クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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2015年12月には2人の日本人科学者がノーベル賞を受賞します。
お一人は医学賞、もうお一人は物理学賞です。

お二人共に、地道な研究成果が高く評価された点では共通しています。


本作品では、その点に光を当てつつ、筆者が最近拝読した山田芳裕さんの「度胸星」(小学館 刊)という作品に刺激され、敢えて現在の地球文明が解明していない「超ひも理論」と「バラフライ効果」を利用した部隊運用や政治外交を実施して成果を挙げる点を取り上げます。

「超ひも理論」とは、素粒子なども「実に小さく特殊な弦(ひも)」の振動で構成されている、とする理論であり、その弦(ひも)の振動で、全ての現象、宇宙の創造からテレパシーまで説明可能になり、高次元の存在すら示されています。
実際に、素粒子が消えたり観測されたりしている現象が観測されていますが、これは「次元跳躍」をしていると考えられています。

一方、「バラフライ効果」は金融から気象現象までを説明する、実に幅広い理論ですが、一言で言えば「玉突き理論」です。
一つの現象、例えば北京で蝶が羽ばたくバタフライの羽ばたきが、ニューヨークの暴風雨の原因になっているように、ちょっとした現象や動きが、予想外の効果を生むことを示しています。


「クロスアンジュ」で描かれる、マナという「便利の良いエネルギーや金融手段を名目にした悪魔の手段」の面が、筆者には、どうしても「超能力至上主義」「自我欲至上主義」のようにしか見えないのは、これらの理論を無視した悪魔の理論で生きた社会を示しているとしか思えないからです。


本作品にある、2125年の「2つの大統領府秘書室長事件」で、これらの点を「二次小説的な感覚」で、更に浮き彫りにしたいと存じます。
リデル・田中やミスティらはどのように立ち回るでしょうか??



第88話 「超ひも理論」と「バラフライ効果」を利用した部隊運用や政治外交を実施して成果を挙げる!!

2126年4月25日に実施した大演習には、大きな意味があった。

その意味とは、「超ひも理論」と「バラフライ効果」の大きな、壮大な大実験と検証、そして、それを利用した部隊運用や政治外交を実施することにあった!!

 

えっ、何の事??

理論物理学と部隊運用や政治外交と何が関連するのかって??

関連するのですよ。

俗に言う、「政界の一寸先は闇」とか「戦場の霧は晴れない」とか言われますよね。

それを逆手に利用するのです!!

 

 

 

午前10時。

場所は富士山の裾野にある、東富士演習場。

その上の遙か上空、高度約200km。

私達は、ドック型宇宙戦艦「新型やまと」より降下すべく、バトルスーツに真空耐熱防護装置付きの特殊戦闘ウェアモジュール装置を装着していた。

本日は、「亜空間トンネル」を東富士演習場と、ドック型宇宙戦艦「新型やまと」とをつなぎ、合計10回の降下演習を行っていた。

そして、その演習の動きや全てのデーターは、ドック型宇宙戦艦「新型やまと」を通じて東富士演習場の演習管理棟に送信されていた。

 

「ここより、大気圏外降下を開始する!!

私に続け!!

1降下、2降下、3降下、4降下、5降下!!」

(この叫び方は日本式のパラシュート降下運用方法です。

一般のパラシュート降下方法の教育では、米国式が良く利用されます)

 

私を先頭に、宇宙医科大学校の75期生から85期生まで、全員が降下した。

その数、およそ1000人。

 

それを、統率者で宇宙医科大学校の校長である末次一郎三大元帥と、大統領府顧問である、妻の末次亜美三大元帥をはじめ、宇宙医科大学校の在校生が見守っていた。

 

「この演習の本当の目的は何ですか、末次一郎三大元帥閣下??

高空からの空挺降下は当たり前の如く行っていますが、今回のような大気圏外からの降下など、初めてです。」

日本列島陸軍東部方面軍集団の司令官、東郷平七郎三大元帥が尋ねた。

 

「スペインとポーランドなどへの示威演習ですよ、東郷平七郎三大元帥閣下。」

末次一郎三大元帥が答えた。

 

「リデル君やアルベルト君達が考えている、新たなる陸軍などの兵力活用策の検討ですわ。」

末次亜美三大元帥が、その真意を話した。

 

「陸軍ご出身の大統領府顧問、末次亜美三大元帥閣下がそのように言われるのでしたら、安心です。」

東郷平七郎三大元帥が安心して言った。

 

 

今回の演習は、「宇宙からの惑星上陸のあり方」の検討であった。

つまり、宇宙空間を海、惑星を大陸や島と考えれば、より分かりやすいであろう。

 

第2次フォークランド戦争の教訓から、ポーランドやスペインに対しての「電撃攻撃」のあり方を研究していた側面もあったのだ。

 

 

こうしている間にも、刻一刻と、国際情勢は激変していく。

時の流れには逆らえない。

 

次の大波が迫っていた。

だから、私達も節操も無く急いでいたのだ。

 

 

 

「それにしても、何故この演習には、高名な科学者の方々やVIPの方々が視察に見えられるのでしょうか??

