クロスアンジュ 天使と竜の輪舞~愛するミスティ・ローゼンブルムと共に~   作:田中_jack

94 / 111
主人公らの新たな道、それは、大統領になり、世直しをする事です!!
フランスでの「第三次フランス革命」の収拾などで、大統領への道を大驀進します!!



第93話 第三次フランス革命の収拾に成功し、大統領への道を切り開く!!

7月14日、フランス革命から330年目の日の朝4時。

一週間ぶりに、大規模な抗議集会がパリの中心街で開催された!!

武装した市民も大勢いる!!

10年振りの革命劇、第三次フランス革命がこの日、正に勃発した!!

 

この日、朝4時30分に緊急の国家安全保障会議が開催された。

 

私やアルベルトなどの私達「グループG拡大チーム」、つまり、「菊の旭日旗グループ」「暴れん坊将軍とその仲間達」、「機動任務対処集団」、総員38人や同期生ら大統領府のスタッフ、「宇宙医科大学校」出身者などは、ジェノヴァに「前進配備」されており、高木順一郎特務宣伝大臣と、植村仁志外務大臣、連邦政府テロゲリラ担当補佐官の加藤稔氏も一緒だった。

 

会議は、宇宙医科大学校の付属施設と、東京の日本連邦大統領府を3DTV回線で繋いでおこなわれ、ドラゴンの世界の大巫女様や、アジア太平洋連邦、欧州連邦などの首脳も参加した。

 

冒頭、パリに派遣した特命連絡大使、ノーベル生理学・医学賞を受賞した、ジュリオ夫妻や、その兄妹カップルからの報告が、現地より3DTV回線の中継であった。

「フランスは第三次フランス革命と言える状況に陥りました。

フランス政府や国会も事実上機能停止し、フランス軍や警察だけが辛うじて機能しているものの、もはや、フランス国民の信頼を失いました。

また、フランスの各政党なども、この事態を打開出来る力も支持も失っています。

 

もう、無政府状態をフランス国民が自力で解決する見通しは立ちません!!」

ジュリオ医学博士が、現状の悲惨さを報告した。

 

「しかし、フランスの市民らが武装し、暴徒になるならば、絶対に放置は出来ない!!

第一ねえ、フランスは2回も大革命を経験し、その他にも大規模な政変劇や体制変換を何度も経験している国だよ??

王政や共和制の制度変更も何度もしておきながら、まだ懲りないというのは、隣国として、責任ある国家や地域連合の最高責任者としても、一政治家としても、見過ごす訳にはいかない!!」

アジア太平洋連邦の阿倍野真三大統領が言った。

 

「全くその通りです。

このまま放置して欧州域内から大量の難民を出す訳にはいきません!!」

私の父、欧州連邦の田中隆男大統領が言った。

 

「しかし、フランス国内では政府機関はどうなっているのですか??」

植村仁志外務大臣が尋ねた。

 

「フランスの外務省や大統領関係のスタッフなどの中枢部は機能しているのですが、なにしろ対応出来る官僚や実行部隊が活動出来ない状況に陥り、機能を失っています。

そして、フランスの立法の中枢である国会も同様です。

これが、出入国管理の破綻や治安の悪化を生み、それが政治経済や社会の混乱を更に悪化させるという悪循環を生んでいます。

 

フランスの首都パリ市の市政は、市長をはじめ市議会も既に事実上機能せず、有志の市職員や市民、政財界の篤志家らの手に委ねられています。

彼らは文字通り命懸けで頑張っているのですが、無給状態で財政も経済も物流すらも破綻した状況で、断崖絶壁の縁に立たされている厳しい立場です。」

アンジュが質問に答えた。

 

「フランス国内のテロリストやテロ組織は、どのような状況ですか??」

連邦政府テロゲリラ担当補佐官の加藤稔氏が質問した。

 

「この混乱で自らを守ろうと市民の間から生まれた自警団的な組織に紛れる形で、数多くのテロ組織が新設・再編され、テロリストも増加しています。

そして、こちらで掴んだ情報ですが、スペインから侵入したテロリストの中に、「生体兵器」を持っているテロリストが多数いたとの情報です。」

私の弟でシルヴィアの夫、由紀夫が質問に答えた。

我が弟は、パリのパストゥール研究所やフランス厚生省、ユネスコ本部、陸軍士官学校、パリ日本文化会館などとの様々な交流もあり人脈も広く、フランス大統領府やフランス政府、世界保健機関(WHO)、経済協力開発機構(OECD)などの政財界や国際機関にも顔が利く。

