クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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クロスアンジュのコミックは、別のストーリーも付加されています。
本編とは違う、ゲーム版の視点もあればいいな、と感じている今日この頃です。



物語は2120年、主人公らは20歳を迎え、大きな転機を迎えました。
「黄金のタッグチーム」の私達4人にとって、将軍になった私達に、「常勝将軍」「暴れん坊将軍」の如く、またもやの大勝利。
4月1日付けで大将に昇進。
そして、4月2日に、ローゼンブルム王国国王が、私達の弟や妹などの婚約を電撃発表しました。

またもや大波乱の中、新たなる任務を命じられ、記者会見した私達。
このままで済むはずがありません。
これからどんな劇的な運命が待ち受けているのでしょうか??



第57話 英国皇太子ご一行をテロリスト達から守り抜き、またもや大英雄

 2120年4月2日、午後4時過ぎ。

 

場所はジェノヴァの宇宙医科大学校の大学付属病院近くの会議型喫茶店「ジェノヴァアルペン1号店」。

ここは、私達がよく利用している喫茶店である。

「喫茶アンジュ」とは別に、利用する事もあるのだ。

なにしろ、「縁部理桜ホテル」の系列店であり、すぐ近くには「縁部理桜ホテル」と「ローゼンブルム王国王宮」がある。

 

小さな「記者会見」も、佳境に入ってきた。

 

「えーと、それでは、次の話題に入りたいと思います。

英国のアーノルド皇太子と結婚が決定したキャサリン・ハートさんについてですが、どのようなお方だ、とお感じになっていますか??」

善永さゆり記者が、またまた意味深い質問をしてきた。

テスト問題ならば、「引っかけ問題」だろう。

 

「私にとっては、叔父の娘さん、つまり「いとこ」ですね。

本当に、可愛いらしい子ですよ。」

私は、努めて嬉しそうに話した。

こんな時には、ワインでも飲みながら話すのが良い、と阿倍野真三大統領から教えられたことがある。

しかし、何となく、そんな気分ではないのだ。

そう、この時、私は「ある危険な兆候」を直感していたのだ。

 

 

「可愛らしい子、とは??

お隣のミスティ大将と比べれば、どれ位の可愛らしさですか??」

JUFNNの笹井レポーターが、敢えて突っ込んだ質問をした。

 

「ミスティと同等で世界最高、という事です。」

はっきりと、私は言った。

この言い方に、ミスティは珍しく目を丸くして、頬を赤くした。

世界最高と褒められたのが余程、嬉しかったのだろう。

 

「リデルやミスティだけではなく、このスーパーアイドル、伊織ちゃんにも質問してよね!!」

水瀬伊織が、敢えてすねた発言をした。

皆が、笑った。

いいね、いいね。

良い雰囲気になってきた。

 

 

「そのスーパーアイドルの水瀬伊織大将に質問させて頂きます。

プライベートでは、今でもウサギのぬいぐるみを「連行」しているのですか??」

高田純次記者が質問した。

質問の内容は、本当に「危機一髪の線」、水瀬伊織にとっては、その「ウサギのぬいぐるみ」は、それだけ思い入れがあるものなのだから。

彼女は幼少期、「箱入り娘」で孤独であったのだ。

それを唯一、癒やされたのは「ウサギのぬいぐるみ」であったのだから。

 

「おほほほほ。

今の私にとっては、ウサギのぬいぐるみを「連行」する時間より、はるかに長い時間を秋月涼と一緒に過ごしていますわ。」

水瀬伊織が、うまく逃げた答えをした。

秋月涼は、下を向いて頬を赤く染めた。

全く、だらしがない!!

男だろう!!

もっと、しっかりしろ!!

 

「ウサギのぬいぐるみが貴方のライバルだそうですよ、秋月涼大将??」

「現在の複雑な心境はどうですか??」

マイケル・ジョーダン記者とその恋人、スザンヌ・ロレーヌ記者が、またもや立て続けに、半分からかいつつ、厳しく問いかけた。

 

「だ、大丈夫です。

何故ならば、伊織こそ、私の恋するウサギでもあるからです!!」

秋月涼が、あせりながらも、面白い返答をした。

まあ、彼らしい純情な答えなのだろう。

 

この時点で、私達が保有している特殊携帯電話が、急に「緊急連絡」を伝えてきた!!

