クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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今回は、「黄金のダイヤモンド・タッグ」と呼ばれることになる、リデル・田中とミスティ・ローゼンブルム、アルベルト・マンシュタインとヒルデガルト・シュリーフォークトの4人が、タッグ結成の翌日、4月30日についに活動開始、撮影や宣伝活動に活躍することになります。
一方、5月5日のミスティの誕生パーティーも波乱の予感が・・・。



第7話 黄金のタッグチーム活動開始で始まる「クロスミスティ」

 タッグ結成から一夜明けた、2105年4月30日。

この日は、私、リデル・田中とミスティ・ローゼンブルム、アルベルト・マンシュタインとヒルデガルト・シュリーフォークトの4人にとって、初活動の日になった。

タッグ結成は、何と「政府広報の番組」に観光庁長官や有名プロデューサーのケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏らも出演し、5月1日の初放送時に発表されるという、文字通り超特急の公表になった。

 

4月30日の夕方、本当に緊張しながら私達4人は、小学校を下校し、そのまま出迎えた政府広報担当の車に乗り込んだ。

勿論、「特殊な傘」の改良版を、私を含めて関係者全員が携行していた。

この「特殊な傘」は、先日の「大事故を装った大事件」の「大いなる実績」を参考として、改良が加えられ、近日中に「イージス」という名前で本格販売が始まるそうだ。

また、防弾ベルト等の関連製品も続々と発売が予定されており、その発売イベントへの参加も、既に私達のスケジュールに組まれている。

 

今日はヒルダの初登校や先生への報告、そして実質的に明日から始まる政府広報の番組の「宣伝のPV撮影」すら、小学校の校内であったので、私だけではなく、ミスティやアルベルト、そしてヒルダにとっても、何が何だか分からない学校の1日だった。

 

 

 私は、後に歴史的なテロ事件と言われる、例の「大事故を装った大事件」以降、ミスティは、これまで感じていた「少々引っ込み思案で弱々しい王女様」から、明らかに「強い意志を秘め、積極的に活動する王女様」になったと感じていた。

特に、私とミスティが記者会見で同席した時から、ミスティはだんだんと綺麗に、そして魅力的な女性になっていると感じ始めていた。

 

この頃から私は、本当に、自分自身が「お坊ちゃま」と言われることが嫌いになるだけではなく、ミスティが「世間で言われているミスティ王女様」との見方から、次第に「私にとって、ミスティとはどんな人なのだろうか?思いに正直に生きたい」「私が魅力を感じる、ミスティという名の女性」と感じるようになり、私とミスティとの間で思いが交差する「クロスミスティ」の気持ちをミスティに抱くようになっていったのだ。

 

その同じ思いを、ミスティも感じ始めていた。

「私にとって、リデルとはどんな人なのだろうか?思いに正直に生きたい」という思いと、

「私にとってリデルという男性と、私、ミスティという名の女性とはどうあるべきなのか?」との間で、私とは別の視点から「クロスミスティ」の気持ちを抱くようになっていったのだ。

既に私もミスティも、少なくとも心の中では「お坊ちゃま」「世間で言われているミスティ王女様」のイメージを持たなくなり、少なくとも二人の間では打ち解けた雰囲気で、他人行儀にはならなくなっていった。

 

 一方、「少々お堅い男の子」であるアルベルトと「赤毛のツインテールの女の子」であるヒルダとの間は、この当時はどうだったのだろうか?

後年、アルベルトはタッグを組んだ私達や関係者に告白している。

「ヒルダが祖国のエンデラント連合から排除された直後に再会した時は、本当に怯えた、幼なじみの可哀想な少女そのものだった。でも、次第にヒルダの女性としての魅力や、勝ち気で物覚えも早く、どんどん成長していく姿に惹かれていったのだ。

それが、自分の成長を促す刺激にもなり、更なる高みへと進む原動力になっていったのだ。」

 

ヒルダは数学や物理、地理に極めて明るくて非凡な才覚に目覚め始め、後に大きな実績や成功を挙げることになる、世間で言う「少々お堅い男の子」であるアルベルトを理解し、共に学び、協力することで自分の能力には足りない数学や物理、地理などの学問のセンスや魅力を磨き上げ、成長していった。

本当に彼女は努力家タイプなのだ。

 