どう見ても、今回の演習は富士総合火力演習のような一般向けの演習ではありませんよね??」

東郷平七郎三大元帥が非常に不思議に思って、尋ねた。

 

まあ、当然の疑問ではある。

 

今回の演習には、日本連邦軍のトップであるシルヴィオ・ベルルスコーニ国防総省大臣自らが視察団の案内役となり、ノーベル物理学賞を受賞した植村仁志外務大臣、植村仁志外務大臣の教え子で物理学者でもある馳仁志文部科学大臣をはじめ、スーパーカミオカンデなどで研究をされている高名な理論物理学者などの科学者や宇宙関係を中心にした各分野の研究者が多数、視察していたのだから。

 

そして、今回の演習で、私の「超宇宙理論」、アルベルトの「素粒子レーダー理論」、ドラゴーニュ・江崎氏の「新型ワープ・ジャンプ理論」そして陳文傑氏の「多次元宇宙揺らぎ理論」の4つの理論を、200km上空からの降下演習により、「超ひも理論」と「バラフライ効果」の大きな、壮大な大実験と検証も行ったのだ!!

勿論、降下する各個人には測定装置や相互運用装置を取り付け、UFOの飛行の如く、ジグザグ行動なども行い、相互干渉実験などの試験も同時に行った。

 

降下演習同様に、実験は大成功したのだ!!

 

これらの成果により研究成果を論文に発表、その独創性が認められた。

2127年以降にノーベル物理学賞や医学賞、経済学賞を受賞することになったのだ。

 

 

 

2126年4月27日。

演習の成果を纏めた論文や報告を志木田茂雄大統領に提出し、好評を得た。

これで、「超ひも理論」と「バラフライ効果」の大きな、壮大な大実験と検証、そして、それを利用した部隊運用や政治外交を実施出来る!!

 

 

4月28日、午前10時。

「昼食会」の名目で、東京の連邦大統領府にて拡大御前会議が開催された。

私達「機動任務対処集団」38人を含めて、宇宙医科大学校の同期生などは、既に「政治家」でもあるから、政治的な日程をこなさなければならない。

しかし、何故か、拡大御前会議には、いつもお呼ばれするのだ。

後に、その理由は天皇皇后両陛下が、私達に高い評価と、ご期待をお持ちであったためだと、2130年に私が日本連邦大統領に就任後に知ったのだ。

 

 

「皆様の日々のご精進とご活躍、誠にありがとうございます。」

天皇陛下が、お言葉を述べられた。

非常に重い、ご口調だ。

 

うん??

ご口調から、何か深い課題を持ち出されるのだろうか??

 

「欧州をはじめ、南北アメリカやアフリカ中近東での緊張状態には、深く憂慮致しております。」

皇后陛下が、お言葉を述べられた。

 

やはり、そうですか。

2125年の「アケノミハシラ」の崩壊の件、「2つの大統領府秘書室長事件」にまつわる、スペイン、ポーランドの処置の件ですね、本日の議題は。

 

 

「2125年の「アケノミハシラ」の崩壊の件、「2つの大統領府秘書室長事件」にまつわる、スペイン、ポーランドの処置の件についてですが、フランスと南朝鮮では政変やその後の改革が進んでおり、事件などの解明に向けての協力も得られています。

しかし、スペインやポーランドでは、事件への関与や協力すらも十分に得られていません。」

志木田茂雄大統領は強い口調で発言した。

 

「アジア太平洋連邦の阿倍野真三大統領、欧州連邦の田中隆男大統領とも再三、この問題について協議し合意しているのですが、最早、スペイン、ポーランドの両国やその協力国には厳しい処置を行うしかない、と本職は考えております。

単なる経済制裁程度では、特にスペインや北米に対しては実に生ぬるいので、21世紀にISに対して行った空爆などの作戦同様に、対テロ作戦を実施するべきかと、提案申し上げます。」

