クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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物語も起承転結の「結」に進みつつあります。
今回は、「大宇宙の境界部分で遭難しかかった事件」についてです。
この内容は、「クロスアンジュ」の最終話にあった決戦を、私なりの世界で解釈して、表現したものです。
勿論、主役は私ことリデル・田中と、ミスティですが。

2121年1月31日付けで、私達、20人の「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」は、「機動任務対処集団」として、大統領直轄の運用部隊に任命されました。
これは、大統領主席補佐官や大統領府大臣と同等以上の格別な待遇です。

私達に、大きな転機が、また訪れようとしていました。



第75話 大宇宙の境界部分で遭難しかかった事件とその顛末について

2121年2月3日。

この日、天の川銀河の中心にある銀河連邦本部やアンドロメダ星雲にある宇宙連合への会議に出席するため、日本連邦の首脳らは出発した。

私達大統領府の一行として、阿倍野真三大統領夫妻、志木田茂雄外務大臣夫妻、甘利明雄経済産業大臣夫妻、そして中谷元雄国防総省大臣夫妻が、私達「機動任務対処集団」の20人や同期生らの大統領府『大統領特別補佐官』らも同行した。

尚、大統領代行は麻生次郎副大統領兼財務大臣が、副大統領代行は私の父の田中隆男が中欧連邦大統領との兼任をすることになった。

 

私達と親しい、大手インターネット紙「JU-CAST」の女性記者、善永さゆり記者、彼女の同僚で恋人である高田純次記者、有名芸能スポーツ紙「ザンスポ」の高橋大輔記者と、その同僚で恋人の林めぐみ記者、英国の有名芸能新聞「サンデー・ミラー」のマイケル・ジョーダン記者とその恋人、スザンヌ・ロレーヌ記者、JUFNNの笹井レポーターとその撮影スタッフだ。

 

もちろん、プロデューサーのケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏夫妻と、縁部理桜氏と懇意の写真家、篠原紀信氏とそのスタッフ、いつもお世話になっている観光庁などの政府広報撮影記録関係者も一緒だ。

 

 

銀河連邦からこちらに迎えに来た宇宙船は、以前よりも巨大な葉巻型の宇宙船、銀河連邦所属の「ソユーズ6号」だった。

長さ3km、幅500m、高さ350mで、前進方向の先端から下半分は、幅が可変翼型で空間が拡げられる構造になっている、超弩級の巨大ドック型宇宙戦艦、いや、翼竜型宇宙戦艦とも言える宇宙船だった。

彼らの話では、「最新型中の最新型の宇宙船でお迎えに上がりました。」との事だった。

まあ、こちらとしては、一応、信用するしかないが。

 

それに対して、我が方からは、こちらも最新型の巨大ドック型宇宙戦艦「かが」「いせ」「あかぎ」「そうりゅう」「あやなみ」「いかり」「かおる」、そして、旗艦は「新型やまと」が「護衛」と「宇宙航行」のために派遣されることになった。

これら8隻は、「ソユーズ6号」に格納・接続されて宇宙航行をすることになった。

 

この8隻が、その後には私達の「安全装置」となって、未曾有の危機にも活躍することになったのだ!!

 

 

2121年2月4日。

私達は天の川銀河系の中心にある銀河連邦本部に到着し、到着後は直ちに「銀河連邦経済パートナーシップ協定」の締結にむけた交渉を開始した。

なにしろ、この本部には、天の川銀河系以外の地域の銀河からも含めて、数千の文明星が代表を送っているのだ。

 

もう、地球の常識では、対応が不可能!!

