ロノヴァが拗ねージナヤ   作:怒飲焼

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第13話

「ああ…疲れた…」

 

流石に毎日訓練しているとはいえ…女子2人とのショッピングに付き合うのはかなり疲労が溜まった

借りている部屋に帰り、ベッドにそのまま突っ伏す

 

(そういや…この頃は来ないな…)

 

スネージナヤでいろんなものを開発している時に決まって強制シャットダウンされてたのに、最近は全然起きない

 

(もしかして…スネージナヤ限定?)

 

今までスネージナヤでしか起きていなかった…

つまりスネージナヤ限定の土着神のようなものなのかもしれない

 

(ん?土着神?)

 

何かがひっかかる

何かが…頭の奥で突っかかるような

嫌な違和感

 

「土着神…土着神…」

 

ズキズキと頭が痛む

後少し考えれば何かがわかりそうだが、頭の痛みに耐えきれずに忘れようと頭を横に振る

忘れようとすると不思議なくらい頭の痛みが消えていく

 

「………こわ…」

 

明らかに厄ネタだ

まずまず原神というゲームはプレイしていたのに内容を全く覚えていない…これ自体が明らかにおかしい

存在は知っていても詳細は全く知らない…まるで運命に介入させないようにしているみたいだ

 

「まぁ…考えても仕方ないか…」

 

今の仕事は少女を見つけることだし、別にストーリーで何かを変えたいと思ったことはないはずだ

ただ仕事をこなせばいい

 

「寝れない…」

 

だが、そうやって振り切ろうとしても一度考えたら頭からは離れてくれない

シャワーを浴びて、寝間着で布団に潜って寝ようとするが、どうしても眠れない

諦めて椅子に座るとノートに設計図を書き始める

 

「えっと…ここは…こうで…」

 

作ろうとしているのは現代日本にはなかったが創作の世界で何度も人々の目に触れられてきた物だ

テレポーター…本来なら再現不可能とされているが、元素力のあるテイワットなら可能なのではないか

旅人から聞いたが旅人だけならテレポートが可能な装置がテイワット全域にあるらしい

 

(原理は知らないが…雷元素なら同じことが出来るんじゃないか?)

 

璃月に刻晴という女性がおり、彼女は雷で楔を飛ばしそこに電磁的な何かで自身を引き寄せて移動していた

それを応用すれば長距離移動も可能なはずだ…

 

「雷元素を…避雷針か?…いや…避雷針だと他の雷を引き寄せかねない…」

 

最初は避雷針モチーフで考えるが、そんなに便利なものは作れない

作れたとしてもその避雷針に雷を落とすために空全体に雷元素を広げなければいけないなんて骨の折れることはしたくない

 

(あとは…雷元素をテレポーターに残す?)

 

だが…雷元素を残したと言って何に…

 

(ん?一部残す…テレポート…あっ!)

 

日本でYouTubeを見ていた時にたまたま見かけたキチガイ作戦を思い出す

簡単に言えば一部を切り離した上で大部分を粉々にすることで切り離した一部に再生する疑似テレポート

ワンちゃん出来るのでは?

 

「雷元素の神の目を持ってるなら雷との融和性が高いんじゃないか?」

 

疑問を口に出して掌に雷元素を出現させる

それを限界まで引き出していくと指先が半透明の水色になり始める

 

「このまま…もっと引き出せば…」

 

頭の奥で波の音がする

指先の色とは違い、前腕は黒曜石のように黒く染まり、外側にタコ足のような水色の模様が刻まれている

体の輪郭がブレないように…全身を変化させていく

 

「がっ…」

 

だがその時、心臓が大きく跳ねる

集中が途切れ、体の変化が戻っていく

そのまま机に突っ伏す

 

(クソ…スネージナヤ限定じゃないのかよ…)

 

____________________________________________

 

「………はぁ…」

 

机に突っ伏しているカナメの背後にロノヴァが現れる

だが、今回はその隣に白髪の女性も一緒に立っていた

 

「……イスタロト…きみのせいだね?」

 

「まぁ…そうとも言えるかな…」

 

ぽやぽやと答えながら机に突っ伏しているカナメの頬を撫でるイスタロト

ロノヴァが不機嫌そうに鼻を鳴らすとイスタロトはしぶしぶ離れる

ロノヴァはカナメの先ほど変質していた腕を見る

先ほどのように黒くは変質しておらず、いつもと同じ普通の腕だ

 

「やはり…隠し通すのは…」

 

「大丈夫。彼は絶対思い出せない」

 

イスタロトは周囲の時間を戻してカナメが椅子に座る前…ベッドに寝転んでいた時間にする

そして、カナメが眠っている横に腰を下ろす

 

「もう…彼はここにいるんだから…」

 

髪を耳にかけ、唇を寄せるイスタロト

後もう少しで唇が着く直前、誰かの咳払いで引き留められる

 

「もう時間だ。外の時を止めるのもこれくらいにしといたほうがいい」

 

現れたのはレインドット

ロノヴァは2人がいることにため息をつき、カナメの顔を一瞥してからどこかへと去っていく

イスタロトもカナメの額に唇を付けてから何処かへと消えていく

それと同時にいつの間にか聞こえなくなっていた外の喧騒が再度聞こえるようになる

 

「フフ…また面白いものを作ってるじゃないか…」

 

『もうレインドット?これは彼の記憶を呼び起こしかねないのよ?すぐに消すべきだわ』

 

「分かったよ。残念だが今回は私もそれに同意だ」

 

手に持っていたノートの切れ端を消滅させてから指を鳴らす

息をしていなかったカナメは安らかに息を吹き返す

窓の外から日が差してきた

その部屋にいるのはベッドに寝ているカナメだけ

昨日のひらめきは、誰にも知られることなく闇に葬り去られるのだった




ちょっとした雑談ですが、カナメが付けている神の目は光りません
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