クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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本作品は、「クロスアンジュ」のヒルダを相当持ち上げています。
最初は、ヒルダを「悪いヤツ」と思っていましたが、原作で彼女もノーマ迫害の被害者であること、故郷に帰りたいと思う心を知ってからは、アンジュと「世界を壊す」ことに賛同してからは、ヒルダを見直しました。

ですから、筆者としてはヒルダに相応しい相手として「アルベルト・マンシュタイン」という、あの有名な物理学者のアインシュタインと、有名なマンシュタイン将軍を掛け合わせた人物を創造し、ヒルダの伴侶としました。

ヒルダの本名から、彼女は明らかに貴族系の家系ですから、筆者の設定で良いと思いますが、皆様は如何お考えでしょうか??



第81話 記録映画第5部の公開を名目にした大きな流れと「ちょっとコーヒーブレイク その2」

2124年6月25日。

南朝鮮での議会選挙の結果、政権側が勝利した。

そして、金定男元帥の大統領就任が、議会で承認されたことで、南朝鮮はようやく、再建への第一歩を歩みだしたのだ。

 

その日の夕方、午後4時。

場所は東京の大統領府、大統領執務室。

阿倍野真三大統領をはじめ、各閣僚と補佐官、側近らに加えて、日本連邦軍の最高司令官であるシルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥、そして私達20人の「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」、「機動任務対処集団」が参集した。

 

「4月24日から翌日の4月25日にかけて発生した南朝鮮の動乱、つまり、「東アジア大戦」、「南朝鮮最終戦争」の教訓から、日本連邦軍を次のように整備強化致します。

 

このようなにする理由は、もはや宇宙規模での防衛体制を整備しなければ、我が国どころか、地球の防衛ですら危ういことを、改めて南朝鮮の動乱は我々に対して証明したからです。」

中谷元雄国防総省大臣が、こう口火を切った。

 

「2124年7月1日現在で日本連邦軍は、次のように改編・増強します。

アジア太平洋地域軍集団18000万人と欧州地域軍集団1800万人に、中央直轄統合軍と中央宇宙軍とを加えた4000万人、それに加えて欧州防衛軍1500万人を欧州大西洋機動防衛軍として1800万人に、アジア太平洋防衛軍1500万人をアジア太平洋機動防衛軍として1800万人に増強整備します。

 

そして、中央の軍部隊400万人に加えて、一時期編成していたタスク・フォースとして400万人の枠を新たに設けます。

 

そして、2つの地域軍集団と2つの機動防衛軍は、同一編成とします。

これは、南朝鮮の動乱で、各地の地域配備部隊が手薄になり、一時的ですがテロやゲリラの活動が活発化したことに対する反省もあります。

これにより、日本連邦軍は1月1日現在に比べて1000万人の増強を受け、合計8000万人の基本部隊を持つことになります。

 

更に、別枠としての各地の国や地域の兵力である地域統合軍は、従来の現役30個、予備10個体制から、加盟国の拡大により現役40個、予備40個体制とします。」

軍のこの傾向は、2130年現在でも基本的な変化はない。

 

「宇宙医科大学校の75期や76期を中心にした記録映画の第5部が7月1日に一般公開、上映開始されます。

これを機会に、更なる大宣伝作戦を!!」

宇宙医科大学校校長と兼任して「宣伝特務大臣」に就任した高木順一郎氏が、またまた過激な発言をした。

 

「確かに、それも大きな「軍事作戦」ですなあ。」

以前の宇宙医科大学校校長であり、我々の恩師の一人でもある、シルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥が、その意見に賛同した。

「それらの大宣伝により、中谷大臣が言われた国防力の強化の正当性も、強く訴えることが出来ます!!」

 

「良いですね、良いですね。

是非、それで行きましょう!!」

我らがプロデューサーでもある、ケマル・縁部理桜(えんぶりお)大々元帥が、ノリノリで言った。

この人、元々行け行けドンドンのタイプだからな。

何を考えているのか分からない、と言われる時があるのだが、それはプロデューザーであるから故の、ケマル・縁部理桜氏の癖、職業病のようなものだ。

 

「こちらには、伝統の秘宝、黄金のタッグチームを始め、豊富な人材がいます。

それらの人材を活用しない手はありません!!