 

 

「アジア太平洋開発金融機構の麻生次郎総裁や、銀河連邦経済パートナーシップ協定の地球代表部の甘利明雄代表も同じ意見でしょうか??」

天皇陛下が、志木田茂雄大統領にお尋ねされた。

 

「はい、その通りでございます。」

志木田茂雄大統領は、天皇陛下からのご質問に答えた。

 

「銀河連邦や宇宙連合からも、今回の件に関しては厳しい処置を取ることが必要である、との意向が伝えられております。」

植村仁志外務大臣が、外交上からも解決が急務であることを訴えた。

 

「予想される軍事作戦としましては、皇后陛下よりご指摘されております通り、欧州をはじめ、南北アメリカやアフリカ中近東までを考慮しなければならないかと、存じます。」

シルヴィオ・ベルルスコーニ国防総省大臣が、軍事作戦となった場合の作戦範囲の予想を話した。

これでは、全地球規模だ!!

 

 

「何とか、もう少し穏便に出来ませんか??」

皇后陛下が、ご意見を述べられた。

 

その時だった。

私の通信システムから、重大な情報がもたらされたのだ!!

 

 

「緊急電です。

何と、北米にあった「アケノミハシラ」の連中の組織が、スペイン、ポーランドと通じて、マナシステムの極秘運用や、悪華夷などの宇宙的規模での利益吸い取りにも関与していたことが判明しました。

これらは、マナシステムを製造販売していたフランスや、裏経済に関わっていた南朝鮮の関係者から確認も取れています。」

私が、驚くべき情報を拡大御前会議に出席の方々に直接、お伝えした。

 

 

「この事を、緊急記者会見で発表します!!」

志木田茂雄大統領が、我が意を得た、という顔で、堂々と発言した。

 

 

「それと、もう一つ、嬉しいお知らせです。

私事で恐縮ですが、英国皇太子の弟、ヘンダーソン王子が私とミスティ、アルベルト、ヒルダの4家の親戚である、クリームヒルトさんと今年7月にご結婚されます。

そこで、私が英国王室主催の王冠コンテストに出品していました王冠が、最優秀賞に受賞され、ご結婚式に使用されることになりました。」

私が、驚くべき嬉しい情報を拡大御前会議に出席の方々に直接、お伝えした。

 

 

「この事もまた、緊急記者会見で発表します!!」

志木田茂雄大統領が、ますます我が意を得た、という顔で、堂々と発言した。

 

 

実は、王冠=宝石=業界のコントロール、という意味があるので、私の叔父を含めて、実に高い「実力」を持っていることを世界に示すことにもなるのだ。

スペイン、ポーランドへの「圧力」のネタが、また一つ増えた!!

 

「これらの事実で、スペインやポーランドなどへの新たなる圧力にしましょう。」

天皇陛下が、会議を締めくくられた。

 

 

 

午後1時。

緊急記者会見が、日本連邦の大統領府で始まった。

 

もう、志木田茂雄大統領が、大ハッスルして記者会見の席上で、過激な発言を連発した!!

正に、独壇場のごとき場所になっていた。

「北米にあった「アケノミハシラ」の連中の組織が、スペイン、ポーランドと通じて、マナシステムの極秘運用や、悪華夷などの宇宙的規模での利益吸い取りにも関与していたことが判明しました。

これらは、マナシステムを製造販売していたフランスや、裏経済に関わっていた南朝鮮の関係者から確認も取れています。

 

今まで、フランスがマナシステムの製造や販売に関わっていたのは知られていましたが、その影で北米にあった「アケノミハシラ」の連中の組織が、スペインやポーランドと通じて利益を得ていたとは!!

全く、許し難い暴挙です!!

 

その上で、この連中は皆、建前上は「マナシステムに反対する」などと人権擁護の立場で、いつも綺麗事を言っていたのですから、尚一層、許し難い!!

すべての連中は皆、地獄に堕ちろ!!

 

それが嫌ならば、「アケノミハシラ」に巣くっていた金融資本の連中に迎合した政治家や官僚、企業などの取締にも全面的に協力せよ!!」

 

「我が大統領府で勤務しているリデル・田中大元帥が、英国王室主催の王冠コンテストに出品していました王冠が、最優秀賞に受賞され、英国皇太子の弟、ヘンダーソン王子が、リデル君とミスティさん、アルベルト君とヒルダさんの4家の親戚である、クリームヒルトさんと今年7月にご結婚される際、結婚式に使われることになりました。

 

心から、心からお喜び申し上げます!!