意外にも、ここではジンジャエールや日本酒が人気で、何か困り事があった場合には、その2つの「飲み物」を持って異星の方々へ相談に行くことが多かった。

中には、アルコールで酔うことがほとんど無い、酒豪の星系の方々もいたり、その逆にアルコールには弱い星系の方もおられたりするので、さじ加減などをよく考えてお土産を持っていったものだ。

私やアルベルトらも、かなりの量を、度々「お付き合い」で飲まされたのだが。

 

2121年2月7日。

何とか、「銀河連邦経済パートナーシップ協定」の締結にこぎ着けた。

調印式は正午に行われ、自動署名と協定の自動翻訳装置による書類交付や互いの署名交換もあり、20分間で終了した。

まあ、これだけ多い交渉当事者同士では、機械を入れないと、とてもすぐには終了出来ないよ。

 

その日の夜の晩餐会は、阿倍野真三大統領や甘利明雄経済産業大臣らが協定締結の勢いで、上機嫌で地球との中継インタビューに答えていたり、異星各星系の代表らと深酒をしたりしていたので、徹夜のパーティーになってしまったのだ。

 

 

 

2121年2月10日。

銀河連邦の一連の行事や視察などを終えた私達は、宇宙連合の本部があるアンドロメダ星雲に到着した。

 

ここでは、外務+防衛の「2+2」協議が各国間、いや、各星間で執り行われた。

もう、相当な量の協議が続き、1週間などはあっという間に過ぎ去ってしまった。

 

ようやく協議が終了したのは、2月24日の夕方だった。

もう、参加者全員が疲れ切っていた。

協議終了の晩餐会と、その後の2日間の静養の後、2月27日に周辺の星系を訪問すべく、アンドロメダ星雲を飛び立った。

 

この後、何故か「ワープジャンプ」で、異常事態が発生したのだ!!

 

 

「あーれー!!」

「ぎゃー!!」

叫び声があらゆる所から聞こえた。

異常事態が発生した時点では、何が、どのようにしてこのような事態が発生したのか、分からなかった。

エンジンなどの航行装置には異常がなかったのは不幸中の幸いであった。

 

 

 

事態が落ち着き、状況を確認したら、銀河連邦の宇宙船の乗組員で、まともに動けるのは男性のユウヤ・ヤマトタケル大尉と、女性のミレイ・シリウス大尉の二人だけだった。

銀河連邦の他の200人余りの乗組員、交代要員を入れれば900人以上の乗組員はどうしたのだろうか??

 

「残りの乗組員は、自動集中治療室などで治療中です。

精神や肉体に大打撃や大怪我をして、艦長、副長以下、ほとんどの乗組員はまともに活動が出来ません!!」

ユウヤ大尉が報告した。

つまり、乗組員は、ほぼ全滅したのと同じだった。

 

「それより深刻なのは、「ソユーズ6号」の航行システムに大打撃を受けて、ハード、ソフト共に真面に航行することが不可能になりました!!」

ミレイ大尉が報告した。

 

幸いにも、「ソユーズ6号」に格納・接続されて我が方から護衛に来ている8隻の巨大ドッグ型宇宙戦艦は宇宙船の稼働状況そのものは無事であった。

それでも、「ソユーズ6号」と同等に、乗組員は精神や肉体に大打撃や大怪我をして、艦長、副長以下、ほとんどの乗組員はまともに活動が出来ない状態であった。

動ける軍人は、「新型やまと」では大尉が2人、他6隻では中尉2人が3隻、その他の4隻では少尉2人であった。

たった、それだけの人員しか動けなかったのだ!!

そして、我が方の宇宙海図では、現在の位置が分からないのだ。

 

「ここは、どこ??」

ヒルダが尋ねた。

 

「大宇宙の境界辺境部、境目になります。

天の川銀河系から、160億光年以上の距離があります。

この付近では、どんな探査機や宇宙船でも、この空間からは帰って来ることが出来なかった空間なので、実態そのものが全く未解明です!!

私達はもう駄目!!」

ミレイ大尉が、泣きながら言った。

まるで、宇宙のサルガッソー海だな。

 

 

 

私は、日本連邦の首脳陣が集まっている「ソユーズ6号」の艦橋に、まともに動ける私達「機動任務対処集団」の20人や同期生らの大統領府『大統領特別補佐官』らを全員、集合させた。

幸いにも、同期生らの「いつものメンバー」は、首脳を含めて、全員無事だった。

 

その上で、かつての異次元平行世界での戦闘を思い出して、アルベルトにこう言った。

「アルベルト、例の方法を使うかい??」

 

「いいね、使おうじゃないか!!」

アルベルトも、私の提案に乗った!!

