「おい嘘だろ!?」
蛍、召使、ラウマ、カナメが走る
囚われたコロンビーナの元へ
その上には同僚であるはずの博士が浮遊していた
「先に行くぞ!」
雷元素を解放して博士を強襲する
「ほう?今の私に挑んでくるか」
博士が手を振っただけでその場の法則が変わり、カナメは重力に振り回される
そのまま空に
(クソ…なんでもありかよ!)
雷元素を鎖のように造形し、そのまま近くの山に突き刺す
その鎖を伝って山の頂上に着地する
「…あれは……」
おそらく蛍やそれ以外の人たちも到着したのだろう
だが、全員が動きを止めていた
まるで時間そのものが止められてるかのように
その中でも蛍だけは動いて博士に攻撃している
(今のうちにコロンビーナを…)
雷元素をさらに放出に、色が紫から金色に変わる
神速でコロンビーナの元へと駆け出す
「おっと。1人だけに集中してはいけないな。私の悪い癖だ」
だが、それも博士に停められてしまう
そのまま博士に念力で浮かされる
「………ほう?影の造物か…」
掴んで気づいたのかカナメをじっくりと見る博士
その間も蛍が攻撃しているが片手間で防がれている
「……さっさと放してコロンビーナ返してくれよ」
「それは出来ない相談だ」
何とか藻掻くが、三月の力には敵わない
「……だが…お前は危険すぎる。ここで消させて貰おう」
「がっ!?」
博士がカナメに手を向けるとカナメの身体に異変が起きる
四肢から細かい線に解かれている
「カナメ!?」
「あああっあああああ!?」
段々と裂かれていく四肢
そして四肢が完全になくなり、胴体まだ消え始める
「やだっ!辞めてッ!」
苛烈に攻撃を繰り返す蛍だがカナメの崩壊は止まらない
「蛍ッ!コロンビーナを!」
カナメは箱の中で苦しそうにしているコロンビーナを指さす
蛍は少しの逡巡の後、コロンビーナへと向かって走り出す
「……あっ…」
コロンビーナと目が合った
厳格には目は開いていないが、視線が合った気がした
そして、彼女のやろうとしていることが分かってしまった
(ダメだ…そんなことしたら…)
もうカナメも目の周辺しか残っていない
だが、蛍は妨害を乗り越えてすぐそばまで進めている
このまま進めばコロンビーナだけでも助けられるはずだ
(頼む…俺のことは良いから!)
だが、願いむなしく、カナメはコロンビーナのやろうとしていることに気が付いてしまった
何かを呟いているように見えるが、耳が無いので聞こえない
もう片眼も消えてしまった
(ああクソ…もう意識も…)
もはや感じるのは虚脱感のみ
最後に残った右目も崩れていく
ただただ消える事実を受け入れるしかないのか
伸ばしたい手も、叫びたい口も、今はもうない
ぼやけた視界で見えたのは、青い門に身を投げるコロンビーナと、地面に落ちていく蛍だった