クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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 「クロスアンジュ」を何度も見返してみると、過去の問題作や話題作などの影響を大きく受けているだけではなく、世の中の節目を暗示する作品ではないか、と思っています。
筆者はその雰囲気を本作でも出して行きたい、と考えております。
仕事を含めて多忙ではありますが、更新を頑張ります!!


物語は2120年、主人公らは20歳を迎え、大きな転機を迎えました。
「黄金のタッグチーム」の私達4人にとって、将軍になった私達に、「常勝将軍」「暴れん坊将軍」の如く、またもやの大勝利。
4月1日付けで大将に昇進。
そして、4月2日に、ローゼンブルム王国国王が、私達の弟や妹などの婚約を電撃発表しました。

またもや大波乱の中、新たなる任務を命じられ、記者会見した私達。
このままで済むはずがありません。
案の定、お忍びでジェノヴァを訪れたアーノルド英国皇太子と、その婚約者で私のいとこに当たる、キャサリン・ハートさんを狙ったテロが、なんとスペイン王室王子と、その一行60人の犯行で行われたのです。

私達や日本連邦軍、警察などは反撃、英国皇太子らを守り抜いたのでした。
そして、中欧連邦構想が現実味を帯びてきました。
2120年4月10日に開催された会議で、半ば強引に中欧連邦構想が主要関係各国で合意されたのでした。
ここ1ヶ月で変化する、私達とその周囲の劇的な環境変化。
これからどんな劇的な運命が待ち受けているのでしょうか??



第60話 マナのシステムの胴元である悪華夷からの攻撃を排除することに成功

 時間は前回の終わりよりも若干、戻ります。

 

 2120年4月10日、夜7時10分前の午後6時50分。

場所は日本連邦ローゼンブルム王国の王都、ジェノヴァのローゼンブルム迎賓館。

 

本日は夕方まで、今回の会談などでは大きな出番のなかった私の父である田中隆男大統領府主席大臣と母である田中真利愛と、中谷元雄国防総省大臣夫妻、そして、エマニエル・ローゼンブルム国王とグレース王妃が晩餐会の終わりにて、会食していた。

また、サポート役に徹してきた、ローゼンブルム首相として「フォルツァ・ローゼンブルム」党首でアルベトの親戚でもあるピエモンテ・マンシュタイン氏、日本連邦国内であるトルコのエルドナン・ノギ大統領とチルレル・マーガリン首相、ヨーロッパロシアのミハイル・ラグロフ大統領とエルニック・シンセキ首相も、一緒に顔を合わせて会食していた。

 

「本当に、本日のここでの会談は歴史的な1日であった、と後世の歴史家が評価するでしょう!!

はははははははは。」

エマニエル・ローゼンブルム国王は上機嫌で笑い、自画自賛した。

一応、今回の会談のホスト役であったので、そのプレッシャーや緊張感も相当なものであったのは間違いない。

 

「中欧連邦構想が、たった1日で大枠が決定するとは、思いもよらぬ大成果です!!

これも国王陛下のご功績であり、また多くの関係者の方々のご尽力の成果であると確信しております。」

中谷元雄国防総省大臣が、心から喜んで言った。

 

「これで欧州も安定化してくれたら、国防を預かる私としては、大変助かるのですがねえ。」

 

「本当にそうですね。」

私の父である田中隆男大統領府主席大臣が言った。

 

「ただ、スペインなど、今回の会談に未参加の国や地域の出方を注意する必要はあろうかと。」

 

「確かにそうです!!」

ローゼンブルム首相である、ピエモンテ・マンシュタイン氏が、強く言った。

ピエモンテ・マンシュタイン首相は、日本連邦欧州地域の警備担当大臣でもあるため、今後とも警戒を厳重にする必要性を強調した。

 

「先日のジェノヴァのテロ事件は、今までのテロとは違う手口で実行されました。

どう考えても、おかしなテロ事件です。

今回の会談でも、妨害勢力が動き出しているとの情報があります。

既に関係各国の警察や警備当局には警報を出していますが、警戒は厳重にしていかなければなりませんぞ!!」

 

「軍の情報関係組織やG機関などに警戒と阻止活動などを指示しております。

何らかの反応や動きは、すぐにあるでしょう。

テロ組織は、テロを行うか、それをネタに脅迫や資金の強奪などをするのが定番ですから。」

中谷元雄国防総省大臣が言った。

 

これが、後に効果が確認され、そのテロ阻止活動が、更なる大きな戦果や成果を挙げ、私達の結婚への花向けの成果になったのだ!!