後年、ヒルダはタッグを組んだ私達や関係者に、こう告白している。

「祖国のエンデラント連合から排除された直後に、幼なじみのアルベルトに再会し、リデル、ミスティに出会えたことを本当に感謝している。

もし出会えなければ私はどうなったか分からない。

特にアルベルトが数学や物理、地理に極めて明るくて非凡な才覚を持ち、成長していくことが私にとって本当に嬉しいことで、お互いに努力し続けて行けたのよ。

アルベルトの笑顔が私の笑顔、アルベルトの成功が私の成功となっていったのよ。」

 

 

 私達が撮影現場であるローゼンブルム迎賓館に到着した後、その数分後に、連邦政府の観光庁長官や複数の大統領補佐官、担当の広報官らが到着し、早速、名刺交換や政府が検討している今回の企画書の説明を行った。

ケマル・縁部理桜氏のアイデアを盛り込みつつ、私やミスティ、アルベルト、そしてヒルダの4人が出演する教育番組「お兄さんお姉さんといっしょ」の初撮影だ。

5月1日にニュース方式での放送が開始されることになった。

 

そのインタビューを受ける「ドラゴンの世界(アウラの民)」から来た一行が、日本連邦政府の「国際交流施設」であるローゼンブルム迎賓館で、古の民の出身のタスクが、世界の情勢分析や現状の案内を、巫女でサラの母親(レモディーネ)、サラ(サラマンディーネ)、ドラゴン族の母・ラミアとその子ミイ(ヴィヴィアン)、サラの側近であるドクター・ゲッコー、ナーガ、カナメと共に改めて聞いていた。

特にミイ(ヴィヴィアン)は、初めて来るパラレルワールドの「地球」であるので、興味津々そのものの顔だ。

 

「これから「もう一つの地球」の日本連邦政府の要人である外務大臣らと会い、インタビューを受けます。可愛い王女様や美少女様もいるとのことです。一緒に宜しくお願いしますよ、サラ、そして皆さん。」と、サラの母親は言った。

「はい、楽しみです。どんな人が来るのかなあ」と、可愛い声でサラは答えた。

 

 レモディーネは外務大臣の志木田茂雄氏、広報大臣のマイク・ジャクソン氏との会談後、私達のインタビューに応じてくれた。

 

リデル:

「この度は、お忙しい中、パラレルワールドの一つである、ドラゴンの世界よりお越し頂き、

誠に有り難うございます。まず初めにもう一つの地球のご紹介を宜しくお願い致します。」

 

レモディーネ:

「ドラゴンの世界では、500年以上前に、ドラグニウムの暴走や絶対兵器「ラグナメイル」に搭載された「収斂時空砲」を使用の戦争での使用で世界が壊滅しました。私達は生き残った者の使命として、遺伝子操作で肉体を改造し、ドラグニウムの回収と結晶化による地球環境の浄化を進めております。」

 

リデル:

「我が日本連邦は、「もう一つの地球」などの平行世界の住民や、異星人との交流などを積極的に進めておりますが、これについてはどのようにお感じなされていますか?」

 

レモディーネ:

「大変感謝しております。

この度は、日本連邦政府のご招待で訪問しました。今回の訪問はドラグニウムの回収技術の提供や環境浄化、社会や住民らの復興支援などを頂くことに関して、感謝の意と更なる相互協力を話し合う目的がございます。これも、日本連邦政府が平行世界の住民や異星人との交流などを積極的に進めておりますことが、私達の世界の復興にも大きく役立っており、重ねて感謝申し上げます。」

 

レモディーネは、マナを使用している世界の住民が聞いたら、驚くような事をさらりと発言した。

例えばマナのエネルギー源であるドラグニウムや、ドラゴンを冷凍保存した後でドラゴンの心臓を抉ってドラグニウムの結晶を回収するという、実に原始的でとんでもない回収方法は、マナを使用している国家や地域では極秘事項であるからだ。

一方、日本連邦などのマナを使用しない世界の大部分の国家や地域では、その程度の事は常識である。

だから、ドラグニウムの回収技術の提供をドラゴンの世界の住民にも抵抗なく出来るのだ。

 

ミスティ:

「遺伝子操作によって人体を改造して、ドラグニウムの汚染を除去するなんて、大変な決断と努力を積み重ねられて来たのですね。」

 

レモディーネ:

「本当にドラゴン世界の住民にも大変感謝しております。今回の訪問の随員の一人、ドクター・ゲッコーら、天才的な遺伝子治療の権威の不断の努力のお陰でもあります。」

 

アルベルト:

「パラレルワールド間の往来やその物理的な存在状態とかは如何でしょうか?」

 

数学や物理に強い関心がある彼らしい質問だ。

 

レモディーネ:

「空間障壁を往来する技術は確立されております。また、自らの思いや、その想念が往来できる道を拓くことも可能です。物理的な存在状態などについては、今後の研究が待たれます。」

 

ヒルダ:

「ドラゴンの世界とは、この地球とはどのように違うのですか?家の大きさとか、衣食住とかはどうでしょうか?」

 

レモディーネ:

「家の大きさは、この世界とそれ程変わりません。少なくとも、私達の世界では、男も女もドラゴン関係の遺伝子調整や自分の意思で体形の変化が出来るので、普段の生活では特別に大きな家屋や建物、部屋が必要という事はないのです。

また、衣食住でも、羽根や尾を伸ばす点を考慮した服装や家具などを除けば、何も変わりませんよ。普通に野菜や肉も食べますしね。」

 

 サラ(サラマンディーネ)やミイ(ヴィヴィアン)が、インタビューを脇で聞いているのに飽きてきたようで、インタビューが外務大臣、広報大臣、そしてケマル・縁部理桜氏の到着を待っている休憩の間に、「王女様」「美少女様」「お姉様」などと言いながら、ミスティやヒルダに抱きついてきた。

私達4人とサラやミイとは、そんなに年も離れていないのだが、大人達だけの周囲の環境に疲れたのであろうか。

 

ミスティとヒルダは、まるで母親が子供をあやすように、サラやミイを扱い、「お名前は?」とか、「幼稚園は楽しい?」とか言いながら遊んであげた。

尚、5月1日の放映や、その後の「教育番組」では、何故か、このシーンが主要な映像として繰り返し「教材の一つとして」流れ続けていた。

インタビューの内容以上に重要なシーンのようだ。

明らかに、ケマル・縁部理桜氏の「演出」や「ドラゴンの世界は人間世界と変わらない」ことへの実証宣伝なのだろう。

 

 

 外務大臣の志木田茂雄氏、広報大臣のマイク・ジャクソン氏、そして有名プロデューサーで今回の一連の企画を担当している、ケマル・縁部理桜氏が到着した後、インタビューが再開した。

 

リデル:

「外務大臣と広報大臣にお尋ねします。ドラゴンの世界より訪問された今回のレモディーネ様らとの会談の成果は如何だったでしょうか?」

 

外務大臣:

「文字通りの大成果です。パラレルワールドの歴史や実情を知ることは、私達にとっての大きな教訓であり、同じ轍を踏む歴史を歩まないようにできる大きな根拠ともなります。

また、ドラグニウムの回収技術の提供や復興支援も、大きな成果を生むことでしょう。」

 

広報大臣:

「ドラゴンは私達と同じ仲間です。また、ドラグニウムの回収を目的とした、ドラゴン世界からの空間ゲートを無理矢理に開けてドラゴンを狩ることは、侵略や強盗と全く変わりません。」

 

ミスティ:

「ドラゴンとの戦闘では、『ラグナメイル』『パラメイル』といった空飛ぶオートバイ兼人型戦闘ロボット兵器が登場します。ドラゴンの世界でも、それに匹敵するロボット兵器はあるのでしょうか?」

 

レモディーネ:

「ございます。『龍神器(りゅうしんき)』などが存在します。」

 

外務大臣:

「『ラグナメイル』『パラメイル』といった空飛ぶオートバイ兼人型戦闘ロボット兵器についても、今後、国防当局などと連携しながら、ドラゴンの世界などパラレルワールドの各世界と連携協力していきたいと存じます。」

 

縁部理桜:

「新しい護衛警護とか、軍や治安機関のスクーターの代用とか、エアリアに代わる新型のスポーツ等にも応用出来るかと感じております。」

 

広報大臣:

「なるほど。それらのアイデアは良いですね。早速検討や広報宣伝を進めましょう。」

 

インタビューは実質45分ほどで終わったが、我々4人の「タッグチーム」では、2時間以上の長時間に感じられた。

 

 

 一方、私達がインタビューを終えた頃、日本連邦政府の大統領府にて、阿倍野大統領が私の父の田中大臣、そして、ノーマ解放戦線の代表であるジャスミンと会談していた。

 

阿倍野大統領:

「ノーマ解放の鍵は、マナの無効化と危険性の周知、そしてマナを使用した国家や地域へのドラグニウムの流入やエネルギー源としての使用停止だ。

既に、我が国は新型エネルギーである核融合や反物質、プラズマ、重力制御等の先端技術を駆使した、マナを上回る全く別の情報や金品の送信技術「Jモード」を開発、マナのエネルギー機能の全やその原理なども解析している。」

 

田中大臣:

「大統領、3日前の4月27日に発生したローゼンブルム王宮などを狙った事件ですが、警察の捜査や連邦国防総省統合情報本部などの情報機関を駆使して調査したところ、意図的にミスティ王女様とその取り巻きを殺害しようと、廃品回収業者の設備事故を装ったテロ事件と断定されました。」

 

阿倍野大統領:

「一体、どこの誰が行ったテロなのだ?」

 

田中大臣:

「状況証拠としては、犯人とみられる5人組はミスルギ皇国へ逃亡したこと、ミスルギ皇国は犯人逮捕に積極的には協力していないこと、そして当局が妨害阻止しているのですが、ミスティ王女などへの誹謗中傷がインターネットや宣伝媒体に流すグループが確認されております。

 

また、犯人グループの首謀者と見られる男、スケベビッチ・アル・ガッポリーネとそのグループは、事件発生の数日前に突然、皇帝であるジュライ・飛鳥・ミスルギによって、「恩赦」されて釈放され、その後、皇帝のジュライより、直接ミスティ王女を事故にみせかけて殺せという命令と、多額の報酬を提示された模様です。」

 

阿倍野大統領:

「ジュライ皇帝が自ら指示したテロなのか?」

 

田中大臣:

「はい。その通りです。

ミスルギ皇国では、国内では「マナ」決済という名の、建前上の貨幣レス社会ですが、国外向けには日本連邦の10万円金貨や5万円銀貨などの他国の通貨や国債などの有価証券類か、貴金属、宝石などの動産を使用しなければなりません。

 

ミスルギ皇国は、貿易上の赤字が累積しており、日本連邦の10万円金貨や5万円銀貨などの高額の貨幣は非常に高いインフレ率の中、ミスルギ皇国国内ですら資産防衛のため非常に貴重な外貨となっており、今回のテロ事件の前金だけでも10万円金貨が200枚動いた模様です。

ミスルギ皇国の日本連邦に対する為替インフレ率は年1000%を超え、これだけでも大きな証拠です。」

 

ジャスミン:

「ミスルギ皇国のジュライ皇帝をはじめ皇族は、日本連邦に編入したローゼンブルムの現在の国王や国王王妃を嫌っている。特に、国王王妃が後妻で庶民の出身であることから、ミスティ王女を毛嫌いして「自称王女」と馬鹿にさえしているとの情報も得ている。

しかし、あの貧乏なミスルギ皇国の皇室に何故そんな金があるのか、不思議だねえ。」

 

田中大臣:

「はい。私も実に不思議に思うのですが、報酬を支払ったのは事実です。

10万円金貨や5万円銀貨などの高額の貨幣の動きのモニターでも立証されています。

また、ジュライ皇帝と親しいケマル・縁部理桜氏に聞いたところ、昨年、縁部理桜氏がミスルギ皇国でプロデュースした「おとうさんといっしょ」では、法外な出演報酬や口利き料をジュライ皇帝から要求され、その支払いに本当に困った、という証言も得ています。

そのような「副業」などによって得た金が使われた、と連邦国防総省統合情報本部などの情報機関は見ています。

 

なにしろ、ジュライ皇帝は「厳格ながらも家族想い」ですし、アンジュリーゼ第1皇女殿下のライバルになりそうなミスティ王女の命を狙っても何の不思議もなく、殺せば得をするのですから。

『皇室や王室のトップアイドルでファッションリーダー、社交界の花は、我が娘のアンジュリーゼでなければならないのだ!!』と常々側近にも言っているようです。」

 

阿倍野大統領:

「テロ事件の実行犯と指示した張本人は、もう特定されていると言っていいね。

ミスルギ皇国やマナを使用している国家や地域は今後とも危険視して警戒を怠らないようにしなければ。

潜水艦戦や諜報戦などでの「水面下の戦闘」もOKとしよう。

今後とも、テロ事件の捜査と犯人逮捕、情報機関などの活動、そしてノーマ解放に向けた連携など、協力を宜しくお願いします。ジャスミンさん、そして田中大臣。」

 

 

 5月1日。

この時期、普通の小学生ならばGW(ゴールデンウィーク)の楽しみがあるのだが、私達4人の「タッグチーム」には、別の用事があった。

「教育番組」「政府広報番組」の出演やインタビューなどである。

何しろ、たとえ細切れの5分、10分の短い放送内容であっても、政府広報となると重みが違い、すんなりとは行かない。

また、1日に集中して5回分、10回分の収録すらあるので、毎日の変化が激しい日常となっていた。

それでも、ミスティの誕生日である5月5日には、ケマル・縁部理桜氏が主催する「誕生日お祝いパーティー」が、同級生全員のご招待を含めて王宮で開催されることになった。

その日の準備も入念にしなければ。

 

