クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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前回に引き続き、大当たりに当たった「超ひも理論」と「バラフライ効果」を利用した部隊運用や政治外交についてのお話です。
その成果が、意外な効果と、予想外の展開を見せ始めます。

「クロスアンジュ」のゲーム版の、アンジュルートの終盤で、アンジュが「指導者になるつもりはない云々」と言っていたようですが、この作品では、いずれ指導的役割を果たして頂きます!!



第89話 大当たりに当たった「超ひも理論」と「バラフライ効果」を利用した部隊運用や政治外交!!

2126年4月28日の志木田茂雄大統領の緊急記者会見は、非難対象になったスペイン、ポーランド、北米などの国や地域、対象となる企業や団体などにとって、「軍事的攻撃」よりも恐ろしい「津波攻撃」となって襲い掛かった!!

 

その攻撃は、最初に経済や金融の面から襲来した!!

何しろ、銀行などの金融機関や信販会社からは「取引停止」「再審査」の通知とともに、あらゆるカードや引き落とし、送金すら停止され、株式や国債などの出し入れや売買すら、許可制になった。

これでは、経済が成り立たなくなったのも同然だ!!

 

彼らも対抗して、「日本連邦政府やその取引先への金融取引停止」などを通告したが、それは全くの逆効果であり、4月30日には、欧州連邦議会にて、スペインとポーランドの参加資格停止処分と政府間の取引停止が決議された。

また、日本連邦やアジア太平洋連邦の両議会も同日、欧州連邦と同様の処置を決議した。

 

更に、フランスや南朝鮮が、機密事項や過去の経緯なども洗いざらい情報を暴露しまくったことも、その効果に拍車を掛け、フランスが南部のスペインとの国境地帯に兵力を移動させる、南朝鮮が北朝鮮など日本連邦軍と共に、北欧各国へ兵力を展開させるなど、着々と制裁への動きも加速させた効果が出てきた。

これが、スペイン、ポーランド、北米などの国や地域、対象となる企業や団体などにとっては、国内ですらも「不買運動」「政治的、社会的な非難」「辞職、辞任運動」を煽り立て、経済や社会の不振や混乱も相俟って、更なる動乱へのエネルギーに発展していった。

正に、「バタフライ効果」が最大限に発揮されてきたのだ。

 

しかし、この時点では「超ひも理論」に基づく効果は限定的であった。

この効果を高めるためには、何らかの「連続した事件」が必要だったのだ。

この「連続した事件」には、昔からあった「生け贄」なども含まれ、どうもある程度の「超ひも理論」に基づく効果が、霊的な作用を含めてあったようである。

 

それでも敢えて言おう、今は現代だ。

そのような行為では駄目である!!

 

 

 

5月1日、朝7時。

 

私達「機動任務対処集団」38人を含めて、宇宙医科大学校の同期生などは、既に「政治家」でもある。

欧州連邦と、アジア太平洋連邦の議員でもあるのだ。

私達は政治家として、「指導的な役割」を今回の危機的な状況でも発揮しなければならない。

打つべき手は、全て打った。

それでも、何か足りない、と感じていた。

 

そのため、ジェノヴァのROマークの教団の精舎にて、心静かにして、祈っていた。

 

 

その様な中で、大宇宙の根本仏のメッセンジャー、8次元のナポレオン・ボナパルトの霊が現れたのだ!!

 

「ナポレオンである。

君達は、スペインとポーランドなどの件でお悩みのようだね??」

ナポレオン・ボナパルトの霊が話しかけた。

 

「はい、おっしゃる通りです。」

私は答えた。

 

「スペインとポーランドなどの態度と行為は、既に目に余りあり、現在は厳しい制裁発動の段階です。

これをどのように解決するのが最善かと、悩んでいます。」

 

「うーむ。

私が活躍した18世紀末から19世紀初頭の当時でも、軍略や政略は現在と同じように難しいものだったよ。

例えば、私が『スペインの潰瘍が私を殺した』との言葉を遺したくらい、スペインのゲリラ戦には悩まされたからね。

それが結局、私ことナポレオン1世の帝政が終焉を迎え、退位する原因の一つにもなってしまった。

 

