関」の責任者、アル・ガッポリーネ氏もいた。
加藤稔隊長は、もうジェノヴァの警視総監に大出世、ガッポリーネ氏は既に改名すらしていた。
しかし、何故ここに??
「大変お忙しい中で申し訳ないが、佐藤大助副大臣の訓示にもあった通り、君達には対テロ、対ゲリラ、そして、宇宙からなどの脅威からの対処をして貰いたい。
しかし、これまでの任務などから理解しているだろうが、それはあくまでも、『全体の任務のごく一部』だ。
もっと、別の緊急の任務を含めて、数多くの事態に対処しなければならない。」
私の父、田中隆男大統領府主席大臣は、本当に真剣に話した。
「実は、レプタニアン過激派を掃討した後で、宇宙連合や銀河連邦からも情報交換や連絡などを頻繁にやり取りしているのだが、別の異星人や平行世界、平行宇宙からの地球への攻撃があることが判明したのだ。
現時点までの証拠では、先日の「ロンドン戦争」で使用された生物兵器、MERSコロナウイルスが、DNAなどウイルスの形態が異星のものであったことが判明している。
だから、ロンドン戦争を引き起こした「欧州統一戦線」やその残党、シンパだけではなく、それ以外のテロ組織やゲリラ組織、犯罪集団などにも警戒しなければならない。
MERSコロナウイルスは、現在、アラビア半島と朝鮮半島で流行しているが、これは各国の防疫部署などが総出で予防や治療を行い、感染拡大を食い止めているので、何とか対処は出来るだろう。
もちろん、本格的な武力攻撃や隕石衝突などを含めた対処を行わなければならないのは言うまでも無いが。
更に、「ゾンビコマンドやその集団」が出没している、との情報がアルゼンチンやコロンビア、ハンガリーなどからも寄せられている。
これは、遺伝子操作された人型兵器のなれの果ての可能性が高く、情報当局などでも調査研究している最中だ。
正に妖怪変化の如く、様々な種類や形態、特徴があるようだ。」
私の父、田中隆男大統領府主席大臣は、厳しい現状を話した。
「そこで、君達には、派手に活躍して貰いたいのだよ。」
部屋に入ってきた、ナムコプロ社長で宇宙医科大学校校長兼付属病院院長でもある、高木順一郎予備大々元帥がとんでもない事を言った。
予備大元帥である、ケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏とその妻、マギー・縁部理桜(旧姓ヒイラギ)さんも一緒だ。
更に、あの名物夫婦元帥コンビ、宇宙軍出身で医者の末次一郎氏と、陸軍出身の末次亜美(旧姓蝶野)さんも見えられた。
これは、ますます、レベルの高い作戦だな。
「まずは、芸能記事や芸能ニュースで世間を沸き立たせて欲しいのだ!!
我が宇宙医科大学校などの人気や支持を更に高めるのだ!!
動画撮影や記念のスナップ撮影などは、以前からの撮影でお世話になっている、ケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏と懇意の写真家、篠原紀信氏をお呼びしている。
今回も、撮影や動画などの宣伝にも一肌脱いで頂くことになった。
何でも良いから、芸能ネタをどんどん振りまいてね!!
ローゼンブルム国王が記者会見した、君達の弟や妹らの婚約会見も、その一環なのだから。」
高木順一郎予備大々元帥が、一大プロモーションをするが如く、和やかに言った。
はあ、意外な方面、軍隊では例外中の例外である宣伝作戦以上に難しい「芸能作戦」をどうすれば思惑通りに進める為には、何をすれば良いのだろうか??
早速、そこに同席した参加者全員が、悩んだ。
当然、私も悩んだ。
うーん・・・。
閃いた!!
そうか、そう言えば、先程、記者の善永さんが、宇宙医科大学校の門の前にいたな??
正門に電話して連絡してみよう。
私は正門の守衛さんに連絡して、すぐに皆で善永さん達と正門で待ち合わせすることにした。
「記者の善永さん達と会う約束が出来ました。
それでは、任務の為、只今より退庁致します。
(一応、軍とはいえ、任務上の事とはいえ、お役所仕事だから「退庁」と断る必要がある。)
皆様、お先に失礼します。」
と、敬礼して私は言った。
私が部屋の外に出ようとしたら、「私も同行します。」と、写真家の篠原紀信氏とそのスタッフ、いつもお世話になっている観光庁などの政府広報撮影記録関係者も私に付いてきた。
「軍の任務ですが、大丈夫なのですか??」
と私が尋ねると、
「私達は死ぬ覚悟で撮影していますから、大丈夫です。」
と、写真家の篠原紀信氏とそのスタッフ、観光庁などの政府広報撮影記録関係者も、異口同音に言った。
さすが、サムライ魂が燃えたぎる人達だ!!
