クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

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「クロスアンジュ」のデザインワークスによれば、ミスティは初期設定上、意地悪な学友だったそうです。
もし、本編でもそうであったら、この2次作品もありませんでしたね。

幸い「クロスアンジュ」に関しては、本編のDVDも全て発売され、作品に関与した監督などからは、「良い子」との本編設定や評価がありましたが。
それならば、もっと出番を増やしてくれても良かったのに・・・・。

これが、筆者のこの作品に対する熱意となって、今も書き続けている力となっています。



第91話 大臣としての仕事をこなしつつ、またまたノーベル賞を受賞して大出世!!

2127年12月24日。

 

ジェノヴァのローゼンブルム王宮で、久し振りの「クリスマス・パーティー」を日本連邦や欧州連邦、アジア太平洋連邦の首脳らなどを交え、皆と一緒に、私は過ごしていた。

ここ半年は、本当にハードであった。

 

何故ならば、特にノーベル賞の受賞決定後には、それに関するインタビューや記者会見だけでもハードなのに、大統領の交代で私は国防総省大臣、アルベルトは文部科学大臣で、10月26日に遡って、2人揃って5大元帥になってしまった。

もっとも、秋月夫妻などが大臣入りして、ケマル・縁部理桜(えんぶりお)財務大臣などの閣僚も全て5大元帥になってしまったが。

 

その上に、ノーベル賞の受賞者につきものの、出身地や出身学校などでの講演、天皇皇后両陛下への報告やご挨拶、公式行事としての時事関係の講演やご助言までの予定が次々とスケジュールに入ってきた。

 

1ヶ月でノーベル賞関係の行事だけで、100件以上!!

何、この量は??

 

東京、京都、仙台、つくば、モスクワ、ロンドン、パリ、ベルリン、ニューデリー、台北、瀋陽、バンコック、シドニー、ハワイ、ロサンゼルス、イスタンブール、サンパウロ、ウィーン、ローマ、ジェノヴァ、エルサレム、カイロ、ケープタウン、バグダット、などなどの講演会だけで何回、地球を廻ったか!!

 

「これが、ノーベル賞の威力だよ!!

それはそれは、偉大で計り知れない大きな力だよ!!」

アジア太平洋連邦の阿倍野真三大統領が、私に言った言葉だ。

 

「もう、ノーベル賞の受賞など、夢のようです!!

本当に感激しています!!」

私の父、欧州連邦の田中隆男大統領が、感激して言った。

 

「物理学者から政治家になって、初めて功績が認められました!!

嬉しいです!!」

銀河連邦地球代表部の志木田茂雄大使は、嬉しくて嬉しくて、たまらない顔で言った。

 

「大臣として、こんなに嬉しいことはありません!!」

大統領府大臣の馳仁志氏が、感激して言った。

 

もう、皆、涙、涙、だった。

これが、政治家冥利に尽きる、と言うものだろう。

 

 

さて、懸案であった、例のスペインとポーランドの件だが、無事に解決した。

スペインは7月30日に、ポーランドは11月30日に、それぞれ、「主権回復」及び、「欧州連邦への資格停止解除」が行われた。

しかし、それには条件が提示された。

他の欧州各国と同様に、「日本連邦軍や英国連邦軍の無期限、無制限の領土、領海、領空の通過や移動を認めること」「ミサイル防衛網や大規模テロ事案への共同対応」を認めさせられたのだ。

 

更に、「悪玉星」などへの不正利益やその不正蓄財に関しては、一切請求なして、日本連邦に全てを委ねることも認めさせた。

その引き替えに、今までの日本連邦の援助の返還請求は、一切しないことに合意した。

まあ、事実上の「痛み分け」ではあった。

 

日本連邦でも、かなり物議を醸し出したこの妥協案ではあったが、スペインやポーランドでは、かなり辛い選択ではあった。

これが、後に、第三次フランス革命の導火線になるとは、本当に世の中は分からない。

正に、「バタフライ効果」の悪しき面だよね。

 

 

 

それはさておき、久々のゆっくりとした時間を楽しむとしようか。

私は隣にいるミスティと共に、ワイングラスを傾けた。

白ワインを飲む。

うん、うまい!!

 

この白ワインは、何??

ライン川のドイツ側、カールスルーエ産か。

確かに、うまいはずだ。

そして、周囲を見回すと、ワインやビールが、何故か全てドイツ産だ。

ソーセージやハム、アイスクリーム、チーズ、ケーキまでドイツ産だぞ!!

全てとは言わないが、その多くの食材がドイツ産だ!!