これで、我が大統領府も、『王冠の大統領府』と呼ばれることになるでしょう!!

わははははは。」

 

志木田茂雄大統領は、もう、言いたい放題、やりたい放題で15分間、言いまくった。

 

私は、志木田茂雄大統領が一通り発言した後、記者会見で参加している記者を改めて見回した。

私達と親しい、大手インターネット紙「JU-CAST」の高田純次記者と妻の女性記者、高田(旧姓:善永)さゆり記者、有名芸能スポーツ紙「ザンスポ」の高橋大輔記者と、その同僚で妻の高橋(旧姓:林)めぐみ記者、英国の有名芸能新聞「サンデー・ミラー」のマイケル・ジョーダン記者とその同僚で妻のスザンヌ・ジョーダン(旧姓:ロレーヌ)記者、JUFNNの笹井レポーターとその撮影スタッフが、私達の側にいた。

やはりねえ。

 

もちろん、財務大臣になったプロデューサーのケマル・縁部理桜(えんぶりお)氏とその妻マギーさん、縁部理桜氏と懇意の写真家、篠原紀信氏とそのスタッフ、いつもお世話になっている観光庁などの政府広報撮影記録関係者も一緒であった。

 

そして、他のジャーナリストらも。

 

もう、みんな目付きが変わって、血相を変えて取材していた。

外務大臣時代には、クールな顔で記者会見やぶら下がり取材にも応じていた志木田茂雄大統領が、こんな過激な言動を平気でするとは、と、皆驚いていた。

 

「あのー、リデルさんに質問があります。

今回も王冠コンテストで最優秀賞を受賞されたのですが、お値段はいくらくらいですか??」

高田さゆり記者から私に質問が来た。

やはり、こう来たか。

 

「お値段は付けられません。

何しろ、英国王室のご結婚に使われる王冠ですので。」

私は、さらっと、無難な内容で質問に答えた。

 

「値段が付けられない、とは??」

スザンヌ・ジョーダン記者が畳みかけた。

 

「お値段を付けることが出来ない程に高価で高貴な王冠である、という意味です。」

私はにこにこしながら、質問に答えた。

 

「何か、裏があるような気がするのだけれども??

安物の王冠なんて、あるのかしら??」

高橋めぐみ記者が質問した。

何かの皮肉か、裏取引でもあったかのような質問だ。

 

「ありますよ。」

私は答えた。

「その辺にある、何とかコンテストの王冠から始まって、色々ありますよ。」

 

 

 

記者会見から一夜明けて、4月29日。

私は、JUFNNの笹井レポーターとその撮影スタッフなどから、叔父に当たる宝石や貴金属関係のチェーン展開を行っているマイケル・ハート氏と共に、宝石関係の取材に応じた。

 

 

そして、この日は、4月28日の緊急記者会見の「絶大な効果」を実感した日でもあった。

 

もう、金融市場は無茶苦茶で、志木田茂雄大統領が指摘した国家や地域の通貨や国債などだけではなく、企業などの株価も大暴落で危険銘柄に指定された。

また、それらの地域での市民の反応も、「世論の沸騰」という言葉が相応しい程に、猛烈な勢いで反政府デモが相次いだ。

 

経済が急速に悪化して政治不信、そして政府などが犯罪行為に手を染めていたことを、o怒らない国民や市民では、もう駄目だ。

猛烈な勢いで反政府デモが相次いだだけでも、まだましか。

 

これらの動きで、北米の「アケノミハシラ」に巣くっていた金融資本の連中に迎合した政治家や官僚、企業などや、スペイン、ポーランドは動きが取れなくなった。

また、対象地域のサッカー選手などの有名選手や芸能人なども、宝石や貴金属関係に縁が深いので、政府などと同様に反対する動きが取れなくなった。

 

これらのやり方も、「超ひも理論」と「バラフライ効果」の大きな、壮大な大実験と検証、そして、それを利用した部隊運用や政治外交を実施した成果であった。

 




今回は、2126年の春の国際情勢の激変や攻勢にかけて描きました。
歴史やマスコミへの皮肉、昨今の国際情勢についての厳しい指摘も、前回までと同様に盛り込んだつもりです。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦に加えて、新たにアジア太平洋連邦が結成され、それらの更なる拡大や大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は大激動の動乱の中で大統領への道を、更に切り開いていきます。
次回をお楽しみに。

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