クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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本作品では、「クロスアンジュ」の世界観を出すために、ヨーロッパ地域の一部を舞台の中心とし、ローゼンブルム王国をイタリア半島としております。
筆者としては、アニメを見る限り、地中海地域を中心とした地域の物語ではないか、と分析しております。
仕事を含めて多忙ではありますが、更新を頑張ります!!


物語は2120年、主人公らは20歳を迎え、大きな転機を迎えました。
「黄金のタッグチーム」の私達4人にとって、将軍になった私達に、「常勝将軍」「暴れん坊将軍」の如く、またもやの大勝利。
4月1日付けで大将に昇進。
そして、4月2日に、ローゼンブルム王国国王が、私達の弟や妹などの婚約を電撃発表しました。

またもや大波乱の中、新たなる任務を命じられ、記者会見した私達。
このままで済むはずがありません。
案の定、お忍びでジェノヴァを訪れたアーノルド英国皇太子と、その婚約者で私のいとこに当たる、キャサリン・ハートさんを狙ったテロが、なんとスペイン王室王子と、その一行60人の犯行で行われたのです。

私達や日本連邦軍、警察などは反撃、英国皇太子らを守り抜いたのでした。
そして、中欧連邦構想が現実味を帯びてきました。
2120年4月10日に開催された会議で、半ば強引に中欧連邦構想が主要関係各国で合意されたのでした。
その日の夜、マナのシステムの胴元である悪華夷がアンドロメダ星雲から大マゼラン星雲を経由して地球に向かっているとの連絡が、宇宙連合や銀河連邦から伝えられ、これを全力で迎撃、撃破しました。
ここ1ヶ月で変化する、私達とその周囲の劇的な環境変化。
これからどんな劇的な運命が待ち受けているのでしょうか??



第61話 マナのシステムの胴元である悪華夷撃破で得た戦利品の分配と手下などを排除する掃討作戦を発動

 

 2120年4月11日、夕方5時。

場所は日本連邦ローゼンブルム王国の王都、ジェノヴァのローゼンブルム迎賓館。

 

マナのシステムの胴元である悪華夷(あくかい)を撃破したという、その戦勝気分が、ジェノヴァの町中、いや、日本連邦などの世界を覆っていた。

本当に、ここ1ヶ月で、テロ事件の対処とか、中欧連邦の基本合意とか、マナのシステムの胴元である悪華夷の撃破とか、劇的な事件や出来事が相次いだ。

もう、私達は歴史の生き証人にでもなった気分だ。

後世の歴史家は、私達をどのように評価するのだろうか??

激動の乱世の中を生き抜いた、と書いてくれたら良いのだが。

 

 

本日は戦勝記念の市中行進や記念式典の後、午後3時から夕方の5時までは、今回の作戦に参加頂いた宇宙連合、銀河連邦に加え、マナのシステムの胴元である悪華夷の策源地である、本拠の星団を撃破占領して頂いたアンドロメダ連邦の代表者と、地球側の参加国の代表が会談し、戦利品は宇宙連合、銀河連邦、アンドロメダ連邦と地球で4等分することが決定された。

 

戦利品の金額は4垓円。

つまり、40000京円である。

尚、大マゼラン星雲系は、代表として出せる地域の代表が見当たらず、戦闘にも参加しなかったので、その戦利品を獲る権利は無いことが確認された。

これにより、地球には1垓円、つまり10000京円が分配されることになった。

 

 

尚、地球側での戦利品分配は、ドッグ型宇宙戦艦を1、宇宙ステーションを3、残りは中欧連邦、としての作戦参加数の差で割り振ることが決まった。

そうなると、日本連邦が87、他の9つの国や地域が1、残りの4は中欧連邦向けに割り振られることになるので、

・日本連邦には8700京円

・その他の9つの国や地域毎に100京円

・中欧連邦には400京円

が分配されたことになる。

 

もっとも、軍の統合化により、エンデラント連合、モモコ連邦、チェコ・オーストリア連邦は日本連邦と見做されていることと、その他に8地域もあるのだから、日本連邦が戦利品で得た利益を独占しているわけではないのも確かだ。

より具体的には、

・エンデラント連合、モモコ連邦、チェコ・オーストリア連邦、その他の日本連邦8地域毎に400京円

・日本連邦政府に1300京円

・天皇皇后両陛下より下賜を頂いた1500京円のお返しに3000京円

の分配がなされた。

 