「私も一緒に行きます。」
ミスティが言った。
「ミスティ、すぐに王宮に戻らなくて良いのかい??」
私が心配して言った。
ローゼンブルム国王が記者会見した件もあるので、今頃、王宮はドタバタしているだろう。
「心配していません。
お父様が相談なしに記者会見を開いたのだから、お一人でも何とかするでしょう。」
ミスティは、けろっとして明るく答えた。
まあ、仕方ないか。
「王宮は警備を含めて、全く心配はありません。
大丈夫です。」
SPの加藤稔隊長は言った。
「もちろん、皆様の警備もしますよ。
ご安心を。」
「不審情報などもありません。
何かあれば、警備警戒支援増強を含めて、すぐにお知らせして行動します。
名誉回復などで私達を引き上げて頂いた、皆様の為にも、ね。」
「G機関」の責任者、アル・ガッポリーネ氏も言った。
ここまでは想定内の事態だった。
問題は、この後だったのだ!!
何と、そこに居た高木順一郎予備大々元帥や私の父、田中隆男大統領府主席大臣を含めて、担当者全員が、私とミスティらの後に付いてきたのだ!!
少なくとも、大々元帥や大元帥、元帥は、自分の仕事が別に有るのでは??
「だって、他のみんなも、すぐに出せる芸能ネタも無いし。
付いていくのは仕方ないわよ、リデル。」
水瀬伊織は言った。
それを聞いて、隣にいた秋月涼は、笑った。
午後4時5分前。
宇宙医科大学校の正門前では、ちょっとした騒ぎになっていた。
それはそうだ。
私とミスティを先頭に、高木順一郎予備大々元帥や私の父、田中隆男大統領府主席大臣を含めて、宇宙医科大学校関係者等の要人らが続々と、「大名行列」の如く、出てきたのだから。
「善永さん、お待たせしました。」
私が善永さゆり記者に手を上げて、声を掛けた。
黒のセミロングヘアーと、かなり理知的な顔が特徴の、大手インターネット紙「JU-CAST」の女性記者である。
「はあい、お待たせ。
早くて助かりますよ!!」
善永さゆり記者が、応えて返事をしてくれた。
ここで、普通ならば芸能人の記者会見のごとく、記者達の争奪合戦、質問合戦があるのだが、我々を相手にすると、それではまずいのは記者も分かっていた。
なにしろ、何かあれば、各国のネット掲示板やツイッター等のメディアなどで「ボロボロになるまで批判される事態」に晒されるからだ。
しかし、今回の任務は、あくまでも「話題の提供」に主眼がある。
紳士的に対応しなければ。
「仕事の話はともかく、今のホットな話題や雑談ならば、近くの喫茶店でお茶でも飲みながら話をしましょう。
こちらも、少々リラックスしたいのでね。」
と、私は言った。
私がリラックスしたいのは本当だ。
しかし、近くの喫茶店に行くのにも、何故「大名行列」をしなければならないのか。
ああ、不自由な身分だな。
私が誘うと、善永さゆり記者だけではなく、彼女の同僚で恋人である高田純次記者、そして有名芸能スポーツ紙「ザンスポ」の高橋大輔記者と、その同僚で恋人の林めぐみ記者、英国の有名芸能新聞「サンデー・ミラー」のマイケル・ジョーダン記者とその恋人、スザンヌ・ロレーヌ記者、JUFNNの笹井レポーターとその撮影スタッフまでもが、後をついてきた。
彼らも、仕事だからな。
何かネタの一つでも欲しいだろう。
午後4時。
近くの会議型喫茶店「ジェノヴァアルペン1号店」に到着し、皆と共に着席した。
ここは、私達がよく利用している喫茶店である。
「喫茶アンジュ」とは別に、利用する事もあるのだ。
なにしろ、「縁部理桜ホテル」の系列店であるのだから。
「さてと、始めにお尋ねしたいのは、エマニエル・ローゼンブルム国王陛下が記者会見で大々的に発表していた、婚約発表についてですね。」
善永さゆり記者が、嬉々として私やミスティに尋ねてきた。
一応、合同記者会見のような形式であったのだが、JUFNNの笹井レポーターとその撮影スタッフ、写真家の篠原紀信氏とそのスタッフ、いつもお世話になっている観光庁などの政府広報撮影記録関係者が、各メディアの記者と共にそれぞれ撮影するという、特異な状況下での「記者会見」になっていた。
「本当に、『奇襲攻撃』を受けたような発表ですよ。
事前には何も連絡がありませんでした。
発表内容にも、驚いています。」
私が質問に答えた。
「エマニエル・ローゼンブルム国王陛下が記者会見で嬉しいお知らせがある、と称して、突然、
・リデル・田中大将の末妹の愛美さんが、高垣楓大将の弟である高垣巌君と婚約
・アルベルト大将の弟であるシュレディンガー君が高垣楓大将の妹である高垣麻美さんと婚約
・アルベルト大将の妹であるクリームヒルトさんがリデル・田中大将の叔父マイケル・ハート氏の娘で、アーノルド皇太子と結婚が決定したキャサリン・ハートさんのいとこである、ダイアナロス・ハート氏と婚約
・私の三女のミスティ大将の妹である四女のナナが、秋月涼君の弟、秋月明君と婚約
・私の三女のミスティ大将の弟である四男のヘンリーが、ヒルダ大将の妹、ベローニャさんと婚約
・ヒルダ大将の弟、アプルディーニ君が、萩原雪歩大将の妹、萩原由美さんと婚約
と言われて、
「いやー、めでたい、めでたい!!」
とTVで言われても、親族としては、発表内容に、ただ驚くばかりです。
しかしながら、我が末妹の件を含めて、今回のすべての婚約に関しては、率直に喜んでおります。」
私は、少々オーバーな表現で、自分の気持ちを話した。
ミスティの反応は、やや違っていた。
「我が父上、国王陛下の発言は、幸せを運ぶコウノトリのような役割であった、と考えております。
たった今入った連絡では、我が父上が、この度発表した全ての婚約にお見合いを仲介して、婚約にこぎ着けたそうです。
さすがは、我が父上である、と思っております。」
ミスティは、父上を持ち上げた。
さすがは、王女様!!