さては、やはりそうか!!

 

「ミスティ、今日は何故ドイツ産の食材が多いのかな??」

私はミスティに尋ねた。

 

「あのねえ、リデル。

あのお方が、クリスマスプレゼントにと、たくさん持ってきてくれたの!!

トラック10台分!!」

ミスティは私に、喜んで「あのお方」の方を指し示した。

ああ、やっぱりねえ。

 

 

「独のアーセナル・シュワルツネッガー大統領閣下、ご夫人のリィザ首相閣下。

いつも大変お世話になっております。

このような席で恐縮ですが、日本連邦の国防総省大臣に任命されましたことをご報告申し上げると共に、ご挨拶を申し上げます。

本日は、多数の食材をプレゼントして頂き、誠に有難うございました。」

私は、独のアーセナル・シュワルツネッガー大統領と、夫人のリィザ首相に改めてお礼を申し上げた。

 

「とんでもございません。

御父上を含めていつもお世話になっているのは、むしろこちらの方ですわ。」

リィザ首相が、お子さんと共に、挨拶を返された。

 

私達も、自分の子供達と共に、挨拶を返した。

「やっと、私の子供達が皆さんのように、挨拶が出来るまで成長しましたわ。」

ミスティが、母親らしく言った。

僕も嬉しいよ、ミスティ。

 

 

「はははは。

気に入られましたようで、何よりです。

私の企業グループの自慢の製品類をご試食頂きたいと考えましてね。

お持ちしただけですよ。」

アーセナル・シュワルツネッガー大統領が笑顔で答えられた。

 

「本当に、間違いなくおいしさは最高点です!!

毎日食べても良いくらいです!!」

私は答えた。

 

ここで、いつもならば、アンジュなどの茶々が入るのだが、それは無いようだ。

ああ、良かった。

家族同士の交流を邪魔されなくて。(笑い)

 

 

「リデル、お互い大変な事になったなあ。

俺は、文部科学大臣という器ではないのだがなあ。」

アルベルト・マンシュタイン文部科学大臣が言った。

 

「まあ、お互い様だよ、アルベルト。

俺も国防総省大臣などを仰せつかっているが、大臣になって初めて分かることだらけだ。」

私は返事をした。

 

「それでも、アルベルトならば、文部科学分野はお得意だろう??

ビシビシと、教育改革とか、科学分野の発展を支援すれば良いのだから。」

とても、私はアルベルトと違って、頭の半分が物理や数学で出来ていないのだから。

 

そこでヒルダが、やはり私達と同じく、子供達を連れてこう言った。

「まあ、ご両人。

未知の経験をする事は良いことよ。」

確かにそうだ。

さすがは、情熱家、努力家のヒルダだ。

 

 

 

年が明けて、2128年1月1日。

珍しく、年末は何もなかった。

本当に、助かるよ。

 

だが、年明けのこの日から、また難題が持ち上がった。

 

一応、軍隊の元帥クラスになれば、統合幕僚学校へ入学し、統合高級指揮官課程の受講をする必要があるのだが、私達は軍では「定数外の別格扱い」であり、かつ、「予備役と現役の双方を兼任」している特殊な立場なので、受講はしなくても良かった。

 

しかし、私の前任の国防総省大臣であった、シルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥が、定年前の最後にと、大統領府顧問と統合幕僚学校の校長を兼任された際、こう言われたのだ!!

「リデル君、アルベルト君やその他の閣僚や顧問などの皆さん。

今のうちに、統合高級指揮官課程の受講をして下さい。

決して、損はありませんから。」

 

そして、私達や、末次夫妻などは、統合高級指揮官課程の受講をすることになってしまった!!

何しろ、今年から「宇宙理論物理学」「宇宙医療」などの新分野が課程に入り、余りにも難しい(??)と敬遠されるのを防ぐためにも、それらの最先端の成果を挙げている宇宙医科大学校出身者を多く入れたいとの意向があったのだ。

 

私達「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」、「機動任務対処集団」、総員38人などを含め、同期生らも受講したのだ。

課程は1年間。

 

ところが、渡された教科書は、総ページ2000ページのみ。

私達ならば、1日分だぞ。

 

「いやあ、ねえ。

リデル君達には、これを名目として、日本連邦軍などの改編や国家安全保障体制の強化などを検討して、来年に実行して欲しいのだ。」

シルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥が、大統領府顧問として依頼した。

 

「やはり、欧州を含むユーラシア辺境部の不安定化や北米東部の不安定化が強く懸念されるからですか、教官??」

私は、宇宙医科大学校時代の言い方で尋ねた。

 