 

「緊急連絡

16時10分。

発信元:ジェノヴァ港湾警察・沿岸警備隊

内容:

政府や警察などへの事前連絡無しで、反英的な言動で知られる、スペイン王室のカルロス6世王子以下、一行60人が、午後4時に入港した豪華客船「カルロス号」で上陸した。

一行には、アキホ・ブラニューゴ女史など、過激分子50人が含まれ、一行の60人全員が要注意人物である。

 

また、同時刻に偶然かどうかは不明だが、英国王室のアーノルド皇太子と、その結婚相手に決定したキャサリン・ハートさんが、政府や警察などへの事前連絡無しで、かつ護衛や侍従無しで、豪華客船「クィーンエリザベス号」で上陸した。

 

現在、双方の一行を追跡尾行中。

 

警察、治安機関、警察機動部隊、対テロ部隊は要人SP、王宮SPを含めて、厳重警戒。

軍関係機関や関係者、特に情報機関や憲兵隊、警備師団を含む即応軍は戦闘準備、及び厳重警戒。

怪しい動きがあれば、即時対応せよ。

 

顔写真、動画などは添付ファイルを参照されたい。

 

以上」

 

 

私達は、直ちに行動を開始した。

事前にラグナメイルを王宮に無線自動誘導で待機させつつ、SP、宇宙医科大学校関係の機関や部隊、軍や警察、消防などへの待機や警戒強化、部隊や人員の移動を連絡、待機させた。

 

「皆さん、気分転換を兼ねて場所を変えましょう。

縁部理桜ホテル経由で、王宮に移動しましょう。」

私が取材陣に提案し、すぐに移動を開始した。

 

「特ダネが取れるでしょうから、カメラなどはそのままでお願いします。」

 

 

午後4時15分。

縁部理桜ホテルの前を横切り、一路、王宮へ。

テロ対策には極度の緊張は禁物だが、取材陣の前だ。

顔に出してはならず、焦ってもいけない。

 

途中から、我々の周囲や側を、到着したSP車両や軍の機動戦闘車、宇宙医科大学校や宇宙軍関係の飛行機やラグナメイルなどが囲みつつ、移動した。

 

「あのー、どうされたのですか??

今から何が始まるのですか??」

善永さんが私に尋ねた。

 

「今、我々は警戒態勢に入りました。

敵の戦力などの勢力組成が不明ですので、何があっても対応できるよう、警戒配置などの準備をしているところです。」

私が答えた。

 

王宮SPの加藤稔隊長が、慌ただしくSPの指揮車両の中に入って指揮を執り始めた。

 

 

午後4時18分。

王宮の正門に全員が入った。

緊張が嫌でも高まる中、王宮とその周辺でアンジュやサラ、ヴィヴィアンらの仲間が援軍として集まり、武装して集合していたのを見て、ほっとした。

その中には、明らかにドラゴンの世界などの平行世界や平行宇宙からの援軍もいた。

 

ここで、カメラマンを含めて全員が戦闘準備。

レポーターらにも銃器と防弾、防刃、対NBC戦防護装備が配られた。

15年前の私とミスティが受けたテロ攻撃の被害を受けて改良された「特殊傘」も装備された。

 

 

午後4時20分。

 

ナムコプロ社長で宇宙医科大学校校長兼付属病院院長でもある、高木順一郎予備大々元帥が指揮に関して次のような命令を発した。

「予備大元帥である、ケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏とその妻、マギー・縁部理桜(旧姓ヒイラギ)さんは、副指揮官として私の補佐を行い、かつ広報担当をお願いする。

宇宙軍出身で医者の末次一郎元帥は宇宙軍を指揮、陸軍出身の末次亜美(旧姓蝶野)元帥は現場の警備師団など、その他の部隊の指揮をお願いする。」

 

軍隊では、「先に現場に入った者の指揮に従う」のが原則であるので、何ら問題はない。

 

午後4時22分。

緊急連絡が入った!!