 

 

「それにしても、中欧連邦ですか。

トルコとしても長年の多くの因果や戦乱からようやく開放されて、バルカン半島が落ち着けば良いのですがね。」

トルコのエルドナン・ノギ大統領が、しみじみと言った。

 

「そのためにも、何としても成功させなければなりませんわ。

かつてのEUは、トルコをヨーロッパ扱いせずに加盟させませんでした。

そのくせに、21世紀初頭に発生したギリシャやスペインなどの財政危機には多額の財政支援を与えて甘やかし過ぎました。

だから、EUは破綻と破滅への道を走ったのです!!」

トルコのチルレル・マーガリン首相が、極めてきつい批判発言を堂々と言った。

このお方、女性としては初のトルコ大統領に最も近い人、と言われている。

 

「バルカン半島のスラブ民族などが、過激化しなければうまく行きますよ。

それは歴史的にも証明されています。」

ヨーロッパロシアのミハイル・ラグロフ大統領が言った。

確かに、歴史的な出来事は、それを証明しています。

 

「ウクライナは中欧連邦には一応入るものの、日本連邦の中に入るとの最終決定には、ほっとしましたよ。

黒海はしっかりと抑えておきたいので。」

ヨーロッパロシアのエルニック・シンセキ首相が、軍人出身らしい地政学的な視点から言った。

 

 

その時だった。

阿倍野真三大統領から、私の父である田中隆男大統領府主席大臣に特殊携帯電話で連絡が入った。

「田中大臣、黄金のタッグチーム4人と、高垣楓さん、東郷ヤコブレフ氏を私のところへ呼んで欲しいのです。

もちろん、田中隆男大統領府主席大臣とご婦人の田中真利愛さんも一緒でお願いします。」

 

 

そして、夜の7時。

場所は日本連邦ローゼンブルム王国の王都、ジェノヴァのローゼンブルム迎賓館。

 

迎賓館のスウィートルームで、日本連邦とエンデラント連合の首脳夫妻は、熱心に話し合っていた。

「貴国の国歌1番にある、『マース川からメーメル川まで、エッチュ川からベルト海峡まで』を目指すのですか??

アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下。」

阿倍野真三大統領が、ワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら尋ねた。

 

「是非、そうしたいですね。

しかし、中欧連邦でそれは実現しそうです。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領は返答した。

 

阿倍野真三大統領は、飲んでいる同じワインをアーセナル・シュワルツネッガー大統領に勧め、2人でワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら、更に話をしようとした、その矢先。

そこへ、「黄金のタッグチーム」の私達4人と、高垣楓さん、東郷ヤコブレフ氏が、私の両親と共に入室した。

 

阿倍野真三大統領の側にはあけみ夫人が、アーセナル・シュワルツネッガー大統領の側には大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣が、それぞれ向かって座り、歓談されていた。

 

「夜分、ご歓談のところで大変失礼致します。

お呼び頂きましたので、参上致しました。」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣が、代表として(?)挨拶をした。

 

 

「いやいや、型にはまった挨拶は抜きにして、一緒に飲み食いをしましょうよ、田中大臣。

他の皆様も、どうぞ!!」

阿倍野真三大統領は上機嫌で言った。

私の父も母も、名実共に酒豪だから、ちょっと怖いなあ。

 

 

「さて、話の続きをしましょう。

アーセナル・シュワルツネッガー大統領、貴国は今年6月に国名を『ドイツ連邦共和国』に改名することを決定し、そして既に貴国は、第二次世界大戦後ポーランドとの国交回復時から表明した『東部国境は、オーデル・ナイセ線』であることを放棄することを公表していますね。

そうなると、貴国の国歌1番にある、『マース川からメーメル川まで、エッチュ川からベルト海峡まで』を目指すのですか??

改めてお尋ねしたいのですよ、アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下。」

阿倍野真三大統領が、次々とワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら尋ねた。

阿倍野真三大統領は、飲み方が半端ではない。

 

 

「阿倍野真三大統領閣下、改めてご返答申し上げます

是非、『マース川からメーメル川まで、エッチュ川からベルト海峡まで』を目指す行動をしたいですね。

しかし、お陰様で中欧連邦が実現の目処が立ち、近い将来に実現しそうです。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領は堂々と喜んで返答した。

この人も、かなりの酒豪と見た。

ワインを阿倍野真三大統領に負けるかと、どんどん飲んでいる。

 

「なるほど。

しかし、デンマークはどうされます??

