「だ~か~ら!ヴィランはケツの穴にチュロス二度漬けして、イッキ食いさせてやりゃいいって言ってんの!分かんない?センスねぇ~。」
静まり返る教室。まぁ、こんなのは慣れっこだ。X-Menの連中から、何度こんな目で見られたことか。
A組一同「出てけコノヤロー!!!」
やぁ皆。言いたいことは分かるよ。「仮にも教師がこんなこと言っていいのか」って?ま、駄目だから今こうして、職員室に送還されてる。でも考えてもみろ。俺がガキのころに教師が言ってたことなんて、浮気の言い訳の仕方しか覚えてない。それに比べたら、結構マシな話をしたつもりなんだけどね。
「反省文書き終わった?デッドプール。」
「あぁミッドナイト。今半分書き終わったところ…関係ないんだけど、アンタのコスチューム、漫画のカバーだと肌色だったのに、アニメだと白色なのは…」
「それ以上言ったら縛るわよ。」
「ワ~オ刺激的~。むしろ大歓迎~。」
やっと教室に戻れたよ。さぁ、説明を始めようか。まず、なんで俺ちゃんがエグゼビア校じゃなくて、ここ、雄英高校に居るかというと、これには、ちょっとした事情がある。それはある人に言われてきたんだ。彼の名は、ドクター・スティーブン・ストレンジ。マルチバース界のブラッドピット。二次創作の導入には、彼以上の適任なんていないね。俺ちゃんが家で刀を研いでいると、ポータルが開いたんだ。
「ウェイド・ウィルソン。私の名はドクター・ストレンジ。突然だが、君に頼みがある。」
「ドワァークソッ!びっくりした…ドクター。俺ちゃんの家に来るときは、インスタでDMしてから来てくんないと。」
「…何を言ってる?まぁいい。今、一つの世界が、マルチバースの影響を受けている。その世界の地球は、人類の八割が、『個性』と呼ばれる異能力を持っていて、ヒーローが職業となっている。」
「あら、ミュータント狩りは行われてないわけね。」
「…話を続けるぞ。その世界に、良からぬもの達が迷い込んだ可能性が高い。別の世界の者が居続けると、その世界に悪影響を与える恐れがある。だから、君にそれをなんとかしてもらいたい。」
なるほど、つまり、俺ちゃんがその世界の主人公になっちゃうってことね。リョーカイ。いつもの流れだ。だが、またマルチバースが絡んでんの?失敗に終わらないといいけど。
「分かった。そんじゃ、ちょっとあっち向いてて…」
「…?なぜだ。」
「着替えるからに決まってるでしょ!ドクターのエッチ!」
「あぁ…すまない…なぜ私は謝っているんだ。」
クローゼットから、俺の自慢の一張羅を取り出し、着替える。洗濯したて、ナッツミルクの一滴も付いてないよ。しかし、一人で着るのは大変だね。あのおさわりオジサンを、初めて恋しいと思ったよ。
「では、行ってきてくれ。幸運を祈る。」
ドクター・ストレンジが手を振り、ポータルを開く。
「おぉ~。マーベルの光る穴……じゃ、デップー行きま~す。」
俺ちゃんは、黒板にいきさつを書き終わり、皆に向き直る。
「てなわけで、俺ちゃんはこの学校に来たわけ。」
生徒たちはポカンとしていた。まぁ、皆確かにそうなるよね。マルチバース設定って、初見じゃだいぶ意味わかんないもんね。
「はい、というわけで、彼を雄英高校の教師として迎え入れることになりました…事情は聞いている。少なくとも、彼はこの世界を守る意思があるそうだ。」
「は~い!どうも~、転校生の、デップーちゃんで~っす!ありがとイレイザー。」
「あ、あの…質問いいでしょうか?」
「はいそこの冴えないメガネ君!」
「は、はい…飯田天哉と申します。その、デッドプール先生は…」
「ねぇ、今のその、『先生』ってのもう一回言って。なんか胸にグッと来た。」
「あぁ…はい、先生は、ヒーローなんですか?」
「はい、そ~で~す!俺ちゃん、スーパーヒーローよ?カナダが生んだ最高傑作。」
「はいはーい!アタシ芦戸三奈!先生、質問いいですか?!」
「はあいそこのピンクちゃん!」
「先生の個性ってなんですか?!」
「よくぞ聞いてくれました!ちょっと刺激的だから、苦手な子は目ぇ瞑っててね。」
俺ちゃん自慢の銃で、自分の頭を撃ち抜く。悲鳴が聞こえて、ちょっとばかし倒れてから、俺ちゃんは立ち上がる。
「これが俺ちゃんの力『ヒーリングファクター』、言っちゃえば超回復ってやつ。これのおかげで、俺ちゃんは基本何されても死なない。」
皆ざわざわしちゃって~。そんなにすごかったなら、もう一回見せてあ・げ・る…
「おいデッドプール、生徒の前で銃は止めろ。」
「あ、はい…すいません。」
こうして、俺ちゃんの教師としても生活が始まったってわけ。
デッドプールがこの世界に来る数日前、この世界に、彼の知らない所で、ある異常が生じていた。複数の箇所で、次元の壁が壊れ、世界に何者かが流れ込んだ。それは、別次元からの来訪者。悪しき心を持つ者達。
ーUSJー
彼はこの星に舞い降りた。正確には、落下した。混沌と、支配を求めて。
「ウワァ〰〰〰〰〰〰……グアァ!……落ち続けていたぞ…30分もだ!」
ー死穢八斎會・庭園ー
彼は英雄だ。少なくとも、彼自身はそう信じている。彼は世界に認められたい。その為ならば、何をしたって構わない。
「おどれどこの組のモンじゃあ!」
「待て…お前、名を名乗れ…場合によっては、今ここで…」
「ベ、ベック!クエンティン・ベック!一体全体、ここはどこなんだ!」
「お前…病人か…?」
「……いや、科学者だけど…」
ーデトネラット社・ネットワーク内ー
「なんだこのコードは?!」
「はやく解析を済ませろ!」
「……ひどいノイズで…身動きが取れなかった……糸が…絡みついていた……」
「落ち着け!なんだこいつは…!私は人生で一度しか失敗していない…たったの!一度だ!」
彼はこの世界を憂いた。人類による破壊を、虐殺を、止めなくてはならないと決意した。
「答えろ貴様!目的はなんだ!」
決断は下される。人類よ、私の選択を受け入れろ。
「……平和をもたらす。」