また、中欧連邦としても分配があるので、今回の作戦に参加出来なかったポーランドもその恩恵に与ることが出来たのだ。

これにより、中欧連邦に関係各国が出資した金額の合計500京円など、すぐに元手が取れたことになったのだ。

 

 

今回の作戦では予想以上の成果もあった。

意外にも、マナのシステムの胴元である悪華夷の撃破により、今回のも重大な情報がもたらされたのだ。

彼らからはマナシステムだけではなく、その派生型の経理システムを悪用した不正送金や脱税、違法活動や犯罪組織が持つ犯罪資金、盗難金などの資金洗浄の詳細な記録データーやその経緯、貴金属類、電子マネー類なども保有していた。

それらは全て押収され、宇宙連合などとの情報共有がなされた。

 

貴金属類や電子マネーなどに関しては、別途、分配や補償がされることになった。

概算では、今回の戦利品押収金額の10倍以上、と見積もられていた。

なにしろ押収された情報には、秘密銀行口座とか、秘密の資産保有金庫などのリストも含まれていたのだから、それは大変な確認作業になるだろう。

早速、金融庁などが各国の関係捜査当局と連携して確認を開始した。

 

これにより、マナシステムをかつて使用していた国や地域だけではなく、そのシステムを製造販売していたフランスや、派生システムを悪用していたコロンビアやアルゼンチンなどの国や地域、TAXフリーのバハマ諸島などにも司直の手が及ぶことになった。

更に、それらの手下の武装組織やテロ組織、腐敗した国家や政府機関などの不正資金や闇資金、不正蓄財なども次々と明らかになったのだ。

この成果は、これまでに行ってきたテロ、ゲリラや特殊部隊対処の対策と相まって、大きな成果を挙げることになったのだ。

 

 

 夕方5時30分。

宇宙連合など異星からの関係者をも交えて、日本料理、中華料理、タイ料理、インド料理、ロシア料理、北欧料理、トルコ料理、ドイツ料理、地中海料理、オーストラリアの牛肉料理などのバイキング形式での歓迎夕食会が開催された。

 

各国の首脳の他に、私の父である田中隆男大統領府主席大臣と母である田中真利愛と、中谷元雄国防総省大臣夫妻、志木田茂雄外務大臣夫妻、そして、エマニエル・ローゼンブルム国王とグレース王妃、警備のサポート役に徹してきた、ローゼンブルム首相として「フォルツァ・ローゼンブルム」党首でアルベトの親戚でもあるピエモンテ・マンシュタイン氏、日本連邦国内であるトルコのエルドナン・ノギ大統領とチルレル・マーガリン首相、ヨーロッパロシアのミハイル・ラグロフ大統領とエルニック・シンセキ首相らも、一緒に顔を合わせて会食していた。

 

宇宙連合など異星の代表者らも食事の内容には大満足されていたので、私達としても、彼らとの関係強化に手応えを感じていた。

軍隊でのコミュニケーション強化には、「食事」と「アルコール」は欠かせないのだ。

 

 

「昨日同様、本日も歴史的な1日であった、と後世の歴史家が評価するでしょう!!

わっはっは。」

エマニエル・ローゼンブルム国王は上機嫌で笑い、自画自賛した。

この人は、いつもそうだよなあ。

 

 

「中欧連邦構想がたった1日で大枠が決定、そして、我が国の悲願であったマナシステムの胴元を1夜で撃破するとは、思いもよらぬドミノ式のスピード成果です!!

これも国王陛下のご功績であり、また多くの関係者の方々のご尽力の成果であると確信しております。」

中谷元雄国防総省大臣が、心から喜んで言った。

 

「これで欧州も世界も宇宙も安定化してくれたら、我が国の国防を預かる私としては、大変助かるのですがねえ。」

 

「本当にそうですね。」

私の父である田中隆男大統領府主席大臣が言った。

 

「ただ、スペインなど、今回の戦闘などに未参加の国や地域の出方を注意する必要はあろうかと。

今回の中欧連邦や戦利品の恩恵を受けずに蚊帳の外であるが故に、不利益を被ると見たら何をしでかすか分かりません!!」

 

「確かにそうです!!」

ローゼンブルム首相である、ピエモンテ・マンシュタイン氏が、強く言った。

ピエモンテ・マンシュタイン首相は、日本連邦欧州地域の警備担当大臣でもあるため、今後とも警戒を厳重にする必要性を強調した。

 