また、ロシア遠征の際には、ポーランドの独立云々とは言ったものの、結局はポーランドを独立させなかった。

今でも、英国への経済打撃を計画した大陸封鎖令を出したことと、スペインとロシアに遠征したこと、そしてポーランドを独立させなかったことは後悔しているよ。」

ナポレオン・ボナパルトの霊が、実に冗舌に話した。

 

「もし、あの当時、私がスペインに遠征せず、ポーランドを独立させていたら、ひょっとしたら、今、君達が悩む状況は発生しなかったかも知れない。

20世紀後半に、あのキッシンジャー元国務長官が、私の当時の外交姿勢を強く批判していたのも、よく分かる。

『フランスに対しては友好や同盟すらも、何の価値もなかった、云々』と書かれたからねえ。」

 

「ナポレオン・ボナパルトよ、貴方の言われることは良く理解出来ます。

しかし、それは過去の問題です。

私達現代に生きる者は、過去を踏まえて現在を見つめ、そして未来への道を作っていかなければなりません。」

私は、切に訴えた。

 

「リデル君。

分かったよ。

私達が、動いてみよう!!」

ナポレオン・ボナパルトの霊が、約束してくれた。

そして、その周囲には、ミュラ、ブリーエンヌなどのナポレオンに仕えた将軍達や、坂本龍馬、高杉晋作などの維新の志士達の霊もいた。

 

 

その直後から、ナポレオン・ボナパルトの霊が語った通り、フランスなどで何故か急に「ナポレオン・ブーム」が発生したのだ!!

 

「ナポレオンが果たせなかった、スペイン遠征をどうすれば成功させることが出来るか??」

「ポーランドやロシアの遠征は、現在のドイツと共同作戦でいけば成功した!!」

「当時の海軍力が脆弱だったことが敗北の原因だ!!」

「現在のスペインとポーランドへの制裁をナポレオンよりも上手に成功させるには??」

などなど、多くのブログやネットでの感想が流れに流れた。

 

特に日本連邦の各国各地域を中心に、

「現代のナポレオンは誰になるのだろう??」

「ナポレオンのような指導者こそ、今、私達には必要なのだ!!」

といった、ナポレオンのような強力な指導者の待望論が世論の中から沸き上がり始めたのだ!!

これが、後の私やアルベルトの大統領就任を後押しする世論になっていったのだ。

 

 

それに一番恐怖を感じたのは、他ならぬ、スペインとポーランドであった。

もう、駄目だ、との諦めが両国の政府に沸き上がり、両国の国民の反政府運動は頂点に達した。

 

 

5月3日。

スペイン、ポーランド両国政府は、欧州連邦とアジア太平洋連邦、そして日本連邦に対して、事実上の降伏を行った。

「我が国の全てを、信頼をもって日本連邦大統領と日本連邦政府に委ねる。」との声明と共に。

 

そして、この日、2125年の「アケノミハシラ」の崩壊の件、「2つの大統領府秘書室長事件」にまつわる、スペイン、ポーランドの処置は事実上、終了したのだ。

その日のうちに、経済制裁措置などが解除された。

 

 

 

5月5日。

恒例のミスティの誕生日パーティーが、ジェノヴァのローゼンブルム王宮で開催された。

この日が無難に開催することが出来たことを、今日ほど嬉しく思ったことはなかった。

本当に良かった!!

 

 

 

7月1日。

英国皇太子の弟、ヘンダーソン王子が私とミスティ、アルベルト、ヒルダの4家の親戚である、クリームヒルトさんと、ロンドンで結婚式を挙げられた。

私が出品した王冠を使用して頂いたことは、本当に嬉しかった。

そして、英国王室には皇太子妃のキャサリンに続いて、また私の親戚が加わったことを嬉しく思った。

 

当然のことながら、私達も日本連邦、欧州連邦、アジア太平洋連邦の首脳らと共に出席して、門出を祝った。

 

 

 

7月7日。

恒例の私の誕生日パーティーが、ジェノヴァのローゼンブルム王宮で開催された。

ここで、何故か志木田茂雄大統領が私の誕生日パーティーに出席され、東京の大統領府を『王冠の大統領府』にしたいから、直々に展示する王冠の作成を依頼された。

その数、なんと3個×10箇所=30個!!

