ロノヴァが拗ねージナヤ   作:怒飲焼

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第5話

「頭いてぇ…」

 

あの後、結局寝れなかったから寝不足で頭が痛い

今日は隊長たちとは別行動を言い渡され、何となくナタをブラついている

隊長から言い渡されたのは3つ、1つ「アビスの魔物を見つけ次第撃退すること」、2つ「なるべく困っている人を助けること」、3つ「隊長の訃報を聞いた時は即座に撤退すること」

俺は子供か

 

(ま、あの隊長のことだし訃報なんてそうそう聞かねぇよな)

 

そう思いながら歩いている

まぁ、早々アビスの魔物に襲われる人なんて見つかるわけ…「誰か!?助けて!」

 

「マジかよ」

 

雷を纏って移動する

駆け付けざまにアビスの魔物に蹴りを入れ、そのまま吹き飛ばす

だが、良い攻撃が入った感触が無い

 

「ミミックフローラ…面倒な…」

 

全身が紫色に発光しているなんとも言えない魔物

やはり攻撃は効いていなかったのか起き上がり、すぐに跳びかかってくる

空中で変形し、遺跡守衛になる

 

「ッ!面倒だ!」

 

昨夜のように魔法陣を介して手に雷球を作り出し、その雷を纏った拳を叩きこむが、相性の問題か大して効果が見えない

よく見るとミミックフローラの体表に薄いバリアのようなものが張られている

それは元素で削れているようだが、効果は薄そうだ

 

「クソ…ちゃんとナタの魔物について勉強してくるべきだったな…」

 

腹を決めて腰の後ろにぶら下げているそれに触れる

触れる必要はないが、師から教えられた一種の自己暗示だ

 

「バリアがあるなら…削り切っちまえば良いよな…」

 

深く息を吸い、元素力を更に解放しようとしたとき、突如目の前のミミックフローラが狙撃される

いや、射撃だ

カナメの真上で耳をつんざくような音が鳴り、無数の弾丸がミミックフローラに殺到して遂にバリアが剥がれた

 

「何が何だが分からんが…よし!」

 

元素の解放を止め、元々纏っていた雷元素でミミックフローラを殴る

バリアの剥がれたミミックフローラは柔らかく、一撃で消し飛んでしまった

 

「ふぅ…誰だが分からんがありがとな」

 

後ろを振り返り、先ほど射撃をしていたであろう人物に感謝を述べる

リボルバーの上に立ち、飛行していた彼女はリボルバーを低空飛行させるとそのまま地面に着地する

 

「こちらこそ。花翼の集の民たちを守ってくれて感謝する」

 

黒味がかった赤髪にカウボーイのような衣装に身を包んでいる彼女は近づいてくると手を差し出した

 

「私はチャスカだ。ナタの民族間の争いを仲裁する調停者だ。よろしく頼む」

 

「カナメだ。あ~ちょっとナタには野暮用でな」

 

まだナタとファデュイ間の状況はあまりよろしくない

流石にファデュイであることを大っぴらに話すのは賢明じゃないだろう

 

「ほう?昨日…襲ってきたアビスの魔物を旅人と共に撃退した人物を探しているのだが、何か知らないか?」

 

「……知らないな。ついさっきここには来たんだ。力に慣れなくて済まない」

 

「いや良いんだ。この後時間はあるか?あるならせっかくナタに来たのだし花翼の集を案内したいんだ」

 

「……ならお願いしよう。俺も少し聞きたいことがあるんだ」

 

見たところ彼女はかなり警戒心の高いタイプに見えるが…やけに距離を縮めてくる

旅人から特徴を聞いていたのだろうか…今の状態の旅人に会うにはリスクが高すぎる

聞きたいことだけを聞いたらすぐに立ち去ろう

そんなことを考えながらチャスカの後をついていく

歩いている途中の会話は他愛のない世間話

 

「着いたぞ。ここが、花翼の集だ」

 

木をベースに建てられた上に伸びている塔のような、しかし広場などがあるかなり変わった造りの建物

チャスカに似ている服装の人達が朱色のフラミンゴのような生物と共生しているようだ

 

「ようこそ。花翼の集に」

 

チャスカが手を広げて歓迎の意を示す

最初に花翼の集の長のところに向かい、挨拶をした

チャスカがアビスの魔物との戦闘能力があることを説明したところ大いに歓迎された

 

「さて、私の用事はこれでおしまいだ。付き合わせて悪いな」

 

「いいや。別にそこまで手間がかかる事でもないしな」

 

「礼を言う。それで…お前が私に聞きたいことがあると言っていたが…何だ?答えられることならなるべく答えよう」

 

「ああ。さっき、ミミックフローラを倒した際に、バリアが貼られていたと思うんだが…どうしても俺ではあれを壊せなくてな。だけどチャスカは簡単に壊して見せた。何が違うのか、コツが何かあるなら教えて欲しい」

 

カナメが聞きたかったのはミミックフローラへの対処方法

バリアを破壊する方法は絶対にあるはずだ

 

「夜魂の加護…我らナタ人にのみ夜神からの加護が与えられているんだ。ミミックフローラには夜魂の加護を持った人の元素力で攻撃するしかない」

 

「民族特有の力か…それはお手上げだ」

 

カナメ自身元素力の応用などは人より自信があるが、民族特有はさすがに無理だ

 

「夜神様に頼めば行けるかもしれないが…」

 

「夜神様?」

 

「ああ。夜魂の加護はナタ人が夜神様から賜ったものだ。8割方不可能に近いだろうが…もしまだ諦めないのなら謎煙の主に行ってみるといい。そこの黒曜石の老婆を訪ねてみたらいいかもしれない」

 

チャスカが腰に付けていた地図を取り出すと花翼の集から謎煙の主への道筋を書いて渡してくれた

 

「私はまたアビスの魔物がいないかパトロールに行ってくる。君と戦えることを楽しみにしている」

 

また銃に乗って飛び去るチャスカを見送り、カナメも謎煙の主へと歩をすすめ始めた




読んで頂きありがとうございます!
カナメの元素スキルとか元素爆発は色々考えてるんですが…興味ありますかね?
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