 

 5月4日夜。

ミスルギ皇国では、第1皇女殿下のアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギが、筆頭侍女のモニカ・荻野目とお忍びでミスティの誕生日パーティーに出席する話をしていた。

 

「ケマル・縁部理桜氏からの招待状はもらったのだけれども、あくまでも彼の主催になっているわねえ。」

アンジュリーゼは、ネチネチと相変わらずの上から目線で、皮肉を込めて言った。

 

「国王陛下が主催しないとは、どういう訳でしょうか?」

とモニカが言う。

「決まっているじゃない。金が無いのよ、このミスルギ皇国の皇室と同様にね。

まあ、あの「自称王女」の女には、それでも勿体ない位の好待遇よ!!」

アンジュリーゼは、悪人面した顔で、怒りを込めて叫んだ。

「明日の未明に車でローゼンブルムに向けて出発するわよ、モニカ。」と指示を出した。

 

 

 5月5日、ミスティの誕生日で、ケマル・縁部理桜氏が主催する「誕生日お祝いパーティー」の日。朝10時に開演する予定で、私を含めたタッグチームが準備の担当の一部を取り仕切っていた。正に大忙しだ。

 

 一方、お忍びでミスティの誕生日パーティーに出席しようと、ローゼンブルム王国の王都に入るべく移動していた「アンジュリーゼとモニカのご一行様」は、朝7時頃、警察の検問に引っかかった。

何と、検問で運転手が「国際運転免許証」を持っていなかったこと、国境を越える際の車両の登録手続きを期限までにしていなかったことが発覚したのだ!!

エアカーが主流になっている現在、尚更のように国際運転免許証や車両登録が厳しくなっているのは、致し方ない。

 

「アンジュリーゼとモニカのご一行様」は、代替の乗り物として、鉄道を利用して王都に向かった。

そこで、生まれて初めてアンジュリーゼとモニカが、「マナ」が機能しない社会、「マナ」と「ノーマ」が共存している社会を目の当たりにした。

もっとも、日本連邦などでは、「マナ」よりも安全で便利な「Jモード」が使用されており、スマートフォンや携帯電話の進化型も形や機能を充実させつつ、現在も使用されている。

 

アンジュリーゼとモニカは、「マナ」使用者が絶対的である、との信奉者であったので、本当に大きな衝撃を受けたのだ。

ようやく、王都の中央駅に到着した時には午前9時を過ぎていた。

「アンジュリーゼとモニカのご一行様」は、タクシーかバスを利用しようとしたが、ミスルギ皇国では使用したこともなく、タクシー券やバス回数券すら見たことも買った時もないので、使い勝手すら分からなかった。

 

 そこへ、「ローゼンブルム王国」のSP車両が通りかかった。

運転手は、ケマル・縁部理桜氏。

実は、タスクやゾーラ・アクスバリが、「アンジュリーゼとモニカのご一行様」の動向を監視しており、王都の中央駅に到着したことを私に報告してくれたのだ。

そこで、私がケマル・縁部理桜氏に急遽連絡、ケマル・縁部理桜氏ご本人がお出迎えをした訳だ。

 

「ようこそ、アンジュリーゼ皇女殿下。お待ちしておりました。」

ケマル・縁部理桜氏が男としては高音の部類に入る声で言った。

「あ、ありがとうございます。プロデューサー。」と、アンジュリーゼは答えた。

そして、ご一行を乗せたSP車両は、王宮へと向かった。

 




原作は2015年2月8日現在、18話まで終了しておりますが、本当に毎回が波乱の物語ですね。
 先が読みづらいので、筆者もこの二次小説でも苦しんでいる部分もあります。
最初は「私」=「タスク」にしようか、と思ったのですが、そんなに私はラッキースケベではないので、あきらめました。
本当に、ミスティを中心にしたストーリーで良かった、と感じております。

今後の展開ですが、私とミスティの小学校1年生編は次回くらいで終了させストーリーの進行も加速する予定です。
また、原作で登場するキャラも今回同様、どしどし登場させます。
但し、アンジュを裏切ったサリア達などの「エンブリヲ派」や「ぶち切れたジル派」については、どうしようか、今も迷っています。
少なくとも優先順位は低くなるでしょう。

一方、ミスティの誕生パーティーも大波乱が。ミスティとアンジュとの確執合戦か??
次回をお楽しみに。
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