「………蛍?」
「………何?」
カナメが借りている部屋の中、むすっとした顔の蛍の前で正座するカナメの姿がそこにはあった
蛍は少し顔を赤くしながらチラチラとカナメの方を向いては目が合う度一気に耳まで赤くして目を逸らす…そんな行動を繰り返していた
「その…さっきは俺が悪かったからさ…」
「……そんな言葉で済むと思ってるの?生娘の初キス奪っておいて?」
何があったか説明すると、蛍が目を覚まし、いたはずのカナメが居ないことに気づくとすぐさま動いてカナメの部屋まで向かい、ドアを蹴破った
まだその時はカナメは眠りについていたものの、すぐさま目を覚ました
跳び起きたカナメと上から顔を覗き込んでいた蛍の顔は避けられない勢いで近づき、見事唇と唇が触れ合ってしまったのだ
「………だけど…これ以上に俺に出来ることなんて…」
「…………」
何かを言いたげに睨んでくる蛍
だが、生憎カナメは何かピンと来ていない
「……じゃ、じゃあ?初めてのキスを奪うなんてほんとにひどいことだし…本来キスってつ、つつつつ…付き合う人同士でやることだし?な、なら…私たちも…そ、その…恋人に………「おい!腹黒野郎!大丈夫か!?」「カナメさん!」…………」
蛍が何かを言おうとしたとき、パイモンちゃんとティレルが入ってくる
蛍は少し残念な顔をしながら少しだけカナメから離れる
「びっくりしたぜ…急にいなくなるんだもんな」
「うん。いつの間にか寝ちゃってたから…」
そう言いながらカナメを確認するように触れるティレル
しっかりとそこにいることを確認したティレルは安心したようにカナメの隣に座る
「そういえば…何の話してたんだっけ…」
「あれ…何だっけ…」
何を話していたかもよく覚えていない
何が大切な話をしているはずなのに……
「ま、忘れるってことはそこまで重要な話じゃ無かったんじゃないか?」
「そうだね」
結局パイモンちゃんの言う通りそこまで重要な話じゃなかったと話を締めくくる
「そういえばごめん…淑女のこと…」
「いや別に大丈夫だ。誰だって先入観がある」
売って変わって一変、彼女は理性的に考えられるようになったようだ
「少女と仲良くお茶してるって話も聞いたし…まぁ…仕事とは言っても好きにはなれないかな」
「それでいい。俺も色々急ぎすぎて何も説明しなかったのが悪いしな」
ようやく互いに和解ができそうだ
「……とは言ってもお詫び位はしなきゃだよね…カナメ、ちょっと買い物付き合ってよ」
「わかった。いい店がある。話し合い位は済ませとくべきだな」
剣を向けたこと、急に襲いかかったことなどを菓子折りを持って銀月の庭に向かい、カナメと蛍は謝罪しに行った
淑女も随分溜飲を下げており、そのままお茶を振る舞われたことに呆気に取られている蛍の顔は面白かった