「繰り返し強調しておきますが、先日のジェノヴァのテロ事件は、今までのテロとは違う手口で実行されました。

どう考えても、おかしなテロ事件です。

今となって鑑みれば、悪華夷の連中が影に隠れて指示していたのでしょう。

 

今回の会談や悪華夷の撃破でも、テロ組織や犯罪シンジケートなどの妨害勢力が動き出しているとの情報があります。

既に関係各国の警察や警備当局には警報を出していますが、警戒は厳重にしていかなければなりませんぞ!!」

 

「軍の情報関係組織やG機関などに警戒と阻止活動などを指示しております。

また、テロや犯罪行動には、直ぐに対処する体制を維持しています。

何らかの反応や動きは、すぐにあるでしょう。

テロ組織や犯罪組織は、テロを行うか、それをネタに脅迫や資金の強奪などをするのが定番ですから。」

中谷元雄国防総省大臣が言った。

 

「外務省としても、宇宙連合、銀河連邦、アンドロメダ連邦に代表団の駐在と連絡事務所の開設を進めます。

大使館の相互開設とか、2+2の定期開催なども考えなければなりませんね。」

志木田茂雄外務大臣が言った。

 

「それにしても、中欧連邦とマナの胴元の撃破ですか。

これで民族紛争のタネが無くなり、トルコとしても長年の多くの因果や戦乱からようやく開放されて、バルカン半島が落ち着けば良いのですがね。」

トルコのエルドナン・ノギ大統領が、しみじみと言った。

 

「そのためにも、何としても中欧連邦とマナシステムで利益を挙げた連中の摘発を成功させなければなりませんわ。

マフィアなどの犯罪組織や腐敗した政府や政府機関も同様です!!」

トルコのチルレル・マーガリン首相が、極めてきつい批判発言を堂々と言った。

 

「バルカン半島の安定化がうまく行けば心配はありません。

我がロシアは今や日本連邦の一部ですから。」

ヨーロッパロシアのミハイル・ラグロフ大統領が言った。

 

「ウクライナの今後の発展やその活動に期待しています。

黒海だけではなく、中近東地域や中央アジア地域も、しっかりと抑えておきたいので。」

ヨーロッパロシアのエルニック・シンセキ首相が、軍人出身らしい地政学的な視点から言った。

 

 

その時だった。

阿倍野真三大統領から、私の父である田中隆男大統領府主席大臣に特殊携帯電話で連絡が入った。

「田中大臣、昨日同様に黄金のタッグチーム4人と、高垣楓さん、東郷ヤコブレフ氏を私のところ、ローゼンブルム王宮へ呼んで欲しいのです。

もちろん、田中隆男大統領府主席大臣とご婦人の田中真利愛さんも一緒でお願いします。

 

あと、もうひとつ。

悪華夷の撃破で得られた情報の精査と、資金洗浄の摘発などを関係当局などに指示して頂きたい。

お願いしますよ。」

 

 

 

 午後6時。

場所は日本連邦ローゼンブルム王国の王都、ジェノヴァのローゼンブルム迎賓館より移動し、ローゼンブルム王宮のスウィートルームで、日本連邦とエンデラント連合の首脳夫妻は、昨日に引き続いて熱心に話し合っていた。

 

「昨日は、悪華夷の襲来で十分なお話が出来ず、申し訳なく思っていますが、本日はとことんお話をしましょう。

 

まず、改めて貴国は、貴国の国歌1番にある、『マース川からメーメル川まで、エッチュ川からベルト海峡まで』を目指すのですか??

アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下。」

阿倍野真三大統領が、昨日同様にワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら尋ねた。

 

「もちろん是非、そうしたいですね。

しかし、中欧連邦でそれは実現しそうです。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領は返答した。

 

阿倍野真三大統領は、飲んでいる同じワインをアーセナル・シュワルツネッガー大統領に勧め、2人でワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら、更に話をしようとした。

ワインは、ドイツ産と日本産だ。

その矢先に、「黄金のタッグチーム」の私達4人と、高垣楓さん、東郷ヤコブレフ氏が、私の両親と共に入室した。

 

阿倍野真三大統領の側にはあけみ夫人が、アーセナル・シュワルツネッガー大統領の側には大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣が、それぞれ向かって座り、歓談されていた。

 

