ロノヴァが拗ねージナヤ   作:怒飲焼

21 / 44
第17話

「全く…買い物にこんなに時間をかけるのかしら?」

 

(げ…なんでここに…)

 

「げ…なんでここに…」

 

「心の声が漏れてるわよ。またお仕置して欲しいのかしら?」

 

買い物を終えて部屋に戻った時、部屋に上司が数名居座っていた

左から順に優雅に紅茶を飲んでいる召使様、真ん中でクッキーを食べている傀儡様、そして…1番右端には我が愛すべきクソババア(親愛なる上司)がそこにいた

 

「お久しぶりです召使様、傀儡様、淑女様」

 

恭しく礼をする

一応3人とも上司だ

体裁を整えて礼をするのが礼儀だろう

 

「そこまで仰々しくしなくてもいい。今は私達の方が君の住まいにお邪魔しているんだ」

 

「そうよ。部屋の主が堂々としていないなんてみっともないわね」

 

優しく答えてくれる召使と厳しく言ってくる傀儡

いつも通りの2人だ

 

「それで?コロンビーナは見つかったの?」

 

淑女が聞いてくる

彼女も少女とは仲良くしていたそうなので心配なんだろう

 

「その…ついさっき見つけたんですけど…」

 

「何よ。見つけたんじゃない。なら何を言い淀んでんのよ」

 

見つかったことで安堵したのか少しばかり表情が和らいだ傀儡がそう言ってくる

 

「ならあとはスネージナヤに帰るだけじゃない。2週間も有給とるんじゃなかったわ」

 

「いや〜あの〜少女様がァ〜」

 

カナメの煮え切らない様子に何かがおかしいと感じた3人はそれぞれカップを机に置く

 

「その……帰りたく…ないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はァァァァァァァ!?」

__________________________________________________

「ちょっとコロンビーナ!何帰らないなんて言っちゃってるのよ!」

 

「だって、帰りたくないんだもん」

 

鬼気迫る表情の傀儡に脅されて泣く泣く少女の下へと案内させられる

後ろから召使と淑女も着いてきており、銀月の庭に着いて少女の姿が見えた瞬間飛ぶように傀儡が近くまで行き少女の肩を掴んでグラグラと揺らしている

 

「何が「もん」よ!アンタこんな所で生活してるわけ!?」

 

傀儡が周りを差す

本当に何もないただの花畑の洞窟だ

 

「ちゃんとご飯食べてるよ。像の前にご飯を置いてってくれる人がいるんだ」

 

「ちょっとそれお供えものじゃないの!そんなの食べたら罰当たるわよ!」

 

のんびりとした様子の少女にキーキーと怒る傀儡

それを見て召使と淑女は穏やかに笑っている

 

「……あの2人本当に仲良いですよね」

 

「お茶会をする度にあの2人はあんな感じよ」

 

まるで淑女は孫を見るような婆…「いてて抓らないでくださいよ」

 

「あんたが変なこと考えるからよ」

 

隣の淑女がずっと頬を抓ってくる

 

「カナメ?」

 

そんな時、後ろから聞き慣れた少女の声がした

そして、その少女はここには居て欲しくなかった少女だった

 

「あら…この声は…」

 

古傷が痛んだのか体の傷跡を抑えながらドスの効いた声を出す淑女

カナメは恐る恐る後ろを振り返る

そこには目から光が消え失せた蛍とその後ろに隠れるパイモンの姿

蛍の手には剣が握られている

 

「あー…蛍?ちょっと待ってくれ」

 

「見つけた…やっと…」

 

何かを呟く蛍

そのまま何かをブツブツと呟いたかと思うと一瞬でその姿が消えた

 

「ッ!?」

 

だが、消えたように見える雷元素を纏った高速移動もカナメには見えていた

淑女の首目掛けて振るわれた剣を剣で止める

淑女もどうやら見切れていたらしいが、さすがにここで戦闘させるわけにはいかない

剣を受け止められた蛍は目を見開き、だがすぐに憎しみに眉間の皺が深まる

 

「ッ!?なんで!?止めないでカナメ!」

 

「一回落ち着け!」

 

カナメは雷元素を解放し、冷静さを失っている蛍に向き合った

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。