デンマークが中欧連邦に加盟しない以上、デンマーク本土のユトランド半島の北にあるベルト海峡までは届きませんよ。」

阿倍野真三大統領が意地悪く質問した。

 

「現在のデンマークの強みは、グリーンランドの保有と、グリーンランドとその地下や周辺の海底に眠る地下資源です。

これはノルウェーと同様の戦略的な価値を持っています。

更に、デンマークやノルウェーは、日本連邦軍の領土・領海・領空の無制限通過を認めていますよね。

我がエンデラント連合の軍は、基本的に日本連邦軍と統合化されている以上、何の問題もなくベルト海峡まで行けますよ。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領はうまく逃げた。

 

「なるほど。

それではベネルクス3ヶ国はどうされますか??

エンデラント連合は、何故敢えてドイツ連邦共和国に改名するのですか??

これらの隠された真意は何ですか??」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣がワインやウイスキーを飲みながら、意地悪な質問をした。

 

「真の目的はただ一つ。

長年の悲願であった、我がドイツ民族の統合と統一国家の樹立です!!」

大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣が、かん高い声で、はっきりと言った。

 

「我が国は、1806年8月6日の神聖ローマ帝国の皇帝退位から、1990年10月3日の東西ドイツ統一という、外国からの戦争などの試練を何度も乗り越え、ここまで成長してきました。

その後は、21世紀にはEUの拡大とギリシャやスペインなど加盟国の財政破綻に直面し、経済的な危機から政治や社会に大きな混乱と停滞を経験しました。

 

もう、かつてのEUのように、形だけの「ヨーロッパ合衆国」などは作りたくありません!!

ましてや、「マナシステム」のような営利詐欺のような独裁社会システムも断固拒否します!!

 

我が国は、本当のドイツ、理想のドイツを実現しなければ、未来は切り開けないのです!!

ベネルクス3ヶ国など、既に名目上とは言え、ベルギーのブリュッセルに日本連邦のヨーロッパ地域司令部やその関係部隊がいるではありませんか。

彼らも、こちらの陣営に加わるに決まっています!!」

リィザは、本当に熱弁を振るうタイプの政治家ですね。

熱く語るその姿勢には、政治家、指導者の思いと意思が、本当に強く伝わってきた。

 

 

「なるほど。

貴国の国名変更と、その熱意は良く理解します。

 

さて、例の100京円の件、つまり、『エンデラント連合のリィザ・シュワルツネッガー(旧姓ランドック)首相兼外務大臣が旧ミスルギ皇国の近衛長官時代に行った100京円横流し事件に関しての100京円』の問題は、どうされますか??

 

貴国からの本日の中欧連邦への100京円出資は、ドラク族からの資金を充てましたので、既に解決済みなのですね??」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣が、アーセナル・シュワルツネッガー大統領と、大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣に尋ねた。

 

「はははは。

お株を取られましたね。

現在でも、旧ミスルギ帝国を引き継いだ、モモコ連邦とその件では協議中です。

先方は被害者の立場ですが、同時にマナシステムを運用していた加害者の立場でもありますから、現在までの協議では原則論の言い合いだけになっています。

ジュライ大統領も、本日の会議で中欧連邦に40京円を即日出費しましたので、当面は大丈夫なのでは??」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が、楽観的な見通しを述べた。

 

「まあ、今後、何事も無く行けば、交渉による中長期的な解決、となるでしょうがね。」

阿倍野真三大統領も、相打ちを打った答えをした。

 

 

 

そしてしばらく歓談をした後の午後7時30分。

興奮した様子で、中谷元雄国防総省大臣と、志木田茂雄外務大臣が部屋に入ってきた。

 

「緊急連絡です、大統領!!」

中谷元雄国防総省大臣が言った。

 

「宇宙連合並びに銀河連邦からの連絡で、マナシステムの大元中の大元、正に胴元が判明しました。

その名は、悪華夷(あくかい)と呼ばれる星とその民族です。

 

そして、その悪華夷は、出身星系のアンドロメダ星雲から逃れるように移動、大マゼラン星雲方面を経て、ここ、天の川銀河系の地球へと向かってきているとの事です。

現在、宇宙連合並びに銀河連邦の兵力で阻止行動と追撃を実施しており、敵軍の90%を撃破、降伏させておりますが、彗星隕石状の本部司令部とその付随部隊などが、依然として地球を目指して異次元航行を続けております。

太陽系付近まで、あと4時間以内に到達する、と推定されています。

宇宙軍などの全軍に戦闘態勢と出動の命令を!!」

 

「外務省は、直ちに世界各国に緊急支援要請と迎撃態勢への協力を要請しました!!」

志木田茂雄外務大臣が各国への緊急連絡を報告した。

 

 

「悪華夷(あくかい)、ねえ。

幕末の攘夷論者が好みそうな名前だな。

軍部隊の総力で迎撃、宇宙連合や銀河連邦と共同作戦をせよ!!