「ご歓談のところで大変失礼致します。

お呼び頂きましたので、こちらまで参上致しました。」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣が、代表として(?)挨拶をした。

 

 

「いやいや、型にはまった挨拶は抜きにして、今夜こそ、一緒に徹底的に飲み食いをしましょうよ、田中大臣。

他の皆様も、どうぞ!!」

阿倍野真三大統領は上機嫌で言った。

私の父も母も、名実共に酒豪だから、ちょっと怖いなあ。

今夜は、文字通り眠れない。

 

 

「さて、改めて話の続きをしましょう。

アーセナル・シュワルツネッガー大統領、貴国は今年6月に国名を『ドイツ連邦共和国』に改名することを決定し、そして既に貴国は、第二次世界大戦後ポーランドとの国交回復時から表明した『東部国境は、オーデル・ナイセ線』であることを放棄することを公表していますね。

 

昨日のお話では、貴国は領土的な拡張はなしで国家目標は達成されるとのお考えですが、それが本音ですか??

アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下。」

阿倍野真三大統領が、次々とワイングラスを傾けて、ワインを飲みながら尋ねた。

阿倍野真三大統領は、昨日以上に、飲み方が半端ではない。

 

 

「阿倍野真三大統領閣下、改めてご返答申し上げます

是非、『マース川からメーメル川まで、エッチュ川からベルト海峡まで』を目指す行動をしたいですね。

しかし、お陰様で中欧連邦が実現の目処が立ち、阿倍野大統領閣下のお考えのように近い将来に実現しそうです。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領は堂々と喜んで返答した。

この人も、昨日以上に酒豪の気をまざまざと見た。

ワインを阿倍野真三大統領に負けるかと、どんどん飲んでいる。

 

 

「なるほど。

それでは昨日お尋ね出来なかった、フランスやチェコ・オーストリア連合にはどう対処されますか??

我が日本連邦への対応は??」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣がワインやウイスキーを飲みながら、意地悪な質問をした。

私の父も、昨日以上にすごい飲みっぷりだ。

 

「簡単な事ですよ。

チェコ・オーストリア連合は我が国と同様に軍が日本連邦に統合化されていますので、何の問題もありません。

問題はフランスですが、フランスはデンマークやノルウェーのような、無制限に日本連邦軍の通過や受け入れを認める立場になれば良いのです!!」

大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣が、かん高い声で、特に「フランス」の単語には力を入れてはっきりと言った。

何か、フランスには積年のうらみがあるような口調だ。

 

「昨日の繰り返しになりますが、我が国は、1806年8月6日の神聖ローマ帝国の皇帝退位から、1990年10月3日の東西ドイツ統一という、外国からの戦争などの試練を何度も乗り越え、ここまで成長してきました。

 

それを妨害してきた国家は、歴史的に見ても英国とフランス、ロシア、ポーランドなのです。

イタリアとオーストリア・ハンガリー、そしてスウェーデンは、我が国の足を引っ張ったお荷物に過ぎないのですよ。

 

ロシアは、2035年に日本と連邦を組み、日本連邦の一部になることで我が国の脅威ではなくなりました。

イタリアの後継である、ローゼンブルム王国は、ロシアに続いて2100年に日本連邦に加盟したことで、我が国の脅威ではなくなりました。

英国はご存じの通り、日本連邦の同盟国であり、日本連邦や我が国なしでは生きていくことが出来ません。

スウェーデンの後継である、マーメイア連邦も英国同様、日本連邦の同盟国であり、日本連邦や我が国なしでは生きていくことが出来ません。

オーストリア・ハンガリーの後継を自認していたガリア帝国は既に消滅しました。

チェコ・オーストリア連邦とモモコ連邦は、我が国と同様に軍を日本連邦に統合化しており、かつ同盟国の関係です。

 

その他の周辺諸国は、ベネルクス3ヶ国を含めて、我が国に対して友好的です。

 

このため、残ったフランスとポーランドが、単独で我が国を攻撃出来る国家になったのです。

もっとも、フランスは旧ミスルギ皇国の建国で分裂状態であるので、我が国は旧ミスルギ皇国の後継で拡大国家となったモモコ連邦と同盟関係を結ぶと同時に、ベルギーに陸軍1個軍、36万人を配置してにらみをきかせています。

フランスはマナシステムを販売して莫大な利益を挙げた国家。

警戒するのは当然です!!