「正にその通り。

君達が来年、大切な年になることが分かっているから、尚一層、注意しているのだよ。

予備役体制の強化も必要になるだろうしね。」

シルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥が、意味深げに答えた。

 

「それにねえ、最新の宇宙物理学や宇宙医療などに関して、自信をもって、実績と経験を基に教えることが出来る人材が絶望的に不足しているのだ。

宇宙医科大学校を除いてはね。

 

そして、ここ大統領府には、ノーベル賞を受賞した実績を持つ人材がたくさんいる。

だから、それらの皆さんに講師もお願いしたいのだ。」

 

「私達は大統領府で、それぞれの役職があるのですよ。

それに、例えば私やアルベルトは大臣です。

末次夫妻も、この度、夫婦で大統領府顧問になられましたよね??

講師と言っても、出来ることは限られます。」

一応、恩師の頼みとは言え、釘を刺しておかなければ。

 

「それで良いのだ。

何しろ、受講する生徒は、最新の教育を、ノーベル賞クラスの人材から教えて貰いたくてしょうがないのだよ。

何とか、後進の育成を手助けしてくれ。」

シルヴィオ・ベルルスコーニ5大元帥が、ごり押しで通した。

 

そして、私達はこれを了承の上、大統領府顧問を含め、皆で統合幕僚学校での「受講」を決めた。

 

実質的には、最初の数週間、1ヶ月弱が課程の受講で、残りはひたすら、軍学校用語で言えば「想定研究」「課題研究」「実動研究」を行っていた。

 

だから、2128年は基本的に、東京の大統領府と統合幕僚学校、国防総省、そしてジェノヴァを行き来する日々で過ぎていった。

 

 

 

それでも、人の思いとは別に、時間は刻一刻と流れ、変化は着実に来る。

またまた朗報が届いた。

 

2128年10月5日。

この日から、大々的な朗報が相次いだ!!

東郷楓とミスティ、ヒルダの3人にノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった!!

 

翌日の10月6日。

私とアルベルト、そして大統領府大臣の馳仁志氏の3人がノーベル物理学賞の受賞が決まった!!

2日連続のサプライズだ!!

 

その翌日の10月7日。

秋月涼と、秋月伊織(旧姓:水瀬)ノーベル経済学賞の受賞が決まった!!

そして、東郷ヤコブレフ、メイ・江崎(旧姓:シュタイナー)、陳美玲(旧姓:林)ノーベル化学賞が決定した!!

3日連続のサプライズ!!

 

そのまた翌日の10月8日。

ジェノヴァの宇宙医科大学校とローゼンブルム大学に、ノーベル平和賞の受賞が決まった!!

何ですか、またまた、この大当たりは??

 

 

そして、12月10日に、ノーベル賞の授与式がスウェーデンのストックホルム、そして平和賞はノルウェーのオスロで盛大に開催された!!

そこに、私やミスティらも出席し、授与されたのだ!!

 

授与式後の晩餐会では、昨年と同様に、私とミスティの隣の席には、正に戦友のグスタフ・アドルフ皇太子とその皇太子妃テレジア夫人がお座りになられた。

 

私達は、思い出話と共に、グスタフ・アドルフ皇太子からこのような政策の意向と、大統領選挙にむけた動きを打診された。

「我がマーメイア連邦も、名称を変更することや、発展的な行動を考えています。

2129年中に、日本連邦への加盟検討も、その一つです。

『喫茶アンジュ』などを今後とも利用させて頂きたいですね。

 

是非、ご助力を、国防総省大臣!!

いや、未来の、次期大統領閣下!!

既に、独のアーセナル・シュワルツネッガー大統領や夫人のリィザ首相らも、それに向けて動かれていますよ。

中谷元雄大統領閣下や天皇皇后両陛下にも宜しくお伝え下さい。」

 

「いえいえ、こちらこそ宜しくお願い申し上げます、未来の国王陛下!!

マーメイア連邦の動きを、私としても、今後ともご支援申し上げます。

グスタフ国王陛下にも宜しくお伝え下さい。」

私は、このように答えた。

 

こうして、私達を巡る動きは、大統領選挙に向けて、更に、更に活発化していったのだ。

 




今回は、2128年の比較的穏やかな動きを主人公の大臣就任と修学を中心にまとめました。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦に加えて、新たにアジア太平洋連邦が結成され、それらの更なる拡大や大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回は新章突入、大激動の中、大統領への道を進みます。
次回をお楽しみに。
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