クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~ 作:田中_jack
勿論、主役は私ことリデル・田中と、ミスティですが。
それ故に、アンジュの影が薄いのは、ご了承下さい。
2121年1月31日付けで、私達、20人の「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」は、「機動任務対処集団」として、大統領直轄の運用部隊に任命されました。
これは、大統領主席補佐官や大統領府大臣と同等以上の格別な待遇です。
2121年2月3日、天の川銀河の中心にある銀河連邦本部やアンドロメダ星雲にある宇宙連合への会議に出席するため、日本連邦の首脳らと同行し、宇宙の各地を訪問しましたが、2月27日にアンドロメダ星雲を出発、周辺を訪問すべく帰途の際に大宇宙の境界部分に跳ばされ遭難、最大の危機を迎えました
そこで、私達は以前にも行った「異次元空間の移動計算を自分の暗算や脳の計算能力などを駆使して見出す」作戦手法で、大宇宙の根本仏からの支援を頂く幸運で、この危機を切り抜け、2月28日にガミラス星に到着、「大ガミラス最高勲章」を頂く栄誉を受けました。
3月10日に私達は、大きな外交の成果などと共に、地球に帰還しました。
11月22日、私達に大きな大躍進の機会が訪れました。
この日は、私達にとって、大きな大躍進の最初の日となった。
何故ならば、この日を境として、私達は大きく飛躍し、大躍進を開始したからだ!!
2121年11月22日。
全ての日が「1」と「2」で示される日。
その日は文字通り、「大転換の日」となった。
朝6時、1本の連絡が、私の特殊携帯電話に入った。
電話の相手は、阿倍野真三大統領だった。
「リデル君。
極めて重大な話がある。
大統領府執務室に来て欲しい。」
阿倍野真三大統領は、こう言った。
朝7時。
大統領府の大統領執務室に私は呼ばれ、入室した。
その後すぐに、アルベルトも執務室に入ってきた。
「朝早くから呼び出して済まないねえ。
実は、リデル君やアルベルト君に言いたい事があってねえ。」
阿倍野真三大統領は、何か言いにくそうな口調だった。
「リデル君、アルベルト君。
君達は来年度で22歳、被選挙権を得るのだ。
そこで、2123年春に初めて実施される、中欧連邦の中欧議会選挙に立候補して欲しい。
比例で構わない。」
新たなる政治の季節が、開始されようとしていた。
そして、私達は大統領一行と共に、ジェノヴァへと移動した。
勿論、阿倍野真三大統領の妻である、あけみ夫人、ミスティ、ヒルダなどとも一緒だ。
11月の歴史的事件が発生した日としては、1923年11月8日~9日のミュンヘン一揆、1963年11月22日の当時の米国大統領、ジョン・F・ケネディー大統領の暗殺事件、そして1989年11月9日のベルリンの壁崩壊、などが有名だ。
そして今日、2121年11月22日。
後世の歴史家は、「黄金のタッグチーム」4人を中心した、私達20人の「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」、「機動任務対処集団」が、「大きく飛び立った日」、と呼ぶことになったのだ。
11月22日、午前9時。
建前上、「中欧連邦の各地域の首脳らを交えた会議と懇親会」と呼ばれる会議が、中欧連邦の第1首都でもある、ジェノヴァのローゼンブルム王宮で開催された。
挨拶を兼ねた基調講演で阿倍野真三大統領は、中欧連邦の拡大構想を打ち上げ、こう述べた。
「中欧連邦は、スペイン、ポルトガルだけではなく、マグレブ地方を含むヴェルダ連邦、リビア、エジプト、パレスチナ、イスラエル、レバノン、シリア、イラク、ヨルダン等を加え、「欧州地中海連邦」を目指さなければなりません。
これは北アフリカや中近東の発展繁栄を促すと共に、経済難民や環境難民対策のためでもあります。
難民達が21世紀に入り、多くの難民の方が地中海や紅海、アラビア海を渡って命を落としたり、欧州などに難民として流入して様々な問題を引き起こしたりした過去の苦い経験や歴史を忘れてはなりません。
我々は、再来年の2123年を、中欧連邦の更なる飛躍の年にしなければなりません。
2123年春に初めて実施される、中欧連邦の中欧議会選挙と、大統領選挙を成功させ、その後は未加盟の欧州の国家や地域を加盟して「欧州連邦」を実現、そして、「欧州地中海連邦」の実現を目指さなければなりません。」
阿倍野真三大統領は、正に「大きなアドバルーン」を打ち上げたのだ!!