今後の彼らの活躍に道を拓くべきか、と存じます!!」

ケマル・縁部理桜(えんぶりお)大々元帥が、私達の更なる売り込みをして頂いた。

こちらの方が、赤面したくなりますよ、我らがプロデューサー。

 

 

午後4時45分。

閣議の重要案件は終わった後、雑談になった。

 

「懸案の南朝鮮問題ですが、まあ、南朝鮮の連中は、我が日本連邦がじっくりと、徹底した教育をしましょう。」

文部科学大臣である、植村仁志大臣が言った。

この人は、最先端の電子技術やエネルギー開発系の研究開発や技術分野の出身で、相当なナショナリストであると同時に、「八紘一宇」「世界は一家、人類、皆兄弟!!」の信奉者で、徹底的な教育や社会の改革論者でもある。

ノーベル物理学賞を受賞した大実績もあり、技術開発分野の投資や人材育成なども徹底的に奨励し、日本やロシア等の国や地域の良さを生かした研究開発推進論者でもある。

 

「南朝鮮には、日本の国定教科書や国定歴史書などで徹底した教育を推進します。

そもそも、真実の朝鮮の歴史すら捏造して訳が分からない発言をする民族、国の歴史が9000年もあった、全世界の民族が韓民族起源だ、ロシアも中国も米国も日本も我が国の植民地であった、などの狂気染みた妄想大爆発の歴史学者や民族主義者が生まれるような国や民族など、絶対に日本連邦には入れてはなりません!!

 

そして、研究開発の重要性や研究開発業務の大切さとその喜び、そしてそれを受け入れる社会環境の整備なども必要でしょう。

南朝鮮や儒教の悪しき因習に染まっている民族には一番、欠けている分野ですから。

 

おまけに、元寇の共同研究をしよう、と、こちらが提案しているにも関わらず、現在に至るまでそれを拒絶していた連中ですぞ!!

現在の南朝鮮の処遇は国権の回復すら時期が未定ですが、これすらも、自業自得そのものなのです!!

志木田外務大臣には、もっともっと厳しい態度で臨まれては如何でしょうか??

特に南朝鮮や旧中国には、これまで、あまりにも甘やかしていたのではないですか??」

植村仁志文部科学大臣も、非常にきつい事を言われる。

 

 

「植村大臣の言われるご批判は、20世紀のいい加減極まりない外交に始まる歪みにも原因があり、私も忸怩たる思いがあります。

旧中国では21世紀前半の経済失速後の分裂と、その後の再編にて歴史観や社会観が良い方向に修正された、と本職は認識しております。」

志木田茂雄外務大臣は、植村仁志文部科学大臣の意見に答えた。

 

「南朝鮮では、リデル・田中元帥らと幹部学校で同期生である、金定男元帥が大統領に就任し、政治や社会の改革が始まったばかりです。

彼の後押しをする形で外交や支援を進めております。」

 

 

「まあ、植村仁志文部科学大臣の言われる事も理解できます。

また、志木田茂雄外務大臣のご努力も理解しております。

南朝鮮や旧中国に関しては、今しばらく、その成果を見極めては如何でしょうか。」

阿倍野真三大統領が、政策の方針を総括して評価、決定した。

 

 

「阿倍野真三大統領閣下の言われる通りかと。

欧州連邦の拡大問題や日本連邦の新規加盟などで、目標を達成するにはもう一山、難問が来るでしょう。

 

例えば新興国の一部などに見られる、経済の負債によるデフォルト(債務不履行)の兆しがあります。

また、急速な宇宙時代の到来について行ける国や地域と、そうではない国や地域との拡大する一方の格差の是正や、教育や文化、社会背景の違いを相互に理解出来る体制も早急に進めなければなりません。」

麻生次郎副大統領兼財務大臣が発言した。

流石は、財政や経済に明るいお方のご発言だ。

 

「私は、麻生次郎副大統領兼財務大臣のご見解に賛成します。

新興国の財政基盤や政治基盤が軟弱であり、それが経済や社会の発展を阻害していることも事実ですから。」

甘利明雄経済産業大臣は発言した。

 

「経済や産業の育成は、政治がしっかりと責任を以て行わなければなりません。

そして、それが歴史を作ります。

歴史を作る仕事とは政治と軍事を執る事であるのです!!

そしてそれには、経済や産業の育成を怠ってはなりません!!」

 

 

「私も、麻生副大統領兼財務大臣や甘利明雄経済産業大臣のご意見に賛成です。

私の所見ですが、欧州連邦はなんとか船出したものの、次の拡大目標である地中海沿岸諸国などの中近東地域は難問が噴出している地域があります。

 

また、ニューヨークやカリブ海諸国での「過度な投資意欲」「過度な金融商品への投資」が、金融危機を招く恐れも出てきました。

これに新興国のデフォルトが加われば、かなりの経済的な打撃です。

南朝鮮など、一瞬で吹き飛びますよ。」

私の父、田中隆男欧州連邦大統領が言った。

私の父も、最近は容赦の無い指摘をするようになったなあ。

 

 

 

午後5時15分。

閣議は散会となった。

 

「今日は、この後に天皇皇后両陛下がお見えになられる。

「機動任務対処集団」の君達は、ここで待っていてね。」

突然、阿倍野真三大統領からの指示があった。

そんな恐れ多い会議など、事前の予定に一切無かった!!

道理で、6月25日以降の予定が一切無くなっていたのか??