 

「うーむ。

かなり危険な状況と判断します。

生体兵器を持ったテロリストの推定される数や勢力組成は??」

私は、弟に尋ねた。

 

「スペインより侵入したテロリストの総数は、難民などに紛れて侵入し、現時点での情報では累計で約1万人侵入した模様です。

実は、6月20日の時点で少なくとも200人以上のテロリストがフランスに侵入したとの情報は、フランス政府が過度の恐怖や動揺を抑えようとして発表した、敵勢力を歪曲・過小評価した欺瞞報道情報でした。

この時点で、既に5000人以上がフランスに侵入していたのですから。

 

これまでの掃討作戦でテロリスト5000人が死亡したと推定されていますが、これらは全て生体兵器を持っていないテロリストであることが確認されています。

現在、スペインより侵入したテロリストは5000人で、これらは全員、生体兵器を持っています。

これらは7月12日以降にフランスに侵入したと見られています。

 

現時点でテロリストの勢力数は、パリなどで新たにテロ組織が数多く立ち上がった関係で、総数はパリ市内で約2万人、フランス全土では5万人に達していると推定されます。

その「勢力組成」は、多くが単に銃などの軽装備で武装しただけのバラバラの組織ですが、中には元軍人や元警察官、元傭兵らの組織もあり、軍隊的に組織化や分担を決めている組織があり、それらのテロ組織は全体の20%程度と見られます。

 

フランスは我が日本連邦動揺に移民の数が多いのですが、彼らの組織化や社会への適応力を向上させる取り組みは、我が国と比較にならない程、遅れています。

これは2015年にパリとその周辺で発生した、2回の同時連続テロ事件により、移民への規制強化や社会の差別激化などの悪影響があると見られます。

テロに走る人の多くは、深刻な差別や貧困、教育や就業の機会を得られないなどの不満などが背景にあるようです。

 

ここで問題なのは、テロリストやテロ組織が自発的に武装した人や「自警団」「民兵組織」ら、推定500万人の組織やその構成員と区別が付きにくい点です。

現在の一般的なフランス国民と同様に、彼らの多くはフランス政府などに反感を持っていますが、中には愛国心や社会改革の熱意に燃えて重武装の組織を立ち上げている人々もいます。

 

尚、「フランス救国委員会」は、国内での内戦状態に陥ることは絶対に避けたいと新たな国民武装組織を立ち上げることを宣言したいので、日本連邦政府に協力を求めています。

少しでも、愛国心や社会改革の熱意に燃えているフランス国民などの目と心を、政府への戦闘から社会改革への方向に持っていきたいと必死に訴えています。」

由紀夫が、必死で答えていた。

さすがは私の弟でシルヴィアの夫、由紀夫だな。

頼りになる情報を持ってくる!!

 

「日本連邦政府に協力を求める、とは新政府の樹立も含めての支援ですね??」

中谷元雄大統領が質問した。

 

「はい、その通りです。」

由紀夫が答えた。

 

「文部科学やユネスコなどの教育関係支援はどうなっていますか??」

アルベルトが尋ねた。

 

「こちらの対応は後手後手です。

これらの支援強化も求められています。

これらの支援強化があれば、内戦の危機も打開出来るのですが。」

タスクが答えた。

 

 

「我が軍は、非常に素晴らしい戦果と成果を挙げていますが、現在のフランスの状況は、政治的な解決無しでは、最早収拾は出来ません!!

政治的な行動を求めたい、と、本職は愚考申し上げます。

中谷元雄大統領閣下、ご決断を!!」

私は、中谷元雄大統領に決断を求めた。

 

「政治的な行動をするとは、身を危険に晒すことです。

リデル・田中国防総省大臣、かつてのフランス革命が、大粛清の嵐であったことをお忘れですか??」

かつての私の上官の立場であった佐藤大助副大統領が、発言した。

 

「確かに、その通りです。

しかし、生体兵器を持つテロリストは、私達や衛宮士郎や凛などの「異能部隊」や特殊部隊などの支援があれば楽に対処が出来ますが、それ以外のテロリストやテロ組織は、政治的な説得しか、問題の迅速な解決を見出す手段はないと愚考します。

歴史的にも、例えば北アイルランドの紛争では、優秀なテロ組織IRAの制圧は政治的解決で行ったのは有名な話です。」

私は、尚も食い下がった。

 

ここで迅速な事態の収拾や解決をしないならば、20世紀末の冷戦終結後に発生した、旧ユーゴ紛争の如く長期化して手が付けられない事態になりかねない!!