そして、私達も戦闘に参加する!!」

阿倍野真三大統領が、こう宣言し、命令した。

 

 

 

 午後10時。

場所は地球軌道上。

私達は、日本連邦軍中央宇宙軍の旗艦、ドッグ型宇宙戦艦「やまと」にいた。

ドッグ型宇宙戦艦「やまと」以下、「むさし」「しなの」「いせ」「ひゅうが」など72隻、巨大宇宙ステーション基地が5拠点、宇宙往復戦闘爆撃機が700機、の大所帯での出撃となった。

 

これは、当時の日本連邦軍の宇宙外征兵力の全兵力であった。

 

その他には、マーメイア連邦スウェーデン王室のグスタフ・アドルフ大将ご夫妻が指揮する、ドッグ型宇宙戦艦「グスタフ・アドルフ」と、宇宙往復戦闘爆撃機が35機、そして英国連邦、ヴェルダ連邦、ブラジル、東南アジア諸国連合、フランス、インド、オーストラリア、そしてカナダが、マーメイア連邦と同等規模の兵力を出してくれた。

 

 

我々は、太陽系を後にして、銀河系の辺縁に展開した。

 

 

午後10時30分。

 

敵が迫ってきた。

 

敵はやや暗いが、白っぽい隕石状の航行機でこちらに向かっていた。

まるで、「悪の星」のようだ。

 

「攻撃開始!!」

宇宙連合、銀河連邦との合同で、天の川銀河系への接近を試みた敵に攻撃を開始した。

これまでのザイア星やレプタニアン過激派への攻撃とは全く違う、正にSFでの宇宙戦争もののような臨場感を持てた。

 

「異次元空間での砲撃戦を含めて、対応せよ!!」

 

多次元戦闘を含めて、戦闘そのものは激しかった。

 

 

午後11時。

戦闘は完全に終了した。

追撃戦や、逃走した敵の捕獲にあたる。

 

2120年4月11日、午前0時過ぎ。

戦闘は完全に終了した。

 

今回の戦闘は、宇宙戦争というより、防空戦、迎撃戦の宇宙版のようなものであった。

今後、宇宙迎撃などに備えた体制の整備も急ぐ必要があるだろう。

 

 

 午前6時。

ジェノヴァの朝焼けをバックに、我々は帰還を果たした。

そして、宇宙連合や銀河連邦などの宇宙戦艦なども、補給と休養のために到着した。

 

市民らの歓迎は、それはそれは絶大なものであり、正に凱旋帰国と言う名にふさわしいものであった。

 

阿倍野真三大統領を始め、アーセナル・シュワルツネッガー大統領などが名演説を次々に行い、更に大歓迎を受けたのだ。

 

最後に、私も感謝の演説を行い、感激の余り、最後にこう締めくくった。

「この度の戦闘で、マナシステムの胴元の撃破・拘束により、我が地球の黒歴史に、私達が自らの力で終止符を打ちました。

この歴史的な瞬間に立ち会い、関われたことを、皆様と共に、神に感謝申し上げます。

神の国、日本連邦万歳!!

神の軍隊、我が日本連邦軍万歳!!」

 




今回は、マナシステムの胴元の撃破・拘束を行い、完全にその息の根を止めました。

私達4人を含めて宇宙医科大学校の同期生らは、結婚準備の時期に来ましたが、エマニエル・ローゼンブルム国王が、またまた爆発的な嵐を巻き起こしてくれた波紋が、テロ事件やその後の国際情勢の混乱などに拡がっています。
マナシステムの胴元がいなくなった彼らはテロ以外に行える事がありません!!
それらへの対応と対策は??
どのように今後、私達は結婚して発展していくのか??

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は今後、どうなるのか??
「中欧連邦構想」の実現に向けて、今後の情勢の変化は??

『喫茶アンジュ』と併せて大将に昇進した私達に対する期待もますます膨らむ中、今後、何を求められ、成果を挙げるのか??


次回をお楽しみに。

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