 

 

 

午後5時20分。

天皇皇后両陛下が、大統領執務室にお見えになられた。

阿倍野真三大統領と、あけみ夫人がご案内役で一緒に入室された。

 

「御見心におかれましては、日々のご安寧、心からお喜び申し上げます。」

私は、天皇皇后両陛下に頭を下げ、ご挨拶を述べた。

 

「皆様の日々のご精進、痛み入ります。」

天皇陛下から、このようにご返答を頂いた。

 

「皆様もご結婚され、お子様をもうけられ、ご精進されておられます。

日々のご活躍に感謝申し上げます。」

皇后陛下から、このようなねぎらいのお言葉を頂いた。

 

 

拡大御前会議が始まった。

 

「さて、本日の議題は、「機動任務対処集団」などの得た「拡大クループG」の活動報酬の扱いや、今後の宇宙開発や国防計画などの経済対策です。

 

「拡大クループG」の活動報酬は、今までの合計で、何と1垓円、10000京円に上ります。

 

今後の宇宙開発や国防計画などの経済対策では、今後100京円単位での投資が適宜、必要でしょう。」

阿倍野真三大統領が、このような結果と見通しを示した。

もう、私達の活動報酬が1垓円に達したのか。

信じられない!!(棒読みのような驚き)

 

 

「阿倍野真三大統領の言われる経済対策は、そのご意見のままで宜しいでしょう。

例の悪華夷などからの没収金はまだありますか??」

天皇陛下が阿倍野真三大統領にご質問をされた。

 

「はい、平行世界などへの投資に20垓円、銀河連邦経済パートナーシップ協定や投資に50垓円、周辺銀河系との協定や投資に20垓円を使用しましたので、残り10垓円があります。」

阿倍野真三大統領が、このように天皇陛下へ回答した。

 

「それでは、その残り10垓円をひとまず、阿倍野真三大統領の言われる経済対策に回しましょう。

特別会計扱いで宜しいでしょう。」

天皇陛下が、了承された。

 

 

「恐れながら、「拡大クループG」の活動報酬については、如何されますか??」

麻生次郎副大統領兼財務大臣が天皇陛下にご質問を投げかけた。

 

「それは、稼いだ彼らに任せましょう。」

天皇陛下がお答えになられた。

「まさか、これから税金として、全てを没収するつもりではないでしょうね。

それにこのお金は、機密費扱いでしょう??

領収書は要らず、支払い証明で済む話ですよね、麻生財務大臣??」

天皇陛下も、お人が悪い。

わざと、麻生財務大臣に詰め寄られている。

 

「それに、「機動任務対処集団」などの得た「拡大クループG」の活動報酬は、まだまだこれからも増え続けるのでしょう??

良いではないですか。」

私達の自由に使用出来るお金は、こうして守られたのであった!!

 

 

その日の夜、私達は、お互いのパートナーや家族らと、ゆっくりと食事をした。

そして、夫婦で愛を交わした。

何故か、私達は皆、一区切りが付いた、大きな山を超えた、そのような集団認識を持ったのだ。

ミスティは私にこう言った。

「やっと、家や家庭をどうしようか、深く考えることが出来るようになったわ。」

私も同感だった。

他の仲間も、同じ気持ちだった。

 

 

次の日から、私達20人の「機動任務対処集団」は、記録映画の第5部の公演や挨拶などに東奔西走する日々。

7月1日の映画公開の直前から11月末まで、そんな日々だった。

それだからであろうか、阿倍野真三大統領からこう言われたものだ。

 

「君達も、ようやく家庭の幸せが何かを理解出来たようだね。

それで良いのだ。

政治とは、軍事とは、家庭が出発点なのだから。」

 

 

 

そして年が明けて2125年。

2125年8月8日に三男と三女が生まれた。

そして、アルベルトとヒルダとの間にも、同じ日に三男と三女が生まれた。

何の因果だろうか??

多くの出来事があったが、それでも、2124年から2125年の夏までは、比較的平穏な日々だった。

「ちょっとコーヒーブレイク その2」

 

 

2130年のある、土曜日の朝。

 

「ねえ、もっと、もっと、私の事を書いてよ!!」

妻のミスティが、また甘えて私に駄々をこねた。

 

これまでの話は、「日本連邦大統領 リデル・田中自伝 ~私が愛するミスティと共に~」と題する書籍に纏めるつもりで執筆している。

 

「ミスティ、2125年の夏からは、またまた大きな山があるのだよ。

その準備も怠らずに書き方を考えているところだよ。」

私は笑って言った。

 

 

「ねえ、リデル。

一緒にお昼寝しましょうよ!!」

ミスティが私をベッドに誘う。

 

 

「いいね、そうしようか。」

私は笑って答えた。

 

 

まだまだ、これからも物語は続きます。

今はこの辺りで。

「アデュー(あばよ)」

 




今回は、南朝鮮の動乱のその後の展開を、2124年後半から2125年夏までを描きました。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦の更なる拡大と大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は相当な波乱を挟んだお話です。
次回をお楽しみに。

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