 

「第一線の将兵や情報機関員などが必死で戦い、人道支援までしているのです。

彼らの働きと愛国心、そして人類愛に報いる大きな方法は、政治的な解決です!!」

この一言は、2130年現在でも、私の基本的な政治姿勢になっている。

本当に、この時は、純粋な気持ちで、天啓を受けた如く発言した一言だったのだけだ!!

 

「リデル君、アルベルト君やその仲間達に、政治的収拾をお願いしましょう!!」

中谷元雄大臣が決断した。

 

「金は、用意するからね。

多少の援助や支援は構わない。」

中谷元雄大統領からは、「いつもの通り」のやり方を勧めて頂いた。

 

「私達も出来る限り、ご協力申し上げます。」

大巫女様より、ドラゴンの世界からも暖かいご支援を頂けることになった。

 

 

 

午前4時45分、早速、私達は行動を開始した。

すぐにパリに移動すると共に、生体兵器を持っているテロリストは、各種情報を元にアルベルトが開発した「素粒子レーダー改1」で生体兵器ごとに次々に特定し、確認が済めば逮捕、抵抗すれば武器使用により殲滅を行った。

これには、全軍が対応にあたった。

 

 

午前6時までに、生体兵器を持つテロリストは射撃ゲームの如く全員、制圧逮捕されるか、殲滅された。

勿論、私達「機動任務対処集団」、総員38人や同期生ら大統領府のスタッフ、「宇宙医科大学校」出身者なども、総出で戦闘やテロ組織殲滅戦に加わった。

彼らが最も危険視するべきテロリストであったので、殲滅することは軍事的にも政治的にも大きな成果だ!!

 

さあ、ここからが本当の勝負だ!!

 

 

午前7時。

私達は、フランス大統領官邸のエリゼ宮にいた。

既に、重要施設そのものは軍が押さえている。

しかし、街頭や広場に集まった多くの群衆には手を出せないでいた。

もう、尋常ではない殺気が感じられていた。

 

しかし、我々にとっては天の恵みに他ならないが、日本連邦フランス派遣軍は、ポーランド戦や北米戦同様、たいした損害は出していないのは不幸中の幸いだった。

そしてもう一つ、有利な状況がある。

このあたりの時間が、夕方から夜にかけてと共に、演説には最も効果があると言われている。

 

 

まず、始めにフランス国内で知名度がある由紀夫が演説した。

演説などはTV、ラジオ、ネット中継など、あらゆるメディアや通信手段で伝えられ、記録されていた。

ちなみに、銀河連邦や宇宙連合の本部などへも中継が繋がっていたのだ!!

 

「親愛なるフランス国民の皆様。

街頭や広場などに集まっている全ての皆様。

まずは、どうか、どうか少しだけ私の話を聞いて下さい。

 

フランスは国家として、これから生まれ変わります!!

その事について、重大な発表がありますので、「フランス救国委員会」のお話を聞いて下さい!!」

由紀夫は、たったこれだけの演説で、全てを出し切ったかのような声とエネルギーを出したようだった。

まるで絶叫しているかのような演説だった!!

本当に本気だな!!

 

 

この後、「フランス救国委員会」の実力者、ジャン・ジャック・ロラン氏が演説した。

彼は、パリ郊外での農場や牧場の経営から身を立て、現在は各種化粧品や健康食品、医薬品などの原材料の生産、特に原料となる植物などからの栽培や各種製品の製造販売まで、幅広い事業を手がけておられる。

 

「『フランス救国委員会』は、国内での内戦状態に陥ることは絶対に避けたいと考えております。

そのために、皆様の熱い愛国心、政治や社会改革への想いを結集させるべく、新たな国民武装組織を立ち上げることを宣言致します!!」

この演説を聴いていた、街頭や広場などに集まっている多くの方から、どよめきが聞かれた。

賛同する者、訳が分からないと言う者、衝撃を受けて驚いている者。

 

そして、このような反対意見が群衆から出てきた!!