「リデル大将の叔父、マイケル・ハートさんとしては、今回の件は如何でしょうか??」
JUFNNの笹井レポーターが尋ねた。
「非常に驚いております。
我が娘が皇太子と婚約したことと同様に、父親として、親族として率直に喜んでおります。」
叔父のマイケル・ハート氏は、素直に返答した。
「アルベルトさん、今回の婚約の狙いは??」
「英国王室との関係強化を図った理由は何??」
「サンデー・ミラー」のマイケル・ジョーダン記者とその恋人、スザンヌ・ロレーヌ記者が、立て続けに、厳しく問いかけた。
「それは、・・・・。やはり、我が家、ジークフリートの伝説を引き継ぐマンシュタイン家系の歴史と考えが、それらの現実を引き寄せたのでしょう!!」
アルベルトが、過激な受け答えをした。
「ヒルダさん、妹や弟の婚約については??」
高田純次記者がヒルダに尋ねた。
「幼い頃には何もしてやれなかった妹や弟に、これでやっと姉らしい事が出来るかと、感激しております。」
ヒルダが、感慨深く、そして熱く語った。
「高垣楓さんの弟と妹が、それぞれリデル・田中大将の末妹の愛美さん、アルベルト大将の弟であるシュレディンガー君と婚約した理由は??」
「高垣家との関係強化の真の目的は??」
高橋大輔記者と、その同僚で恋人の林めぐみ記者が、負けてなるものか、と突っ込んだ質問をした。
「ほほほ。
全ては我が高垣家の安泰の為です。」
高垣楓さんは、私やアルベルトが答える前に、さらっと、返答をした。
なるほど、無難な答えかも知れない。
「萩原雪歩さん、妹さんがヒルダさんの弟と婚約されたことについてはどのようにお考えでしょうか??」
「今後の萩原組関係との業務も考慮しているのでしょうか??」
JUFNNの笹井レポーターが突っ込んだ質問をした。
特に、JUFNNはヒルダを幼い頃から擁護と支援をしており、ヒルダには相当な熱を込めた質問を以前からしていた実績がある。
「もう、大先輩のヒルダ大将と親戚になれるのは、天にも昇る気持ちです。」
萩原雪歩は、いつもの口調で、実に控えめに答えた。
「ヒルダ大将の弟さんならば萩原組の一翼を担える、と考えております。」
「秋月グループの御曹司、秋月涼大将は、水瀬グループ総帥の娘の水瀬伊織大将と婚約しております。
それに加えて、今回、秋月涼大将の弟が、ミスティ大将の末妹と婚約した理由は??」
善永さゆり記者が、突っ込んだ質問をした。
「やはり、芸能関係の結びつきもあるのでしょう。
私達はお互いに、ケマル・縁部理桜プロデューサーの弟子ですし。」
秋月涼が、男らしく答えた。
記者会見は、まだまだ続いた。
今回は、私達4人を含めて宇宙医科大学校の同期生らは、結婚準備の時期に来ましたが、エマニエル・ローゼンブルム国王が、またまた爆発的な嵐を巻き起こしてくれました。
その背景や対応などを描きました。
どのように今後、私達は結婚して発展していくのか??
宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達はどうなるのか??
「中欧連邦構想」の実現に向けて、今後の情勢の変化は??
日本を含めた世界はどうなるの??
『喫茶アンジュ』と併せて大将に昇進した私達に対する期待もますます膨らむ中、今後、何を求められ、成果を挙げるのか??
次回をお楽しみに。