ただでさえ本編が原作開始3年前なんだぞ?それの過去編とか難しいに決まってるだろ!!
それはそれとして、遅くなりましたすいません!!!
『お前、腹減ってんのか』
雪が降る寒い夜、数日間何も食べられず気が遠くなりかけていた日に、私は、後に兄となる少年──レンと出会った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『ほら。お粥作ったから食べな』
『………ありがとう』
私は彼に拾われ、そのまま家に連れて行かれた。
『………おいしい』
『そりゃよかったよ。多めに作ってるからたくさん食べな』
アリウスでは貴重な卵を使って作られたおかゆは、今までの人生で一番おいしく感じられた。それが、卵が使われていたからなのか、誰かが作ってくれたからなのかは、当時は分からなかったが。
『………なんで』
『ん?』
『なんで、こんなことをしてくれるの?あなたも、そこまで余裕があるわけでもないはずなのに……』
その日食べる食事さえままならない環境では、人に食糧を分ける余裕がないことはよく知っている。じゃなければ私は今空腹で苦しんでいないのだから。
なのに、彼は私の質問に対して不思議そうな表情を浮かべた。まるで、理解ができないと言いたげな表情だった。
『苦しんでる奴がいて、自分に解決する手段があったから。それだけだよ』
『………そっか』
よく、分からなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
あの日から、私は彼と……レンと、同じ家で暮らすことになった。
最初は断ろうとしたが、私には食べる当ても何も無かったから甘んじてその善意を受けた。
どう恩を返せばいいか思い付かなかったが。
『サオリ、何か食べたいモノあるか?』
『レンがつけるのはどれもおいしいから何でもいい』
『嬉しいけど困るなぁ……』
そう呟きながら、レンは出掛けた。季節は冬から春に変わったのだが、アリウスはずっと曇っているから気温以外での変化をあまり感じることができない。
そこでふと、気になることが生まれた。
『レンはどこから食材を取ってきてるんだ……?』
レンに食事を作ってもらうようになってから、何度か卵以外にも魚や野菜などの貴重な食材が食卓に出てくることがあった。出された時は美味しさで何も考えていなかったが、今思えば何故そんな気軽に出てきていたのだろうか。
『………帰ってきた時に聞けばいいか』
一度考えるのを止めて、私は使えそうな物資を探しに行った。
家に、レンが知らない少女を連れて帰ってきたのを見て疑問は吹き飛んだが。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
『レン、いつも食材はどこから取ってきてるんだ?』
その疑問を聞けたのは、家の人数が6人になってからだった。
レンが最初に連れて帰ってきた少女……ミサキからヒヨリ、アツコ、アズサと、日に日に増えていった。
別にそれはいい。幸い今住んでいる家は広さだけはあり、まだ人数が増えても家の中に収まる程だ。それにみんなと仲も良いから生活していく上でも問題はない。
ただ、一つだけ気になっている事がある。
食事に問題がないのだ。
人数が増えて6人になり、最初の頃から食材の量が3倍……ヒヨリはたくさん食べるからそれ以上必要となったのに、毎日三食おいしい料理が出てくるのだ。これは流石におかしい。
そう思って聞けば、簡単に話してくれた。
『ん?アリウスの外からだけど』
『……………………は?』
アリウスの、外?
『外に行って買い物したり山とか川で食材採ってきてるよ』
『お金はどうしてるんだ?アリウスでは基本使われないから無いハズだが……』
『雑用とか賞金首捕まえて稼いでるから問題ないよ、サオリが気にすることじゃない』
『ずっと養われてきてるんだ、気にもする』
『本当に気にしなくても良いんだがなぁ……』
賞金首はよく分からないが、雑用は掃除や荷物を運ぶことだろう、なら。
『……レン』
『どしたよ』
『次外に行く時、私も連れて行ってほしい』
『………………え゛』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なんだか、初めてレンに頼み込んだ気がする。
その甲斐あってか、外への同行をレンの側から離れないという条件付きで許された。アツコ達……特にアズサから羨ましがられたが、これは遊びじゃないからな。連れて行くのはもう少し大きくなってからが良いだろう。
『………サオリもそんなに年齢変わらないだろ』
『それを言うならレンもそうだろう』
『俺は年長者だから問題ない』
『そういう問題か……?』
私より年齢は一つ上だが、それでもまだ7歳だろ。
『ところで、魚が釣れる気配が全くしないのだが』
『釣りは気長にやるもんだよ』
『既に30分は経ったと思うが』
『その待つ時間が釣りの醍醐味なんだよ』
『そうなのか……』
今、私たちは釣りをしている。レン曰く、初めてアリウスの外に行くから慣らしを兼ねて、らしい。
……………釣れないな。そろそろ1匹くらいは釣れても良いと思うが……。
『……サオリはさ、考え過ぎなんだよ』
『……?どういうことだ?』
『今も家でもずっと何かを考え込んでるだろ?それが関係してるか分からないけど口調も変わったし』
『………』
『何も考えるなとか言えないけどさ。たまには、それこそ釣りしてる時くらいは気を抜いても良いんじゃない?誰も怒ったりなんかしないよ』
『……そうか』
『そうだよ』
……確かにずっと、みんなのことや恩返しのことを考えてはいたが、背負い込み過ぎていたのだろうか。
……よく、分からない。でも、魚は釣れるようになった。嬉しかったが、レンが私より喜んでた。そんなにこの魚が好きなのか?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『ふむ、神秘もヘイローも無い男の子供ですか……』
『私にとっては羽虫同然ですが、ロイヤルブラッドと共に居るのは些か困りますね』
『——早急に処分しましょうか』
レン
アリウスで育ったが、アリウス出身ではない(ネタバレ)ドン引きするほど目が良い。何処ぞの赤い外套の弓兵並み。
サオリ
描写外で外に出た時テンションが上がりまくってた。レンが温かい目で見てたら顔を真っ赤にして俯いてた。カワイイ
数ヶ月に兄さん呼びになってレンが喜んでた。
ミサキ、ヒヨリ、アツコ、アズサ
結構早い段階で兄さんお兄ちゃん呼びになった妹's。サオリは呼ばないの?みたいなことを聞いた結果サオリも兄さん呼びに。
○○
レンが物心つく前に一時的に保護して最低限生きられる環境を作ってそこに置いてった人。つまりは今住んでる家を作ってくれた人で、ナイフやら料理本やら文字覚える本やら色々と置いてくれていた。よく「クックック」と笑うらしい。レンは覚えていない。
レンに釣りを教えた猫獣人(初対面)
……ん?おや君、釣りをしたことがないのかい?なら君にこの釣竿をプレゼントしよう。なに、遠慮は要らないさ。私も釣り仲間が少なくて寂しかったから丁度いいんだ、君さえ良ければ受け取ってくれないかい?
赤肌サバ読みババア
大人を自称する癖して生徒会長を名乗るくそ痛いやつ。自己中が極まってて、なんかそれっぽい言葉を羅列する子供大人。