「一体、誰がそのような事を保障するのだ!!」

「フランスの国家の軍や警察はどうするのだ!!」

「財政破綻した我が国に、そんな余裕があるのか!!」

今はツイッターなどを含め、多くのインターネット通信や情報発信手段が発達しているから、すぐ賛成、反対の意見が出てくるよ。

 

 

「皆様、聞いて下さい!!

新たな国民武装組織は、正に義勇兵、民兵そのものの組織です!!

しかも、その指揮命令系統は、軍隊の如く、軍や警察の支援にも当たる社会貢献、社会奉仕の組織としても機能します!!

決して、少数派の弾圧や外国人排斥の組織ではないのです!!」

ジャン・ジャック・ロラン氏は、必死に演説して、説得を始めた。

 

それでも、まだ反対の声がやまない。

 

 

そこで、由紀夫が立ち上がって、私やアルベルトなどに一緒に来るように言った。

 

「由紀夫です!!

『フランス救国委員会』の行動は、ここにいる私の兄で日本連邦の首脳であるリデル・田中5大元帥兼、日本連邦国防総省大臣、その同僚、アルベルト・マンシュタイン5大元帥兼、日本連邦文部科学大臣、高木順一郎特務宣伝大臣、植村仁志外務大臣、連邦政府テロゲリラ担当補佐官の加藤稔氏が保証する!!

 

皆様もよくご存じの通り、彼らの栄光ある実力と実績が、ナポレオン・ボナパルトの再来の如く偉大な力が、フランスをも栄光への道に招くでしょう!!

偉大なるフランス、並びに日本連邦万歳!!」

由紀夫が、ここで死ぬ覚悟で、絶叫した!!

 

この言葉に、たった一言の言葉に、街頭や広場などに集まっている群衆は賛同の反応を示し、大統領官邸のエリゼ宮や国会議事堂のブルボン宮とその周囲などはお祭り騒ぎになった!!

「万歳、万歳、万歳!!」

「うわー!!」

「ブラボー!!」

もう、賛同の嵐と絶叫の嵐だ!!

 

 

私は、頃合いであると感じた上で、次のように演説した。

「私は、『フランス救国委員会』の行動と政策提案を支持します!!

新たな国民武装組織の設立など、新たな挑戦に果敢に挑む姿勢を高く評価します!!

我が国は、必要な支援や提案もどしどしご提供します。

そして、フランスの問題を我が問題と捉え、手を携え、共に乗り越えていきましょう!!」

正に、政治家の演説だな!!

 

後に判明したのだが、意外にも、この演説で「日本連邦がフランスを攻撃しないのだな!!」と、安心したフランス国民が大勢いたのだ!!

 

最後に、アルベルトが演説した。

「フランス国の愛の自由を尊ぶ精神に学ぶことが未だに多いのは、それだけフランスが先進的な社会であることを示しています。

日本連邦の各地の文化などをフランスの方が学ぶ姿勢を、我が国もこれからも忘れずに学びたいと考えております!!」

 

この演説も、フランス国民の琴線に触れ、感動したフランス国民が大勢いたのだ!!

 

何と、この演説が終わった7月14日の午前7時30分には、全てが沈静化してしまった!!

 

午前12時に、『フランス救国委員会』は、日本連邦政府と連名で、「第三次フランス革命」は成功裏に終了したことを宣言した。

私達は、第三次フランス革命の収拾に成功したのだ!!

長い、長い1日が、平和裏に終了した。

 

 

この実績が、私とアルベルトを、大統領へと導く大きな実績となり、大統領への道を切り開いたのだ!!

 




今回は、2129年7月14日、第三次フランス革命勃発と収拾までを中心にまとめました。

宇宙医科大学校の真の目的が『新人類や新文明の創造』であったことが判明しました。
私達は政治家の仲間入りを果たした後、どのように実行していくのか??

私達に対する期待もますます膨らむ中、日本連邦や欧州連邦に加えて、新たにアジア太平洋連邦が結成され、それらの更なる拡大や大統領就任に向けて、何を求められ、成果を挙げるのか??

次回はいよいよ大統領への道を進み、大統領就任です!!
次回をお楽しみに。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。