もう、大宇宙の辺境部分での遭難から生還した後、私達はもう、何も恐れないという覚悟で政治を進めていたので、大胆な政策の提案とか実行などをためらうことは無かった。
実は、この外交戦略の裏には、欧州を巡る「長年の対立関係」に終止符を打つ狙いと、アフリカ中近東地域の国家や民族の紛争を抑える狙いの2つの思惑があった。
欧州を巡る「長年の対立関係」とは、独の3B政策と英国の3C政策との対立、トルコの欧州経済圏入りの妨害に対するトルコの反発、ロシアの欧州からの孤立、様々な民族紛争や国境線問題などである。
これは20世紀後半からの課題であり、21世紀初頭に改めて大きな問題になった。
特に2010年以降、イラクやシリアの内戦とそれに対する欧米の軍事介入は、多数の難民の発生と移民問題を引き起こし、ついに欧米とロシアとの間で中近東を巡る深刻な対立を生んだ歴史がある。
一方、アフリカ中近東地域の国家や民族の紛争は、国境線問題や民族紛争だけではなく、長年のテロや紛争、戦争や地下資源の利権などによる国家や地域間の対立、過去の欧米の植民地支配や経済支配に対する反発など、21世紀になっても解決出来なかった多くの問題があった。
それらの問題へ正面から挑む姿勢を阿倍野真三大統領は、中欧連邦の拡大政策という形で示したのだ。
その日の午後0時。
私達は、参加各国・各地域の首脳や代表者、各界の有力者らと頻繁に挨拶を交わしていた。
その多くは、「阿倍野真三大統領からのご紹介」の形を採ったものだった。
一人一人と挨拶と握手を交わしながら、パーティーの会場を進んで行く。
もう、人気アイドルがファンに揉みくちゃになりながら移動するシーンのようだった。
この日から、私達は、アイドルのような立場で、政治の世界に本格的に進出することになった。
その日の午後5時。
私達20人の「機動任務対処集団」とその家族や関係者らが、阿倍野真三大統領らと共に王宮内の「喫茶アンジュ」に集合して、夕食を摂っていた。
「今日この日は、歴史的に評価される転機の日になるでしょう。」
ミスティの父で私の義理の父でもある、エマニエル・ローゼンブルム国王が言った。
「そして、我が娘であるミスティを含めて、私の親族や、私が仲人をした方々は大きな飛躍へと進むでしょう。
何故ならば、そのバックには私がいるからです。(大笑い)」
他の出席者からも大笑い。
しかし、それは事実だった。
北イタリアなどに秋月夫妻などの実家からの大きな支援、例えば「秋月電子」や「水瀬グループの各企業」の進出などが相次ぎ、かなり大きな「好景気」に沸いていた。
勿論、萩原組グループなどの建設業やセキュリティー関係の企業なども進出し、ジェノヴァは中欧連邦の第1首都に相応しい都市に変貌したのだ。
その仕掛け人は、エマニエル・ローゼンブルム国王その人であったのだ。
当然の結果として、その幅広い人脈は、私やアルベルトの持つ人脈とは別にしても、相当強力なものであり、その後の政治活動や選挙活動にも大いに役立った。
そして、2121年、2122年は瞬く間に過ぎていった。
2123年4月10日、中欧連邦の初の議会選挙が行われ、比例で私ことリデルと、アルベルトの他に、候補者が足りないという理由でミスティとヒルダも立候補したのだが、4人とも当選を果たした。
その直後、2123年5月1日に私とミスティ、アルベルトとヒルダとの間に次男と次女が生まれた。
共に、次男と次女の双子だ。
妊娠しても選挙運動を最後まで行ったのは、本当に偉い!!
それにしても、長男と長女に続いて、次男と次女もお互い、同じ誕生日になってしまった。
何の因果で??
どうしてこうなるのだろうか??
2123年6月10日に、中欧連邦の初の公選による大統領選挙が実施され、初代大統領には、私の父である田中隆男が選出された。
私の父は、これを機会に中欧連邦大統領の職務と自分が立ち上げた医療法人の業務に専念することになった。
そのために、日本連邦の大統領府大臣は、国防総省の副大臣である佐藤大助氏が後任として就任した。
2123年の夏は、中欧連邦が「欧州連邦」、そして、「欧州地中海連邦」の実現への大事な一里塚になった重要な期間だった。
そのために、欧州各地の救国政党などを廻っては説得を繰り返す日々であった。
2123年7月20日には、加盟国全員が、何とか中欧連邦の拡大で基本合意に達した。
私達はこの成果で、久し振りに夏のバカンスを過ごす時間を得ることが出来た。
私達は、ここ5、6年はバカンスらしいバカンスなど、新婚旅行を含めて過ごしていなかった。
今までの戦役などの「褒美の休暇」も、未だに溜まったまま、消化していないのだ。
だから、お互いに夫婦ともに「中欧連邦議会議員」になったので、かえって夫婦生活や家庭生活への時間が増え、より楽しくなったのは、何とも言えない皮肉である。
この年の4月に長男や長女は既にローゼンブルム大学付属幼稚園に入園していた。
だから、少しは余裕が出来てきたのだ。
今回は、選挙で勝利、政界入りを果たした主人公らのその後の展開を含めて描きました。
宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??
私達に対する期待もますます膨らむ中、大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??
次回は第5次ミュンヘン一揆への奇想天外な対応などを交えて描きます。
次回をお楽しみに。