 

「英国王室のアーノルド皇太子と、その結婚相手に決定したキャサリン・ハートさんが、縁部理桜ホテルの正門に到着!!」

 

私達は咄嗟に、

「ラグナメイル!!来い!!」

と叫んだ!!

 

「皇太子らを守れ!!」

宇宙軍出身で医者の末次一郎元帥は宇宙軍を指揮、陸軍出身の末次亜美(旧姓蝶野)元帥の命令が飛ぶ!!

 

レポーターや記者らと共に、我々は全力で緊急出動!!

緊迫した状況に、レポーターや記者、カメラマンなども真っ青だ!!

 

同時刻。

縁部理桜ホテルの前に集結した我々を、英国王室のアーノルド皇太子と、その結婚相手に決定したキャサリン・ハートさんが、私達の表情とは裏腹に、ぽかんとした顔で私達を見ていた。

 

「リデル、どうしたの??」

私のいとこに当たる、キャサリン・ハートさんが尋ねた。

駄目だ、こりゃ。

命を狙われているという、危機感が全く無い!!

 

「とにかく、直ちに王宮まで避難して下さい!!」

私とミスティが操縦する大型ラグナメイルに皇太子ら2人を乗せて、他の10数機と共に緊急発進、王宮に移動した。

 

午後4時25分。

私とミスティが王宮に皇太子らを無事に送り届け、建物に入った瞬間、周辺の軍警備部隊や戦闘機部隊などがミサイルやロケット弾などへの迎撃戦闘を開始したのだ!!

私達も、直ちに防御態勢や迎撃行動、反撃を開始した!!

本当に、間一髪だった!!

王宮に地下室や地下車庫、地下航空基地シェルター等を整備しておいて、本当に良かった!!

 

 

直ちに、軍や警察が全力を挙げて対応した。

 

午後4時26分。

ミサイルやロケット弾の発射位置は、豪華客船「カルロス号」とその周辺からであることが判明し、軍や警察の反撃が開始された。

 

午後4時28分。

豪華客船「カルロス号」は拿捕され、警察の特殊部隊によって制圧され、捜査が開始された。

また、正体不明の潜水母艦12隻をジェノヴァ周辺で攻撃し、強制浮上の上、拿捕した。

更に、不審艦船等12隻をジェノヴァ周辺で攻撃し、撃沈した。

 

午後4時35分。

犯人グループのスペイン王室のカルロス6世王子以下、一行60人のうち、カルロス6世王子以下、35人が縁部理桜ホテル周辺の銃撃戦の末、逮捕、拘束された。

 

 

午後5時35分。

ジェノヴァからアルプス方面に逃走していた、残りの犯人グループ25人が、軍と警察の検問に引っかかり、銃撃戦や戦闘の末、全員逮捕、拘束された。

 

 

 

今回の事件の結果、SP3人、軍関係者7人の合計10人が負傷した。

幸いにも、完璧な医療体制のため、応急処置が早くいずれも軽い怪我や症状で済み、重い後遺症が残ることはなかった。

 

また、民間人には被害が無かったのは不幸中の幸いであったが、銃撃戦や戦闘での被害が少なからず出たのも確かだ。

これらは、犯罪救済基金よりの保険や援助金で、修復されることになった。

 

 

しかし、衝撃的であったことは、スペイン王室の王子とその一行が「テロ行為」を行ったことだった。

この目的は、英国皇太子らの殺害だけではなく、アンジュなどの宇宙医科大学校関係者やローゼンブルム王室関係者なども狙ったことにも、世界に衝撃を与えるには十分な、恐るべきものであったのだ。

特に、アキホ・ブラニューゴ女史など、アンジュの元同級生がテロに参加していたのは、アンジュだけではなく、私達にも大きな衝撃を与えた。

 

アキホは平気な顔をして「アンジュを捕らえて、裸にして鞭で叩き抜き、縛り首にして吊るし、世間に晒したい」と言って、アンジュの激高と激怒を買ったのだ。

私やミスティ、アルベルトやヒルダが止めなければ、「この豚野郎!!死ね!!」と、アンジュがアキホをもう少しで射殺しかねなかった程だ。

 

 

更に、英国皇太子とその婚約者キャサリン・ハートさんの2人が殺される寸前にいたのを、間一髪で助け出したことに関して、英国や英国国民をはじめ、多くの国や地域などから、「皇太子ご一行を守り抜いた」と、大きな反響と恩義、感謝の気持ちを日本連邦政府や日本連邦国民と共に、我々も頂いたのは、本当に光栄であった。

 

私達は、幸せ者です!!