 

このような背景の下で、我が国は、『東部国境は、オーデル・ナイセ線』であることを放棄することを公表したのです。

ポーランドは、昨日の会談でも明らかなように、風見鶏のような国家に成り下がりました。

彼らには信念とかプライドというものが無いのか!!

まるで21世紀の前半にコウモリ外交をしまくって破滅への道を進んだ韓国の朴槿恵大統領や米国のオバマ大統領のようだ!!

全く信用出来ません!!

 

しかし、ポーランドは中欧連邦に貴国のお情けで加盟しておりますので、貴国のお情けで加盟したフランス同様、注意深く静観しているところです。」

 

大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣は、昨日以上の熱い想いで熱弁を振るった。

まるで国会などの本会議で攻撃的な発言をしているかのようだ。

 

「うーん。なるほど。

貴国の立場には地政学的、歴史的な背景の下で根が深い問題が絡んでいるのですね。」

阿倍野真三大統領が、リィザ夫人の発言への感想を述べた。

 

「貴国の立場はわかりました。

領土という名の土地が勝手に切り取って位置を変更出来ない以上、所変われば立場が変わる点はどうにもなりませんね。」

私の父、田中隆男大統領府主席大臣が、続いてリィザ夫人の発言への感想を述べた。

 

 

 

「さて、貴国とは末永く良い関係を続けたいのですよ。

アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下。」

阿倍野真三大統領は言った。

 

「例の100京円問題でも、我が国は独自の解決方法を持っております。」

 

「その解決方法とは何ですか??

阿倍野真三大統領閣下。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が身を乗り出して尋ねた。

 

「我が国が、100京円を寄付として、旧ミスルギ皇国の後継であるモモコ連邦に渡すのです。」

 

「そのお金は準備されているのですか??」

 

「もちろんです。

何時でも支払えます。

既に、我が国の政府より委託を受けた、ある一人の人物に執行権が委ねられております。」

 

「その人物とは??」

 

「この部屋にいる、ある一人の人物です。」

 

「まさか、ご自分の事をおっしゃっているのではないでしょうな、阿倍野真三大統領閣下。」

 

「いいえ、違います。

彼ですよ。

『黄金のタッグチーム』を率いる、リデル・田中大将です。」

阿倍野真三大統領が、力を込めて言った。

 

それを聞いたアーセナル・シュワルツネッガー大統領と、大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣は、目を丸くして驚いた。

正直に言おう。

私は、このように紹介され、非常に照れたのだ!!

 

「そうですか・・・・。

大変驚きました。

しかし、何故、彼なのですか??」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が疑問に思い、阿倍野真三大統領らに尋ねた。

 

「そうですわ。

いくら軍人で大将であったとしても、彼はまだ若干20歳。

国や世界の命運を左右する立場なのですか??」

大統領夫人のリィザ首相兼外務大臣も、さらに突っ込んだ質問を阿倍野真三大統領らに問いかけた。

 

 

はあ、だから重大な立場というものは、大きな負担になるのだ。

私は、この10年後の2130年現在、30歳で日本連邦大統領をしているが、かつてはこのような意見を持つ人にさんざん似たような事を言われたのも事実だ。

若いから経験が無い、とか。

2120年当時は、言われても文句の言いようが無い立場だった。

 

 

「彼には、いや、『黄金のタッグチーム』を含めた宇宙医科大学校とその関係者には、私や日本連邦政府だけではなく、軍や国民などの厚い信頼と人気もあります。

そして、天皇皇后両陛下など、皇室の信頼も厚いのです。

特に、黄金のタッグチーム4人と、高垣楓さん、東郷ヤコブレフ氏に対しては、天皇皇后両陛下は絶大な信頼を寄せています。」

阿倍野真三大統領がこのように質問に答えた。

 

「まさか、血縁と能力の成せる技でしょうか??」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が畳みかけて尋ねた。

 

「リデル君とミスティ王女、アルベルト君とヒルダさん、東郷ヤコブレフ氏と高垣楓さん。

いずれも、血縁関係は皇室や王室などとの関係もあり、驚くべき家系ですね。

これから彼らを含めて結婚しますから、更に血縁関係は大きく花が咲くことでしょう。

 

もちろん、それだけではなく、能力や実績でも凄まじい成果を挙げています。

私自身を含めて、彼らの活躍で我が国などが、どれだけ助けられたか。

リデル・田中大将らは、既に国や世界の命運を左右する立場なのです!!

アーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下もリィザ首相兼外相閣下も、今回の悪華夷の戦闘や、地中海大海戦での一連の戦闘、第1次、第2次ガリア動乱などでの彼らの活躍や成果を良くご存じでしょう??」

阿倍野真三大統領が、文字通り力を入れて熱く語った。

 

「今回の悪華夷の戦利品の分配も、天皇皇后両陛下へはお返しに3000京円をお送り申し上げますが、この役割も、彼らの担当なのですよ。」

阿倍野真三大統領が、ニンマリした顔で、付け加えた。

そんなこと、私は一切聞いていませんよ、阿倍野真三大統領閣下。

 

アーセナル・シュワルツネッガー大統領も、その夫人であるリィザ首相兼外相も、目を回して、ただただ驚いていた。

まさか、阿倍野真三大統領は、この効果を狙っていたのだろうか??

後に、その外交効果が発揮されたのだ。

 

その後は、文字通りの大宴会。

乾杯と宴会の連続だった。

任務の一つとは言え、明日は休みとは言え、徹夜で翌日の明け方まで両国の首脳陣の酒宴に付き合うことになったのだ。

本当にきついなあ。

 

 

 

 2120年4月20日、午前10時。

場所は東京の大統領府での会議にて。

悪華夷の撃破で得られた情報の精査が終了し、資金洗浄の摘発などが関係当局などによって進められていたが、それが概ね終了したことが、報告された。

 

報告では、予想以上に、驚くべき内容が書かれていた。

世界の多くの国の元首や大統領、首相クラスから政府高官、軍、警察、諜報関係者や宗教関係者、各種の団体、犯罪組織、環境保護団体などのテロやカルト組織、不正な蓄財や送金、過去の秘密口座や秘密資金などがすべて露呈、暴露されていた。

 

「この報告を、包み隠さずにすべて公表し、捜査や摘発状況を適宜報告せよ。」

阿倍野真三大統領は、政府の担当省庁の事務次官などに、このように指示した。

この時点で、「マナのシステムの胴元である悪華夷撃破で得た戦利品の分配と手下などを排除する掃討作戦を発動」が開始された!!

 

中には、僅かな金額と関係者ではあったが、日本連邦内の不正な「偽装NPO」「偽装NGO」や、明らかに違法な「不正蓄財」「不正送金」などもあったが、それも含めて公表した。

 

 

これらを公表した後は、当然のことながら全世界はこの話題で騒然となった。

 

指摘された有名歌手や有名俳優などの芸能人から、有力国の元首クラスの政治家や王族、政府高官などの有力政府高官、軍や警察などの関係者、財界人、文化人、各種のスポーツ選手やその関係者なども槍玉に挙げられ、捜査の対象になったり、辞任や辞職の対象になったりした。

 

もちろん、ヤクザやマフィアなどの犯罪組織や違法な麻薬や危険薬物類などを扱うシンジゲートなども標的にされ、銀行等の隠し口座や貸金庫などは差し押さえや凍結され、秘密の金庫や隠し財産のありかも暴露されて発見されるなど、厳しい摘発と追跡が進められた。

そして、不正蓄財や不正請求などで得た資金は全て差し押さえられた上に、「追徴課税」や「犯罪で得た資金の返還請求」「刑事・民事訴訟」などの「合法的な攻撃」に晒され、表の世界では全く身動きが取れなくなっていった。

 

そこで、彼らはテロや破壊活動に乗りだそうとしたが、日本連邦の軍諜報機関や「G機関」などがそれを察知して、先手を打ってきた。

新たな掃討作戦が、開始された!!

 




 今回は、マナシステムの胴元の撃破・拘束を行い、完全にその息の根を止めた、その後を描きました。

私達4人を含めて宇宙医科大学校の同期生らは、結婚準備の時期に来ましたが、エマニエル・ローゼンブルム国王が、またまた爆発的な嵐を巻き起こしてくれた波紋が、テロ事件やその後の国際情勢の混乱などに拡がっています。
マナシステムの胴元がいなくなった彼らはテロ以外に行える事がありません!!
それらに対する掃討作戦と、それらへの対応と対策は??
どのように今後、私達は結婚して発展していくのか??

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は今後、どうなるのか??
『喫茶アンジュ』と併せて大将に昇進した私達に対する期待もますます膨らむ中、今後、何を求められ、成果を挙げるのか??


次回をお楽しみに。

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