 

つまり、我が方から護衛に来ている8隻の巨大ドック型宇宙戦艦の能力を生かしつつ、かつての戦訓である「異次元空間の移動計算を自分の暗算や脳の計算能力などを駆使して見出す」作戦手法である。

 

「そんなことをしたら、あなた方は廃人になって死にます!!」

ユウヤ大尉が反対した。

 

「異次元で実際に私達は実行しているのだ。」

私は自信たっぷりに言った。

 

「それに、星間空間座標は大丈夫だろう??

後は、エンジンの問題と、食料や水、空気の問題だ。

エンジンも大丈夫なのだろう??」

 

「はい、その点は問題がありません。」

ユウヤ大尉が言った。

 

「それでも、皆様の宇宙戦艦のバックアップとして当方の星間座標情報などを送信、コピーしましたが、本宇宙船の機体を動かさなければなりません。

皆様のお力と頭脳計算で可能なのですか??」

まあ、当然の疑問だよねえ。

銀河連邦のように、あまりにも自動化が進みすぎるのも問題があるとは思うのだが。

 

「我々には、頭脳、ソロバンと電卓、そしてノートPCもある。

大丈夫だ。

我が方の巨大ドッグ型宇宙戦艦を連携させ稼働させれば、ワープジャンプやその計算など、簡単さ。」

さすがアルベルト、あっさり言い切った。

ユウヤ大尉が、どうしてこのような事が出来ると言い切れるのだろうかと、真っ青な顔をしていた。

 

「学校で習った計算問題よりも簡単だよ。

うん、うん。」

これからの行動を前に、アルベルトは楽しそうに話した。

さすがは頭の半分が数学と物理で出来ているアルベルト、別名「コンピューター男」ならではの言い方だ。

 

それを聴いたユウヤ大尉と、ミレイ大尉は目を丸くして驚いた。

 

「それでは、即刻、実行あるのみです!!」

ミスティが、張り切って言った。

 

「君は、計算には参加したことがないじゃないか??

大丈夫??」

私が心配して尋ねた。

 

「大丈夫よ!!」

ミスティが、きっぱりと言った。

 

「私もやるわ。」

ヒルダも言った。

 

「俺達の存在も忘れては困る。

参加させて頂きましょうか。」

ドラゴーニュ・江崎氏とメイ・江崎(旧姓:シュタイナー)、陳文傑氏と陳美玲(旧姓:林)

の、2組のカップルが支援を志願した。

さすがは、宇宙量子力学の権威達、偉大なカップル達だ。

助かるよ。

 

「僕達もやります!!」

秋山涼・伊織らの、残りの「機動任務対処集団」も、全員参加して頂いた。

もっとも、衛宮士郎とか、セイバーなどは「敵の攻撃対処や異空間突破の支援」を主担当にして頂いたが。

 

そして、共に乗船していた、私とミスティの小学校からの同期生である、ローゼンブルム大学医学部と宇宙医科大学校の「合同クラス」12人、6組のカップルは、動けなくなっている乗組員らの治療に回ってもらった。

 

他の75期や76期らの人員は、各宇宙船に均等配置され、「万一」の際には、セイバーやギルガメッシュなどの「特殊能力」でワープさせる作戦も立てていた。

全滅だけはしないように対応するのは、軍人として当然である!!

 

「皆さん、宜しく頼む。」

阿倍野真三大統領が言った。

 

「私達政治家は、これまでの課題を、やるべき事を全てやったのだから、もう悔いはない!!

あとは、宜しく頼む。

どのような結果が出ようと、恨みはしないから。

 

リデル・田中君、私からの遺言として、はっきり言っておく。

君は、私の後を継ぐのだ!!

偉大な大統領になれよ!!

いいね。」

 

私は静かに、敬礼で答えた。

「はい、分かりました。

有難うございます。」

 

私や阿倍野真三大統領の周囲から、すすり泣きの声がしていた。

普段は泣き顔を見せない、志木田茂雄外務大臣、中谷元雄国防総省大臣、そして甘利明雄経済産業大臣までもが、泣いていた。

 

 

その直後、「雪の華」を歌う声がした。

そう、射撃のカップル、東郷夫妻の歌声だ。

本当の愛、純愛を甘く、せつなく、そして美しく唱う、歌詞と歌声に、心を奪われた。

 

 

 

「エンジン始動、計算開始!!」

私が叫んだ!!