 

「この王冠の作成は、最優先の仕事にして良いからね!!」

と、志木田茂雄大統領が言われたので、叔父に当たる宝石や貴金属関係のチェーン展開を行っているマイケル・ハート氏と共に、早速、作成を開始した。

 

もっとも、志木田茂雄大統領は私達「機動任務対処集団」38人を含めて、宇宙医科大学校の同期生などに、それぞれ「時間のかかる任務や依頼」を個別に2ヶ月以上の期間を与えていたので、私だけが突出して忙しかったのではないのだ。

 

今にして考えれば、「功績への褒美休暇、夏のバカンス」であったのだろう。

事実として、本当に「時間のかかる任務や依頼」だけに集中してリラックスすることが出来たのだから。

 

 

 

2126年9月。

休暇のような待遇のお陰で、案の定、ミスティやヒルダなどが、妊娠していることが判明した!!

やった!!

それはそうだろう。

本当に、久し振りに熱い、そして熱の入った愛の日々を過ごすことが出来たのであるから。

 

 

 

2126年10月5日。

驚くべきニュースが飛び込んで来た!!

何と、アンジュの兄で、ローゼンブルム大学医学部付属病院の医師で研究者のジュリオ・飛鳥・ミスルギ氏が、妻で宇宙医科大学校の教官でもあるドクター・ゲッコーさんと共に、薬物中毒の徹底治療法の開発に成功した功績で、ノーベル生理学・医学賞の受賞が決定したのだ!!

もう、これだけで宇宙医科大学校やローゼンブルム大学は、お祭り騒ぎになったのだ!!

 

早速、受賞決定をお祝いするパレードなどが、お二人に縁のあるジェノヴァやマルセイユ、ドラゴンの世界などで盛大に開催された!!

 

アンジュやその妹のシルヴィア、アンジュにお仕えしていたモモカなどの喜びようといったら、それはそれは、まるで天上界に昇ったかのように、はしゃいでいた。

もちろん、ジュライ大統領夫妻も、涙を流して喜んでおられた。

また、シルヴィアの夫は私の弟の由紀夫であるから、私の家族や私の両親、兄弟、ミスティの両親や兄弟らなどを含めて、親戚一同、皆、大喜びであった。

「万歳、万歳、万歳!!」

その雄叫びが、受賞決定の日に途切れることはなかった。

 

過去の旧ミスルギ皇国と自治国家ローゼンブルム王国との対立は、感情的な面を含めて、これで完全に過去のものになった。

なにしろ、「マナ」を使用していた国家と、それと敵対していたドラゴンの世界のカップルが、揃ってノーベル生理学・医学賞の受賞が決定したのだから。

 

 

 

2126年12月10日。

スウェーデンのストックホルムで、ジュリオ・飛鳥・ミスルギ氏が、妻のドクター・ゲッコーさんと共に、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

お二人には、帰国後に天皇皇后両陛下より、特別栄誉勲章を授与される栄誉を受けた。

 

 

 

年が明けて2127年。

この年の前半は、波風も立たず、比較的平穏な日常が訪れた。

敢えて言うならば、異星からの来訪者がうなぎ登りに増え、この地球にも本格的な宇宙観光産業が育ち始めたことくらいか。

 

 

2127年6月7日。

私とミスティとの間、そしてアルベルトとヒルダとの間にも、四男と四女が生まれた。

ついに、8人ずつの子供を持ち、そして誕生日が4男4女ともにお互い一緒とは。

何か、非常に不可思議な縁があるのだなあ。

 

正に、青天の霹靂だ!!

 

 

そして、2127年の後半、またもや大激動、大イベントが立て続けて私達に訪れたのだ!!

それは後に、「ナポレオン・ボナパルトと同じような道を進む」政治的な転機になった、と言われることになる。

 




今回は、2126年春から2127年の夏にかけての国際情勢の激変や攻勢などを描きました。
昨今の国際情勢についての厳しい指摘や批判も、前回までと同様にいろいろと盛り込んだつもりです。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦に加えて、新たにアジア太平洋連邦が結成され、それらの更なる拡大や大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は大激動、大イベントが立て続けての動乱の中で大統領への道を、更に切り開いていきます。
次回をお楽しみに。
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