 

 

 

午後6時30分。

警戒態勢、解除。

 

ようやく、夕食の準備が出来る。

善永さんをはじめ、記者やレポーターなどは興奮気味に、レポートなどを王宮より発信していた。

 

午後7時。

日本連邦政府の発表で、お忍びでジェノヴァを訪問した英国皇太子とその婚約者のキャサリン・ハートさんの無事と保護、そしてスペイン王室とそのテロリストらを強く非難、スペイン政府に厳しい制裁か、国際的な行動を検討していることを明らかにした。

 

また、今回のテロに使用された資金源は、朝鮮半島南部にある、排他的な民族新聞「ガンキョレ新聞」の論説委員兼本社役員で、スイスのベルン支局長のキム・クネ(金 槿恵)女史と、スイスのジュネーヴ支局長のイ・チョンイル(李 朝日)氏が作った裏金であったことが判明した。

 

この2人は、それぞれ有力政治家や有名政治家が家系や親戚にいる家庭で生まれ、「金クレクレ女」とか、「アサヒる男」などと呼ばれる程、歪みきった歴史観や政治思想を持っていた。

この2人は直ちに同日夜、エンデラント連合の警察に逮捕され、「ガンキョレ新聞」はテロ支援組織に指定、活動や発行などは禁止され、容疑者と同様に、全ての資産や情報は差し押さえられた。

 

 

 

午後8時。

私達は、今回の戦闘やテロ対応の報告書の作成も終わり、ジェノヴァの王宮でそれぞれの婚約者と共に風呂に入ってゆっくりしていた。

 

同時刻、エンデラント連合の首都、ベルリンの大統領官邸。

 

「ふう、今回のジェノヴァのテロ対応は迅速だったな。

さすがはリデル君達の日本連邦軍や日本連邦政府の活躍は、素晴らしい!!

我が国にも、彼らのような人材がたくさん欲しいよ。

ねえ、リィザ。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領は、彼の妻で首相兼外相のリィザ・シュワルツネッガー(旧姓ランドック)に尋ねた。

 

「そうね。

でも、彼らのような逸材は、そんなには居ないわよ。」

子供をあやしながら、リィザは答えた。

 

「それよりも、今回の事件で、スペイン王室は大混乱よ。

これで中欧連邦構想に弾みが付くわよね。

貴方、どうしましょうか??」

 

 

「秘密交渉をやろう。

例の100京円問題を、逆手に取るのだ。

田中隆男大臣や志木田茂雄外相と、まずは会談しよう!!」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が、うきうきした顔を浮かべて、言った。

 




今回は、「クロスアンジュ」で最後に残った、原作ではアンジュの元同級生のアキホ達に、悪役で登場してもらいました。
原作でもその悪役ぶり、鬼畜ぶりのクズレベルは、今でも印象に残っています。
こいつらに関しては、今後の運命などはもう、どうでも良いです。

私達4人を含めて宇宙医科大学校の同期生らは、結婚準備の時期に来ましたが、エマニエル・ローゼンブルム国王が、またまた爆発的な嵐を巻き起こしてくれた波紋が、拡がっています。
どのように今後、私達は結婚して発展していくのか??

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達はどうなるのか??
「中欧連邦構想」の実現に向けて、今後の情勢の変化は??
日本、エンデラント連合を含めた世界はどうなるの??

『喫茶アンジュ』と併せて大将に昇進した私達に対する期待もますます膨らむ中、今後、何を求められ、成果を挙げるのか??


次回をお楽しみに。

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