「…女皇…」
「今は喋らなくていいです。ただ体を休めなさい」
遠征は成功に終わった
吹雪で女皇とカナメ以外の隊は途中で脱落してしまい、結局2人で倒すことになった
だが、魔獣の前にいた2人組の影響でカナメもついにダウンしてしまい、今は洞窟の中で焚き火を起こして休んでいるところだ
「その…俺は地面でも寝れるので…」
「遠慮しなくていいわ。それで体を痛められたらこの後に支障が出るもの」
女皇の膝の上で…
女皇は真顔で膝の上に乗せているカナメの頭を撫でている
「……もう大丈夫ですから…」
その後も10分くらい格闘してようやく起き上がれる
既に女皇は出る準備を終えていた
「これで吹雪は良くなりますかね」
「ええ。あの獣が起こしていたのだから。これで少しでも民が楽になれば良いのだけど…」
今、スネージナヤはかなり厳しい状況だ
だが…それも全てスネージナヤの民のため
天理からの束縛から解放されるための反逆の狼煙だ
「貴方にも感謝するわ。獣の討伐にも一助してくれて」
「いえいえ。俺は貴女に拾ってもらったんだ。貴女のおかげで生きているって言っても過言じゃないですし、できるなら協力して当然ですよ」
女皇に向けて頭を下げる
女皇はそれを見て、そっとカナメの頭を撫でた
カナメは少しこそばゆくなって目を瞑る
「さぁ行きましょう」
女皇は吹雪の止んだ洞窟の外に出る
カナメも追って外に出る
スネージナヤでは久々の晴れだ
寒空の雲の高さで日本の冬を思い出した
「……故郷を思い出したの?」
「はい。私の国には四季というものがありました。暖かい日、暑い日、肌寒い日、寒い日…今日みたいな寒さの地域もありましたよ」
「とても豊かな国なのね」
「ええ。いつか、皆にも見せれれば…」
「もし…天理を打ち倒したのならそれも可能かもしれないわね。そのためにも…」
女皇の目が鋭く光る
その目は空の彼方…そこにはいないものを睨んでいる
「凱旋よ。スネージナヤに帰りましょう」
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スネージナヤの街に、民衆が集まる
外から帰ってきた遠征隊を、女皇を1目見ようと皆が押しかけている
「女皇様!」
「ヴェスナ様ァ!」
「ダニカ様踏んでくれぇ!」
(またいるよ)
3人とも顔がいい
それでいて強く、頼りになると来ればファンが着くのも不思議じゃないだろう
「カ、カナメ様!」
「ん?」
そんなことを考えながら歩いていると、民衆の中から自分の名前を呼ぶ声がしてそちらの方をむく
茶髪でら青い目の少女と目が合った
彼女は頬を赤くしたあと、どうしようと狼狽えていた
「…………」
別に何も言わず、ただ手を振る
少女は目を輝かせながら何度も頭を下げていた
(意外と嬉しいな…)
「痛っ…」
そんなことを考えていると前の方からナイフが飛んできた
ナイフ程度なら刺さらずにちょっと痛いだけだが、一応キャッチして袖の中に隠しておく
前を見るとダニカが目を光らせていた
「…はいはい」
恐らく現を抜かさずに真面目にしろということだろう
前を向いて、列に合わせて歩く
だが、先程の少女の横に、見慣れた金髪が見えた
(来たか)
彼女の方を向いて手を振る
気づいた彼女…蛍も笑顔で手を振り返す
口パクで、彼女に言葉を伝える
「ようこそ、スネージナヤに」
そのまま遠征隊はスネージナヤパレスに入る
隊員達は所定の位置に着き、ダニカとヴェスナは女皇の玉座の両隣に立つ
そこから少し奥に道化、道化と反対の立場にカナメは立つ
そして、女皇の方を向いて、礼をする
女皇は優雅に、玉座に鎮座した