 

そして、このへんてこな「境界空間」を進んで行った。

私やアルベルトを中心にメインの計算をしつつ、各宇宙船に結果を伝えて制御、周囲が計算や予測などのサポートをする、という体制だ。

 

始動から10分後。

異空間が消滅した、その瞬間に、敵である「異次元アメーバー怪獣集団」が現れた!!

 

「エクスカリバー!!」

セイバーが叫び、攻撃する。

他の異能集団らもそれぞれの攻撃を行い、宇宙船からも三式弾などの攻撃で、撃滅をすべく、戦闘を行った。

 

 

そして、戦闘から5分経過後、更なる奇跡が起きたのだ!!

「君達の純粋な志に感動した。

君達を遭難させた、あの敵は、私が始末しよう。

仏罰の銀河電撃攻撃!!」

 

そして、銀河単位の攻撃で、敵集団は一瞬で殲滅された。

 

 

その直後、大マゼラン星雲、ガミラス星の軌道上にワープアウトした。

 

 

「私は、この大宇宙を作った、宇宙の根本仏である。」

偉大なる根本仏が、話された。

もう、大いなる光、としか言いようがない、偉大なお声とお姿だ。

もう、私の周囲の皆さんは真っ青な顔をして震えていた。

 

「26次元と言われる、大宇宙の根本仏様でおられるのですか??」

私は、震え上がりながら、かろうじて質問を投げかけた。

 

「そうだ。

その通りだよ。」

根本仏は、お答えになった。

 

「この大マゼラン星雲のガミラス星も、君達の天の川銀河にある地球も、本当に選ばれた銀河や星なのだ。

だから、過去の戦乱なども私は見るのが辛かった。

今後は、ますます成長して偉大な星系として、頑張ってもらいたい。

ナポレオンの霊とか、高杉晋作の霊、坂本龍馬の霊などにも、今後は君達との通信や指導に活躍してもらうから、宜しく頼むよ。」

 

 

「ははーっ。」

全員が、根本仏の意思に従い、祈った。

 

 

 

ガミラス星に到着したら、時刻は2月28日の午前6時であった!!

つまり、1日、いや、半日で160億光年以上の距離を跳んだことになる!!

 

 

 

ガミラス星では、またもや大歓迎で私達を迎え入れて頂いた。

 

「皆様は、不可能を可能にした、そして大宇宙の根本仏の支援すら得られた方々です。

正に英雄です!!」

へスラー総統がまたもや、私達を褒めちぎった。

そして、今回の派遣部隊や乗組員、首脳陣を含めた全員に「大ガミラス最高勲章」を授与して頂いたのだ。

 

 

2月28日は、授与式と歓迎の晩餐会、そして怪我などをされた乗組員達の病院への収容や治療、地球、銀河連邦や宇宙連合からの支援や救援の要請と、派遣された宇宙船の受け入れなど、本当に慌ただしい1日であった。

地球などでは、私達の遭難は確認したものの、どこにワープしたのかが不明瞭で捜索が難航していたそうだ。

 

 

3月1日。

日本連邦の阿倍野真三大統領と、ガミラス星のへスラー総統との、初の「異銀河の星間首脳会談」(??)が実現した。

また、外務・防衛の「2+2」会談、経済相同士の「経済会議」も実現した。

怪我の功名、だろうか??

災い転じて福となす、の表現が、より妥当だろうか。

 

 

3月10日。

私達は、大きな外交の成果などと共に、地球に帰還した。

しかし、帰還の際の護衛は、ガミラス星からの護衛艦隊派遣や地球からの迎えの艦隊など、往時の100倍以上の巨大艦隊になってしまった。

まあ、あのような遭難は、二度とごめんだからね。

 




今回は、大宇宙の境界部分で遭難しかかった事件とその顛末について描きました。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は地球に帰還後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は私達の新婚生活開始後、最大の危機であった「大宇宙の境界部分で遭難しかかった事件」のその後などを交えて描きます。
次回をお楽しみに。
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